地域において担っている役割
当院は、1市4町からなる湖東保健医療圏唯一の公立病院、また基幹病院として、救急医療や小児医療といった採算をとることが難しい部門を担っているほか、がん治療などの高度医療を提供している。また、平成30年3月に地域支援病院の承認を受けたほか、在宅診療科を院内標榜するなど、在宅医療の推進に努めている。令和2年4月からは、新型コロナウイルス感染症重点医療機関として、同感染症患者の治療に従事している。
経営の健全性・効率性について
【健全性】令和元年度は、収益の向上や経費削減の取組を進めた結果、①経常収支比率、②医業収支比率で類似病院平均値を上回るなど、経営成績は安定してきている。しかし、①が100%を下回ることや、③累積欠損金比率が類似病院平均値を大きく上回ることからも、引き続き経営の改善を図る必要がある。【効率性】長年類似病院平均値を下回っていた④病床利用率が今年度は上回ったことからも、効率性の向上が見られる。
老朽化の状況について
現在の建物は平成14年度に完成したもので、①有形固定資産減価償却率から考えると類似病院と比べ比較的新しいと考えられるものの、空調等の設備面で不具合が発生してきており、令和元年度に策定した総合管理計画に基づき、更新や修繕を進めていく必要がある。医療機器については、現在の建物建設時に購入した機器の更新を近年積極的に行っており、②器械備品減価償却率は類似病院平均値を下回っている。
全体総括
令和元年度は、10月の消費税率の改定の影響を受け、①経常収支比率がわずかに悪化したものの、地域連携の取組により入院患者数が増加したことや、入院・外来ともに1人1日当たりの収益(⑤・⑥)が向上するなど、新改革プランに基づく取組は着実に効果をあげていると考えられるので、今後も取組を継続し、さらなる経営改善を進めていく。施設の面については、令和元年度に策定した総合管理計画に基づき、安心安全で経済的な改修を進め、施設の長寿命化を図っていく。