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地方財政ダッシュボード

兵庫県太子町の財政状況(2017年度)

🏠太子町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 特定環境保全公共下水道


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

公害防止事業債や財源対策債等の元利償還金の減により基準財政需要額が減少し、新築家屋の増により固定資産税が対前年度比24,627千円の増となったことや、緩やかではあるが景気回復が長期にわたり続いている影響により基準財政収入額が増加したことで、単年度の財政力指数は大きく増加したが、3年平均でみると現状維持となった。今後も、さらなる事業の精査、投資的経費の抑制等、歳出の見直しを実施するとともに、景気回復に伴う税収の確保対策を中心とした歳入確保に努める。

経常収支比率の分析欄

認定こども園開園に伴う児童福祉にかかる扶助費の増加に加え、臨時的な投資的事業が大幅に減少したため、前年度より0.8ポイント悪化した。今後も幼児教育無償化等に伴う扶助費の高止まりが予測される中、効率的な財政運営を常に考え、経常的な施設管理経費、委託経費の削減や補助金制度の見直しを行うとともに、義務的経費の削減など行財政改革への取組を進めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人あたりの行政経費は全国平均、県平均に比べても低い状態が続いている。今後も職員のなお一層の資質向上に努め、この状態の維持に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

昨年度と同じ数値となったが、類似団体平均と比較すると0.7ポイント上回っている。類似団体との差は、各団体の給与制度や年齢構成の差と分析しており、本町の給与制度は、基本的に国の制度に準拠しているため、今後も適切に進めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

近隣市町の人口は減少する中で、本町の人口は3万3千人~4千人を維持し、大きくは減少していない状況である。職員数は定員適正化管理計画に基づき、近年は概ね横ばいとなり、類似団体と比較すると少ない状況であるが、「職員数が少なく行政サービスが悪い」と思われないよう、平成31年以降も効率的な行政運営と職員の資質向上に努める。

実質公債費比率の分析欄

前年度より0.3ポイント悪化したが、類似団体平均と比べると3.4ポイント高い数値となっている。30年償還としている公共下水道事業債については当面減少する予定はないが、新規発行等については計画的に実施し、さらなる悪化を招かないように努める。一般会計においては、保健福祉会館の償還が平成28年度末で終了したが、平成27年度発行の新庁舎の起債償還が今後本格化していく中で、財政比率等の予測を行い、事業の精査、発行抑制に努める必要がある。

将来負担比率の分析欄

前年度より0.6ポイント悪化し、ここ3年は類似団体平均と比べても大きく離れている状況である。水道事業債、下水道債については、整備が終了していることから残高は減少しているが、昭和60年代~平成17年度に集中して実施した下水道面整備の償還に加え、経年劣化した水道設備の更新のための起債借入も予定されているため、将来負担比率の悪化は避けられない状況にある。今後も大型事業が継続する見込みであるが、年度償還額の平準化を計画的に行い、規模縮小、廃止を含め事業内容を再検討しながら将来負担比率の低減に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

昨年度比で0.9ポイント改善し、類似団体平均と比較すると4.4ポイント下回っている。引き続き、定員適正化管理計画を基本に行財政改革への取り組みを進め、人件費が高騰しないよう注視していく。

物件費の分析欄

昨年度よりも0.9ポイント悪化したが、類似団体平均も年々悪化しており、比較的効率が良い状況である。引き続きムダの削減を実施していくとともに、予算編成時において、需用費や役務費等、物件費の経常経費分について、緊縮的措置を講じていく。

扶助費の分析欄

昨年度比で1.1ポイント悪化し、類似団体平均と比較しても1.6ポイント下回っている。認定こども園の開園による子育て給付費の増に加え、介護給付費が大幅に増加している状況である。単独で実施している給付型サービス、各種保険料の見直しに加え、類似団体の平均値も右肩下がりとなっている状況を踏まえ、国の財源措置に期待せざるを得ない。

その他の分析欄

ここ数年は類似団体平均に比べて高い比率で推移し、主に、下水道事業特別会計への赤字補填としての繰出金が大きな要因となっている。平成30年度に法適用となった下水道事業について、繰出金は現状よりは抑制できると見込むが、国民健康保険、介護保険への繰出は今後も増加が見込まれ、厳しい状況が続いていく。各保険料及び使用料の見直しも視野に入れ、経費削減をベースに財政の健全化を図っていく。

