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地方財政ダッシュボード

石川県加賀市の財政状況

🏠加賀市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

令和5年度の基準財政収入額(分子)は、市民税や固定資産税のほか、地方消費税交付金の増額に伴い、前年度比+416百万円(+5.0%)の増となった。また基準財政需要額(分母)は、国の補正予算に地方交付税の総額が増額されたことに伴い、臨時経済対策費、臨時財政対策債償還基金費が創設され、普通交付税の再算定が行われたことなどにより、前年度+325百万円(+2.1)%増となったことから、単年度数値は0.55と前年度から0.01ポイント増加したが、3か年平均数値では0.54と0.01ポイント減少した。今後、人口減少対策等による税収の確保や公共施設の適正な維持管理など、将来を見据えた効率的な行財政で支えるまちづくりを展開し、歳出の削減に努める。

経常収支比率の分析欄

令和5年度の経常収支比率は95.5%と前年度比2.1ポイントの増となった。主な要因としては、普通交付税や臨時財政対策債の減による経常一般財源収入(比率算定における分母)の減と、電気料金の高騰等に伴う光熱水費の増、医療費の増に伴う扶助費の増などによる経常経費充当一般財源(比率算定における分子)の増加によるものである。今後も引き続き、公共施設マネジメント基本方針による既存施設の見直しの検討や、事業の選択と集中を進めることにより、経常経費の抑制に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、人事院勧告による基本給の引き上げや、令和6年度能登半島地震対応により時間外手当が増加したことから、前年度比+87百万円(+1.7%)の増加となった。物件費については、電気料金の高騰等に伴い光熱水費が増加したことなどに伴い、前年度比+551百万円(+7.5%)の増加となった。全国平均と比較すると平均を上回っており、今後も引き続き、公共施設マネジメント基本方針による既存施設の見直しの検討や、事業の選択と集中を進めることにより、行政経費の削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

全国市平均、類似団体内平均を下回っている。引き続き国の制度に合わせた見直しを行いながら、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

消防業務が広域ではなく市単独で構成されていることや、公立保育園数が多く、保育士の配置が必要なことなどから、類似団体の平均値を超えている。引き続き、施設の統廃合の検討を進めるほか、指定管理者制度の活用、業務の民間委託、計画的な人員配置を進め、職員数の適正化を図る。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は、8.7%で、前年度から0.5ポイント減少している。これは、単年度数値において、繰上償還額及び借換債額を除いた市債の償還額(比率の算定における分子)が減少したことに加え、基準財政収入額として算定される市税や地方消費税交付金等の各種交付金が前年度比で増加したことにより、標準財政規模(比率の算定における分母)が増加したことによるものである。昨年度から比率は改善したが、類似団体と比較すると2.1ポイント上回っていることから、今後も交付税措置率の高い市債を活用し、また、建設事業の選択と集中を進めることで、更なる比率の改善に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率については、前年度から4.1ポイント増加している。これは、加賀温泉駅周辺施設整備事業や東和中学校改築・改修をはじめとした大型事業の財源として市債を発行したことにより、市債残高が前年度比+543百真年と増加したことに加え、合併特例債や臨時財政対策債といった交付税措置が高い市債の残高が減少したことに伴い、市債残高全体に対する交付税措置額が減少(比率の算定における分母が増加)したことなどによるものである。類似団体と比較すると依然高い水準であることから、引き続き中期財政計画に基づき、建設事業についても選択と集中や、事業費の平準化を進め、地方債残高を抑制し、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

人件費充当一般財源(比率の分子)は、人事院勧告による基本給の引き上げや、令和6年度能登半島地震対応により時間外手当が増加したが、定年退職者が前年比で減となったことから、前年度比-13百万円と減少した。一方、経常一般財源総額(比率算定における分母)は、普通交付税や臨時財政対策債が減少したことから、前年度比-105百万円と減少した。以上のことから、経常一般財源総額に占める人件費充当一般財源の比率は0.4ポイント増加し、類似団体と比較すると1.4ポイント上回っている。今後とも事業の選択と集中や、公共施設の見直し、人事配置の適正化等により人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

