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地方財政ダッシュボード

熊本県南阿蘇村の財政状況

🏠南阿蘇村

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

令和5年度の財政力指数は0.21で、令和4年度と比較すると0.01ポイント減少している。これは、公債費の増加に伴い基準財政需要額が増加したことが大きな要因と考えられる。本村は歳入の約7割が依存財源であるため、企業誘致に力を入れるとともに更なる徴収業務の強化と移住定住の促進による人口増加に取組みながら収入の確保を図り、行政の効率化を進めながら支出を抑制し財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

令和5年度の経常収支比率は95.4%で,令和4年度と比較すると0.5ポイント増加した。これは、過疎対策事業債や災害復旧事業債等の公債費の増加が大きな要因と考えられる。令和5年度と令和4年度の公債費を比較すると1.9ポイント増加しており、今後も熊本地震に伴う災害復旧事業や小規模住宅地区等改良事業等の地方債償還の増加が見込まれる。また、人口減による普通交付税の削減もあり、財政の硬直化がさらに進むことが予想されるため、行財政改革への取組を通じて義務的経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和5年度は一人当たり334,666円で全国・県平均を上回っているが令和4年度と比較すると7,161円減少している。減少の要因としては、人件費の減少によるものであり、退職手当組合負担金、職員基本給の減が大きな要因である。今後も、公共施設の統廃合や効率的な利活用により経費の削減に努め支出の抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

令和5年度のラスパイレス指数は、令和4年度と比較すると0.1ポイント減少した。全国町村平均も下回っていることから、今後もより一層の給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

3村合併以降は、退職職員に対して新規採用を抑制することで、適正人員を目指してきたが、未だ全国・県平均を上回っている。これは平成28年熊本地震以後、災害事務の職員枠増により新規採用者が計画人数を上回ったためである。現在、新規採用の抑制、組織の見直しなどを行いながら定員の適正化に努めており、令和4年度と比較すると0.3ポイント減少した。

実質公債費比率の分析欄

令和5年度の実質公債費比率は、災害復旧事業債に加えて立野駅周辺整備事業やあそ望の郷機能拡張事業、小規模住宅地区等改良事業などの地方債償還が増加したことから1.2ポイント上昇した。今後も災害復旧事業債や立野駅周辺整備事業、あそ望の郷機能拡張事業の地方償還金の増加、また南阿蘇鉄道施設整備事業、防災無線改修事業の償還が始まることから上昇する見込みである。今後の事業実施においては、交付税算入率の高い過疎対策事業債や緊急自然災害防止対策事業債を活用し、実質公債費比率の上昇を抑制していく必要がある。

将来負担比率の分析欄

令和5年度は地方債現在高等に係る基準財政需要額算入見込額の減により充当可能財源等は減少したものの、地方債残高の減により将来負担比率は22.3%と令和4年度より17.8ポイント改善した。今後も地方債残高の減少は見込まれる一方、普通交付税の減や、熊本地震対策による基金の取崩しも見込まれるため厳しい財政状況が続くことが予想されることから、事業実施の適正化を図り財政健全化に努める必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率で令和5年度と令和4年度を比較すると1.8ポイント減少した。これは退職手当負担金の減や職員数減に係る職員基本給の減少が大きな要因である。今後も事業量に合わせた適正な人員配置や、退職職員数に対して新規採用職員の抑制などで人件費の削減に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率で令和5年度と令和4年度を比較する0.1ポイント減少した。温泉指定管理料や郵送料は減少している。県平均を見れば上回っていることから、今後も公共施設の統廃合及び効率的な利活用を進めることで経費削減に努めていく。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率で令和5年度と令和4年度を比較すると0.3ポイント増加した。これは子ども医療扶助の増が大きな要因である。類似団体平均と比較すると下回っているが、平成28年度以後、熊本地震の影響もあり人口が減少しているため、子どもや高齢者が住みやすい村づくりを目指しながら、健診率向上や、健康づくり対策などを行い医療費抑制などに向けた取組みを進めている。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率で令和5年度と令和4年度を比較すると0.4ポイント上昇した。全国平均、県平均、類似団体平均と比較すると下回っている。その他の中で大きなウエイトを占める繰出金については、今後も簡易水道、農業集落排水、生活排水処理事業において、経費削減に努めるとともに使用料の値上げによる健全化を図ることで、普通会計の負担額を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率で令和5年度と令和4年度を比較すると0.2ポイント減少した。これは阿蘇広域行政事務組合負担金の減額が大きな要因である。全国平均、県平均と比較すると下回っているが、今後も予算編成時にはそれぞれの補助金が有効に利用されているかなどのチェックを行うとともに、費用対効果などを判断しながら村内活動団体への補助金の見直しを進めていく。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率で令和5年度と令和4年度を比較すると1.9ポイント上昇した。これは熊本地震に係る災害復旧事業や小規模住宅地区等改良事業などの地方債償還が大きな要因である。今後は、南阿蘇鉄道施設整備事業、防災無線改修事業などの地方債償還が加わることから厳しい財政運営となることが予想される。そのため、普通建設事業の見直しによる地方債の新規発行の抑制に努めることとしている。

