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地方財政ダッシュボード

大阪府能勢町の財政状況(2020年度)

🏠能勢町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 特定環境保全公共下水道 農業集落排水


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

令和2年度より市町村類型がⅢ-2からⅡ-2へ変更となったことにより、類似団体内平均値とほぼ同値の結果となった。直近5年の経年で比較すると、指標の悪化が続いているところであり、原因としては、少子高齢化に加え、人口減少の中でも担税力の高い人口の減少の影響が大きいことがあげられる。今後も同様の傾向が続くことが見込まれるため、企業誘致等により収入の確保に努め、指標の悪化を少しでも食い止める必要がある。

経常収支比率の分析欄

前年度は経常収支比率が本町初めて100%を超えたが、本年度は4.9ポイント改善する結果となった。これは、普通交付税の増による経常的歳入増が要因となっている。今後、社会保障経費や公共施設再編整備事業による公債費負担の増が見込まれるが、物件費の抑制を図りつつ、新たな行政需要に対応するため既存事業の再構築に取り組むことにより、数値の改善を進めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

前年度に比べ、1人当たり決算額は、20,802円(11.8ポイント)の大幅増となった。この要因としては、ICT教育環境整備による全校児童生徒1人1台端末の整備や、令和3年に開庁する新庁舎の端末整備等、臨時的な電算関係経費等の物件費の増加が挙げられる。次年度以降、経常的な物件費の抑制に努め、数値を改善させ、引き続き、類似団体内平均値を下回るように努める。

ラスパイレス指数の分析欄

指数の算出に用いる経験年数階層内の職員の分布が変わったため、前年度から1.9ポイント低下する結果となった。本町では、職員の年齢構成が均整でなく、特定の年齢層に偏在している状態が数年来続いており、今後も指数が大きく増減する状態が継続する見込みである。今後については、偏在する年齢層の退職時期も見据え、計画的な新規職員採用を行い、年齢構成の均整化及び数値の抑制に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

令和2年度は新規採用の増と人口減が重なり、前年度から0.66ポイントの増加となったものの、これまでに財政再建プログラム及び、自立経営プランに基づき職員数を削減してきたことで、類似団体内平均値を下回っている。住民サービスを低下させないよう、業務改善を図りつつ、適切に定員管理に取り組んでいく必要がある。

実質公債費比率の分析欄

役場新庁舎建設等に係る地方債の元金償還が開始されたことなどにより年々元利償還金は増加しているが、普通交付税が前年度から大幅に増加したため、実質公債費比率は0.2ポイント改善となった。しかし、依然として類似団体内平均値に比べてかなり高く、類似団体内順位も低いことに変わりはない。さらに、次年度以降も大規模な公共投資による起債が控えていることから、引き続き地方交付税算入のある有利な起債の活用に努め実質公債費比率の抑制を図る。

将来負担比率の分析欄

公共施設再編整備事業の実施による地方債残高の増により前年度から13.8ポイント悪化する結果となった。今後も公共施設再編整備事業の完了までは、地方債の発行及び多額の財政調整基金の取崩しが見込まれるため、数値の悪化は避けられない状況である。将来負担の悪化を少しでも抑制できるよう、事業費並びに地方債発行の抑制に努めるとともに、発行する場合においても地方交付税算入のある有利な起債の活用に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

人件費の経常収支比率は前年度と比較して3.5ポイント改善した。この主な原因は本年度が前年度と比較して定年退職者が少数であったためである。また、類似団体内平均値を上回る結果となっているが、市町村類型がⅢ-2からⅡ-2へ変更となったことによる影響が大きいと推測される。次年度以降、会計年度任用職員給の増加も見込まれるため、事務効率や住民サービスの維持・向上を踏まえつつ、定員適正化を進めていく必要がある。

物件費の分析欄

類似団体内平均値と比較し、数値が上回る状況が続いている。要因としては、業務の民間委託化や保有する施設数が多いことによる維持管理経費が他団体より多いことが挙げられる。今後、公共施設総合管理計画に基づく施設の適正配置に向けた取り組みを継続し、用途廃止となった施設については適宜除却することにより維持管理費用の縮減を図る。

扶助費の分析欄

本年度の数値は前年度と比較して1.1ポイント改善している。これは、子ども医療費助成や保育所運営費等、子どもに係る経費の減が主因となっており、少子高齢化の課題を抱える本町としては、必ずしも良好なものであるとは言い難い。今後も、適切な配分を意識した扶助費の執行に努める必要がある。

