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地方財政ダッシュボード

福島県双葉町の財政状況(2018年度)

🏠双葉町

地方公営企業の一覧

公共下水道


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

震災以降、固定資産税の減により財政力指数も減少していたが、平成30年度は前年度比0.01ポイント増の0.71となっている。これは、平成29年度に固定資産税の償却資産分が増加した影響であり、単年度では前年度と同様、0.72である。今後、避難指示の解除、産業団地への企業の進出等で、税収が大きく変動する可能性があり、歳入に注視しつつ計画的な事業執行に努める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は前年度比6.3ポイント増の85.9%となっており、類似団体平均を上回っている。比率が増となった要因として、家屋り災判定による町県民税の減免対象者の増加に伴う還付金増によるものであり、後年度以降は減少する見込みである。人件費・公債費等は減少しているものの、原子力災害により経常的な一般財源の確保が大きな問題となることから、事業見直しを含めた経費削減に努め、比率の上昇を抑制する。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たり人件費・物件費等決算額は前年度比3,847円増の384,592円となっており、防犯防災総合システム整備事業等の避難指示解除に向けた事業費が増加した。今後も復旧復興事業や町内への帰還に向けた事業の増加が見込まれるため、税収等を考慮しながら経費の削減等に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

給与水準は、前年度と比較して2.3ポイント減の90.2%となっており、直近5年間では最も低い値となっている。全国町村平均及び類似団体平均よりも低い水準にあるが、給与等の適正化など住民の理解を得ながら行政運営に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たり職員数は前年度比0.63ポイント増の15.27人となっており、類似団体平均よりも低い水準ではあるが年々増加している。要因としては東日本大震災からの復旧・復興事業に対応するための職員採用数の増加である。また、他自治体からの災害派遣や任期付職員の採用により人員不足の解消を図っており、今後、復旧・復興事業の加速に加え、避難指示解除に伴う町内での業務再開等、業務量の増加が予想される。状況に応じて組織・業務の見直しを図りながら適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は前年度比1.1ポイント減の7.7%となっており、類似団体平均並みの水準にまで減少している。要因としては平成27年度以降、新規地方債の借入れをしていないためであり、今後とも、新規起債の抑制を図りつつ、弾力的な財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、前年度同様算定されていない。引き続き、事業の適正化を図り、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

人件費の経常収支比率は、前年度比0.6ポイント増の10.1%となっている。基金充当により類似団体平均を大きく下回っており、今後も同様の傾向が続く見込みである。避難指示解除に伴う業務量の増加が見込まれるが、適正な人員配置等を図りながら人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

物件費の経常収支比率は、前年度同様15.1%で、類似団体平均より低い数値となっている。今後、高齢者の増加が予想されるため、介護予防事業、包括支援事業等について、事業の見直しを図り、一層の経費削減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費の経常収支比率は、前年度同様4.1%となっており、類似団体平均を上回っているものの、決算総額は減少している。長期避難による健康状況の悪化により、老人福祉費や身体障害者福祉費において財政負担が大きい状況であるため、高齢者の健康向上等に取り組むなど、負担の軽減に努める。

その他の分析欄

その他の経常収支比率は、前年度比0.1ポイント減の24.4%と類似団体平均を大きく上回っている。全町避難のため下水道使用料収入が見込めず、公共下水道事業特別会計へ繰出金支出をしており、震災以降同様の傾向が続いている。避難指示解除に伴う住民居住が始まるまでは、使用料収入は見込めないため、今後数年は同様の傾向が続く。

補助費等の分析欄

補助費等の経常収支比率は、前年度比5.8ポイント増の19.2%となっており、類似団体平均より高い数値となっている。震災による家屋り災に伴う税還付が多額となったことが主な要因であるが、今後は減少する見込みである。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は前年度同様の13.0%となっており、類似団体平均を下回っている。平成27年度以降は新規借入をしていないが、今後の復旧・復興事業の状況により新規借入も考慮しながら過度な負担とならない財政運営に努める。

公債費以外の分析欄

公債費以外の経常収支比率は前年度比6.3ポイント増の72.9%で、類似団体平均を上回っている。要因として、前年度から町民税が減少したこと、家屋り災判定が行われたことで町民税の減免による還付金が大幅に増加したこと等である。また、震災以降、下水道事業は使用料収入が見込めず、繰出金に頼っている状況であり、財源を確保するためにも経常経費の削減・見直しを進める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

