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地方財政ダッシュボード

福岡県直方市の財政状況(2021年度)

🏠直方市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 農業集落排水


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少・高齢化傾向が続き、旧産炭地を脱却するほどの基幹的産業もないことから、本市の財政力指数は0.56と、類似団体と比較しても低い水準が続いている。財政基盤強化のため雇用を創出し、移住・定住を促進させることで、地方税等の自主財源確保に努めるとともに、歳出面でも支出の削減を図ることで、国県等からの歳入や市債に頼らない自立した財政運営を目指す。

経常収支比率の分析欄

令和3年度は普通交付税、地方消費税交付金等の歳入が大幅に増加したことにより、経常収支は4.9ポイント改善した。しかし、大型の建設事業が開始となったことにより公債費が増加に転じており、扶助費に関しても、障がい、児童、高齢者等、全般的に年々増大している。今後も公債費が増加見込みであるため、税収等の経常的一般財源の確保、DXの推進等よる事務の効率化に努め、経常経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を上回っているのは、主に物件費が要因となっている。これは新型コロナウイルス感染症対策に係る委託費の増大によるものである。本市は人口が減少傾向にあることから、人口1人当たりの経費としては大きな削減が困難な状況である。例年、類似団体平均値とも大きな差はないが、他市町村の状況を調査し、効果が見込めるような事例・取り組みは積極的に導入を検討していく。

ラスパイレス指数の分析欄

例年、類似団体の平均値よりも1~3ポイント高い数値で推移している。近隣市町村の状況を考慮しながら、適正な水準を維持できるように努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

例年、類似団体平均値とも大きな差はないが、組織・定員管理計画に基づいた適切な配置とDXの推進やアウトソーシングの活用を図ることで内部管理事務の改善を図っていく。

実質公債費比率の分析欄

大型の建設事業の財源とした地方債の償還開始に伴い、0.3ポイント悪化となり、類似団体平均を上回る結果となった。令和4年度以降も元利償還金が増加するため悪化が見込まれている。また、近年では下水道事業会計における準元利償還金が大きな負担となっている。今後も事業についての取捨選択を厳格に行い、地方債発行の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

令和元年度から大型の建設事業の財源とした地方債の新規発行が続き、地方債残高が増加したことにより、将来負担比率は2.8ポイント悪化した。今後も老朽化した公共施設の更新等の事業により地方債残高が増加していく見込みとなっている。今後は後世への負担を少しでも軽減するよう、新規事業の実施等について総点検を図り、地方債発行の抑制等により財政の健全化を図る。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

職員数は微減となり、一般職員給は前年度より3百万円減となった。一方退職手当は退職者増により30百万円増となった。経常支出は増となったが、経常的一般財源が増加したことにより、経常収支比率は前年度より0.6ポイント改善した。今後も人件費上昇が見込まれる為、業務の集約化、デジタル化等により適切な職員配置を行うよう努める。

物件費の分析欄

経常支出は約1億円の増額となったが、経常収入の増により経常収支比率としては0.4ポイントの改善となった。類似団体平均値との比較では下回っているが、事業の民間委託化に伴い物件費が増加傾向となっている。扶助費及び特別会計への繰出金が年々増加している中、全体の経常収支比率を抑えるために、物件費を抑制・削減せざるをえない状況であると言える。

扶助費の分析欄

本市財政を圧迫する最も大きな要因であり、類似団体平均を大きく上回っている。経常収支比率は前年度より1.6ポイント改善しているが、経常支出は約1億円増となっている。障がい児通所事業費が0.9億円の増(前年度比+17.8%)となり毎年同程度の割合で増加していることが上昇要因となっている。その他の扶助費に係る支出も依然高止まりしており、支出抑制に有効な対策もなく、苦慮している状況である。扶助費の適正な給付を徹底し、市単独で実施している事業についての見直しも視野に入れることで、支出の抑制を図る。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、繰出金の増加が主な要因である。令和3年度は新型コロナウイルス感染症の影響による受診控え等により微増にとどまっているが、急速に進む高齢化により、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険事業への繰出金が増加傾向である。医療及び介護の給付抑制に結びつくような健康増進事業に積極的に取り組む。