その他の分析欄

類似団体内平均値と比較し、数値が上回る状況が続いているが、その要因としては、特別会計への繰出金の負担が大きいことが挙げられる。今後も高い水準での繰出しが見込まれるため、経費の抑制に取組む必要がある。

補助費等の分析欄

類似団体内平均値より数値が高い要因としては、広域による常備消防、ごみ処理施設組合への負担金や水道高料金対策費等の負担が大きいことが考えられる。いずれも日常生活に直結する経費であり、協定や法律に基づく負担金のため早急な削減は困難であることから、今後、その他経費で見直すべきところを抽出し、補助費全体で抑制に取り組む必要がある。

公債費の分析欄

昨年度までは数値が悪化を続けていたが、本年度は前年度と比較して0.3ポイント改善する結果となった。これは、公債費自体は増加しているものの、普通交付税の増による経常的歳入増が公債費増を上回ったことによる。今後も、公共施設再編整備事業の起債により公債費の増加が見込まれることから、可能な限り地方債発行の抑制に努めるとともに、発行する場合においても地方交付税算入のある有利な起債の活用に努めていく。

公債費以外の分析欄

人件費及び扶助費の改善により、前年度から4.6ポイント改善する結果となった。しかし、物件費や補助費は類似団体内平均値を上回る結果となっている。義務的経費の早急な抑制は望めないこともあり、物件費や補助費において効率的な運営に取り組み経常経費の抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体内平均値に比べ、費用が嵩んでいる費目のうち、総務費は、特別定額給付金の支給及び役場新庁舎建設工事が完了したこと、消防費は新消防庁舎建設工事が完了したことにより、前年度から金額が大きく増加した。次年度も公共施設再編整備事業による支出が見込まれるため、引き続き類似団体内平均値を上回ることが見込まれるが、事業完了後は、経常経費が中心となるため、類似団体内平均値以下の金額となるよう動向に注視する必要がある。その他費用については、概ね類似団体内平均値を下回っているものの、民生費及び公債費は平成28年度から、衛生費、農林水産業費及び教育費は平成29年度から増加が続いている。全体的な傾向としては、経常的な費用が増加傾向にある。今後、経常的費用を抑制する必要はあるが、抑制することのみに注力するのではなく、充実すべき事業には投資を行いつつ、バランスある財政運営を目指していくことを主眼に置く。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は住民一人当たり772,000円と昨年度より150,000円以上増加した。主な要因は、特別定額給付金の支給や新型コロナウイルスワクチン接種事業等新型コロナウイルス感染症対策に係る費用が生じたことに加え、役場新庁舎及び新消防庁舎に係る費用が増加したことである。普通建設事業費においては、前年度より着手している、役場新庁舎及び新消防庁舎の建設工事が完了したことから、前年度に比べ32,665円増加し、類似団体平均値を上回った。また、物件費においても新庁舎及び消防庁舎の備品購入や配線等の費用に加え、ICT教育環境整備による全校児童生徒1人1台端末の整備により、前年度に比べ22,883円増加した。主要項目においては、人件費は退職金の減により住民一人当たり98,229円となり、前年度に比べ5,977円減少した。また、公債費は54,687円となり、類似団体内平均値に比べ抑制できているものの、役場新庁舎建設事業における起債の元金償還が開始したこと等から前年度から2,742円の増加となった。今後、公共施設再編整備事業に係る起債の借入等により増加することは明らかであり、借り入れに際して、有効な財源措置の活用などに努め抑制を図っていく。その他の費目については、概ね類似団体内平均値に比べ抑制している傾向にあるが、住民サービスの視点から抑制することのみに注力するのではなく、充実すべき事業は増加することも踏まえ、バランスある財政運営を目指していくことを主眼に置く。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

H28年度からH30年度までは大規模投資を行わなかったことで大きな赤字は発生しなかったが、令和元年度及び令和2年度は公共施設再編整備事業の影響により、財政調整基金を取り崩したことから、財政調整基金残高が標準財政規模費で5ポイント程度低下し、赤字幅が大きくなっている。今後も公共施設再編整備事業による支出が予定されていることを踏まえると、予断を許さない状況である。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

水道事業会計を含む8会計において、黒字基調で推移している。ただ、水道事業会計については料金収入の増加が見込まれない中で、高料金対策及び過年度債の元金償還に係る経費が、高い数値で恒常的に生じている。また、下水道事業特別会計についても過年度債の元金償還開始に係る経費が増加している。一般会計においても、引き続き公共施設再編整備事業が予定されていることから、今後も健全な財政運営に努める必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