公債費以外の分析欄

公債費以外に係る経常収支比率で令和5年度と令和4年度を比較すると1.4ポイント減少した。全国平均、県平均、類似団体平均と比較すると下回っているが、物件費が県平均を0.3ポイント上回っていることから、今後も公共施設の統廃合及び効率的な利活用を進めることで経費削減に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

令和5年度の目的別の住民一人当たりのコストは、民生費が増加している。低所得世帯向け給付金関連経費の増加によるもので、前年度と比較すると住民一人当たりのコストが6,835円増加している。土木費は、全国平均、県平均を上回っているが、小規模住宅地区等改良事業が減少したことから、前年度と比較すると住民一人当たりのコストが49,805円減少している。災害復旧費は、一人当たりのコストが全国平均、県平均、類似団体平均を大きく上回ったが、令和元年度からの推移を見ると、熊本地震関連の災害復旧事業はピークは越えたものと思われる。公債費は、災害復旧事業債に加えて立野駅周辺整備事業やあそ望の郷機能拡張事業、小規模住宅地区等改良事業などの地方債償還が増加したことから、前年度と比較すると9,121円高く、類似団体の中で最も高い状況である。今後は、あそ望の郷くぎの機能拡張事業などの地方債償還が増加することから、さらに公債費の増加が見込まれる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

令和5年度は、熊本地震の影響が続き災害復旧事業費は一人当たりのコストが全国平均、県平均を上回ったが、復興が進んでいることで令和元年度からは減少傾向であり、令和5年度と令和4年度を比較すると32,297円減少した。災害復旧事業のピークは越えていることから、今後も減少すると思われる。物件費については、温泉指定管理料や郵送料の減少により、令和5年度と令和4年度を比較すると8,550円減少した。普通建設事業費(うち更新整備)については、小規模住宅地区等改良事業、橋梁補修事業の減少により前年度より29,952円減少したが、全国平均、県平均、類似団体平均から見れば高い状況にある。これは、防災行政無線操作卓更新などの改修事業が大きな要因である。貸付金は、令和5年度と令和4年度を比較すると78,716円と大きく減少した。これは、南阿蘇鉄道への熊本地震からの災害復旧に係る事業資金の貸付が終了したためである。公債費は、上記貸付のために借入れた熊本県市町村振興資金の償還が含まれていることもあり、類似団体と比較して一人当たりのコストが最も高い状況となっている。この状況は令和5年度で終了する。今後は、熊本地震に係る地方債の償還が増加することや、人口減による普通交付税の減少に伴い基金の取り崩しが不可欠なものとなる見込みであり、事業を行う際は過疎対策事業債や緊急自然災害防止対策事業債など交付税算入率の高い地方債を活用し、公共施設の効率的な利活用の見直しを行うことで経費の削減を図り財政の健全化に努める必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金残高は、有利な地方債などの活用により取り崩しを回避している。実質収支額は、平成28年の熊本地震以降、高い水準で推移していたが、復旧復興事業が減少してきたことから熊本地震前の状況に戻っている。実質単年度収支は、財政調整基金取崩しの増加や繰上償還の減少から実質単年度収支は、R4より減少している。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

令和5年度は、全ての会計において黒字決算となったが、簡易水道特別会計、農業集落排水特別会計、生活排水処理事業特別会計については、一般会計からの繰入金に依存している傾向にある。また、熊本地震後、上水道事業会計(法適用)についても一般会計からの補助金に依存している傾向にあることから、独立採算の原則に立ち返り、使用料の見直しも含めたところでの経営の健全化を図る。国民健康保険特別会計においては、一般会計からの繰入金抑制のため、検診率向上対策や医療費抑制のための健康づくり対策に取り組んでいる。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