補助費等の分析欄

補助費等の経常支出のうち6割を占める下水道事業会計への補助が前年度との比較で0.7億円減となったことが大きな要因となり、0.7ポイントの改善となった。類似団体平均を下回っているのは、本市に関係する一部事務組合等への負担金が他市町村と比較しても小規模(令和2年度決算額で約0.3億円)であることが要因である。

公債費の分析欄

経常収支比率は0.5ポイント改善しているが、大型の建設事業の財源とした地方債の償還が令和2年度から順次開始しており、元利償還金が増加(元金+71百万円、利子-15百万円)した。令和4年度以降も増加見込みであり、今後、非常に厳しい財政運営となることが予想される。地方債の発行と償還のバランスを考慮しながら、事業の取捨選択を厳格に行っていく。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は4.4ポイント改善した。新型コロナウイルス感染症対策により経常的な支出を抑えたことが要因のひとつに挙げられる。公債費以外の要素についても、扶助費、繰出金が経常収支比率を押し上げていることから、今後は当該項目について適正な支出に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

住民一人あたりの民生費のコストが類似団体平均のおよそ1.3倍と著しく高額である。令和3年度決算においては決算総額の46.6%が民生費からの支出となっている。また、民生費のうち、児童福祉行政に要する経費である児童福祉費が年々増加しており、令和3年度決算でも前年比+18%となっている。特に障がい児通所給付費は今後も増え続ける見込みであり、支出抑制が困難なものとなっている。また、衛生費が住民一人あたり14,898円増加しているのは、新型コロナウイルスワクチン接種事業費、汚泥再生処理センター建設費、火葬炉改修費の増が主な要因である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり528,103円となっている。主な構成項目である扶助費が類似団体内でも高い数値となっており、今後も増加見込である。特に障がい福祉サービスの給付費が年々増加していることが主な悪化要因となっている。普通建設事業費の増加については汚泥再生処理センター建設および火葬炉改修に伴う一時的な増加であるが、今後も老朽化した施設の更新等を控えているため、公共施設等総合管理計画に基づき、事業の取捨選択を徹底していくことで事業費の減少を目指す。また、市税を主とする自主財源の増加も見込めない中、財源を捻出するために、その他の経費を抑制・削減せざるをえないのが現状である。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

令和3年度は地方交付税(+323百万円)及び地方消費税交付金(+107百万円)が増額となったことで実質収支が10億円の増、標準財政規模に占める割合では7.02ポイントの増となり、実質収支は大幅に改善した。これにより財政調整基金の取崩しを回避できたため、残高は前年度とほぼ同水準で推移している。中長期的には赤字となることが予想されるため、事務事業の見直し・統廃合や公債費の抑制など歳出の合理化を推進し、健全な行財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

国民健康保険特別会計については、新型コロナウイルス感染症の影響による受診控えなどもあり、令和2年度以降は黒字決算となっている。しかし、被保険者数の減少に伴い国民健康保険税も減収となる一方で、再び赤字となる可能性も孕んでいる。一方、水道事業は令和3年度の剰余額約19.2億円と、例年15億円を超える剰余額を出しており、安定した財政運営となっている。全会計連結では、今後数年は水道事業の黒字を超過するほどの赤字が発生することはないと見込んでいるが、今後も実質赤字比率を算出することのないように、健全な財政の運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

・大型の建設事業の財源とした地方債の償還が令和2年度から順次開始しており、元利償還金が増加(元金+71百万円、利子-15百万円)した。・地方交付税の基準財政需要額へ算入される公債費に係る償還額、臨時財政対策債が減少したことにより、算入公債費の額は20百万円減少した。・下水道事業の償還額が年々増加しており、普通会計においても大型建設事業の償還開始により今後も増加が見込まれている。地方債の発行と償還のバランスを考慮しながら財政運営することによって、継続的な改善を図っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

