経営の健全性・効率性について
企業債による負債の他、繰延収益の長期前受金が多額であることから累積欠損金が発生している。純利益は約930万円で、前年度比約392万円減少した。他会計負担金をはじめ収入の減少幅が支出の減少幅を上回っている状況にあるため、経常収支比率、経費回収率および汚水処理原価が前年度と比較してわずかに悪化している。なお、令和4年度以降、公共・特環への統廃合を計画しており、維持管理費の圧縮により改善されていく見通しである。流動比率は増加傾向にある。これは現金預金の増加であり、一般会計からの基準内出資による。企業債残高対事業規模比率は、年々減少傾向にある。これは、企業債の借入を償還額以内に抑え、残高を減少させているためであり、引き続き残高を減少させる見通しである。施設利用率については、令和4年度以降、特環への統合を計画しており、農集処理場の廃止に伴いさらに増加する見通しである。水洗化率は85.04%で3年連続で増加しているものの、使用料の大幅な上昇が見込めない中、科野処理区や大俣処理区など、水洗化率の低い特定の地区に対して重点的に水洗化を進める必要があり、対策を講じていく。
老朽化の状況について
農業集落排水事業は施設数も多く集中的に整備を行い供用開始をしている。また、供用開始30年を迎える施設もあるが、現在のところ維持管理経費については比較的抑えられている。人口減少等により施設の統廃合を進めており、公共・特環へ統合される分老朽化率は改善される見通し。
全体総括
統合による老朽化率の改善や維持管理経費の抑制が見込まれるも、料金収入の減少も避けられないため、水洗化率の低い地区の更なる水洗化が喫緊の課題と考える。