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平成28年度は、分母である基準財政需要額については、小学校費や地域振興費で減となったものの、生活保護費や社会福祉費の増などにより増加となった。分子となる基準財政収入額については、市民税法人税割や固定資産税土地分で減となったものの、地方消費税交付金や固定資産税家屋分の増などにより増加となった。基準財政需要額、基準財政収入額がともに増となったが、収入額の増が需要額の増を上回ったため財源不足額が縮小し、単年度の財政力指数は前年度より上昇したため、3か年平均で前年度から0.004ポイントの増となった。今後も普通交付税制度の動向を注視するとともに、市税をはじめとした自主財源の確保に引き続き努めていく。
分母となる経常一般財源は、市民税や固定資産税などの地方税や自動車取得税交付金などが増となったものの、地方消費税交付金や地方交付税が減となったため9.0%減となっている。また、分子となる経常経費充当一般財源においては、償還が完了した事業債や、近年の低金利により借入れした事業債の利払い額の減少などにより、公債費が減となったものの、子ども・子育て支援新制度に伴う子ども・子育て支援給付費の増などにより5.9%の増となったことから、経常収支比率が1.3ポイント上昇した。引き続き、物件費等の経常経費の抑制に努めるとともに、税をはじめ使用料等の自主財源の確保に努めていく。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は、類似団体の全国平均を下回っている。人件費については、退職者の補充を最低限に抑え、再任用職員の活用を図ることにより総人件費抑制に努めている。今後も給与水準の適正化と人員の最適配分に努めていく。物件費・維持補修費については、経常経費に対する配分予算や配分予算におけるマイナスシーリングの導入などにより節減に努めている。民間委託の推進など、物件費が増加する要因もあるが、今後も経常経費の節減に努め、人件費などを含むトータルコストを考慮し、行政運営に取り組む。
類似団体の全国平均との差は前年度の3.6ポイントから3.5ポイントに若干縮小しているが、類似団体の全国平均を上回り103.7となっている。職員の給与については、民間準拠を基本とする人事院勧告に基づいて、水準の適正化を図ることとしており、今後も、人事院勧告に準拠することを基本に社会経済情勢の変化や他の地方公共団体の動向等を考慮しつつ、引き続き適正な給与水準を維持できるよう努めていく。
平成27年4月の中核市移行後も、引き続き、高齢者福祉や子育て支援などに関する行政需要に的確に対応することができるよう、適正な業務執行体制の整備に努めている。なお、平成29年4月1日時点での普通会計部門における一般職員等数は2,086人とした。
本市の場合、健全化基準が25%、再生基準が35%となるが、平成28年度は平成27年度の8.2%に比べ0.6ポイント減少した。これは、分母となる標準税収入額等の増加や、実質公債費比率は、3か年の平均値を用いる数値であるため、平成26年度の単年度数値9.36が平成28年度単年度数値7.58に置き換わったことになどによるものである。現在、地方債許可団体への移行基準である18%を下回ってはいるが、地方債は後年度の償還が財政の弾力性を阻む要因となることから、引続き中期的視点で、新規発行の抑制に努めていく。
本市の比率は、類似団体平均を上回るものの、前年度に比べ8.2ポイント減少している。比率が減少した主な要因としては、特別会計への繰入見込額の減少や、充当可能基金額の増加などが挙げられる。本市では通常債の借入額を原則として50億円以下に抑制していることにより、通常債残高は減少しているものの、特例債増加により地方債現在高は増加している。今後も、基準財政需要額に算入のある地方債の活用を積極的に行うなど、充当可能財源等の確保を積極的に図っていく。
人件費に係る経常収支比率は、類似団体を3.0ポイント上回っている。なお、公営企業会計等の人件費に充てる繰出金等の人件費に準ずる費用等を合計した場合の人口1人当たりの歳出決算額は、類似団体平均を下回っており、今後もこれらを含めた人件費関係経費全体について抑制に努めていく。
