地域において担っている役割
地域の基幹病院として急性期医療(ER救急、小児救急、急性期心疾患、周産期)を担うとともに、専門的で高度な医療の提供を行っている。
経営の健全性・効率性について
収益面では、コロナ疑似症患者の受入対応等により入院患者数は減少したが、近隣病院とコロナ対応の役割分担を行うことで高度な手術を受け入れたこと、また、外来で化学療法等を実施したことなどにより、医業収益は減少したものの入院・外来単価は向上した。費用面では、コロナ禍に対応するための経営改善を実施し、医業費用は前年度並みの実績となった。以上のことから、累積欠損金比率が悪化する結果となった。医師数の増等により医業収益に対する職員給与費の割合が50%を超えたが類似病院の平均値よりは下回った。
老朽化の状況について
平成25年10月の開院以来、有形固定資産減価償却率は年々増加している。開院時に取得した器械備品は、償却期間が順次満了しており、今年度は電子カルテシステムの更新を行ったことから、器械備品減価償却率は昨年度よりも減少している。また、1床当たりの有形固定資産額は年々増加しているが、類似病院の平均値よりも低い状況にある。
全体総括
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、感染対策による診療制限や患者の受診控え等に伴う減収により、非常に厳しい経営状況となった。今後も、引き続くコロナ禍における医療環境を見据え、一層の収支改善、経営安定に努めるとともに、地域の医療機関と連携しながら、より質の高い地域医療を確保するため、高度で安心・安全な医療の提供に取り組んでいく。