地域において担っている役割
峡南医療センター企業団は、公立病院として地域医療を守るため、急性期から回復期、在宅医療に至るまで地域全体で切れ目のない必要な医療を提供し、地域完結型医療を目指している。富士川病院においては、救急医療やがん診療等、高度かつ専門的な医療を提供している。また、重点医療機関として新型コロナウイルス感染症患者の受入れ、発熱外来などを行っている他、災害拠点病院としての役割も果たしている。
経営の健全性・効率性について
令和3年度も新型コロナウイルス感染症に係る補助金収入があったため、経常収支比率においては、100%を超えることができた。医業収支比率は、外来患者数が微増、入院患者数が陽性患者受入れのため、減少となり100%を超えることができなかった。また、入院外来ともに1人1日当たりの単価は増額はしたが、職員給与費対医業収益比率は微増した。職員へのコロナ関連手当の支給等が大きな要因となった。病床利用率は依然として、目標に達していないため、引き続き対策が必要である。
老朽化の状況について
企業団発足から8年が経過したが、社会保険病院時代に購入した器械備品が多く器械備品減価償却率は平均値を下回ってきた。令和3年度は健診システム、一般撮影システム等の高額な器械備品の購入が多く、減価償却率が前年度より低下した。しかしながら、老朽化した器械備品も依然として多くあり、継続的な高額医療機器の更新が今後の重要課題である。
全体総括
今後は、新型コロナウイルス感染症に対し、重点医療機関としての役割を果たしていくとともに、安定した医療体制の確保に向け、経営改善を着実に実行し、経常収支比率の更なる改善に取り組んでいく。また、老朽化した医療機器の更新が控えているため、必要な設備投資に優先順位を付け、計画的に整備を行い、健全な経営を維持していく。