補助費等の分析欄

平成28年度までは類似団体平均に比べ高い比率で推移してきたが、昨年度比較で2.5ポイント改善し、類似団体と同程度の比率となった。西はりま消防組合の普通建設事業が概ね終了したことで、負担金が約1億円の減となったことが主な要因である。今後は揖龍保健衛生施設事務組合施設の大規模改修が予定され、留意が必要となるため、本町独自の補助金制度の見直し等、補助費を抑制する必要がある。

公債費の分析欄

類似団体平均と比較すると0.6ポイント低い水準にあるが、昨年度と比較すると0.9ポイント悪化した。平成27年度に建設した庁舎の元金償還が始まったことが主な要因であるが、今後も大型事業が控え、加えて施設の老朽化対策により一時的に起債が増加する見込みであり、割合は悪化していくことが予測される。悪化の幅を少しでも小さくできるよう、計画的な地方債発行により公債費の平準化に努める。

公債費以外の分析欄

類似団体と比較しても遜色ない比率である。創意工夫を加えながら、既存事業の改廃、整理、縮小を図り、今後に控えている施設の老朽化対策等に向けて歳出のさらなる抑制を実施し、住民サービスを低下させることのないよう、適正な水準を維持するように努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費コストについては、ふるさと応援寄付金が約1億円減少し、返礼品にかかる経費が減少したことで、類似団体平均を下回ることとなった。民生費コストについては、認定こども園建設にかかる補助金は昨年度に比べて減少したものの、新たに建設した認定こども園にかかる扶助費が増加したことにより、5年連続の増となったが、類似団体平均も増となっており、わずかに下回っている。全体的には、土木費が若干上回っているものの、どの費目も類似団体平均を下回っており、人口一人当たりでは効率よく行政運営ができているといえるが、今後も大型事業を控えているため、引き続き計画的な事業実施により健全財政に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

義務的経費においては、人件費は定員管理計画による管理によりコストを抑えていることで類似団体平均を大きく下回っており、公債費は庁舎建設にかかる起債の元金償還の開始により増加したものの、類似団体平均よりは低い水準にある。扶助費については、医療費等の動向、子育て給付費の増により類似団体平均も右上がりの一途をたどっているが、本町も上昇が続いている。補助費等については、西はりま消防組合への負担金が減少したことにより類似団体平均と同程度のコストとなった。普通建設事業費については、庁舎建設を終え、新規整備、更新整備とも抑制したが、施設の老朽化対策や大型事業が控え、今後は上昇見込みである。繰出金については、高齢化の進行による保険給付費の増により一般会計を圧迫しており苦しい状況が続くが、多額の赤字補填が必要な下水道事業については、法適化により繰出金の抑制は期待できるものの、起債償還が財政を圧迫しないよう留意が必要である。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

認定こども園開園に伴う子育て給付費の増加等により、実質単年度収支は悪化した。財政調整基金等の取り崩しにより実質収支は黒字となっているが、当初予算編成では約9億円の取り崩しを予定していたものの、その他の節減効果により3.5億円(前年度比+2億円)を取り崩すこととなった。今後は基金取り崩しを極力行わず、有事に備えて基金に積立てできるよう、無駄の削減、事業精査等に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

下水道事業事業会計については平成30年度より法適化すること、国民健康保険事業については平成30年度より兵庫県が主体となることにより、標準財政規模比はそれぞれ大きく上昇している。平成29年度についても、全ての会計において黒字収支となったが、一般会計からの繰入により黒字収支が維持されている会計もある。今後も、各保険対象者は必然的の増加するものの、各会計において保険料や使用料の見直しを常に考慮し、経費削減を一層進め、健全化を図ることにより普通会計の負担額を減らしていくよう努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

庁舎建設にかかる起債の本格的な元金償還が始まったことにより、昨年度の伸びよりも増加した。今後も大型事業を控え、償還金は増加する見込みであるが、町財政の硬直化を招かないよう、投資的事業の取捨選択はもとより、交付税措置等有利な起債メニューを常に考慮し、財政健全化に取り組む。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

平成25年度には公営企業債等繰入見込額が一般会計等に係る地方債の現在高を上回っていたが、ここ数年は逆転が続いている。平成29年度については、一般会計等に係る地方債の現在高は昨年度に比べて減少したものの、今後も施設の老朽化に伴う新発債を予定しているため、起債残高の増加は避けられず、充当可能基金も減少するため比率への影響が懸念される。今後も計画的な基金の積み立て及び地方債の発行抑制を図るなど、将来に負担を残さない健全な財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)新たな認定こども園にかかる子育て給付費の増加等により、財政調整基金を3億5千万円取り崩すこととなったため、全体としても144百万円減少した。(今後の方針)基金の使途の明確化を図るために、定期的に公共施設建設基金に積み立てていくことを予定している。

