地域において担っている役割
知多半島医療圏内で唯一、救命救急センターを有し、高度急性期医療を担うほか、災害医療や周産期・小児医療等の政策的医療の提供も積極的に行っています。また、がん診療連携拠点、臨床研修、地域医療支援病院としての指定も受け、圏域における中核的な役割を担っています。
経営の健全性・効率性について
地域の医療機関等との連携及び機能分化を推進し、より急性期に特化した患者を受け入れて入院患者数や手術件数の増加に繋げることで、①経常収支比率、及び②医業収支比率も高い水準となりました。また、平成30年度で過去勤務債務の償却が終了したこともあり、さらなる収支改善とともに③累積欠損金を解消することができました。費用面では、薬品や診療材料等の購入において、継続した価格交渉や材料の見直しなどに加えて、消費税率引上げ対応として前倒し購入を行うなど経費の節減に努めましたが、高額な抗がん剤使用や手術件数の増加に加えて、消費税率引上げにともない⑧材料費対医業収益比率は増加傾向にあります。また入院患者数の増加による医業収益の増加にともない⑦職員給与費対医業収支比率が減少しましたが、令和元年11月から10:1看護配置となっており、④病床利用率に応じた計画的な看護師採用を計っていきます。
老朽化の状況について
昭和57年に建設し間もなく法定耐用年数(39年間)を迎えることから施設面及び機能面でも限界にきており、①有形固定資産減価償却率及び②器械備品減価償却率は高い値となっていますが、令和7年度春の開院を目指して新病院建設事業を進めており、新病院の機能にあった医療機器等を計画的に整備していくこととしています。
全体総括
圏域における主要疾患・事業の拠点施設としての役割を担っています。今後も地域の医療機関等との機能分担の推進及び連携強化により、地域完結型の医療に向けた中心的な役割・機能を果たすとともに、知多半島地域医療連携推進協議会における協議等を通じて、各関係機関と連携して地域医療構想の実現に取り組んでいきます。また、現在、令和7年度春の開院を目指して、災害時にも機能でき、圏域の基幹病院としてふさわしい診療機能・設備を有する新病院の建設事業に着手しています。それに合わせて、知多半島中南部における効率的で質の高い医療提供体制を確保するため、新病院建設地に隣接する常滑市民病院との経営統合に向けて、両病院の機能分担及び連携強化の協議を進めています。(平成28年度新公立病院改革プラン(平成29~令和2年度)策定済み、令和3年度改革プラン見直し予定)