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地方財政ダッシュボード

徳島県鳴門市の財政状況(2020年度)

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少や地価評価額の下落等により、市税が減少傾向にある中、新庁舎整備事業や道の駅「くるくるなると」整備事業といった大規模事業を進めており、投資的経費等について、中長期的な視点から収支見通しについて精査し、限られた財源をより有効に活用する必要がある。

経常収支比率の分析欄

歳入面では、市税が約211百万円の減額となり、歳出面では、義務的経費やその他介護保険事業特別会計などへの繰出金の増などにより、経常収支比率は前年度比0.6ポイント悪化している。今後においても、公債費の高止まり等により、義務的経費が財政を圧迫し、弾力的な財政運営が困難になることが予測されることから、引き続き、施設の維持管理費や光熱水費等の縮減に取り組む。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、令和2年度より「会計年度任用職員制度」が導入されたことに伴う会計年度任用職員報酬等の増などにより、約431百万円の増となっている。物件費については、学校給食センター配送・調理委託に伴う委託料の増(約151百万円増)や焼却場管理費の増(約108百万円増)などの一方で、臨時職員賃金の減(約471百万円減)などにより、全体として約5百万円の減となっている。引き続き、職員数の適正化、民間委託の推進、事務事業の見直し等を進め、さらなる人件費・物件費の抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体内平均より低い値となっている。これは、平成15年から平成29年まで管理職の給料の減額を続けてきた効果と考えられる。平成28年度から増加傾向にあったが、令和2年度は前年度比0.4ポイント減となり、減少に転じた。今後については、本市の財政状況や他団体の動向を見極めながら減額措置のあり方について検討を行う。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成10年度に第1次定員管理適正化計画を策定して以降、第2次定員管理適正化計画、集中改革プラン、スーパー改革プランなどの取り組みにより職員削減を行ってきた。しかし、令和2年度より「会計年度任用職員制度」が導入されたことに伴う会計年度任用職員報酬等の増により増加に転じた。依然として、経常経費に占める人件費の割合が高い状況にあることから、職員1人あたりの人口を100人以上とする定員管理適正化の実現を図る。

実質公債費比率の分析欄

退職手当債やクリーンセンター建設時の起債の償還終了に伴い元利償還金が減少し、前年度比0.8%減となっているが、今後、学校教育施設やその他の公共施設等の耐震化事業にかかる元金償還が始まることから、依然として高止まり傾向が予想される。起債事業の取捨選択はもとより、利率の高い事業債については、繰上償還や借換等を検討し、可能な限り最小限の負担となるよう努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率の主な増要因としては、ボートレース競走事業会計からの借入があるが、庁舎整備基金や減債基金に積み立てていることや、地方債の償還終了による地方債残高の減により、前年度比0.4%の減となった。今後は新庁舎整備事業や道の駅「くるくるなると」整備事業といった大規模事業に地方債を活用することで、現在高の増加が見込まれるため、各種事業を進めるにあたり、重点化や縮減を図り、財政健全化を進める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

令和2年度より「会計年度任用職員制度」が導入されたことに伴う会計年度任用職員報酬等の増などにより、約431百万円の増となり、類似団体よりも高い状態が続いている。これは、ごみ収集業務が直営であることや、幼稚園における施設数(教員数)が多いことが挙げられる。今後、直営によるサービスや施設の管理方法について更なる見直しを行い、人件費の削減に取り組んでいく。

物件費の分析欄

平成17年以降、組織・機構の見直しや民間委託等の推進、指定管理制度の導入により、民間や特定非営利活動法人の資源・人材を活用することで経費の削減に取り組んできた結果類似団体平均よりも低い値となっている。令和2年度は、学校給食センター配送・調理委託に伴う委託料の増(約151百万円増)や焼却場管理費の増(約108百万円増)、臨時職員賃金の減(約471百万円減)などの増減要因があり、前年度同値となった。

扶助費の分析欄

類似団体平均とほぼ同水準となっている。児童扶養手当費など(約94百万円減)が減少した一方で、医療扶助費増(約53百万円増)などにより、約38百万円の減となった。扶助費の多くを占める生活保護費については、受給者数の減小などにより減少傾向にあり、今後も医療扶助などについて適正な事務の実施に取り組んでいく。