物件費充当一般財源は、電気料金の高騰のため光熱水費が増加したことなどから、前年度比+39百万円となり、比率も0.5ポイント増加した。類似団体平均よりも0.2ポイント上回っていることから、引き続き公共施設マネジメント基本方針による既存施設の見直しの検討を進めるほか、事務の見直し、効率化等により、経費削減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費充当一般財源は、医療費の増加に伴い医療扶助費やこども医療費助成費が増加したことなどから前年度比+92百万円と増加し、比率も前年度から0.7ポイントの増加となった。類似団体平均との比較では、1ポイント上回っているが、これは類似団体と比較して、生活保護費が高いことが大きな要因と考えられる。

その他の分析欄

その他の内訳は、維持補修費充当一般財源と繰出金充当一般財源であるが、繰出金充当一般財源は、医療費の増加のため、後期高齢者医療広域連合への療養給付費負担金が増加したことなどにより前年度比+106百万円となり、比率も0.8ポイント増加した。本市の高齢化率は全国平均を上回っており、このことが比率増加の要因となっている。引き続き、若年者をはじめとした人口増加策に取り組む必要があると考えらえる。

補助費等の分析欄

補助費等充当一般財源は、病院事業会計の起債残高の減少に伴う企業債利息繰出の減少などにより前年度比-84百万円となり、比率も0.3ポイント減少した。類似団体と比較すると、本市は一部事務組合に対する負担金が小さいことなどにより平均を下回っている。引き続き、費用対効果や経費負担の在り方を精査し、補助金・負担金の適正化などに努める。

公債費の分析欄

公債費充当一般財源は、合併特例債や退職手当債の一部償還終了に伴い、前年度比-64百万円と減少し、比率も前年度から0.1ポイント減少した。しかし、類似団体と比較すると2.4ポイント高いことから、今後も中期財政計画に基づき、建設事業についても選択と集中を進め、公債費の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

人件費及び補助費等充当一般財源は減少しているが、その他の経費の充当一般財源は増加しており、公債費を除いた経常経費充当一般財源総額は+163百万円と増加している。この主な要因は、医療費の増加に伴う、扶助費及び繰出金の増加である。類似団体と比較すると、0.8ポイント上回っており、引き続き事業の選択と集中、公共施設マネジメント基本方針に基づく施設の見直し、人事配置の適正化等により経費の抑制に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

昨年度から増減が大きい費目のうち民生費は、医療費の増加に伴う医療扶助費の増加や臨時特別給付金事業の増加により、住民一人当たり205,327円と前年度比+13,822円となっている。衛生費は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行に伴う予防接種費の減などにより、住民一人当たり50,191円と前年度比-3,869円となっている。商工費では、コロナ禍における経済対策としての宿泊割引事業や事業者への補助事業が令和4年度で終了したことや、イノベーションセンター拡張事業の終了などにより、住民一人当たり15,530円と前年度比-11,098円となっている。土木費は、加賀温泉駅周辺施設整備事業費の増などにより、住民一人当たり85,161円と前年度比+20,027円となっている。消防費は、防災情報伝達システム整備費の増などにより、住民一人当たり24,717円と前年度比+3,557円となっている。教育費は、東和中学校改築・改修事業費の増などにより、住民一人当たり76,426円と前年度比+19,205円となっている。災害復旧費は、令和6年度能登半島地震からの復旧事業により、住民一人当たり3,175円と前年度比+2,567円となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算額総額は、住民一人当たり584,448円と前年度比+47,968円となっている。主な構成項目として人件費は、人事院勧告による基本給の引き上げや令和6年度能登半島地震対応による時間外手当の増加により、住民一人当たり83,819円と前年度比+2,617円となっている。物件費は、電気料金高騰に伴い光熱水費が増加したことなどから、住民一人当たり92,617円と前年度比+6,419円となっている。扶助費は、医療費の増加に伴う医療扶助費の増加や臨時特別給付金事業の増加により、住民一人当たり126,280円と前年度比+10,544円となっている。普通建設事業費では、加賀温泉駅周辺施設整備事業が年次計画により増額となったほか、東和中学校改築・改修事業などの大型事業を実施したことにより、住民一人当たり100,923円と前年度比+29,473円となっている。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

