半田市：半田病院

地域において担っている役割

知多半島医療圏内で唯一、救命救急センターを有し、高度急性期医療を担うほか、災害医療や周産期・小児医療等の政策的医療の提供も積極的に行っています。また、がん診療連携拠点、臨床研修、地域医療支援病院としての指定も受け、圏域における中核的な役割を担っています。

経営の健全性・効率性について

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い④病床利用率は減少しましたが、知多半島公立公的４病院を中心に緊密な医療連携・機能分担を図り、救急・急性期医療を中心とした第３次救急の病院機能を維持し、②医業収支比率については高い水準を維持することができました。特に特定感染症指定医療機関である常滑市民病院とは将来的な経営統合を見据えて、相互に医師・看護師等の応援態勢を築き両病院機能を維持しました。①経常収支比率については、機能分担に伴い空床補償等の医業外収益が他病院と比べて少ないことから平均値を下回っています。費用面では、高額な抗がん剤の使用量減により薬品費は減少傾向にありますが、手術件数の増加に加えて、圏域において強化することが求められている循環器系疾患治療等の増加に伴い高額な診療材料費が増加していることなどから、⑧材料費対医業収益比率については増加しました。

老朽化の状況について

昭和57年に建設し法定耐用年数（39年間）を経過していることから、施設面及び機能面においては限界にきています。このため①有形固定資産減価償却率については高い値となっていますが、令和7年度春の開院を目指して新病院建設事業を進めています。基本設計が終了し実施設計を進めており、令和4年度からは土地造成工事及び本体建設工事に着手予定です。②器械備品減価償却率については、新病院の機能にあった医療機器等の計画的な更新を行っています。

全体総括

圏域における主要疾患・事業の拠点施設としての役割を担っています。今後も地域完結型の医療に向けた中心的な役割・機能を果たすとともに、知多半島地域医療連携推進協議会における協議等を通じて、各関係機関と連携して地域医療構想の実現に取り組んでいきます。また、知多半島中南部において持続可能かつ効率的で質の高い医療提供体制を確保するため、令和3年2月に「半田市と常滑市の病院経営統合に関する協定書」を締結し、令和7年4月1日に半田市と常滑市で地方独立行政法人を設立して、半田病院と常滑市民病院を経営統合することで合意しました。新半田病院が主に高度急性期医療等、新常滑市民病院が主に回復期医療等を担うこととしています。令和4年4月に統合準備室を設立して、地方独立行政法人化及び経営統合に関する業務を推進していきます。また、経営統合までの期間においても経営統合を見据え、統合後に担う機能を強化していきます。（平成28年度新公立病院改革プラン（平成29～令和2年度）策定済み、令和4年度公立病院経営強化プラン（令和4～6年度）策定予定）