その他の分析欄

その他の主要な費用は繰出金であるが、そのうち、特別会計への繰出金が大きな割合を占めており、介護保険事業特別会計への繰出金は増加傾向(約43百万円増)にある。一方、公共下水道事業特別会計については、令和2年度から公営企業会計に移行したことに伴い、繰出金が減少(約446百万円減)した。これらの影響により、前年度比-1.8%となったが、今後も普通会計以外の特別会計の状況を十分把握し健全な運営に努める。

補助費等の分析欄

平成13年度から平成19年度まで補助金・交付金を一般財源ベースで10%以上、20年度から平成25年度までは3~5%削減の概算要求基準を設け経費削減に努めてきた。前年度比3.1%増となった要因については、令和2年度から公営企業会計に移行した下水道事業会計への繰出金の増が影響している。今後も公平性・有効性等の観点から見直しを行うなど、効率的な予算執行に努める。

公債費の分析欄

退職手当債(平成21年度分)やクリーンセンター建設時の起債の償還が終了したことなどにより、0.4%減となっている。短期的には、これらの償還が順次終了していくため、減少傾向にあるものの、今後も新庁舎整備事業や道の駅「くるくるなると」整備事業などの大規模な事業に取り組んでいくため、高止まりの傾向は続く見込みである。

公債費以外の分析欄

人件費の削減に努めているものの、近年の扶助費や物件費、繰出金の伸びにより増加傾向である。引き続き、人件費の適正化や効果的・効率的な事業運営など行財政改革の取り組みを推進する。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・総務費は、住民一人当たり18万7,549円と大幅に上昇した。これは、臨時の特別定額給付金給付事業費の影響によるものである。・民生費は、住民一人当たり16万9,618円で増加している。これは、子育て世帯商品券給付事業費や感染症予防対策事業など、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、新たな事業を実施したことによるものである。・労働費は、住民一人当たり6円となっており、さらに減少した。これは、高校生インターンシップなど例年実施の事業が、新型コロナウイルス感染症拡大により、一部中止となったことが影響している。・教育費は、住民一人当たり5万3,371円となっており、30年度より減少傾向が進んでるのは、新学校給食センター整備事業や図書館整備が完了したことによる減である。その他、学校施設の耐震化事業なども順次完了しており、今後は減少傾向になるものと見込まれる。・公債費は、今後も新庁舎整備事業や道の駅「くるくるなると」整備事業など、大規模な事業が予定されているため、高止まりの傾向は続く見込みである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・歳出決算総額は、住民一人当たり57万7,485円となっている。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり8万5,863円となっており、過去数年、類似団体内平均値と比較すると高い水準である。これは、ごみ収集業務が直営であることや幼稚園における施設数(教員数)が多いこと、令和2年度より「会計年度任用職員制度」が導入されたことに伴う会計年度任用職員報酬等の増などが主な要因である。・扶助費は、住民一人当たり10万4,271円であり、再び類似団体内平均値を上回った。これは、新型コロナウイルス感染症対策として、ひとり親世帯への臨時特別給付金給付事業費の増(約87百万対策基金円増)や子育て世帯への臨時特別給付金給付事業費の増(約61百万円増)などが影響している。・物件費は、民間委託の推進などにより、住民一人当たり6万203円と増加傾向が続いているが、民間や特定非営利活動法人の資源・人材を活用することで経費の削減に取り組んできた結果類似団体平均よりは低い値となっている。・普通建設事業費は、住民一人当たり5万3,439円となっており、類似団体内平均値よりも低い水準となった。増減要因としては、第一中校舎改築工事の減(約655百万円減)の一方で、道の駅「くるくるなると」整備事業の増(約326百万円増)、堀江公民館新築工事の増(約229百万円増)など新たな投資事業が増加に影響した。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

実質収支については、安定的な黒字を保っているものの、今後も、扶助費の増大や、新庁舎整備事業や道の駅「くるくるなると」整備事業など多額の投資的経費が必要となり、予断を許さない状況である。今後は、基金取り崩し額の抑制及び将来の投資的経費を見据えた基金積み立てなど、実質単年度収支の改善のため、歳入確保・歳出削減に向けた取り組みを着実に進めることはもちろん、あらゆる事務事業についても、不断に見直し・効率化を進めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