令和5年度決算では、実質収支額については黒字を継続しているが、前年度からの繰越金や財政調整基金をはじめとした基金の活用による部分も大きく、財政調整基金の残高が減少し、単年度収支及び実質単年度収支額はマイナスとなった。今後も継続して、事業の選択と集中を行うほか、適正な受益者負担についても検討を進め、健全で持続可能な財政運営となるように努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

黒字額は、主に一般会計の黒字額及び企業会計の資金剰余額で構成している。一般会計では、歳入面においては、市税のほか、譲与税、交付金及び地方交付税が前年度から横ばいとなったが、ふるさと納税寄附金の増加や、基金の活用により歳出に必要な財源の確保を行った。歳出面においては、入札差金の執行凍結や歳出削減の取り組みなどにより、実質収支は黒字を維持している。病院事業会計、水道事業会計及び下水道事業会計の企業会計では、現金及び預金等の流動資産が、未払い金等の流動負債を上回り、資金剰余額を計上している。以上の結果、全ての会計で黒字、歳入歳出同額又は資金不足額無しとなっている。今後も各会計において歳入確保のため、適正な受益者負担の検討を進めるほか、支出の見直しを継続することにより、健全で効率的な財政運営を行い、収支が悪化しないように努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

(元利償還金A)令和5年度の元利償還金は、合併特例債や退職手当債の一部償還終了に伴い、前年度比-66百万円と減少した。公営企業債の元利償還金に対する繰入金は、水道事業及び下水道事業への準元利償還金が減少した一方で、病院事業への準元利償還金が増加したため、全体としては前年度から横ばいとなっている。算入公債費等については、算入公債費が元利償還金の減少に伴い減少した一方で、都市計画税をはじめとした特定財源が増加したため、全体としては前年度から横ばいとなっている。以上のことから実質公債費比率の分子は、前年度比-67千円と減少している。今後も交付税措置率の高い市債を活用するほか、建設事業の選択と集中を進めることで、更なる比率の改善に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の残高は、加賀温泉駅周辺施設整備事業や東和中学校改築・改修をはじめとした大型事業の財源として市債を発行したことにより、前年度比+543百万円増加している。公営企業債等繰入見込額は、企業会計の起債残高が、病院事業会計で前年度比-651百万円、下水道事業会計で-779百万円とそれぞれ減少したことにより減少している。退職手当負担見込額は、定年の延長や人事院勧告による給与費の増額により増加している。充当可能財源等は、各種事業への基金の活用により、基金残高が減少したこと及び市債残高に占める合併特例債や臨時財政対策といった交付税措置率が高い市債の割合の減少により、減少している。以上のことなどから、将来負担比率の分子は前年度比+918百万円増加している。今後は、建設事業についても選択と集中を進めるほか、事業費の平準化を図り、地方債残高の抑制に努める。併せて、計画的な基金の積み増し等により、将来負担の抑制に努める。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)計画に基づき、まちづくり振興基金を180百万円、重点事業推進基金を206百万円を取り崩したほか、財政調整基金に歳計剰余金を579百万円積み立て、年度間の財政調整のため875百万円を取り崩したことなどにより、基金全体としては824百万円の減となった。(今後の方針)人口減少に伴う市税収入の減少や、物価高騰や人件費の高騰のほか、医療費の増加に伴う扶助費の増加など財政運営は極めて厳しく、一般財源の収入不足は長期となることが予想される。その一方で、「第2次加賀市総合計画の中期実施計画(令和3年度~令和6年度)」や、「第2期加賀市まち・ひと・しごと総合戦略(令和2年度~令和6年度)」、「加賀市スマートシティ構想」などを踏まえるとともに「未来への夢と希望の投資戦略」により、人への投資や先進的な施策を推進するためには、事業実施に係る財源を確保するとともに、民間活力を積極的に取り入れるなど、事業実施方法を工夫することが必要となる。こうした状況から、事業の優先順位を付けて選択と集中を進めることで歳出の抑制を図り、それでも不足する財源については、年度間の財源調整として基金残高に留意しながら財政調整基金を活用する。また、北陸新幹線加賀温泉駅施設整備事業などの大型事業が完成に向けて終盤に差し掛かり、その実施に係る所要一般財源を確保する必要があることに加え、今後、事業の実施に伴う市債の元利償還費が増加することが見込まれる。こうした将来の財政運営上の課題に対しては、基金を活用し各年度の財政負担の軽減・平準化を図っていく。

