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地方財政ダッシュボード

福岡県直方市の財政状況(2017年度)

🏠直方市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 農業集落排水


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少・高齢化傾向が続き、旧産炭地を脱却するほどの基幹的産業もないことから、本市の財政力指数は0.56と、類似団体と比較しても低い水準が続いている。財政基盤強化のため、雇用を創出し、移住・定住を促進させることで、地方税等の自主財源に努めるとともに、歳出面でも支出の削減を図ることで、国県等からの歳入や市債に頼らない自立した財政運営を目指す。

経常収支比率の分析欄

建設事業に係る事業費の削減と市債発行の抑制を図ってきた結果、公債費の支出は改善傾向(前年度比-4.4%)にあるが、それ以上に、障がい、児童、高齢者等、全般的に扶助費の負担が年々増大しており、その結果、経常収支は例年100%に近い数値となっている。今後も税収等の経常的一般財源の確保に努め、さらなる経常経費の削減と行政改革に継続的に取り組む必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

29年度決算において人件費及び物件費はほぼ前年同額であるが、本市人口が年々減少傾向にあることから、人口1人当たりの経費としては大きな削減が困難な状況である。例年、類似団体平均値とも大きな差はないが、他市町村の状況を調査して、効果が見込めるような事例・取り組みは積極的に導入を検討していく。

ラスパイレス指数の分析欄

平成29年度は平成28年度数値を引用。なお、平成29年度類似団体関係数値(平均値、最大値及び最小値、順位)は、平成29年度の選定団体によるもの。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成29年度は平成28年度数値を引用。(職員数:平成28年度数値、人口:平成30年1月1日現在の人口)なお、平成29年度類似団体関係数値(平均値、最大値及び最小値、順位)は、平成29年度の選定団体によるもの。

実質公債費比率の分析欄

事業費の削減と市債発行の抑制に努めた結果、市債償還金額は減額(元金-0.7億円、利子-0.3億円)し、実質公債費比率も改善しているものの、市債残高は206.3億円と依然として多く、近年では特別会計である公共下水道事業に対する準元利償還金が大きな負担となっている。今後も事業についての取捨選択を厳格に行い、地方債発行の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

地方債残高が前年度と比較して約1.6億円減額している。近年、地方債残高は減少してきており、それに伴い将来負担比率についても順調に改善傾向となっている。土地開発公社が先行取得した土地の残地(124,885㎡、4.6億円)を定期的に買い戻すことも視野に入れ、将来負担比率の更なる改善を図る。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

平成28年度から29年度にかけて職員数に大きな変更はない。職員の新陳代謝により、一般職員給が前年度より0.1億円減、退職者の減により退職手当が約0.8億円減少となっているが、経常収支比率としては前年度より0.4ポイント悪化した。今後も、適切な職員配置と業務の見直し・民営化の促進に取り組む。

物件費の分析欄

物件費については、前年度より微増となっており、経常収支比率もここ数年横ばい、類似団体及び県の平均値と比較しても下回っている。しかし事業の民間委託化に伴い物件費が増加傾向となっており、扶助費及び特別会計への繰出金が年々増加している中、全体の経常収支比率を抑えるためには、物件費を抑制・削減せざるをえない状況であると言える。

扶助費の分析欄

本市財政を圧迫する最も大きな要因であり、類似団体と比較してもワーストに位置する。国の子育て支援政策拡大の影響から、保育所運営費が前年度より1.0億円増、障害者自立支援事業費が0.5億円増、歳入面でも第二子に係る保育料無償化の開始などにより、子育て関係の扶助費の増加が比率の悪化要因となっている。保護費等その他の扶助費に係る支出も依然高止まりしており、支出抑制に有効な対策もなく、苦慮している状況である。扶助費の適正な給付を徹底し、市単独で実施している事業についての見直しも視野に入れることで、支出の抑制を図る。

その他の分析欄

数値を押し上げる要因は特別会計への繰出金である。本市において急速に進む高齢化により、介護保険、後期高齢者医療各保険事業への繰出金が年々増加している。対策として、医療及び介護の給付抑制に結びつくような健康増進事業に積極的に取り組む。また公共下水道事業においては、国が推進する汚水処理施設の早期概成方針に合わせ、ペースアップして整備してきたため、公共下水道事業会計への繰出金が増大してきたが、今後、本市の財政状況に見合った支出負担を維持できるように、事業計画の見直しも視野に入れなければならない。