全会計において黒字となっている。前年度に比較して、黒字総額が増加している要因としては、モーターボート競走事業会計によるところが大きく、ボートレース鳴門のリニューアルオープン以降、収益が好調に推移していることが主な要因である。急速な少子高齢社会の進行や地域間競争の激化、老朽化した公共施設への対応などが喫緊の課題となっているなど、本市をめぐる財政情勢は依然として厳しい状況であり、今後も引き続き、行財政改革に積極的に取り組み、財政の健全化を図っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

元利償還金について、団塊世代の退職手当に係る退職手当債やクリーンセンター建設時の起債の償還が終了したことにより、実質公債費比率の分子は減となったが、依然として公共施設耐震化事業などの償還により高い水準である。今後、学校教育施設やその他の公共施設等の耐震化事業にかかる元金償還が始まることから、依然として高止まり傾向が予想される。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

退職手当負担見込額及び地方債現在高については、30年度から減少傾向となっている。公営企業債等繰入見込額については、30年度より大幅に増加しているが、ボートレース競走事業会計からの借入金3,000百万円を計上したためである。借入の一部は、将来の投資的事業を見据え、庁舎整備基金や減債基金などに積み立てているものの、将来負担額及び将来負担比率の分子においては、30年度より大幅な増加となっている。今後も新庁舎整備事業や道の駅「くるくるなると」整備事業など、大規模な事業を予定していることから、引き続き厳しい財政運営となる状況である。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)新型コロナウイルス感染症対策事業に活用するため、モーターボート競走事業会計からの収益金繰入1億円及び財政調整基金の取り崩し1億円を原資に「新型コロナウイルス感染症対策基金」を創設した。また、新庁舎整備事業や道の駅「くるくるなると」整備事業などの大規模事業に取り組むにあたり、当初予算において、庁舎整備基金に1.5億円の積み立てを行い、財政調整基金は8億円の取り崩しを行った。加えて、新型コロナウイルス感染症の影響により、各種イベントの中止等に伴う減額補正の収支差を、財政調整基金及び減債基金に約5億円積み立てた結果、基金全体では、約4.6億円の増となっている。(今後の方針)その他特定目的基金の中でも、「鳴門市ふるさと活性化基金」、「鳴門市ボートレース鳴門まちづくり基金」は、ふるさと納税寄附金やボートレース事業の好調により、今後も一定額の残高確保が見込まれる。また、減債基金については、現在進めている新庁舎整備事業や道の駅「くるくるなると」整備事業など大規模事業に係る将来の公債費増を見据え、適宜積み立てていくことを予定している。さらには、長期化する新型コロナウイルス感染症に適時的確に対応するため、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金などの各種交付金と合わせて、新型コロナウイルス感染症対策基金の活用を予定している。

財政調整基金

(増減理由)新庁舎整備事業や道の駅「くるくるなると」整備事業などの大規模事業や新型コロナウイルス感染症対策事業など新たな財政需要の増加に対応するため取り崩しを行ったことにより約3.1億円の減となっている。(今後の方針)本来であれば、基金の使途の明確化を図るため、特定目的基金へ積み立てるところであるが、長期的に健全な財政運営を図るとともに、突発的な財政需要に対応するためには、10億円程度を下回らない額は確保したい。