財政調整基金

(増減理由)年度間の財政調整のため875百万を取り崩したことによる減少歳計剰余金を579百万円を積み立てたことによる増加(今後の方針)財政調整基金は、年度間の財源の不均衡を調整するため、また災害発生時などの不測の財政需要が生じたときの財源として積み立てるものであり、中期財政計画上に示すとおり、9億円以上の残高を維持することを目指す。経済の状況は、民間の給与水準の引き上げや、物価高騰が続くことから支出が増加することが予想され、また人口減少に伴い、市税の増加を見込んでいくことは難しい状況である。こうした状況から、事業の優先順位をつけて選択と集中や平準化を進めることで歳出の抑制を図り、それでも不足する財源については、年度間の財源調整として、基金残高に留意して財政調整基金を活用する。

減債基金

(増減理由)加賀市医療センター建設事業及び北陸新幹線加賀温泉駅関連施設整備事業に係る市債の元利償還のため、215百万円取り崩したことによる減少中期財政計画に基づき、20百万円積み立てたことによる増加(今後の方針)①平成28年度に開院した加賀市医療センターの整備に係る一般会計出資債の償還(令和27年度まで)に伴う一般財源負担の平準化所要額(地方交付税措置を除く実質負担額)を超える額を取崩し、償還費に充当。②北陸新幹線加賀温泉駅関連施設整備事業に係る市債の元利償還費の備えとして、今後の各年度の決算剰余金等を活用し、毎年度0.2億円を積増すとともに、各年度の償還費0.54億円(償還費が最大となる年度の半額)を超える額に充当

その他特定目的基金

(基金の使途)・まちづくり振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興に要する事業に活用する。・重点事業推進基金:加賀市総合計画に基づき実施する重点事業の推進を図るために活用する。・職員退職手当基金:職員の退職手当の年度間負担の平準化のため活用する。(増減理由)・まちづくり振興基金:普通交付税の合併算定替終了後の財源不足への激変緩和措置として、まちづくりに資する事業に活用するため、180百万円を取り崩したことによる減・重点事業推進基金:北陸新幹線加賀温泉駅関連施設整備事業や、地方創生推進交付金を活用する事業などに係る事業に活用するため、206百万円を取り崩したことによる減北陸新幹線加賀温泉駅関連施設整備事業に対する国庫補助金のうち予算を超えて収入された額73百万円を積み立てたことによる増・退職手当基金:退職手当基金活用計画に基づき、50百万円を取崩したことによる減(今後の方針)・まちづくり振興基金:普通交付税の合併算定替終了後の財源不足への激変緩和措置として、基金の目的に合った事業に充当・重点事業推進基金:①北陸新幹線加賀温泉駅関連施設整備事業の実施年度において、所要一般財源相当額を取崩し、事業費に充当②国からの地方創生推進交付金を活用して推進する事業の実施年度において、所要一般財源相当額を取崩し、事業費に充当③「公共施設マネジメント」の基本方針に基づく施設の統合・複合化などに取組む事業の実施年度において、所要一般財源相当額を取崩し、事業費に充当。④スマートシティ関連事業の実施年度において所要一般財源相当額を取崩し、事業費に充当・職員退職手当基金:「退職手当基金活用計画」により積増しを継続するとともに、退職手当所要額が各年度で2.6億円を超える場合に、その超えた部分について取崩し、退職手当費に充当