補助費等の分析欄

類似団体及び県平均を大きく下回っている支出である。過年度還付金等の増により、全体では前年度より0.8億円の増となっているが、歳出全体に対する補助費等の支出割合は3.3%ほどに過ぎず、本市財政にさほど大きな影響は与えていない。本市に関係する一部事務組合等への負担金が29年度決算額で0.3億円ほどと、他市町村と比較しても小規模であることが大きな要因である。

公債費の分析欄

本市が大規模事業に取り組んでいた時期に発行した事業債の償還終了により、前年度の償還額と比較して、元金が-0.7億円、利子が-0.3億円と減少している。翌年度においても、さらに元利合わせて-1.1億円ほど減少する見込みであり、今後も地方債の発行と償還のバランスを考慮しながら、地方債残高が減少していくように努める。

公債費以外の分析欄

本市の経常収支比率(総合)は98.8%となっており、類似団体と比較(91.6%)しても大きな開きがある状況である。公債費以外の要素についても、扶助費、その他(繰出金)が経常収支比率を押し上げていることから、類似団体平均より+7.8ポイント高い状況であり、扶助費及び繰出金の適正な支出に努めなければならない。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

目的別の歳出状況を類似団体と比較した場合、住民一人あたりの民生費のコストが類似団体平均のおよそ1.5倍と著しく高額である。また、本市の29年度決算においても決算総額の50.7%と、約半分が民生費からの支出となっている。民生費の中では、障がい・高齢者・児童・生活保護に係る扶助費、及び国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療各特別会計への繰出金の合計がその92.3%を占めており、ここ数年右肩上がりに上昇している。今後も国による子育て支援政策の拡大や高齢化に伴って増え続ける見込みであり、支出抑制が非常に困難なものとなっている。その結果、教育費や消防費といった、本市としても充実させなければならない経費が類似団体平均値を大きく下回っている状況である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

性質別の歳出状況については、本市の扶助費が類似団体内でも最も高い数値となっている。住民一人当たりの扶助費については、近隣市町村においても軒並み高い数値となっており、旧産炭地域としての産業基盤の惰弱さと、急速な高齢化や働き手の流出といった、地域の特性も大きく影響している。扶助費増加の要因としては、障がい福祉サービスの給付が高止まりを続けていること、さらに国による子育て支援政策の拡大によって、保育所や学童保育といった児童に係る扶助費が近年増大していることが挙げられる。それらの財源を捻出するために、普通建設事業や物件費を抑制・削減せざるをえないのが現状である。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

平成29年度決算において実質単年度収支は赤字となった。歳入面では地方税で減収(-0.4億円)となったものの、普通交付税(+0.9億円)や臨時財政対策債(+0.7億円)で増収となったが、扶助費(+2.2億円)や繰出金(+0.5億円)により歳出面で増額となったことが要因である。また、財政調整基金の残高が29年度末で30.9億円、全基金の合計が42.9億円と県内の他市と比較しても少額であり、今後実質収支の赤字が続くような状況が発生した場合は、その赤字を補う余力も限られていることが不安材料である。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

国民健康保険特別会計において、29年度単年では黒字となっているが、前期高齢者交付金の平成25年度交付分が超過交付となり、その精算で発生した赤字を解消できずに現在に至っているが、平成30年度の国保制度改革に伴い保険税率を改正したことで、単年度収支は今後黒字となる見込である。また、水道事業が29年度も約19.2億円と、例年15億円を超える剰余額を出しており、国民健康保険特別会計を含む全会計を合わせたところで、水道事業の黒字を超過するほどの赤字が近い将来に発生することはないと見込んでいる。今後も実質赤字比率を算出することのないように、健全な財政の運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