歳出決算総額は住民1人当たり3,437,392円で前年度比448,231円(15.0%)の増となっている。総務費は福島再生加速化交付金基金への積立のほか、中野地区復興産業拠点や双葉駅西地区復興拠点の整備事業費の本格化により前年度比297,593円増の2,257,019円となっており、今後も高い水準で推移することが見込まれる。民生費は避難住民の生活支援策として、中間貯蔵施設整備等影響緩和補助金(生活サポート補助金)や町内の防犯防災事業等によるものであり、今後も避難指示解除に向けた事業費が見込まれる。衛生費は前年度比155,540円減の123,603円となっており、これは前年に続いて中間貯蔵施設に係る地権者支援金が減となったことによるもので今後も減少する見込みである。農林水産業費は町内での営農が困難なことから類似団体平均を大きく下回っているが、避難指示解除等による町内での営農再開に向け、今後は事業費が増加することが見込まれる。土木費は常磐自動車道追加インターチェンジの整備費の増、町道等のインフラ整備による影響で、前年度比168,352円増の342,478円となっており、今後も町内のインフラ整備の増加に伴い事業費も増加する見込みである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は住民1人当たり3,437,392円で、前年度比448,231円(15.0%)の増となっている。普通建設事業費は前年度比654,261円増の959,345円で類似団体平均を大幅に上回っている。前年度から続いている中野地区復興産業拠点・常磐自動車道追加インターチェンジ整備事業に加え、双葉駅西地区復興拠点整備事業が本格的に始まったことによるもので、今後も高い水準で推移することが見込まれる。このほか、特徴的な事業として、補助費等は中間貯蔵施設に関する地権者支援金の減により55,213円減の396,497円となり今後も減少が見込まれる。災害復旧事業費は前年度比39,933円増の84,149円であるが、町内の避難指示解除を控え、町道の災害復旧工事に関する事業等の増のためであり、住民の帰還に向けて今後も増加が見込まれる。また、投資及び出資金は、まちづくり会社への出捐金が発生したため皆増となった。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

実質単年度収支は、共同墓地造成工事、家屋被害認定調査業務により財政調整基金の取崩しをしたものの、実質収支の増により前年度比で黒字となっている。財政調整基金残高の標準財政規模に対する比率は134.45%と高い水準にあるが、今後の復旧復興事業及び公共施設の維持管理に係る基金の取崩しが見込まれる。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

連結実施赤字比率について、赤字となっている会計はない。一般会計は復旧復興に係る事業の増加により、基金からの繰入金が増加している。今後も財源の確保に努めながら、黒字を維持する。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

実質公債費比率(3ヵ年平均)は、前年度比1.1ポイント減の7.7%となっており、単年度比較でも1.2ポイント減の7.4%となっている。平成27年度以降、新規地方債の借入れをしていないため、地方債全体の償還残額は年々減少傾向が続いており、引き続き計画的な財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

将来負担比率については、充当可能基金の増や地方債の償還が進んだことにより、前年度同様に将来負担比率は算定されていない。今後も地方債の借入を抑制し、計画的な財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)中間貯蔵施設の整備に伴う影響を緩和するために必要な、生活再建及び地域振興等の財源として、中間貯蔵施設整備等影響緩和交付金等を取り崩した一方、中野地区復興産業拠点の整備及び双葉駅西地区復興拠点の整備を目的として、福島再生加速化交付金基金に積立したこと、後年度の復旧復興に資する財源として、公共施設整備基金、特定原子力施設地域振興事業公共用施設事業運営基金等に積立をしたことにより、基金全体では、前年度比3,204百万円増の63,629百万円となった。(今後の方針)基金残額の多くは、国庫支出金等を財源としていることから、事業目的に沿って適正な管理をしていく。また、余剰金等については、財政調整基金や東日本大震災復興基金等へ積立をし、後年度の復旧復興事業及び公共施設等の維持管理の財源とする。

財政調整基金

(増減理由)震災(津波)により流出した墓地や中間貯蔵施設予定地内の墓地移転先となる、共同墓地の設置工事及び避難指示区域内の家屋被害認定調査業務等を実施したことなどにより、34百万円減の3,238百万円となった。(今後の方針)震災からの復旧復興事業において国庫支出金等の活用や特定目的基金の取崩しにより財政運営をしてきた。現在は復旧復興が進むに連れて、一般財源の持出しが増えており、今後は復旧復興事業に加え、公共施設、インフラ等の維持管理費用の増加が見込まれる。これらの財源を確保する必要があるため余剰金については計画的に財政調整基金へ積立をする。

減債基金

(増減理由)増減なし。(今後の方針)平成27年度以降、新規地方債の借入れをしていないため、現状維持とする方針である。また、今後の地方債の借入れ状況等を踏まえ、積立等が必要か検討することとする。

