地域において担っている役割
当院は、平成26年7月に救急科を開設、平成27年3月には救急・外来棟を開設するなど「断らない救急」を目指し、救急医療に力を入れている。また、心臓血管センター・脳血管センターを設置し、心臓血管疾患、脳血管疾患の患者を24時間体制で受け入れており、第二種感染症指定機関として、感染症病床10床を備え、新型インフルエンザ等の感染症発生時における入院治療なども実施している。令和元年度1月には、医療機能の更なる充実と良質な療養環境を提供するため、入院診療棟を開設した。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率及び②医業収支比率は、類似病院平均値を下回っており、令和元年度においては人件費の増などによりともに悪化した。③累積欠損金比率は、入院・診療棟の開設に伴い、旧棟の減損処理を実施たことにより悪化した。④病床利用率は、入院・診療棟の開設に伴い、旧病棟からの入院患者の搬送を円滑にするため、救急搬送等患者の受入れを一定期間制限したことなどにより悪化した。⑦職員給与費対医業収益比率は前年度と比較し職員数の増により、悪化した。今後も高度・専門医療の充実を図り、医師・研修医の確保、育成に努め、適切な人員配置及び診療材料の効率的な購入等経営の健全化に向けた施策に引き続き取り組み、収入の確保、支出の削減に努めていく。
老朽化の状況について
入院・診療棟の開設に伴い、更新年度を迎えていた老朽機器等の更新が図られたこと等により①有形固定資産減価償却率及び②器械備品減価償却率は、減少したまた、③1床当たりの有形固定資産は、入院・診療棟の開設に伴う建物の固定資産が増加したことにより大きく上昇した。
全体総括
入院・診療棟の開設に伴い、施設・設備や人員体制を充実させたことにより給与費等の経費が増加したが、投資に見合うだけの収入を確保出来ていないことが収支を悪化させている要因の1つであると考える。今後は、投資した施設・設備や人員体制を活用することにより、収益の確保に取組み、安定した経営のもと、地域における必要な医療提供体制の確保を図り、高度・専門医療等を提供する役割を継続的に担っていく。