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は、類似団体平均より高い水準にあり、施設・設備等の老朽化が進んでいる。今後は「公共施設マネジメント」に基づく施設の更新、廃止、統合及び複合化を進めていく必要性が高まると考えらえる。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、類似団体と比較し依然高い水準である。今後は中期財政計画に基づき、限られた財源を有効に活用するため、投資事業の選択と集中を進めながら、起債残高増加の抑制を図り、財政の健全化に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は、市債残高が増加傾向にあること及び市債残高総額のうち合併特例債や臨時財政対策債等の交付税措置率の高い市債残高の比率が減少したこと並びに財政調整基金をはじめとする各基金の活用により基金の残高が減少したことにより、増加している。有形固定資産減価償却率は類似団体よりやや高い傾向にある。主な要因としては、公共施設の老朽化が進んでいることが挙げられる。今後は「公共施設マネジメント」に基づく施設の更新、廃止、統合及び複合化を進めていく必要性が高まると考えられる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、病院事業会計への公債費繰出が減少したこと等により単年度数値においては8.6%と前年度より1.2ポイント減少したが、当該数値は令和元年度の単年度数値(8.3%)よりも0.3ポイント高かったため、比率の算定に用いる直近の3か年平均数値においては、前年度から0.1ポイント増加している(R4年度の実質公債費比率9.2%(R29.4%、R39.8%、R48.6%の3か年平均により算出)。将来負担比率は、市債残高が増加傾向にあること及び市債残高総額のうち合併特例債や臨時財政対策債等の交付税措置率の高い市債残高の比率が減少したこと並びに財政調整基金をはじめとする各基金の活用により基金の残高が減少したことにより、6.1ポイント増加している。実質公債費比率及び将来負担比率ともに類似団体平均値を上回っているため、今後はより一層の投資事業の選択と集中を進め、市債残高を抑制しながら両比率の改善を図る。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比べて、有形固定資産減価償却率が高くなっており、施設の老朽化が進んでいる。また、道路、橋梁・トンネル施設、保育園、児童館、公民館は類似団体と比較すると、市民一人当たりの延長や面積、固定資産額が大きいことから、今後の維持管理費用は類似団体より大きくなることが想定される。一方、学校施設や公営住宅は、類似団体と比較すると、市民一人当たりの面積が小さくなっている。これらの結果を踏まえ、施設ごとに適切な市民サービスの水準を検討しながら、「公共施設マネジメント」に基づく施設の更新、廃止、統合及び複合化を進めていく必要性が高まると考えられる。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比べて、有形固定資産減価償却率が高くなっており、施設の老朽化が進んでいる。図書館、廃棄物処理施設、体育館・プール、消防施設は類似団体と比較すると、市民一人当たりの面積や固定資産額が大きくなっており、特に廃棄物処理施設の施設費用は類似団体中で最も高いことから、今後の維持管理費用は類似団体より大きくなることが想定される。一方、福祉施設、市民会館、庁舎の市民一人当たり面積は類似団体を下回っている。これらの結果を踏まえ、施設ごとに適切な市民サービスの水準を検討しながら、「公共施設マネジメント」に基づく施設の更新、廃止、統合及び複合化を進めていく必要性が高まると考えられる。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計においては、資産総額は1,426億42百万円(▲11億29百万円)となった。また、負債総額は455億93百万円(+15億38百万円)となった。資産減少の主な要因としては、有形固定資産のうち道路等のインフラ資産の減価償却による減少(20億25百万円)が挙げられる。また、負債増加の主な要因としては、起債残高が392億7,167万円(+5億43百万円)と増加したことが挙げられる。一般会計に国民健康保険、介護保険などの公営事業、上下水道、病院等を加えた全体会計においては、資産総額は2,004億85百万円(▲28億77百万円)となった。また、負債総額は975億70百万円(1億8百万円)となった。資産減少の主な要因としては、有形固定資産のうち、道路等のほか水道・下水道のインフラ資産の減少(▲27億42百万円)が挙げられる。また、負債減少の主な要因としては、一般会計の起債残高は増加したものの、公営企業会計の起債残高が減少し、総額では713億64百万円(▲9億95百万円)と減少したことが挙げられる。一部事務組合や加賀市土地開発公社、加賀市総合サービス株式会社などを含めた連結会計では、資産総額は2,027億14百万円(▲32億62百万円)となった。また、負債総額は987億21百万円(1億60百万円)となった。資産減少の主な要因としては、有形固定資産のうち、インフラ資産の減少(27億42百万円)、投資その他の資産の減少(▲4億67百万円)が挙げられる。