普通会計の地方債残高は、平成30年度以降増加が続いている。令和3年度は緊急自然災害防止対策事業3.1億円、臨時財政対策債8.2億円等の借入を行い、償還額を上回ったことが大きな要因となり、将来負担額が2.9億円増となった。一方、充当可能財源については、公債費、下水道費、道路橋りょう費等基準財政需要額の減が主な要因となり、約2億円減となっている。その結果、将来負担比率の分子は悪化した。今後も老朽化した公共施設の更新等の事業により地方債残高が増加していく見込みとなっているため、事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)・退職手当基金31百万円、排水機場等維持管理基金8百万円を取り崩す等により特定目的基金は減少したが、普通交付税再算定に伴う増収により減債基金に226百万円積み立てたことが大きな要因となり、基金全体としては227百万円の増となった。(今後の方針)・財政調整基金については、令和4年度に10億円程度元金積み立てを行う予定だが、令和5年度以降は実質単年度収支が赤字となる見込みであり、積立の見通しは立っていない。取崩しについては、今後発生する財源不足を補うために実施するものと見込んでいる。・その他特定目的基金については、「直方市いこいの村整備基金」「直方市ふるさと応援基金」「直方市庁舎整備基金」で運用益以外の元金積立を例年実施しているが、これ以外の基金については運用益以外の積立予定はなく、決算剰余金が出た場合においても、財源調整の基金を優先する方針である。取崩しについては、災害復旧、施設整備等、今後充当が必要な事業について精査し、事業実施に合わせ計画的に行っていく予定である。

財政調整基金

(増減理由)・令和3年度においては黒字決算のため取り崩しは行わず、元金(同和会計)8百万円、利息1.2百万円の積立を行った。(今後の方針)・一般会計分については、歳入歳出の決算剰余金が生じた場合に、財政状況を加味し、可能な範囲で積立を行うこととしているが、現状としては基金利子のみ積立を行っている状況である。・短期的には44億円程度まで増加するものの、令和5年度を目途に減少していく見込み。

減債基金

(増減理由)・普通交付税再算定分のうち臨時財政対策債償還基金費相当額226百万円を積み立てたことによる増加。(今後の方針)・歳入歳出の決算剰余金が生じた場合に、財政状況を加味し、可能な範囲で積立を行うこととしている。

その他特定目的基金

(基金の使途)・直方市ふるさと応援基金:魅力あるふるさとづくりの事業の実施・直方市排水機場等維持管理基金:排水機場の維持管理及びその施設更新並びに排水機場等の属する水系の施設の維持管理・直方市環境整備基金:廃棄物の処理及び資源回収、環境の整備及び保全に係る調査・研究等に関すること、その他環境の整備及び保全に関する事業の推進(増減理由)・直方市退職手当基金:-31百万円定年前早期退職者の退職手当の財源として充当したことによる減少・庁舎整備基金:+30百万円毎年度30百万円の積立を行っている・直方市排水機場等維持管理基金:-8百万円各排水機場の維持管理経費に充当するため8百万円を取崩し、利息を積立(今後の方針)・直方いこいの村施設整備基金:宿泊施設「直方いこいの村」が閉鎖となったため同基金を廃止し、残額を財政調整基金に積替え予定。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本市では令和4年3月に改訂した公共施設等総合管理計画において、施設総量の約30%を削減することを目標とし、約2.5億円の費用削減を目指している。有形固定資産減価償却率については、上昇傾向にはあるものの、一部施設で更新を行ったことから伸びは緩やかであり、これまでの取組の効果が表れていると考えられる。

