地域において担っている役割
地域の中核医療機関として、他の医療機関では提供することが困難な不採算部門の医療を提供し、地域の医療機関と連携し地域完結型医療の充実を図る。
経営の健全性・効率性について
診療報酬改定や常勤医師の減少により、特に入院患者数が減少となり医業収支比率が悪化している。全般的には、入院・外来ともに1人1日単価が類似病院平均より低い。経営改善には経営の効率化に加え、常勤医師確保が喫緊の課題である。構成市の厳しい財政状況により、特に救急や高度医療運営の繰入れが減少し、経常収支比率も悪化している。今後構成市と繰入れに関する増額協議に取り組む。医業収益の減少に加え、ICU,NICU,GCUの運営のため職員給与費も類似病院と比較して高い状況にある。材料費は、医業収益に連動する費用であり、入院収益減少に伴い類似病院よりも比率が低い状況にある。
老朽化の状況について
病院増改築後約30年が経過し、経年劣化した各種設備・医療機械等について、更新計画に基づき計画的かつ効率的に実施している。近年有形固定資産減価償却率は、66%前後で推移しており、類似病院と比較して若干高い水準であり、特に施設設備面での老朽化が進んでいる。なお、1床当たり有形固定資産は、類似病院平均より低く、現状過大投資にはなっていないと思われる。今後、施設の機能維持、将来の改築計画も併せ検討していく必要がある。
全体総括
医師不足や地域の高齢化等により、急性期のみを運営することは難しくなってきており、平成28年10月から急性期病床から地域包括ケア病棟(44床)を開設した。また、平成30年8月から急性期病床を回復リハビリテーション病床(31床)にて運用開始。更に、平成28年度から外部コンサルを導入し自院の入院データ(DPC)の分析・受療動向や病床戦略提案のほか、現診療報酬制度下での加算指導料等の算定適正化のアドバイスを受け実行している。今後も常勤医師確保を最重要課題とし、入院患者数の増加を図るとともに、地域医療支援病院として、地域の医療機関との一層の機能連携を進め、早期に経常収支でプラスになるよう経営体制を改善していく。