その他特定目的基金

(基金の使途)中間貯蔵施設整備等影響緩和交付金基金:中間貯蔵施設の整備に伴う影響を緩和するために必要な、生活再建及び地域振興等福島再生加速化交付金基金:福島復興再生特別措置法第34条第2項に規定する帰還環境整備交付金事業等東日本大震災復興基金:東日本大震災からの復旧復興の推進に資する事業公共用施設維持運営基金:公共用施設の維持運営経費中間貯蔵施設立地町地域振興交付金基金:中間貯蔵施設の建設に伴う当該地権者支援を始め、その他地域振興を図るために行う事業(増減理由)中間貯蔵施設整備等影響緩和交付金基金:避難住民への生活支援策として実施している、生活サポート補助金及び双葉駅自由通路等整備負担金の財源としたため減。福島再生加速化交付金基金:中野地区復興産業拠点整備事業及び双葉駅西地区復興拠点整備事業の財源として、福島再生加速化交付金を原資として積立したため増。東日本大震災復興基金:東日本大震災からの復旧復興に従事する職員の人件費等に資する財源としたため減。公共用施設維持運営基金:コミュニティセンターの維持管理費の財源としたため減。中間貯蔵施設立地町地域振興交付金基金:中間貯蔵施設地権者支援給付金の財源としたため減。(今後の方針)特定目的基金の多くは、国庫支出金等を財源としていることから、事業目的に沿って適正な管理をしていく一方で、余剰金等については東日本大震災復興基金等へ積立をし、後年度の復旧復興事業の財源とする方針。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

昭和50年代に整備された公共施設が多く、有形固定資産減価償却率が類似団体・福島県平均より高い数値となっている。現在も避難指示が継続中であり施設の更新・改修は手付かずの状態となっており、避難指示解除後に多くの施設の改修等が見込まれるため、集約化も検討しながら計画的な財政運営が必要となる。

債務償還比率の分析欄

債務償還可能年数については算出されず。引き続き計画的な財政運営に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については、大規模事業の財源とするため財政調整基金を始めとする特定目的基金への積立を行っていることにより、充当可能な基金の残高が増加したため算出されず。今後、耐用年数の到来を迎える公共施設や新たな施設の増加により多額の費用が想定されるが、事業費の平準化や基金の活用など、財政負担の軽減を図りながら将来負担額の抑制に努める必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は類似団体と比較してやや高い水準となっているが、近年は地方債の新規発行を抑制しているため今後も低下するものと想定される。避難指示解除後に財政負担が大きくなることが想定されるため計画的な財政運営に取り組んでいく。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、橋りょう・トンネル、公営住宅、児童館、公民館となっている。これらの施設については、殆どが耐用年数を経過しているが、震災により更新・改修等が出来ていない状況のため、有形固定資産減価償却率が高くなっている。今後の予定として、橋梁については全ての点検を実施し計画的な改修を行っていく。使用予定のない施設や震災による被害が顕著である建物のうち、児童館、全ての公営住宅、一部の公民館については解体する見込みである。有形固定資産減価償却率は低下が見込まれる。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、図書館、体育館・プールとなっている。図書館については昭和59年建設となっており、避難指示解除後の使用が可能か判断しながら改修又は解体をする予定となっている。双葉町体育館については令和元年度に解体済みであり、後年度において一部の学校体育館やプールも解体する見込である。有形固定資産減価償却率は低下が見込まれる。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額が類似団体平均値を上回っている要因として、復旧復興事業の財源として積み立てている固定資産と流動資産の基金合計が60,801百万円と大きくなっていることが挙げられるが、今後の工事進捗状況により年々減少する見込みである。また、歳入額対資産比率は類似団体平均値を下回っているが、復旧復興事業に係る基金の積み立てによる歳入総額の増加が要因と考えられる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

類似団体と比較すると、純資産比率は平均より高く、将来世代負担比率は平均より低くなっているが、これは、固定資産と流動資産の基金合計が60,801百万円と大きくなっているためである。今後、町民の町への帰還状況等によっては、税収の減収等により、経常的費用についても基金を取り崩した財政運営となることが見込まれる。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは、類似団体平均を上回っており、前年度より6,145万円の増加となっている。復旧復興事業に伴うインフラ整備や物件費、維持補修費等の増加により行政コストが高い要因となっている。今後も、復旧復興事業が見込まれるため既存事業の見直し等を推進していく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額が、類似団体平均値を大きく下回っている要因として、東日本大震災以降、公共施設やインフラ等の整備が進まない状況であり、臨時財政対策債以外の借入をしていないことが挙げられる。今後、復旧復興事業を進めるにあたっては、地方債を財源とした事業の増加が見込まれる。また、基礎的財政収支が類似団体より高い水準にあるが、業務活動収支は赤字であることから、収支バランスの適正化を図っていく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担率は類似団体平均を下回っているが、現在も全町避難が継続していることにより公共施設等の使用料収入がないためである。今後、町への帰還に向けて整備を予定している公共施設については、受益者負担の考え方を明らかにし、適正な使用料の設定等に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,