債務償還比率の分析欄

本市の債務償還比率は632.8%となり、類似団体の平均を上回っている。地方消費税交付金、普通交付税等の増加により充当可能財源が増となり、大幅な改善となったが、依然として高い水準となっている。大型事業の償還開始に伴い市債償還金額は増加に転じており、将来負担額は今後増加する見込みである。今後も事業についての取捨選択を厳格に行い、地方債発行の抑制に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和元年度から大型の建設事業の財源とした地方債の新規発行が続き、将来負担比率は増加傾向である。市債残高も依然として高く、類似団体との比較においても高い水準である。有形固定資産減価償却率についても、類似団体の平均値を上回っており上昇傾向にある。主な要因としては、73.5%の学校施設、89.2%の体育館が挙げられるが、一般廃棄物処理施設の建替えを行ったことにより13%に改善したことで、伸びは緩やかである。今後、公共施設等総合管理計画、各施設の個別施設計画に基づき、公共施設等の適正管理を進めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに上昇傾向であり、類似団体と比較して高くなっている。主な要因としては、平成29年度から令和3年度にかけて行った汚泥再生処理センター建設事業、市営住宅建設事業に際し、合計で約26億円の地方債を発行したことが考えられる。これらの地方債の償還は令和3年度から始まったため、今後も実質公債費比率が上昇していく見込である。今後、事業についての取捨選択を厳格に行い、地方債発行の抑制に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、公民館、公営住宅、体育館であり、特に低くなっている施設は、一般廃棄物処理施設である。【公民館】については、全体的に老朽化が進行しており、類似団体平均を23.5ポイント上回っている。今後は個別施設計画を基に長寿命化を図り、複合化を検討していく。【公営住宅】については、令和元年度から建て替えを進めているが、一人当たりの面積においては類似団体平均の3倍超となっている。今後は直方市営住宅長寿命化計画を基に、集約化、縮小建替え、解体による面積の削減を進めていく。【学校施設】については、全体的に老朽化が進行しており、直方市学校施設等長寿命化計画を基に、状況に応じた改修を行っている。今後は少子化の状況に応じた規模の適正化による面積削減を検討する。【認定こども園・幼稚園・保育所】については、市立保育所が民営化によって今年度から「該当数値なし」となっている。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【図書館】、【市民会館】、【消防施設】、【庁舎】、【一般廃棄物処理施設】では有形固定資産減価償却率が類似団体平均を下回っているが、【体育館】で類似団体平均を大幅に上回っており、老朽化が進んでいる。【体育館】については、令和3年度からアリーナ、外壁等の改修を行いったため、10.8ポイント改善したものの、類似団体平均より25.6ポイント高い水準となっている。【一般廃棄物処理施設】については、令和3年度に建替えが完了したため、大幅に改善した。【福祉施設】については、令和2年度から3年度にかけて行った中央隣保館改修事業が完了したため、5.1ポイント改善し、類似団体と同水準となった。今後は、公共施設等総合管理計画、各施設の個別施設計画に基づき、公共施設等の適正管理の取組を進めていく。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、資産総額が前年度比1,182百万円増(+1.8%)となった。汚泥再生処理センターの建設により有形固定資産が約670百万円増加したことが主な要因である。ただし、築30年以上の公共施設が79.7%にのぼり、資産全体の老朽化は進んでいるため、今後は公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努めていく。負債については、前年度比548百万円増(+2.1%)となった。先に述べた大型の投資事業の財源となった地方債が676百万円増加したことが主な要因である。今後は事業の取捨選択を厳格に行い、地方債発行の抑制に努める。全体では、下水道事業会計、水道事業会計等を加えており、資産総額は前年度比2,081百万円増、負債総額は前年度比1,158百万円増となっている。直方市土地開発公社、福岡県後期高齢者医療広域連合を加えた連結では、資産総額は前年度比1,990百万円増、負債総額は前年度比1,158百万円増となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、経常費用は24,614百万円となり、前年度比805百万円増(+3.4%)となった。人件費等の業務費用は10,821百万円、補助金や社会保障給付費等の移転費用は13,793百万円であり、移転費用が業務費用よりも多い。最も金額が大きいのは社会保障給付(9,313百万円、前年度比+2.9%)であり、純行政コストの37.4%を占めている。年々増加している障害福祉サービス費が悪化要因となっている。社会保障給付費の適正な給付を徹底し、市単独で実施している事業について見直しも視野に入れることで、支出の抑制を図る。全体において、経常収益は水道料金等を使用料及び手数料に計上していることにより3,237百万円、移転費用は、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上していることにより24,385百万円となり、純行政コストは、一般会計等より11,893百万円多い36,799百万円となっている。連結では、連結対象企業等の事業収益を計上しているため経常収益が3,457百万円、経常費用が補助金等の影響により47,021百万円となり、純行政コストは45,413百万円となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(25,647百万円)が純行政コスト(24,906百万円)を上回っており、本年度差額は741百万円となり、純資産残高は634百万円の増加となった。本年度は普通交付税の再算定により追加交付がなされたことで税収等が増加した一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により市単独事業の執行が抑制されたこと等により純資産が増加している。しかし、社会保障給付費、他会計への繰出金等の移転費用が類似団体と比較しても多くなっている状況である為、今後は扶助費の適正な給付を徹底し、市単独で実施している事業についての見直しも視野に入れることで、支出の抑制を図る。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が4,966百万円多くなっており、本年度差額は751百万円となり、純資産残高は前年度比923百万円増の46,668百万円となった。連結では、福岡県後期高齢者医療広域連合の税収等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源のうち税収等が12,544百万円多くなっており、本年度差額は645百万円となり、純資産残高は前年度比832百万円増の47,416百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支は2,256百万円となっているが、投資活動収支については、汚泥再生処理センター建設を行ったことにより△2,520百万円となった。財務活動収支については、地方債発行収入が地方債償還支出を上回っていることにより698百万円となっており、本年度末資金残高は前年度比433百万円増の2,123百万円となった。来年度以降は、公営住宅建設事業債、一般廃棄物処理事業債の償還が始まることから、財務活動収支は減少することが考えられる。全体では、国民健康保険特別会計や介護保険特別会計等の税収等が含まれていること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より1,410百万円多い3,666百万円となっている。投資活動収支では、下水道管の整備を行っているため△3,331百万円となっている。財務活動収支は、地方債発行収入が地方債償還支出を上回ったことから519百万円となり、本年度末資金残高は前年度比854百万円増の4,162百万円となった。連結では、後期高齢者医療広域連合の税収等収入や補助金支出が含まれることから、業務活動収支は、一般会計等より1,303百万円多い3,559百万円となっている。投資活動収支は△3,256百万円となり、財務活動収支は519百万円となったことから、本年度末資金残高は前年度比824百万円増の4,644百万円となった。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率は、合併を行っていないことにより、類似団体よりも保有している資産が少ないため下回っている。有形固定資産減価償却率では、類似団体平均と同水準で、固定資産への投資よりも減価償却費が上回っている状況である。今後施設の更新・改修等の費用の増大が見込まれる。公共施設等総合管理計画に基づき、今後40年間の取り組みとして公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設の更新・改修等の費用の削減に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