減債基金

(増減理由)将来の公債費増に対応するため、前年度繰越金の一部及び減額補正による収支差を積み立てたことから約4億円の増となっている。(今後の方針)退職手当債やクリーンセンター建設時の起債の償還が、順次終了していく見込みであることから、取り崩し額は減少の見込みである。一方で、新庁舎整備事業や道の駅「くるくるなると」整備事業などの大型の普通建設事業に備えるため、積み立てを行っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・鳴門市庁舎整備基金:庁舎の整備を円滑に行う。・鳴門市ふるさと活性化基金:本市の魅力あるまちづくりを推進し、市勢の活性化を図り、個性的で魅力的な「ふるさと鳴門」づくりに資する。・鳴門市ボートレース鳴門まちづくり基金:モーターボート競走事業の社会貢献広報事業として、地域の活性化及び振興を図り、鳴門市の活力あるまちづくりに資する。・鳴門市新型コロナウイルス感染症対策基金:①感染拡大の防止に資する事業②住民生活の支援に資する事業③地域経済対策に資する事業(増減理由)・鳴門市庁舎整備基金:モーターボート競走事業会計からの借入金を原資に積み立てたことによる増加。・鳴門市ふるさと活性化基金:ふるさと納税寄附金を積み立てたことによる増加。・鳴門市ボートレース鳴門まちづくり基金:モーターボート競走事業会計の令和元年度決算利益剰余金処分に基づき積み立てたことによる増加。・鳴門市新型コロナウイルス感染症対策基金:モーターボート競走事業会計からの収益金と財政調整基金の取り崩しを原資に、積み立てたことによる増加。(今後の方針)・鳴門市庁舎整備基金:新庁舎整備事業に備え、少なくとも起債対象事業費の1割程度の確保を目指す。・鳴門市ボートレース鳴門まちづくり基金:毎年度の決算に基づく利益剰余金処分に基づき、一定額を繰り入れし積み立てを行うとともに、本市のまちづくりに資する事業については、モーターボート競走事業の社会貢献広報事業として、積極的に活用する。・鳴門市新型コロナウイルス感染症対策基金:長期化する新型コロナウイルス感染症に適時的確に対応できるよう、積極的に活用する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

本市の当該指標について、類似団体・全国・県の平均値より高い数値となっており、保有する有形固定資産の老朽化が進んでいる。前年度と比較して、主に道路や橋りょう等のインフラ資産の比率が高く、全体として上昇に転じた。引き続き、「公共施設等総合管理計画」に基づき、中長期的な視点で施設の更新や統廃合、長寿命化等を検討し、対策を実行していく。

債務償還比率の分析欄

本市の当該指標について、類似団体・全国・県の平均値より高い数値となっている。前年度からの上昇要因は、ボートレース競走事業会計からの借入による債務増加である。これは、老朽化した公共施設の更新等に加え、新庁舎建設など大型の投資事業に備えるものである。今後も当該指標には注視し、適正な地方債発行、行財政改革推進による財政運営を図る。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

類似団体内平均値については、将来負担比率の低下、有形固定資産減価償却率の上昇傾向が読み取れる。これに対し、本市は、将来負担比率の上昇、有形固定資産減価償却率は同水準で推移していることが分かる。これは、「公共施設等総合管理計画」に基づき、中長期的な視点で施設の更新や統廃合、長寿命化等を検討し、地方債(将来負担増に影響)などを活用しながら対策してきた結果であるが、有形固定資産減価償却率は同水準で推移していることから、依然として対策を要する資産があることを示している。今後も当該指標に注視しながら、地方債やボートレース競走事業会計からの借入財源を有効活用し、効果的な投資を行う。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

類似団体内平均値については、将来負担比率、実質公債費比率とも低下傾向が読み取れる。これに対し、本市は、将来負担比率の上昇、実質公債費比率の低下傾向となっている。これは、比較的発行額の大きい地方債(退職手当債、新ごみ処理施設建設債等)が償還終了となったことから実質公債費比率は低下し、将来負担比率の上昇は、ボートレース競走事業会計からの借入による影響が大きい。実質公債費比率については、一時的な低下であり、平成後期に実施した教育・消防施設の耐震化など、新たな地方債償還が始まることや新庁舎建設事業など大規模な事業が予定されているため、再び上昇に転じる見込みである。今後も厳しい財政運営となるが、投資的経費の動向に注視しつつ、地方債の発行管理を適正に行うとともに、行財政改革の推進による人件費の削減や基金残高の確保等を念頭に置いた財政運営を図る。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

本市においては、類似団体と比べて、おおむね一人当たりの有形固定資産額や面積は少ないが、【認定こども園・幼稚園・保育所】については一人当たりの面積は大きい。これは、類似団体と比べて当該施設数が多いことが考えられる。また、【漁湾・漁港】、【学校施設】、【公民館】を除き有形固定資産減価償却率は高い状況である。近年、主に学校施設、幼稚園、公民館の耐震化、長寿命化等に取り組んできたことによって、当該有形固定資産減価償却率は低下している。【公民館】での顕著な上昇は、新築工事が完成したことによるものである。今後は、老朽化が進行している【道路】、【橋りょう・トンネル】の有形固定資産減価償却率を下げるべく対応策を実行していく必要がある。道路、橋りょうについては、個別施設計画に基づく、長寿命化事業に取り組んでおり、今後、有形固定資産減価償却率の低下が見込まれる。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

