地域において担っている役割
淡路医療センターは、昭和31年の開院以来、淡路島の中核病院、唯一の公立病院として地域医療を支えてきた。平成25年に新築移転し、一般病床のほか精神、結核、感染症病床を整備、淡路島の高度急性期・急性期医療を担う基幹病院としての役割を果たしている。また、地域がん診療連携拠点病院、災害拠点病院、地域周産期母子医療センター、地域救命救急センター等の指定を受け、良質で安全な医療を提供している。
経営の健全性・効率性について
平成25年度に新築移転したことで経常収支比率は一時的に悪化したが、平成28年度は98.3%まで改善している。収益面では、新たな診療科の標榜や手術枠の拡大、特定入院料算定病床の効率的稼働を図るなど、診療機能の充実に努め、患者数及び診療単価の増加を図ることで、医業収支比率は改善している。一方費用面では、給与費は医師や看護師の増員及び給与改定等により医業収益比率が高くなっている。材料費においても患者数や手術件数の増加に伴い医業収益比率は高くなっている。今後は業務の効率化や低価格材料への切替、価格交渉等による材料費の節減に努め、経営改善を図る。
老朽化の状況について
平成25年度に新築移転のため、有形固定資産減価償却率、器械備品減価償却率は共に低い水準となっている。器械備品については、旧病院から引き続いて使用しているものもあり、今後計画的に更新等を進めることとしている。
全体総括
新病院移転後、経常収支比率は100%未満の状況が続いているが、地域医療機関との連携強化等による新規患者の確保や新たな施設基準の取得、適切な診療報酬請求の推進により診療機能に見合う収入を確保するとともに、業務委託の推進等による人員配置の効率化、後発医薬品や低価格材料への切替え、価格交渉の強化により給与費比率、材料費比率の改善を図ることで、経常収支比率の改善に努める。高齢化が進む地域であるが、今後も淡路島における高度専門・特殊医療を中心とした政策医療を効果的、効率的に提供していく。自立した経営基盤の確立を図るため、より一層の収入の確保及び費用の抑制を行い、経営改革を推進する。