・近年、地方債の発行を抑制しながら償還を進めてきた結果、例年の元利償還金が大幅に減となっている。平成13年度発行の特定地域開発就労事業、あるいは平成8年度発行の特定河川等環境整備事業といった償還が前年度で完了した結果、29年度については前年度より約1.0億円の減となり改善している。・地方債の償還額が減額していることに伴い、地方交付税の基準財政需要額へ算入される事業費補正の額は減少しているが、臨時財政対策債の増により公債費の額は増となった。(事業費補正:-0.2億円公債費:+0.5億円)・上頓野産業団地造成事業の土地売却に伴う繰上償還により地方債残高が減少したことなどにより、一般会計から地方債償還の財源として繰り入れられる額が前年度より0.3億円減少した。・公営企業会計の償還額の増のほか若干のマイナス要因はあるが、普通会計における償還額が大幅に改善されており、また今後2年ほどは改善傾向が続くものと見込まれることからも、今後も地方債の発行と償還のバランスを考慮しながら財政運営することによって、継続的な改善が可能である。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

・普通会計の地方債残高は、前年度と比較して約1.6億円減額になっており、毎年順調に減少している。・職員の退職手当負担見込み額については、職員構成の変動により前年度より約2.7億円の減となっている。・財政調整基金の減少により、充当可能基金が前年度より約0.1億円の減となっている。・市営住宅の地方債残高の増に伴い、充当可能特定歳入が前年度より約2.6億円増となっている。・事業費補正により交付税に算入される公債費減により、基準財政需要額算入見込額が約3.2億円減額となっている。・基準財政需要額の算入見込みの悪化はあるものの、全体的にはその他のプラス要因で補っており、改善傾向といえる。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)財源不足を補うため財政調整基金で61百万円を取崩し、庁舎整備基金への30百万円積立などにより、全体として15百万円の減となった。(今後の方針)・基金の使途の明確化を図るために、財政調整基金を取り崩して個々の特定目的基金に積み立てていくことを予定している。・短期的には、「ふるさと応援基金」への積立てにより増加の予定だが、中長期的には減少傾向にある。

財政調整基金

(増減理由)・財源不足を補うため61百万円取崩し・基金利息を6百万円積立て(今後の方針)・歳入歳出の決算余剰金を生じた場合に、財政状況を加味し、可能な範囲で積立を行うこととしているが、現状としては基金利子のみ積立をおこなっている状況である。・今後庁舎の老朽化対策に備えるため、決算余剰が生じなかった場合でも財政調整基金を取り崩し庁舎整備基金への積み替え(30百万円)を毎年度行うこととしている。

減債基金

(増減理由)・基金利息のみを積立て(今後の方針)・歳入歳出の決算余剰金を生じた場合に、財政状況を加味し、可能な範囲で積立を行うこととしている。

その他特定目的基金

(基金の使途)・直方市排水機場等維持管理基金:排水機場の維持管理及びその施設更新並びに排水機場等の属する水系の施設の維持管理・直方市職員退職手当基金:直方市職員の退職手当に充てるため・直方市ふるさと応援基金:魅力あるふるさとづくりの事業の実施・直方市環境整備基金:廃棄物の処理及び資源回収、環境の整備及び保全に係る調査・研究等に関すること、その他環境の整備及び保全に関する事業の推進・直方いこいの村施設整備基金:直方いこいの村の施設、設備等の維持管理及び更新(増減理由)・直方市排水機場等維持管理基金:各排水機場の維持管理経費に充当ため7百万円の減・直方市職員退職手当基金:利息のみを積立・直方市ふるさと応援基金:直方市ハートフル奨学金事業やグローバル人材育成事業等へ充当するため7百万円を取崩し、寄附金として歳入があった15百万円を積立・直方市環境整備基金:利息のみを積立・直方いこいの村施設整備基金:財産貸付収入10百万円を積立(今後の方針)・庁舎整備基金:庁舎建設から20年以上が経ち、今後の老朽化対策に係る費用として、当面の間毎年30百万円を積み立てることとしている。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本市の有形固定資産減価償却率は類似団体の平均を上回っており、施設の老朽化が進んでいる。施設の管理については、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、施設総量の約20%を削減することを目標とし、約0.8億円の費用削減を目指している。今後は総合管理計画に基づき各施設の個別施設計画を策定する予定としており、計画に基づき適正な施設管理を図る。

