経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率昨年に比べて9.83%減少し、91.10%となった。減少した主な原因は、前年度に比べ、維持管理費や地方債償還金が増加したためである。④企業債残高対事業規模比率昨年に比べて972.90%減少し、0.00%となった。減少した原因は、下水道事業における資本費に対する繰出基準に基づき、地方債償還に要する資金の全部を一般会計で負担したためである。⑤経費回収率昨年に比べて8.79%増加し、49.02%となった。増加した主な原因は、清掃後に帰属した浄化槽が多く、今年度に清掃の対象とならない浄化槽が多く存在したことにより、浄化槽使用料に対して汚水処理費の割合が減少したためである。⑥汚水処理原価昨年に比べて204.57円減少し、171.07円となった。減少した主な原因は、昨年より管理基数に対する汚水処理費が減少したためである。また、管理基数の増加に伴い、年間有収水量が増加したためである。⑦施設利用率浄化槽の処理能力量のうち、実際に処理している量(処理量)の割合を示す値である。人口や世帯員数といった自然要因により処理量が減少しやすい傾向にあるが、令和2年度から使用状況に合わせ浄化槽の人槽を算定しており、数値の改善を図っている。⑧水洗化率処理区域内人口のうち、水洗便所設置済人口の割合を示す値である。当該事業の現在排水区域内人口及び現在処理区域内人口は、浄化槽設置済人口と同じ値となり、浄化槽設置済人口は、水洗便所設置済人口と同じ値となるため、常に100%となる。
老朽化の状況について
当町の特定地域生活排水処理事業(横瀬町浄化槽設置管理事業)は、平成26年10月から整備を開始したものであり、現時点では老朽化による浄化槽の更新は実施されていない。合併処理浄化槽の駆体は土中に設置されるものであるため外的要因による劣化が発生しにくいが、内部部品や耐用年数が少ないブロア(送風機)については、故障しやすいため修繕の対象になりやすい。特に、設置年数が経過している帰属にあたる合併処理浄化槽において、老朽化が原因により、ブロアの修繕や交換が数件発生している。今後も浄化槽法に規定されている保守点検、清掃、法定検査等の実施し老朽化の状況を把握するとともに内部部品やブロアについては、保守点検等の結果に基づき、必要に応じて修繕等を行い浄化槽の機能が適正に発揮されるよう維持管理していく。
全体総括
当町の特定地域生活排水処理事業(横瀬町浄化槽設置管理事業)は、浄化槽処理促進区域(下水道全体計画区域を除いた町内全域)において合併処理浄化槽を設置、維持管理するもので、生活排水による公共用水域の水質汚濁を防止し、併せて生活環境の保全及び地域公衆衛生の向上を図るため必要不可欠な事業である。事業開始から8年目となる令和3年度末時点において、管理している浄化槽は214基となっている。使用料収入は、設置人槽に応じた定額制のため、設置基数に比例して増加している。支出については、年々、清掃業務における汚泥引抜単価の増加により、業務委託料が増加してきており、事業の負担となっている。そのため、令和3年度より、浄化槽の使用状況に応じて、汚泥の引抜量を適量とする方法を導入し、維持管理費用の削減を実施している。引き続き、安定した経営を図るため、維持管理費の削減に取り組んでいく。収入については、経費回収率及び汚水処理原価の改善のため、今後もホームページや町広報誌への掲載、戸別訪問等による啓発活動を積極的に行い、管理基数を増やすことで使用料収入を増加させ、安定した経営を図っていく。