し尿処理施設や新学校建設における事業債の元金償還が開始されたことに加え、役場新庁舎建設における元金償還も開始されたため、年々元利償還金が増加している。算入公債費も同様に増加しているため、実質公債費比率の分子は横ばい傾向が続いている。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

公共施設再編整備事業に係る地方債を発行したことから、令和元年度、令和2年度と地方債残高が増加している。各地方債には地方交付税算入があるものの、将来負担額の増が大きいことから、将来負担比率の分子は増加している。今後も公共施設再編整備事業による起債が予定されていることから、数値は更に悪化する見込である。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金は、公共施設再編整備事業の一般財源相当額に財政調整基金を充当したことにより102百万円の減、特定目的基金は西能勢財産区解散に伴い西能勢振興基金を設置し、183百万円積立したことにより増となった。基金全体では11百万円の増となった。(今後の方針)公共施設再編整備事業に伴う財政調整基金充当により、今後もしばらく基金残高が減少することは確実な状況である。大型投資が完了した後、基金残高を回復できるよう収支改善を図る必要がある。

財政調整基金

(増減理由)公共施設再編整備事業の一般財源相当額に充当したことにより、102百万円の減となった。(今後の方針)公共施設再編整備事業進捗に伴い、必要となる一般財源相当額を取崩す予定。事業完了後は、地方債償還が増加する見込であることから、経常経費の削減に努め、一定の基金残高を確保する。