債務償還可能年数の分析欄

本市の債務償還可能年数は9.5年と類似団体の平均を上回っている。事業費の削減と市債発行の抑制に努めた結果、市債償還金額は近年減額しており、将来負担比額は減少傾向にはあるものの、依然として高い水準となっている。今後も事業についての取捨選択を厳格に行い、地方債発行の抑制に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

事業費の削減と市債発行の抑制に努めた結果、市債償還金額は近年減額しており、将来負担比率は改善傾向にはあるものの、市債残高は206.3億円と依然として高く、類似団体との比較においても高い水準である。また、有形固定資産減価償却率についても、類似団体の平均値を上回っており、施設の老朽化が進んでいる。今後は、各施設の個別施設計画を策定する予定としており、公共施設等の適正管理の取組を進めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

事業費の削減と市債発行の抑制に努めた結果、市債償還金額は近年減額しており、将来負担比率・実質公債費比率ともに改善しているものの、市債残高は206.3億円と依然として高く、近年では特別会計である下水道事業に対する準元利償還金が大きな負担となっている。類似団体との比較においても、将来負担比率・実質公債費比率ともに高い水準にあり、今後も事業についての取捨選択を厳格に行い、地方債発行の抑制に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

【道路】及び【橋りょう・トンネル】は類似団体平均を下回っており、老朽化は進んでいない一方、【保育所】、【学校施設】、【公営住宅】、【公民館】の項目で類似団体平均を上回っており、老朽化が進んでいる。特に、【保育所】では類似団体平均よりも19.8ポイント高い水準であり、老朽化が著しい。また、【公営住宅】でも類似団体平均よりも15.3ポイント高い水準であり老朽化が進んでいるのと伴に、一人当たりの面積においては類似団体平均の約3倍となっている。今後は、各施設の個別施設計画を策定し、公共施設等の適正管理の取組を進めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【図書館】、【市民会館】、【庁舎】では類似団体平均を下回っており、老朽化は進んでいない一方、【一般廃棄物処理施設】、【体育館】、【消防施設】の項目で類似団体平均を上回っており、老朽化が進んでいる。特に、【体育館】では類似団体平均よりも39.3ポイント高い水準であり、老朽化が著しい。また、【一般廃棄物処理施設】では類似団体平均よりも33.9ポイント高い水準であるが、施設の更新を現在進めており、令和3年度年度供用開始を予定しているところである。今後は、各施設の個別施設計画を策定し、公共施設等の適正管理の取組を進めていく。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、資産総額が前年度と比べて1,452百万円の減少(△2.3%)となった。要因としては、インフラ資産の減価償却によるものである。特に事業用資産について固定資産への投資よりも減価償却額が上回っているため、前年度と比べて839百万円の減少となっている。施設の老朽化が今後の課題であり、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努めなければならない。負債については、460百万円の減少(△1.9%)となった。要因としては、職員の新陳代謝により退職手当引当金が減少していることによる。また、事業費の削減と市債発行の抑制に努めた結果、地方債残高についても減少となっている。全体では、公共下水道事業特別会計、水道事業会計等を加えており、資産総額は前年度と比較して1,238百万円減少し、負債総額は上頓野産業団地造成事業特別会計において土地売却により地方債の償還が進んだことにより、前年度と比較して493百万円減少している。直方市土地開発公社、福岡県後期高齢者医療広域連合を加えた連結では、資産総額は前年度と比べて1,462百万円減少し、負債総額は、737百万円減少している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、経常費用は22,603百万円となり、前年比554百万円の減少(△2.4%)の減少となった。人件費等の業務費用は9,843百万円、補助金や社会保障給付費等の移転費用は12,761百万円であり、移転費用の方が業務費用よりも多くなっている。もっとも金額が大きいのは社会保障給付(8,372百万円、前年度比+2.4%)、次いで他会計への繰出金(2,714百万円、前年度比+0.5%)であり、合わせて行政コストの49%を占めている。社会保障給付については、子育て関係の増加が比率の悪化要因となっている。社会保障給付費の適正な給付を徹底し、市単独で実施している事業についても見直しも視野に入れることで、支出の抑制を図る。全体においても、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が1,777百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が11,549百万円多くなり、純行政コストは、12,848百万円多くなっている。連結では、連結対象企業等の事業収益を計上しているため一般会計等と比べて経常収益が2,143百万円多くなっている一方、補助金等が22,377百万円多くなっているなど経常費用が22,846百万円多くなり、純行政コストは20,942百万円多くなっている。補助金等の増加については、福岡県後期高齢者医療広域連合が主な要因である。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(20,879百万円)が純行政コスト(21,439百万円)を下回っており、本年度差額は△560百万円となり、純資産残高は991百万円の減少となった。社会保障給付費、他会計への繰出金等の移転費用が類似団体と比較しても多くなっている状況であり、財源でまかなえていない状況であるため、今後社会保障給付費・繰出金の適正な支出に努めなければならない。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が8,234百万円多くなっており、本年度差額は△327百万円となり、純資産残高は745百万円の減少となった。連結では、福岡県後期高齢者医療広域連合の税収等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が21,358百万円多くなっており、本年度差額は△144百万円となり、純資産残高は559百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支は884百万円となっているが、投資活動収支については、中泉市営住宅の建設にかかる支出及び各小学校の外壁改修工事を行っていることにより△891百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債の発行額を上回っていることにより160百万円となっており、本年度末現金預金残高は222百万円減少し、204百万円となった。地方債の償還は進んでおり、経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えている状況である。全体では、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計等の税収等が含まれていること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より1,160百万円多い2,044百万円となっている。投資活動収支では、下水道の整備を行っているため△1,603百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債の発行額を上回ったことから△416百万円となり、本年度末現金預金残高は前年度から31百万円減少し、1,592百万円となった。連結では、後期高齢者医療広域連合の税収等収入や補助金支出が含まれることから、業務活動収支は、2,014百万円となっている。投資活動収支は△1,621百万円、財務活動収支は△418百万円であり、本年度末現金預金残高は前年度から250百万円減少し、2,067百万円となった。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率は、合併を行っていないことにより、類似団体よりも保有している資産が少ないため下回っている。一方で有形固定資産減価償却率では、類似団体平均より高い水準にあり、毎年の固定資産への投資よりも毎年の減価償却費が上回っている状況である。今後施設の更新・改修等の費用がかかることが見込まれる。平成28年度に作成した公共施設等総合管理計画に基づき、今後40年間の取り組みとして公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設の更新・改修等の費用の削減に取り組む。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

