大崎市：特定地域排水処理施設

経営の健全性・効率性について

収益的収支比率，経費回収率は100％未満であるが（100％以上が望ましい），前年度よりも増加した。これは，平成28年度において一般会計から繰入を行ったためである。設置基数も増加し，使用料が維持管理費の増加に追い付いていないのが現状である。企業債の償還を一般会計からの繰入でまかなったため，企業債残高対事業規模比率はゼロであり，類似団体平均値を大幅に下回っている（下回る方が望ましい）。事業が始まって約１０年，企業債の償還が始まってからまだ数年であり，企業債の残高自体は増加している。一般会計から繰入を行ったため，汚水処理原価は前年度を下回ったが，類似団体平均値を若干上回っている（下回るほうが望ましい）。施設利用率は経年的にみるとやや増加傾向にあるが，類似団体平均値を下回っている（上回る方が望ましい）。市町村設置型の事業であるため，水洗化率は100％である。経年で比較してみると，全ての指標で前年度よりも改善しているが，これは前年まで行っていなかった一般会計からの繰入を行ったためであり，一般会計に依存している経営状況となったのが現状である。

老朽化の状況について

事業開始から約１０年であり，今すぐに更新が必要な状況ではないと考えられる。今後，老朽化の状況をみながら，老朽化対策の方針の検討を行っていく。

全体総括

各指標は改善しているが，一般会計からの繰入を必要とする状況となり，経営的に健全であるとは言えない。維持管理費の増加に使用料が追いついていない状況であり，今後，使用料が適正であるか検証を行っていく必要がある。また，収納対策，経費削減など，経営改善に向けた早急な対策が必要である。老朽化対策も含め，平成32年度までに経営戦略を策定し，経営の健全化を図っていく。