本市の比率は、類似団体平均と比較して1.5ポイント高い16.2%となっている。平成28年度は、光熱水費、消耗品費等の減などにより、前年度より減額となった。本市では、経常経費に対する配分予算や配分予算におけるマイナスシーリングの導入などにより節減に努めている。予防接種の拡大などにより物件費が増加する要因もあるが、指定管理者制度等の活用によりコスト削減に努めているところである。今後も人件費から物件費へのシフトが進む状況にあるが、さらなる経常経費の抑制や適正な執行に努めていく必要がある。
本市の比率は類似団体を1.2ポイント下回っている。類似団体に比べ老年人口比率が低いことなどが要因であるが、保育関連給付費、障害福祉サービス給付費の急激な伸びや、老年人口比率が増加していることなどから、近年は他団体と同様に数値は上昇傾向にある。今後も福祉サービス水準を維持しながらも、各種サービスに係る受給資格審査の適正化や各種手当への特別加算等の見直しを進めていくことで、扶助費の上昇を抑制するよう努めていく。
本市の比率は、類似団体平均と比較して0.2ポイント高い13.3%となっている。国民健康保険事業や後期高齢者医療事業などへの繰出金が全体として増加しているとともに、経常収支比率の分子となる経常経費充当一般財源額が増加したため、比率は前年度から0.3ポイントの増加となった。今後も引き続き、独立採算の原則による使用料などの適正化を図り、普通会計の負担軽減に努めていく。
本市の比率は、類似団体平均を下回っている。その要因として、市単独の補助金に対する客観的な評価や、補助金の抑制に努めたこと等が挙げられる。今後も、評価の低い補助金には見直し計画等に基づく効果の拡大や減額、終期の設定等の改善を図るとともに、定期的な補助制度の見直しを継続し、補助目的の明確化と効果の拡大に努めていく。
本市は臨時財政対策債など特例債の元利償還金が増加する一方、通常債の借入れについては毎年度50億円以下に抑制し、後年度の財政負担の軽減に努めていることから、市債残高の減少に伴い元利償還金も減少したため、類似団体の平均を4.1ポイント下回っている。今後は市庁舎の建て替えにより増加する要因も見込まれるが、公営企業債、一部事務組合の元利償還金に対する繰出金、負担金などが減少傾向にあることから、公債費は減少していくものと見込まれる。
本市の比率は、類似団体平均と比較して1.4ポイント高い76.3%となっている。また、平成24年度以降はやや上昇傾向にあり、平成28年度は前年度と比べ1.6ポイント上昇している。今後も税収の大幅な増加が見込めない状況であり、引き続き経常経費について抑制に努めていく。
本市では、平成27年3月に策定した公共施設等総合管理計画において、保有する建築物の22%以上を減らし、建築物を80年使用するという目標を掲げている。有形固定資産減価償却率は、全体として類似団体内平均値より低い傾向にはあるものの、今後は公共施設等総合管理計画に基づき、施設類型毎の方向性を定めたアクションプランを策定し、施設の老朽化対策を進めていく。
本市では過去に急速な人口増に対応するため、下水道をはじめとした都市整備基盤を急ピッチで進める必要があったことから、多額の借入れを行った。公的資金免除繰上償還の活用等、借入残高の減少に努めているものの、将来負担比率は類似団体と比較して高い状況である。一方、老朽化対策、耐震対策等のため、道路、橋りょうの改修工事を進めていること、また消防分署建替えなどの新規事業を行っていることなどから、比較的減価償却が進んでいない状況である。
本市では、土地開発公社について、平成13年度から25年度までの「第1次越谷市土地開発公社経営健全化計画」に引き続き、平成26年度から35年度までを計画期間とした「第2次越谷市土地開発公社経営健全化計画」に基づき、経営健全化に取り組んでいる。その中で、平成23年度決算では土地開発公社に係る新たな債務負担の設定等に伴い、債務負担行為に基づく支出予定額が増(前年度比+32億6,807万8千円)となり、以降も将来負担比率が類似団体に比較して高い状況となっている。しかし、通常債の借入れを毎年度原則50億円以下に抑制し、後年度の財政負担の軽減に努めていることから、将来負担比率は減少を続け、実質公債費比率についても、こうした抑制方針に基づき公債費充当一般財源は減少を続けていることから、減少している。
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