また、負債減少の主な要因としては、加賀市のほか連結対象団体を含めた起債残高が724億52百万円(▲9億95百万円)と減少したことが挙げられる。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常収益は10億23百万円(+79百万円)、経常費用は340億36百万円(+5億60百万円)経常費用から経常収益を差し引いた純経常行政コストは330億13百万円(+4億82百万円)、純経常コストに臨時の利益、損失を加減した純行政コストは332億23百万円(+14億7百万円)となった。経常費用のうち、人件費や物件費等の業務費用は物価高騰等により192億80百万円(+4億75百万円)と増加し、補助金等の移転費用は147億56百万円(+85百万円)と微増となった。全体会計においては、上下水道、病院事業の公営企業の事業収益を加算するため、経常収益は107億58百万円(+1億29百万円)経常費用は576億22百万円(+4億32百万円)となった。このうち、業務費用は320億12百万円(+3億77百万円)、補助金等の移転費用は256億10百万円(+55百万円)となった。連結会計では、経常収益は112億65百万円(▲7億73百万円)経常費用は670億49百万円(+1億18百万円)となった。このうち、業務費用は328億85百万円(▲5億16百万円)、補助金等の移転費用は341億64百万円(+6億34百万円)となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計においては、税収や国県補助金等の財源(305億92百万円(+9億69百万円))が、純行政コスト(332億23百万円(+14億7百万円))を下回っており、財源と純行政コストの差引額は26億31百万円(4億38百万円)となり、純資産残高は970億49百万円(26億67百万円)の減少となった。純行政コストには、資金の支出を伴わない減価償却費として63億36百万円(+2億67百万円)が含まれているため、資金不足は生じていないものの、純資産残高は減少していることから、今後とも税収等の財源確保に努めていく必要がある。全体会計においても、税収等の財源(437億14百万円(3百万円))が、純行政コスト(468億98百万円(+7億円))を下回っており、財源と純行政コストの差引額は▲31億84百万円(▲7億3百万円)となり、純資産残高は1,029億15百万円(27億69百万円)の減少となった。一般会計と同様に連結においても、純行政コストには、資金の支出を伴わない減価償却費として90億29百万円(+2億11百万円)が含まれていることから、資金の不足は生じていないものの、純資産残高は減少していることから、一般会計と同様、今後とも税収や公営企業の営業収益等の財源確保に努めていく必要がある。連結会計においても、税収や国県補助金等の財源(523億56百万円(+12億67百万円))が、純行政コスト(558億31百万円(+8億33百万円))を下回っており、財源と純行政コストの差引額は34億75百万円(▲3億24百万円)となり、純資産残高は1,039億93百万円(▲31億2百万円)の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計においては、税収や業務活動に充てる国県補助金等の業務収入が295億87百万円(+3億75百万円)、人件費や物件費等の業務支出が274億25百万円(+4億12百万円)となり、業務活動収支は21億63百万円(▲37百万円)となった。投資活動収支は、投資活動に充てる国県補助金や基金取崩等の投資活動収入が、加賀温泉駅周辺施設整備事業や東和中学校改築事業等の大型の公共施設整備事業の実施により35億35百万円(+10億90百万円)公共施設の整備や基金積立等の投資活動支出が、60億62百万円(+19億79百万円)となり、▲34億20百万円(▲11億34百万円)となった。財務活動収支は、財務活動収入である地方債発行収入が投資活動支出のうち、公共施設等整備支出の財源とするため37億98百万円(+8億65百万円)、財務活動支出である地方債償還支出等が36億47百万円(+1億55百万円)となり、借入額が償還額を上回ったことから1億51百万円(+7億10百万円)となった。これらの収支の合計額は2億14百万円(2億17百万円)となり、期末の資金残高は減少した。全体会計においては、業務収入が529億29百万円(+5億86百万円)業務支出が489億58百万円(+11億13百万円)となり、業務活動収支は39億58百万円(▲5億38百万円)となった。投資活動収支は、投資活動収入が44億21百万円(+16億86百万円)投資活動支出が78億41百万円(+28億20百万円)となり、▲34億20百万円(▲11億34百万円)となった。財務活動収支は、財務活動収入が71億78百万円(+10億63百万円)財務活動支出が82億93百万円(+3億13百万円)となり、▲11億15百万円(+7億50百万円)となった。これらの収支の合計額は5億77百万円(▲9億22百万円)となった。連結では、業務活動収支は37億40百万円(▲13億34百万円)投資活動収支は▲33億円45百万円(▲10億51百万円)財務活動収支は▲11億9百万円(+13億76百万円)となり、収支合計額では▲7億15百万円(▲10億11百万円)となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