合併を行っていないことにより資産額が類似団体よりも下回っているのに対して負債(将来世代負担比率)が類似団体よりも上回っているため、純資産比率が類似団体平均値を下回っているが、負債の大半を占めているのは、地方交付税の不足を補うために特例的に発行している臨時財政対策債である。仮に臨時財政対策債を負債残高から除いた場合、純資産比率は、77%となる。将来世代負担比率が高い状況は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、行政コストの削減に努めなければならない。事業費の削減と資産発行の抑制に努めた結果、地方債残高は減少傾向であるが、今後も事業についての取捨選択を厳格に行い、地方債を乱発することのないよう努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均と同程度であるが、昨年度よりも減少(0.5万円)している。中でも社会保障給付費及び他会計への繰出金の支出が多くなっている。社会保障給付が増加傾向にあるため、資格審査等の適正化や単独実施の扶助費等の見直しを進め、扶助費の増加傾向に歯止めをかけるよう努めなければならない。また、公共下水道事業特別会計への繰出についても、これ以上負担増とならないよう、事業の縮小も視野に入れ、今後の事業計画を再検討する必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体を下回っている。前年度と比べて減少(0.6万円)している。職員の新陳代謝により退職手当引当金が減少し、全体として負債額が減少した。基礎的財政収支は、157万円となっており投資活動収支を業務活動収支の黒字分で賄えている。前年度と比較して基礎的財政収支が減少した要因としては、国県等補助金の減少によるものである。また、業務活動収支で投資活動収支を賄った余剰分については、地方債の償還に充てているため、地方債の減少につながっている。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率について、類似団体と比較して使用料及び手数料収入が多いことで類似団体平均を上回っている。ごみ処理事業において一部事務組合に加入にしておらず、類似団体が一部事務組合で業務を行っているものを市単独で行っていることが受益者負担比率が高い要因と考えられる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,