減債基金

(増減理由)該当なし(今後の方針)該当なし

その他特定目的基金

(基金の使途)西能勢振興基金・・・・能勢町西能勢財産区の存した地域における住民の福祉の増進を図るための事業に要する経費に充てるため設置。退職手当基金・・・・・過年度より職員年齢構成の偏差が大きいこと及び人件費の抑制に資するため勧奨退職を実施していること等から経常経費への影響を平準化させるため設置・運用。地域福祉基金・・・・・地域福祉の充実を目的として設置・運用(果実運用型)災害対策基金・・・・・大規模災害に対する避難・復旧や防災施設整備に要する経費に充当することを目的として設置・運用。芸術文化振興基金・・・本町の伝統文化である淨るりの保存・継承・発展を目的として設置・運用。(増減理由)西能勢振興基金・・・・西能勢財産区解散に伴い新たに基金を設置したことによる増災害対策基金・・・・・平成30年度豪雨災害対応に基金を取り崩したことによる減(今後の方針)各特定目的基金とも事業充当によりここ数年減少傾向にあることから、積立を増やすための方策を検討しなければならない。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和元年度は類似団体内平均値と比べて高い値を示していたが、庁舎および消防庁舎の新規取得に伴う事業用資産(建物・工作物等)の増加により類似団体内平均値を下回っている。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、類似団体内順位、全国平均、大阪府平均のいずれと比較しても、極めて高いものとなっている。この要因としては、地方債発行額が多額であること、人口の減少や高齢化などによる税収入の減少が挙げられる。加えて、令和2年度以降も、公共施設再編整備事業による地方債の発行などにより、債務償還比率はさらに上昇していくと見込まれる。このため、事業実施にあたっては、その財源となる地方債の発行においても、地方交付税の算入措置が見込まれる地方債を活用するなどし、次代の債務の軽減を図るよう努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値より低い水準であるものの、将来負担比率は類似団体内平均値より高い水準となっており、令和元年度と比較して悪化している。これは、公共施設再編整備事業による地方債発行額が増加したことが要因となっている。今後、公共施設再編整備事業を進めることで、将来負担比率の悪化が見込まれるが、施設更新に取り組むことにより有形固定資産減価償却率が改善され、維持管理経費が減少することが見込まれる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率、実質公債費比率ともに類似団体内平均値より高い水準となっており、令和元年度と比較して将来負担比率は悪化し、実質公債費比率は少し改善している。今後、将来負担比率においては公共施設再編整備事業による地方債の発行などにより数値の悪化は避けられない。また、実質公債費比率においても、将来負担比率と同様に、公共施設再編整備事業による事業債の元金償還が開始されることにより、比率の悪化が見込まれる。この状況下においても、先述のとおり有形固定資産減価償却率の悪化傾向を踏まえると、公共施設再編整備事業の推進は必要であることから、今後、地方債の発行において、地方交付税の算入措置が見込まれる地方債を活用するなど、中長期の財政収支を視野に、将来負担比率の推移を見定め、実質公債費比率の把握に努めながら、事業の見直しなどにより経常経費の抑制を図る等、対策を講じていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率について、学校施設については、平成28年4月より学校統廃合により新学校1校となったため極めて良い数値を示している。公営住宅、児童館は類似団体内平均値と比較しても数値が高く、更新・統廃合・長寿命化など、施設のあり方を問われる状況となっている。ただし、児童館は減価償却率としては100%ではあるものの、施設の使用については支障をきたすことなく運営できているのが現状であるので、老朽化による損傷等が発生した場合には、適宜、修繕等により対応している。公営住宅については大半の施設で耐用年数を経過しており、老朽化した公営住宅は空き家となり次第除却を進めている。また、道路、橋りょう・トンネルについては、類似団体平均値とほぼ同水準を保っている一方で、橋梁・トンネルにおける一人当たり有形固定資産額については、類似団体内平均値を上回る状況となっており、相対的に数が多く、更新には多大な費用が見込まれるため、計画的な老朽化対策が必要となっている。今後も「能勢町公共施設等総合管理計画」に基づき、更新、統合・廃止、複合化及び長寿命化等を計画的に実施し、最適な施設配置と財政負担の軽減・平準化に取り組んでいく。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率について、庁舎については公共施設再編整備事業による建物等の新規取得に伴い、令和元年度と比較して数値が大幅に改善しており、類似団体内平均値を下回る数値を示している。また、類似団体内平均値よりきわめて低い数値を示している消防庁舎についても、新築建物等の新規取得により昨年度と比較して大幅に数値が改善している。その他の施設についてはほとんどが類似団体内平均値と比較して、近似値もしくはそれ以上の数値となっており、中でも一般廃棄物処理施設である、し尿処理施設において、耐用年数が10年~15年のその他工作物(処理設備)が多数あり、供用開始から10年が経過し、減価償却率が上昇したため、類似団体内平均値より大きく上回る状況となっている。今後、全体的な施設の経年経過による老朽化への対応を鑑み、計画的な維持管理をしていく。今後も「能勢町公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の更新、統合・廃止、複合化及び長寿命化等を計画的に実施し、最適な施設配置と財政負担の軽減・平準化に取り組む。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産、負債ともに増加となった。資産については、固定資産が主に公共施設の新規取得に伴う事業用資産(建物・工作物等)の増加により697百万円の増加(+5.3%)となり、流動資産においても現金預金が143百万円の増加(+56.1%)となった。負債においては、地方債が769百万円の増加(+13.4%)となった。結果として、純資産は53百万円の減少(▲0.7%)となった。全体会計においては、資産については一般会計等の要因に加えて、未収金の147百万円増加(+143.6%)により前年度と比較して590百万円の増加(+2.4%)、負債は一般会計等の要因が大きく、地方債の増加により603百万円の増加(+4.6%)、純資産が13百万円の減少(△0.1%)となった。