令和5年度の実質公債費比率は、災害復旧事業債に加えて立野駅周辺整備事業やあそ望の郷機能拡張事業、小規模住宅地区等改良事業などの地方債償還が増加したことから1.2ポイント上昇した。今後も災害復旧事業債や立野駅周辺整備事業、あそ望の郷機能拡張事業の地方償還金の増加、また南阿蘇鉄道施設整備事業、防災無線改修事業の償還が始まることから上昇する見込みである。今後の事業実施においては、交付税算入率の高い地方債を活用し、実質公債費比率の上昇を抑制していく必要がある。今後も交付税算入率を十分考慮した計画的な地方債の発行に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

令和5年度は基準財政需要額算入見込額の減により充当可能財源等は減少したものの、地方債残高の減により将来負担比率は22.3%と令和4年度より17.8ポイント改善した。今後も地方債残高の減少は見込まれる一方、普通交付税の減や、熊本地震対策による基金の取崩しも見込まれるため厳しい財政状況が続くことが予想される。今後も引き続き、交付税算入率の高い起債を活用しつつも事業実施の適正化を図り、財政健全化に努める必要がある。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)災害復興基金を文化財復旧事業や南阿蘇鉄道復興イベント助成など25百万円を取り崩した一方、地震からの復旧・復興の総仕上げとして、残された課題を解決するための財源として平成28年熊本地震復興基金交付金の一括交付や木の香湯温泉跡地売却により306百万円、また公共施設等整備基金においてはグリーンピア南阿蘇と瑠璃温泉の売却等により224百万円を積み立てたことから基金全体としては519百万円の増となっている。(今後の方針)立野駅周辺整備事業、あそ望の郷機能拡張事業などの地方償還金が増加すること、文化財復旧事業や災害に係る舗装復旧事業などの災害復旧事業が増加することから財政調整基金や災害復旧基金を取り崩す見込みである。また、熊本地震以降、特に人口減少が進行しており、地震前の平成28年3月31日から令和6年3月31日時点で約1,575人の人口減少となっている。今後は、人口減少に歯止めをかけるためにも移住定住促進事業を推進していくことから、特定目的基金を取り崩していく見込みである。

財政調整基金

(増減理由)基金運用により3百万円を積み立てた。(今後の方針)令和元年度で普通交付税の合併算定替えが終了したことや、立野駅周辺整備事業、あそ望の郷機能拡張事業などの地方債償還が増加していることから財政運営が厳しさが増している。このため、令和6年度から財政調整基金の取り崩す見込みである。

減債基金

(増減理由)熊本地震に係る災害廃棄物処理事業のために借入れた災害対策債償還のため、令和元年度に熊本地震災害廃棄物処理基金補助金1億25百万円を基金に積立てた。令和5年度においては9百万円を取り崩した。(今後の方針)今後も、災害対策債償還のため減少する見込みである。

その他特定目的基金

(基金の使途)・合併振興基金については、地域振興に役立てたい。・災害復興基金については、熊本地震に係る災害復旧復興事業に充当。・合併特例措置逓減対策事業準備金については、普通交付税の減額に備えるために積み立てたもの。・地域福祉基金については、地域福祉の増進に役立てたい。・公共施設等整備基金については、公共施設の建設及び改修などの整備に充当。・農業基金については、農業の振興と活性化のために役立てたい。(増減理由)合併振興基金は、基金運用として1百円を積み立てた。公共施設等整備基金は、村有施設売却により224百万円を積み立てた。災害復興基金は、平成28年熊本地震復興基金交付金の一括交付などにより282百万円積み立てた。図書室振興基金は、寄付金により13百万円を積み立てた。森林業環境譲与税基金を、山腹崩壊復旧事業に3百万円取り崩した。森林環境整備基金は、森林整備センター分収金など9百万円を積み立てた。(今後の方針)令和元年度で普通交付税の合併算定替えが終了したことから、合併特例逓減対策準備基金の活用を予定している。今後も熊本地震関連事業のために災害復興基金の活用を予定している。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和5年度の有形固定資産減価償却率は62.5%となり、前年度(63.7%)から低下した。推移をみると、令和元年度(66.0%)、令和2年度(63.6%)、令和3年度(63.4%)、令和4年度(63.7%)、令和5年度(62.5%)と、全体として着実に改善している。令和5年度の改善要因としては、温泉施設であるグリーンピア南阿蘇及び阿蘇白水温泉「瑠璃」の売却が進んだことがあげられる。これにより、老朽化が進行していた資産が除却され、全体の減価償却率の改善につながった。今後においても、老朽化が顕著な資産や利用実態の低い施設については、活用方策や除却を含めた検討を行い、計画的な施設マネジメントを推進していく必要がある。

