三豊総合病院企業団：三豊総合病院

地域において担っている役割

当院は、西部保健医療圏（観音寺市・三豊市）における中核病院であり、地域住民へ安心、安全な医療を提供することを使命としている。急性期病院としての救急医療や高度・先進医療の提供、がん診療、手術治療、地域医療支援病院としての地域医療連携の推進などの役割を持つ。また、新型コロナウイルス感染症については重点医療機関として検査、治療を数多く行っている。新型コロナウイルスのワクチンに関しても接種会場として多くの住民に接種した。

経営の健全性・効率性について

令和2年度も前年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受け病床利用率は低下し、その結果、医業収支比率が低下している。経常収支比率については補助金が増加したため上昇している。1人1日当たりの収益は重症化患者の比率が上がっているため増加傾向にあるが、地域の特性上、回復期、慢性期の患者も入院するため全国的にみると平均を下回る。職員の給与費はほぼ横ばいであるが医業収益の減少により比率は上昇している。増加割合は全国平均と同等である。材料費は収益の減少に合わせて比率も低下している。

老朽化の状況について

減価償却率については、病院主要建物が平成25年に新築・改修したこともあり、償却率は年々上昇している。器械備品については、毎年、一定金額の更新を行っているため、償却率は全国平均に比して高めとなっている。今後は、建物の建て替えや高医療機器の更新が予定されているため、償却率は一時的に下がる見込みである。

全体総括

新型コロナウイルス感染症の影響や人口の減少により患者数の増加が見込めない状態となっている。しかし、地域住民への安心、安全な医療を提供するためには、24時間体制の救急医療の継続、医療従事者の確保、高度医療機器の導入などを行っていく必要がある。今後は、紹介率の上昇や手術件数の増加等により収益単価の増加を狙い、また、無駄のない購入を心がけて費用を抑制することにより健全経営の維持を目指す。