また、連結会計においても一般会計等および全体会計の要因が大きく、資産については事業用資産および未収金の増により前年度と比較して593百万円の増加(+2.3%)、負債が地方債の増加により548百万円の増加(+4.0%)、純資産が45百万円の増加(+0.4%)となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、業務費用中、人件費の74百万円の減額や維持補修費の195百万円の減少により、純経常行政コストが123百万円の減少(△2.6%)となった。また、資産除売却損の皆増等により臨時損失が870百万円増加(+197.1%)し、結果として純行政コストが747百万円増加(+14.6%)している。全体では、一般会計等同様、業務費用中、人件費の67百万円の減少や維持補修費の204百万円の減少により、純経常行政コストが149百万円の減少(2.0%)となった。また、純行政コストにおいては、一般会計等と同様の理由により、685百万円増加(+8.8%)している。連結では、業務費用中、人件費の63百万円の減少や維持補修費の204百万円の減少により、純経常行政コストが258百万円の減少(△2.9%)となった。また、純行政コストにおいては、一般会計等と同様の理由により、562百万円増加(+6.1%)している。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源としては前年度に比べて1,429百万円増加の5,812百万円を確保したが、臨時損失の増加によって純行政コストが5,873百万円と財源を超過したことにより、本年度差額は△61百万円となり、純資産残高は7,556百万円となった。財源である税収等においては増収が見込み難い状況から、純経常行政コストの抑制は喫緊の課題であり取り組みを進めていかなければならない。全体においても他特別会計において大きな差額が生じなかったことから、一般会計等の要因が大きく影響し、財源として前年度に比べて1,404百万円増加の8,477百万円、純行政コストが685百万円増加の8,489百万円、本年度差額は△12百万円となった。また、連結においても一般会計等の要因が大きく、財源として前年度に比べて1,389百万円増加の9,833百万円、純行政コストが562百万円増加の9,788百万円、本年度差額は45百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支について、業務支出における業務費用支出が193百万円減少したこと及び臨時収入が1,072百万円増加したことから、670百万円と支出を収入が上回る結果となった。投資活動収支については、公共施設再編整備事業の取り組みにより前年度に比べて829百万円の減少となる△1,317百万円となった。財務活動収支については、地方債発行収入が地方債償還支出を上回ったことから、前年度に比べて182百万円増加となる790百万円となった。公共施設再編整備事業により地方債発行収入が増加しており、今後の財政運営において注意すべき状況となっている。また、本年度末資金残高は前年度から142百万円増加し365百万円(+63.6%)となった。全体では、業務活動収支については国民健康保険税や介護保険料、下水道使用料等が税収等に含まれることから、一般会計等より175百万円多い845百万円となっている。投資活動収支では、一般会計同様の要因に下水道事業を加え、△1,417百万円となっている。財務活動収支は一般会計等及び下水道事業において多額の地方債を発行したため645百万円となった。また、本年度末資金残高は前年度から73百万円増加し1,334百万円(+5.8%)となった。連結では、業務活動収支については一般会計等と同様の要因により全体会計より194百万円多い1,039百万円となっている。投資活動収支では、一般会計同様の要因により△1,443百万円となっている。財務活動収支も一般会計等と同様の要因により565百万円となり、本年度末資金残高は前年度から158百万円増加し、1,640百万円(+10.7%)となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額が類似団体平均値を大きく下回っているが、当団体では、道路や河川の敷地のうち、取得価額が不明であるため、備忘価額1円で評価しているものが大半を占めているためである。令和2年度の数値については、人口減少に加えて合計資産額の上昇により住民一人当たりの資産額も増加している。歳入額対資産比率については、公共施設再編整備事業の本格的な取り組みにより多額の地方債を発行したことで歳入総額が増加したものの、資産合計も大幅に増加したため、類似団体平均値と比べると減少値は小さくなっている。有形固定資産減価償却率については、ほぼ類似団体平均値と同じである。本町は土地等の非償却資産が少なく、平均的な減価償却によるものから、このような結果になっているといえる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は前年度同様、類似団体平均値を大幅に下回っているが、これは、本町が類似団体に比べ、面積が約2倍の広さがあることから、分母である資産額は大きくなり、分子である純資産においては、人口に対する高齢者の割合が高いことなどから、税収等の財源において類似団体平均値より下回ってしまうことが要因である。将来世代負担比率としては、公共施設再編整備事業による地方債借入の増加により昨年度から5.7ポイント悪化し34.4%となった。将来世代への負担軽減を図るためにも事業完了後は地方債残高の圧縮に努めなければならない。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストについて、令和元年度は災害復旧事業による臨時損失が生じたため、類似団体平均値を上回る結果となっていたが、令和2年度は臨時損失が増加したものの、類似団体平均値を下回る結果となった。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

負債合計の増加及び人口の減少双方の理由により住民一人当たり負債額が大幅に増加したものの、類似団体平均値をやや下回る結果となった。しかしながら、今後も公共施設再編整備事業の実施により負債の増加が明らかであることから、事業完了後は財政収支状況を見定め、負債の圧縮に努める。基礎的財政収支は、業務活動収支においては臨時収入が増加したことにより、前年度の赤字から黒字収支に転じた。また、投資活動収支においては公共施設等整備費支出が公共施設再編整備事業の本格的な取り組みにより大幅に増加したことから、赤字額が大幅に増加した。以上により、基礎的財政収支は前年度よりやや改善することとなったものの、依然として類似団体平均値を大幅に下回る結果となった。今後も業務活動収支の改善に努め、投資活動費を補いつつ、類似団体平均値を上回ることを目指す。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は本年度も類似団体平均値を下回っており、行政負担が高くなっている。類似団体平均値を上回るために収益となる使用料の見直し、経常費用の削減両面を図らなければならない。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,