債務償還比率の分析欄

令和5年度の債務償還比率は618.7%となり、前年度(714.5%)から改善した。改善の要因としては、グリーンピア南阿蘇及び阿蘇白水温泉「瑠璃」の売却収入による公共施設等整備基金への積立や、木の香湯温泉跡地売却による災害復興基金への積立により充当可能基金が増加したことや地方債残高の減少に伴い将来負担額が減少したことがあげられる。今後においては、基金の計画的な活用と新規地方債発行の抑制を徹底し、中長期的な財政運営の健全性を確保していくことが重要である。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和5年度の将来負担比率は22.3%となり、前年度(40.1%)から大幅に改善した。要因としては、温泉施設(グリーンピア南阿蘇及び阿蘇白水温泉「瑠璃」等)の売却収入による基金積立により充当可能基金が増加したことや、地方債残高の減少に伴い将来負担額が減少したことがあげられる。一方、有形固定資産減価償却率は62.5%となり、前年度(63.7%)から低下した。これは、温泉施設の売却により老朽化が進行していた資産が除却されたことが主な要因である。将来負担比率の減少かつ、有形固定資産減価償却率が減少しているため継続して施設マネジメントを推進していくよう努めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

令和5年度の将来負担比率は22.3%となり、前年度(40.1%)から大幅に改善した。これは、温泉施設の売却収入を活用した基金積立による充当可能基金の増加や、地方債残高の減少に伴う将来負担額の縮減によるものである。一方、実質公債費比率は12.7%となり、前年度(11.5%)から上昇している。要因としては、災害復旧事業費に加え、あそ望の郷機能拡張事業や小規模住宅地区改良事業等の地方債償還が増加したことによるものである。今後も災害復旧事業等の償還が続くことから、さらに上昇する見込みである。今後の事業実施にあたっては、交付税算入額の高い地方債を活用しつつ、実質公債費比率の上昇を抑制するよう計画的な財政運営に努める必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較すると、令和4年度同様に公民館の有形固定資産減価償却率が特に高く、公営住宅が低い水準となっている。公民館については、有形固定資産減価償却率が100%に達しており、更新時期について検討していく必要がある。また、令和4年度から令和5年度にかけて学校施設の有形固定資産減価償却率が類似団体平均値を上回った。南阿蘇中学校において理科室や普通教室出入口の改修工事、仕切り窓改修工事、外壁塗装改修工事等、規模は大きくないものの必要箇所で工事を実施しているが、減価償却費の影響により有形固定資産減価償却率は増加している。今後においては、有形固定資産減価償却率のみならず、各施設の過去の工事履歴を適切に登録・管理し、将来的な更新や改修計画の基礎資料として活用するなど、計画的な施設マネジメントを推進していく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