財政調整基金

(増減理由)法定積立により86百万円積立てたものの、新たな認定こども園にかかる子育て給付費の増加等により、3億5千万円取り崩すこととなったため、大きく減少した。(今後の方針)今後は収支を維持し、有事に備えて計画的に財政調整基金に積み立てていくことを予定している。

減債基金

(増減理由)今後の地方債償還に支障をきたさないよう、平成29年度に1億円を積み増した。(今後の方針)実質収支に応じて計画的に積み立てることを予定している。(2億円程度を維持)

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設建設基金:庁舎、文化会館、福祉会館、保健センター等の公共施設の建設資金に充てる基金地域福祉基金:長寿社会に備えて在宅福祉の向上、健康づくり、ボランティア活動の増進を図る事業及び少子化社会における子育て支援対策の推進を図る事業を実施する基金メモリアルパーク管理基金:太子メモリアルパークの管理に必要な財源を確保し、将来にわたる財政の健全な運営に資するための基金ふるさと応援基金:本町にふるさと応援寄付する寄付者から収受した寄付金を適正に管理運用するための基金(増減理由)ふるさと応援基金:ふるさと応援寄付を活用した事業を実施したことにより402百万円取り崩したが、ふるさと応援寄付を421百万円積立てたため、全体として19百万円増加した。(今後の方針)公共施設建設基金:公共施設の老朽化対策に対応できるよう、毎年定額(1億円程度)を積み立てる予定としている。地域福祉基金:現状は基金利子を社会福祉事業に充当しているが、将来的には福祉施設の改修経費に充てる予定としている。ふるさと応援基金:寄付者の想いに応えられるよう、毎年寄付額に応じて活用事業を実施する予定としている。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当町では、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を25%削減するという目標を掲げ、老朽化した施設の除却を進めている。有形固定資産減価償却率については、0.9ポイント上昇したものの、類似団体平均と比較すると低い水準にあり、これまでの取組の効果が表れていると考えられる。

債務償還可能年数の分析欄

債務償還可能年数は類似団体平均を上回っているが、ここ3年間の将来負担額は減少している。地方債現在高の減少に加え、下水道事業の資本費平準化債を抑制していることが主な要因であるが、施設の老朽化等による大型事業が今後も控える中で地方債残高は増加する見込みであり、特定目的基金等の積立により充当可能財源を増加させるなど、これ以上債務償還可能年数が延びることのないよう取組を進める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

公共施設等総合管理計画において、令和38年度までに公共施設等の延べ床面積を25%減少するという目標を設定し、老朽化した中央公民館、旧役場庁舎及びつくも荘の除却を積極的に進めてきたことにより、有形固定資産減価償却率は類似団体よりもやや低い水準にある一方、令和2年度で終了予定の緊急防災・減災事業債を活用した防災事業をここ数年で実施したことで起債が増額したため、将来負担比率が類似団体と比べて高い水準にある。今後は事業を見極め、起債の抑制に努めるとともに、積極的に公共施設マネジメントを推進する必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