類似団体と比較すると、住民一人当たり資産額は+29.1%、歳入額対資産比率は+11.1%、有形固定資産減価償却率は+5.7%となっている。このことから、類似団体と比較して事業用資産やインフラ等を多く保有しており、歳入と比較して資産額が大きく、老朽化率は若干進んでいるということが分かる。このため、今後の施設の更新や維持管理に対しても類似団体を超える費用が発生することが見込まれ、その財源も多額となることから、「公共施設マネジメント」に基づく施設の更新、廃止、統合及び複合化を進めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

類似団体と比較すると、純資産比率が▲6.7%、将来世代負担比率が+22.8%となっている。行政コスト計算書や純資産変動計算書から、行政コストが財源を上回り、純資産が減少していることが分かる。また、類似団体と比較し、資産に対する地方債残高も多額であり、将来世代の負担も大きくなることが見込まれる。限られた財源を最大限有効に活用するため、事業の選択と集中による行政コストの圧縮、自主財源の確保、「公共施「設マネジメント」に基づく施設の更新、廃止、統合及び複合化を進めていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

類似団体と比較すると、住民一人当たり行政コストは+25.5%となっている。限られた財源を最大限有効に活用するため、事業の選択と集中による行政コストの圧縮、自主財源の確保、「公共施設マネジメント」に基づく施設の更新、廃止、統合及び複合化を進めていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

類似団体と比較すると、住民一人当たり負債額は+52.2%と大きく上回っている。また、主に起債の借入及び償還である財務活動収支を除いた業務活動収支及び投資活動収支の合計額は、類似団体を大きく下回っている。将来世代の負担を過大なものとしないために、事業の選択と集中による行政コストの圧縮、自主財源の確保を図りながら、起債発行額を抑制し、「公共施設マネジメント」に基づく施設の更新、廃止、統合及び複合化を進めていく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

類似団体と比較すると、受益者負担比率は▲26.9%と大きく下回っている。行政サービスを持続可能なものとするため、事業の選択と集中により行政コストを圧縮するとともに、使用料・手数料の見直し等により、市民に対して適正な受益者負担を求めていくように検討を進める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,