地域において担っている役割
当院は、つがる西北五広域連合が所管する5医療機関(3病院2診療所)の中核病院として、平成26年4月1日に開院し、西北五地域に3病院しかない救急告示病院の中心的施設として、地域の急性期医療において重要な役割を担っている。例えば、当地域唯一の2次救急医療施設として、入院が必要な重篤救急患者を休日・夜間を問わず受入れしており、救急車受入件数は年間約3,000件となっているほか、当地域で最多の全身麻酔手術を行う等、地域の急性期医療を支えている。
経営の健全性・効率性について
・経常収支比率医業外収益(コロナ対応に係る補助金)の増により、全国平均を上回った。・医業収支比率コロナ対応のため一部診療制限をかけたこともあり、全国平均を下回った。・累積欠損金比率前年度より抑制され、全国平均を下回った。・病床利用率コロナ対応のため一部診療制限をかけたことから、全国平均を下回った。・入院患者1人1日当たり収益コロナ対応のため一部診療制限をかけ、主に重症度の高い患者を受け入れたため、全国平均を上回った。・外来患者1人1日当たり収益コロナ対応のため一部診療制限をかけたことと患者の受診控えもあり、微増はしたものの全国平均を下回った。・職員給与費対医業収益比率毎年人事異動に左右されるため昨年度を超えたが、全国平均を下回っている。・材料費対医業収益比率コロナ対応に係るPCR検査試薬等の購入費用が増え、全国平均を上回った。一方でがん患者向け高額薬品の使用量も毎年増えており、今後の収益増が期待される。
老朽化の状況について
・有形固定資産減価償却率平成26年度開院につき、まだ資産が新しいことから全国平均を下回っているが、減価償却が進み上昇傾向が続いている。・器械備品減価償却率平成26年度開院時に導入した機器の使用年数が法定耐用年数に近づいているため、全国平均を上回っている。今後は、計画的な機器更新を検討する必要がある。・1床当たり有形固定資産全国平均を下回っているが、今後も過大な投資をすることのないよう、計画的な整備計画を立てる必要がある。
全体総括
・経営の健全性、効率性コロナ禍の影響を受け、医業収支、病床利用率等は前年度を下回ったが、一部診療制限により主に重症度の高い患者を受け入れたため、入院・外来とも患者1人1日当たりの収益は前年度を上回り、医業外収益(コロナ対応に係る補助金)による増収も含め経常収支比率は大幅な増となった。コロナ対応に係るPCR検査試薬等の購入費増等により材料費の占める割合は増加したものの、医業収益における職員給与費の伸びも大幅なものではなく、経営の健全性及び効率性は担保されていると考えられる。引き続き、診療報酬や加算の情報を精査し医業収益増に向けた取組みを強化するとともに、診療材料の見直しや光熱水費の削減等、医業費用削減に取り組み、限られた人員で効率的に医療を提供できる体制を構築していく。・老朽化の状況平成26年開院につき施設はまだ新しいものの、開院時に整備した機器及び旧西北中央病院から引き継いだ機器の減価償却が進んでいるため、計画的な機器更新計画を立て、機器更新費用の平準化を図る必要がある。また、現施設の長寿命化を図るため、屋根や外壁等のメンテナンスについて、引続き計画を策定し実施していく。