本町は、実質公債費比率、将来負担比率とも高い傾向にある。その中で、将来負担比率については上昇傾向にあるが、主な要因としては、平成26年度から27年度にかけて実施した本庁舎の建替え事業に際し、合計で約17億5千万円の地方債を発行したことが考えられる。このことにより、平成28年度まで順調に減少していた実質公債費比率が上昇に転じ、今後も大型事業の実施による起債の発行が控えているため、これまで以上に公債費の適正化に取り組む必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所、橋りょう・トンネル、公営住宅、児童館である。特に児童館については有権固定資産減価償却率が100%となっており、今後のあり方を含めた方針決定が必要となる。策定を要請されている個別施設計画については令和2年度の完成に向けて準備を進め、施設の老朽化度合と財源を照らし合わせながら、優先順位のもと事業を進めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、図書館、体育館・プール、消防施設であり、特に低くなっている施設は、庁舎である。そのうち、体育館については耐震化を含めた大規模改造工事を令和元年度に実施予定であり、数値は改善するものと思われる。また、福祉施設については、耐用年数を超えていたつくも荘を除却したことにより、大幅に数値が改善している。ただ、各施設とも今後のあり方を含めた方針決定が必要となり、その根本となる個別施設計画については令和2年度の完成に向けて準備を進め、施設の老朽化度合と財源を照らし合わせながら、優先順位のもと事業を進めていく。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から418百万円の減少(△1.4%)となった。しかしながら、資産総額のうち有形固定資産の割合を見ると、前年度より0.5%増の86.4%となっており、これは、南総合センターの改築等によるインフラ資産の増によるものであるが、この有形固定資産は将来の維持管理・更新等の支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。また、負債総額が前年度から106百万円減少(△0.8%)しているが、負債減少の要因として、地方債残高が減少したことがあげられる。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、経常費用は9,933百万円となり、昨年度よりも293百万円の減(△2.9%)となった。そのうち、人件費等の業務費用は3,905百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は6,028百万円であり、昨年度よりは両費用とも減少しているものの、移転費用の方が業務費用よりも多い。その中で、社会保障給付(2,372百万円)については昨年度よりも157百万円増加(+7.1%)し、これは少子高齢化に伴う扶助費が年々増加していることによるものである。今後も幼児教育の無償化等により割合がさらに増加することが予想されるが、事業見直し等により、経費の抑制に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(7,085百万円)が純行政コスト(9,714百万円)を下回っており、国県等補助金を加味した本年度差額は△312百万円となった。特に税収等については昨年度よりも189百万円減少(△2.6%)し、地方税の徴収率についても、29年度は0.1ポイント悪化(28年度:98.8%、29年度:98.7%)したところであるが、今後も徴収強化対策等により税収等の確保に努める。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は396百万円であったが、投資活動収支については、総合公園整備事業等を行ったことから、△242百万円となっている。財務活動収支については、地方債償還支出が地方債の発行額を上回ったことから△86百万円となり、合計すると、本年度末資金残高は前年度から68百万円増加し、326百万円となった。今年度に限っては資金は増加したものの、公共施設等の老朽化に伴う改修事業等により、今後も起債の借入が増加し、地方債残高が増加することが予測されるが、基金の取り崩しを極力抑え、事業の優先順位をつけながら行財政改革を更に推進する必要がある。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が類似団体平均を下回っているが、開始時において、道路や河川の敷地で取得価額が不明な資産は備忘価額1円で評価しており、この資産が多いことによるものと思われる。29年度については前年度より1.4万円減少しているが、これは、財政調整基金を多く取り崩したことにより、流動資産が前年度より189百万円減少(△7.6%)したことが主な要因であるが、今後は基金を取り崩すことのないよう、支出について引き続き注視していく。また、有形固定資産減価償却率については類似団体より少し低い水準であるが、前年度より0.9%上昇しており、昭和60年度以降に建設された施設の老朽化による増と考えられる。今後も公共施設等総合管理計画に基づき、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等のマネジメントに努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率については、有形固定資産の総量により類似団体平均を下回っているが、負債の大半を占めているのは、地方交付税の不足を補うために特例的に発行している臨時財政対策債である。仮に臨時財政対策債の残高を負債額から除いた場合、純資産は22,555百万円、純資産比率は77.0%となり類似団体平均と同程度となる。一方、社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率については、類似団体平均を7.5ポイント上回っているものの、前年度よりは0.5%改善した。今後も新規に発行する地方債の抑制を行うとともに、高利率の地方債の借換えを行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均と同程度であるが、各項目別にみると、最も金額が大きいのは社会保障給付(2,372百万円)、次いで補助金等(1,969百万円)であり、これらは少子高齢化に伴う扶助費が年々増加していることによるものである。これらの合計は全体の44.7%を占めており、前年度の割合よりも1.4ポイント増加した。今後も幼児教育の無償化等により割合がさらに増加することが予想されるが、事業見直し等により、経費の抑制に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均と同程度であるが、前年度から1億652万円減少している。これは、起債残高の減少によるものであるが、地方交付税の不足を補うための臨時財政対策債残高は5,745百万円となっており、地方債残高の半分以上を占めている状況である。一方、基礎的財政収支は58百万円の黒字であり、前年度と同様、業務活動収支で投資活動収支分を賄えている状況である。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。前年度よりは0.1ポイント改善したが、経常費用の削減、公共施設等の使用料の見直し等、引き続き受益者負担の適正化に努めるとともに、行政改革大綱に基づく行財政改革により、経費削減に努める必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,