経営の健全性・効率性について
H29年度は前年度に比べ一般会計からの繰入金が減少したが、⑥汚水処理原価が削減されたことにより①収益的収支比率及び⑤経費回収率ともに前期比で増加した。繰入金への依存度は高いものの、収益性は改善傾向にあると言える。④企業債対事業規模比率は類似団体平均より大幅に低く、企業債への依存度は低い。⑦施設利用率は類似団体平均よりも高く施設は効率的に運用されていると言える。⑧水洗化率は100%であり人口減少も鑑みると、今後の大幅な収益力向上は見込めないが、地道な経費削減努力を継続するとともに、使用料の見直しについても検討していく必要がある。
老朽化の状況について
個別排水処理事業は、各家庭に設置した浄化槽で汚水処理を行い、川や水路に排水しているため、処理場や管渠を有しない事業である。供用開始が平成8年4月1日であり、20年超経過していることから、修繕及び点検・清掃・水質検査などの管理方法を検討していく必要がある。
全体総括
高野町では、公共下水道・特定環境保全公共下水道・農業集落排水・個別排水処理・生活排水処理と下水道事業を展開しており、下水道普及に努めている。この結果、類似団体平均を大きく上回る水洗化率を達成している。このうち、個別排水処理事業は町が維持管理する合併処理浄化槽を各戸別に設置することで、山間部の汚水処理を行っている。収益性は比較的安定しているものの、一般会計からの繰入金は必要であり、この状態は継続することが見込まれる。汚水処理原価が類似団体平均よりも高いため、今後も原価削減努力を継続していくとともに、使用料の見直しについても検討していく必要がある。