本市においては、類似団体と比べ、主に【体育館・プール】の一人当たりの面積が小さく、【一般廃棄物処理施設】、【消防施設】を除く施設で有形固定資産減価償却率が高い状況である。有形固定資産減価償却率が低下している図書館や福祉施設(人権福祉センター)、消防施設については、耐震化や分団の建て替え等を実施してきたためである。有形固定資産減価償却率が高い【市民会館】(本市文化会館など)や【庁舎】、【体育館・プール】(本市市民会館など)については、耐震化・改築等の対応時期が来ており、市民サービスの向上や、災害時の拠点施設となることを見据え、有利な財源等を研究しながら、施設整備を進める必要がある。新庁舎建設事業には着手しており、建設予定地である本市市民会館の解体を実施したことから、【体育館・プール】の有形固定資産減価償却率は低下している。今後、建設工事などを進めていくため、【庁舎】の有形固定資産減価償却率は低下することが見込まれる。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等において、資産総額が前年度末から2,616百万円の増加(+2.1%)となっている。主な増要因としては、新築工事が完了した公民館や消防分団詰所の耐震化事業、道の駅整備事業に伴う土地の取得などがある。これらの増要因と減価償却による資産減少を計上し、固定資産では1,716百万円の増加となった。一方、流動資産では主に現金預金、未収金、基金の増加により900百万円の増加となった。負債総額については、前年度末から1,242百万円の増加(+3.8%)となっており、モーターボート競走事業会計からの借入れによる、その他(固定負債)の増加(+1,252百万円)と退職手当引当金の減少(△93百万円)が主な要因である。全体会計においては、資産総額が前年度末から22,411百万円増加し、負債総額は12,522百万円増加している。資産総額は、上水道、下水道管などのインフラ資産を計上していることなどにより、一般会計等より57,642百万円多くなっている。連結会計においては、資産総額が前年度末から22,658百万円増加し、負債総額は12,514百万円増加している。資産総額は、鳴門市観光コンベンション株式会社の事業用資産等が計上されているため、全体会計より1,171百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、純経常行政コストは19,281百万円(前年度比+140)となった。その主な要因は、業務費用の増加(前年度比+174)であり、そのうち減価償却費や維持補修費を含む物件費等について増加(前年度比+314)となった。これは、施設の適切な維持管理、更新など、公共施設等の適正管理に努めているが、民間委託の推進(給食センターの民間委託)や義務教育施設での通信ネットワークの構築、タブレット端末の整備など新規事業を行ったためである。また、純行政コストの増加(前年度比+6,819)については、新型コロナウイルス感染症対策関連経費を臨時損失として計上したためである。全体会計の特徴としては、水道、下水道料金の使用料及び手数料、舟券売上金等の収益があり、費用としては、国民健康保険、介護保険の負担金の計上がある。これらの収益や費用を計上し、一般会計等と比べた純行政コストは6,514百万円多くなっている。連結会計では、全体会計から、さらに徳島県後期高齢者医療広域連合などの経常費用(主に補助金等の移転費用)が加わり、全体会計と比べて、純経常行政コスト及び純行政コストは7,536百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(26,961百万円)が純行政コスト(25,969百万円)を上回ったことから本年度差額が992百万円となり、本年度末の純資産残高は95,501百万円(前年度比+1,374)となった。令和2年度より、財源や行政コストに新型コロナウイルス感染症対策関連経費を計上し、特に未収金となった国県等補助金財源が増えたことにより、本年度差額の増加(前年度比+772百万円)、純資産の増加に繋がったと考えられる。全体会計では、国民健康保険や介護保険などの特別会計の保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が5,238百万円多くなっており、本年度差額は7,425百万円(前年度比+3,456)、純資産残高は134,932百万円(前年度比+9,888)となった。これらの主な増要因は、ボートレース競走事業会計の収益の増加や令和2年度より地方公営企業法の財務規定などの適用が完了した下水道事業会計を新たに全体会計の対象として追加したためである。