体育館・プール以外の施設類型において令和4年度から令和5年度にかけて有形固定資産減価償却率が増加している。施設類型の体育館・プールにおいて、グリーンピア南阿蘇のテニスコートが売却されたため、有形固定資産減価償却率が89.4%→88.9%となった。また、一人当たりの面積においても1.193㎡→0.954㎡へと減少し類似団体平均値に近づいた。庁舎については令和5年度太陽光発電設備等設置工事を62百万円で実施しており、有形固定資産減価償却率は増加したものの40.1%→40.9%と増加が緩やかとなっている。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度から1,291百万円の減少(△3.4%)となった。金額の変動が大きいものは建物(事業用資産)(前年度比4,867百万円の減少)であり、瑠璃やグリーンピア南阿蘇等の温泉施設の売却のためである。資産総額の内、有形固定資産の割合が81.4%となっている。一番割合が多いのが工作物(インフラ資産)の37.2%で道路や橋りょうのインフラ資産の保有が影響している。また、負債総額が前年度から2,015百万円の減少(△9.0%)となった。特に南阿蘇鉄道関連の地方債(固定負債)(前年度比1,052百万円の減少)が変動が大きく、負債総額の大きな要因となった。全体では、資産総額は前年度から1,186百万円減少(△2.9%)し、負債総額は前年度から1,871百万円減少(△7.7%)した。特別会計の資産を計上していることなどにより、一般会計等より資産総額は3,571百万円多くなり、負債総額も1,873百万円多くなっている。連結では、資産総額は前年度末から2,548百万円減少(▲5.4%)し、負債総額は前年度末から3,250百万円減少(△11.8%)した。資産総額は一部事務組合等に係る資産を計上したことなどにより、一般会計等に比べて8,524百万円多くなり、負債総額も3,908百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は8,217百万円となり、前年度比503百万円の減少(▲5.8%)となった。その内、移転費用としての補助金等の費用は1,863百万円(全体の22.7%)となっており、前年度と比べて274百万円減少(△12.8%)した。南阿蘇鉄道災害復旧事業補助金の減額が大きな要因としてあげられる。また、社会保障給付の費用は831百万円(全体の10.1%)となっており、前年度と比べて49百万円増加(6.3%)したが、純行政コストに占める割合が非常に大きくなっている全体では、一般会計等に比べ、特別会計に係る使用料及び手数料等を計上しているため、経常収益が191百万円多くなっている一方、負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が2,722百万円多くなり、純行政コストは3,038百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象一部事務組合等の事業に係る収益や経費を計上しているため、経常収益が1,660百万円多くなり、移転費用が4,556百万円多くなっている。また経常費用が7,052百万円多くなり、純行政コストは6,168百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源9,341百万円が純行政コスト8,689百万円を上回ったことから、本年度差額は651百万円(前年度比72百万円減少)となり、純資産残高は725百万円の増加となった。瑠璃やグリーンピア南阿蘇等の温泉施設の売却が要因として考えられる。全体では、国民健康保険事業会計、介護保険特別事業会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が1,120百万円多くなっており、本年度差額は627百万円となり、純資産残高は685百万円の増加となった。連結では、一部事務組合等の歳入が按分の上、含まれることから、一般会計等と比べて財源が6,139百万円多くなっており、本年度差額は623百万円となり、純資産残高は702百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は2,096百万円であり、投資活動収支については固定資産の整備や基金の積立等を行ったことから△298百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が発行収入を上回ったことから△2,090百万円となっており、本年度資金残高は前年度から291百万円減少し612百万円となった。全体では、業務活動収支は一般会計等より9百万円多い2,105百万円となっている。投資活動収支では、主に公営企業会計における公共施設等整備を実施したため、△520百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が発行収入を上回ったことから△1,947百万円となり、本年度末資金残高は前年度から362百万円減少し、844百万円となった。連結では、一部事務組合等収入の一部が業務収入に含まれる一方、人件費や物件費等も按分の上、含まれることから、業務活動収支は一般会計より734百万円多い2,830百万円となっている。投資活動収支では△1,587百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が発行収入を上回ったことから△1,600百万円となっている。本年度末資金残高は前年度から358百万円減少し、1,303百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、令和4年度369.2万円から令和5年度357.9万円へと減少している(△3.0%)。これは、温泉施設である「瑠璃」や「グリーンピア南阿蘇」などの売却による資産減少が主な要因である。有形固定資産減価償却率は、令和4年度63.7%から令和5年度62.5%へとわずかに低下している。これは、立野駅交流施設の新規整備が行われたことにより資産投資が増加したためである。有形固定資産の老朽化による償却が進む中でも、新規整備事業の効果により改善が見られており、今後も個別資産の状況を踏まえた計画的な施設マネジメントが求められる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、令和4年度の40.0%から令和5年度には43.5%へと増加している(+3.5%)。これは、災害復旧事業債や合併特例債の地方債償還が進んだことにより、純資産が増加したことが要因である。将来世代負担比率は、令和4年度の63.5%から令和5年度には58.9%へと減少している。こちらも地方債償還が進んだことによる改善であり、将来世代に係る負担の軽減につながっている。今後も計画的な償還を継続し、持続可能な財政運営を推進していく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、令和4年度の90.8万円から令和5年度には85.9万円へと減少している(△4.9万円)。純行政コストは922,411千円から868,924千円へと減少しており、これは南阿蘇鉄道災害復旧事業補助金の減少によるものである。類似団体平均値(104.5万円)と比較すると依然として低い水準にあるが、今後も物価高や人件費の上昇による経常的な支出増加が想定されることから、引き続き効率的な行政運営に努める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、令和4年度の221.4万円から令和5年度には202.3万円へと減少している(△19.1万円)。これは、災害復旧事業債や合併特例債の償還が進んだことによるものである。また、業務・投資活動収支は、令和4年度939百万円から令和5年度2,370百万円へと大幅に改善し、黒字幅が拡大している。これは、南阿蘇鉄道への貸付金支出が減少したことにより投資活動収支が改善されたことが大きな要因である。今後も地方債に過度に依存することなく、安定した財政運営を継続することが重要である。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、令和4年度の2.7%から令和5年度には3.7%へと増加している。使用料収入については73.8百万円から77.7百万円へと大きな変動はみられないものの、経常収益(その他)の変動が比率に影響している。類似団体平均値(4.5%)と比較すると依然として低い水準にあるため、今後は各施設の使用料の在り方について検討を進め、適切な受益者負担割合の確保に努める必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,