合併を行っていないことにより資産額が類似団体よりも下回っているのに対して負債(将来世代負担比率)が類似団体よりも上回っているため、純資産比率が類似団体平均値を下回っている。負債の大半を占めているのは、地方交付税の不足を補うために特例的に発行している臨時財政対策債である。仮に臨時財政対策債を負債残高から除いた場合、純資産比率は、74.9%となる。将来世代負担比率は、類似団体平均を上回っている。大型の建設事業の財源とした地方債の新規発行が続いており、昨年度と比べて0.9%増となった。今後も事業についての取捨選択を厳格に行い、地方債の発行の抑制に努め、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担軽減に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均より上回っている。純行政コストのうち約38%を占める社会保障給付、増加傾向である他会計への繰出金が主な要因となっている。社会保障給付については、資格審査等の適正化や単独実施の扶助費等の見直しを進め、扶助費の増加傾向に歯止めをかけるよう努めなければならない。また、下水道事業会計への繰出についても、これ以上負担増とならないよう、事業の縮小も視野に入れ、今後の事業計画を再検討する必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体を上回っている。令和元年度から実施していた大型建設事業の財源とした地方債の新規発行が続いたことで、前年度から1.3万円増加している。基礎的財政収支は、投資活動収支が赤字だが、業務活動収支の黒字となり、68百万円となっている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して公共施設等の整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率について、類似団体と比較して使用料及び手数料収入が多いことで類似団体平均を上回っている。ごみ処理事業において一部事務組合に加入にしておらず、類似団体が一部事務組合で業務を行っているものを市単独で行っていることが受益者負担比率が高い要因と考えられる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,