連結会計では、徳島県後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が税収等に含まれることから、全体会計と比べて税収等が5,385百万円多くなっており、本年度差額は7,749百万円(前年度比+3,782)、純資産残高は136,054百万円(前年度比+10,145)となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は1,600百万円(前年度比+230)であるが、投資活動収支については、公民館の新築工事や消防分団詰所の耐震化事業、道の駅整備事業に伴う土地取得を行ったことから△2,374百万円(前年度比△243)、財務活動収支については、地方債等の発行額が償還額を上回ったことから905百万円(前年度比+293)となり、本年度末資金残高は1,044百万円(前年度比+132)となった。行政活動に必要な資金を、基金の取り崩しや地方債等の発行収入により確保している状況であるとともに、今後の投資的経費の需要も予想されることから、行財政改革を更に推進し、健全な財政運営に努める。全体会計では、国民健康保険や介護保険の保険料が、税収等に含まれること、水道、下水道料金等の使用料及び手数料収入があることから、業務活動収支は、一般会計等より7,328百万円多い8,928百万円、投資活動収支は、上下水道管などのインフラ資産の整備を行ったため△3,029百万円、財務活動収支は、地方債の発行額が償還額を上回ったことから57百万円となり、本年度末資金残高は20,185百万円(前年度比+5,990)となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額については、230.2万円(前年度比+7.6、類似団体平均値比+28.4)、歳入額対資産比率については、3.86年(前年度比△1.01、類似団体平均値比+0.78)となっている。なお、道路や河川の敷地等について、取得価額が不明なものについては、備忘価額1円で計上している。これらの傾向は、継続している公共施設等の更新や改修等(耐震化事業や新築工事など)を実施していることが主な要因である。有形固定資産減価償却率については、63.6%(前年度比+0.5、類似団体平均値比+1.3)となっている。これは昭和56年以前に建築された建物が大半を占めており、更新時期を迎えていることがあげられる。「公共施設等総合管理計画」に基づき、中長期的な視点で施設の更新や統廃合、長寿命化などを検討、実行している。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、73.8%(前年度比△0.4、類似団体平均値比+2.7)となっている。税収等の財源が純行政コストを上回ったことにより純資産は増加し、継続している公共施設等の更新や改修等(耐震化事業や新築工事など)により資産は増加している。資産の増加割合が大きいため前年度比△0.4%となった。将来世代負担比率については、13.4%(前年度比△0.1、類似団体平均値比△5.5)となっている。資産の老朽化が進んでいる本市では、今後の投資的経費の需要も見込まれることから、固定資産及び地方債残高の増加が見込まれる。将来世代への負担を多く残さないよう効率的な投資、財政運営を行う必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストについては、46.2万円(前年度比+12.6、類似団体平均値比△8.9)となっている。令和2年度より、新型コロナウイルス感染症対策関連経費を臨時損失として計上したため、純行政コストが増加している。経常費用のうち人件費、物件費等が52.2%を占めていることから、鳴門市スーパー改革プラン2020に掲げている行財政改革を推進し、適正な定員管理や民間で実施可能な事業の委託等について、検討を行う必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額については、60.3万円(前年度比+2.9、類似団体平均値比+2.0)となっている。資産の老朽化が進んでいる本市では、今後の投資的経費の財源として地方債の発行を見込むことから、負債額には注視し、効率的な投資、財政運営を行う必要がある。基礎的財政収支は、△172百万円(前年度比△130、類似団体平均値比△278.9)となっている。これは、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分を支払利息支出を除く業務活動収支の黒字分が下回ったためである。今後も投資的経費の需要を見込み、基金から取り崩した財源を活用することから投資活動収支の赤字が懸念される。引き続き業務活動収支の改善や適切な地方債の発行、基金の運用管理に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、6.6%(前年度比+0.1、類似団体平均値比+2.9)となっている。経常費用の増は、物件費等の増加によるものであり、経常収益の増は、使用料及び手数料に含まれる幼稚園保育料の減と、その他経常収益に含まれる給食費や指定ごみ袋販売収入などの増が要因である。公共施設等の使用料については、他団体の状況等も考慮しながら、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,