地域において担っている役割
地域医療支援病院として、地域完結型の医療を実現するため、地域の医療機関とその機能分担を明確にした病病・病診連携に積極的に取り組んでいる。また、阪神地域の急性期医療の中核を担う当院では、救命救急センターとして地域とも連携を図る中、全診療科で重症患者に対応できる救急診療体制をとっていることに加え、災害拠点病院としての役割も担っている。
経営の健全性・効率性について
入院及び外来患者数は減少したものの、手術件数の増加や各種施設基準の取得等による診療単価の増加等により、経常収益は増加した。人員増に伴う給与費の増加、委託料等の経費の増加等により経常費用が増加したものの、経営収支比率は100%以上を確保している。累積欠損金については、収支黒字が5年間継続していることもあり減少傾向にあるが、引き続き累積欠損金解消に向け経営改善を図ることとしている。
老朽化の状況について
当院の有形固定資産は、築48年~27年経過しており、有形固定資産減価償却率が全国及び類似病院に比べてかなり高くなっていることが示すように、老朽化が著しい状況である。西宮市立中央病院とのあり方が検討され、大規模な投資をするには困難な環境であることから、施設点検の強化により、施設の長寿命化を図り、必要最低限の投資に努めている。
全体総括
収益については、患者1人当たり収益が入院・外来ともに増加傾向であるため、今後も収益確保に向けた取組を継続していく。また、費用については、ベースアップによる人件費の増加や、施設の経年劣化による修繕費の増加が想定されるが、診療材料費の共同購入品切替えや、委託業務の見直し等、費用抑制に努め、収支黒字を継続していく。