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地方財政ダッシュボード

山形県新庄市の財政状況(2018年度)

🏠新庄市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2018年度)

財政力指数の分析欄

類似団体内平均値と比較すると0.13ポイント上回っており、平成24年度以降増加し続けている。歳出面では、平成16年7月に策定した「財政再建計画」及び平成27年3月に策定した「中期財政計画」に基づき、交付税措置のない市債の発行を必要最小限に抑制するなど、公債費等経常的なコストの削減に継続して取り組んできた点、歳入面では、市税についてはほぼ横ばいながら、地方消費税交付金が平成27年の消費税率改正により大きく増加した点などが指数の改善に寄与している。

経常収支比率の分析欄

平成16年7月に策定した「財政再建計画」及び平成27年3月に策定した「中期財政計画」に基づき経常経費の削減や、「定員管理計画」に基づき定員の適正化を進め人件費を抑制してきた。長年にわたる国営土地改良事業負担が平成29年度で終了したが、近年は子育て支援、障がい者福祉、生活保護などに係る扶助費が増加しており、物件費や維持補修費についても増加傾向にある。今後は、少子高齢化等により扶助費の増加のほか、明倫学区小中一貫教育校などの大型建設事業や老朽化した公共施設の改修などの実施に伴い公債費が増加し、経常収支比率は増加していくことが見込まれる。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均と比較して、人口1人当たり人件費・物件費等決算額が低くなっている要因として、ごみ処理業務、消防業務などを一部事務組合で行っている点がある。一部事務組合に支払う負担金のうち、一部事務組合の人件費・物件費等に充てる経費を市の人件費・物件費に合算した場合、人口1人当たりの金額は増加することになり、一部事務組合に係る経費も含めて決算額の推移を注視していく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

平成25年に行った給料の臨時削減及び平成26年度末までの特別職の給料減額の廃止に加え、4年連続で県に準じた給与改定を行っていることにより増加している。市の行財政改革プラン及び定員管理計画に基づき、持続可能な財政基盤の確立に向けて取組みを進めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

ごみ処理業務、消防業務などを一部事務組合で行っていることと、「定員管理計画」を着実に実行してきたことにより、類似団体内平均値を下回っている。今後も、住民サービスを低下させることのないよう効率的な人員配置や業務の民間委託化により、職員数の適正化を推進する。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率適正化に向けた取り組みを着実に実施した結果、平成26年度から2.5ポイントの減少と大きく改善してきている。今後は、明倫学区小中一貫教育校建設事業などの大型施設整備事業をはじめ、老朽化した公共施設の改修事業などの実施に伴い、市債残高は増加傾向となり公債費は増加していくことが見込まれるが、「中期財政計画」に基づき交付税措置の有利な市債を活用し、交付税措置のない市債は極力抑制し、健全な財政運営に努めていく。

将来負担比率の分析欄

市債の発行を交付税措置のあるものなど必要最小限に抑制することで、臨時財政対策債を除いた市債残高は減少し、また、財政調整基金や市有施設整備基金、減債基金などの積立により充当可能基金額が増加していることなどが要因となり、類似団体内平均値に比べ良好な値となっている。今後は、明倫学区小中一貫教育校などの大型施設建設や老朽化した公共施設の改修などの実施に伴い、市債残高は増加し将来負担比率も上昇していくことが見込まれるが、過大な将来負担を負うことのないよう、「中期財政計画」に基づき健全な財政運営に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2018年度)

人件費の分析欄

ごみ処理業務、消防業務などを一部事務組合で行っていることと、「定員管理計画」を着実に実行してきたことにより、人件費に係る経常収支比率は類似団体内平均値を1.9ポイント下回っている。今後も、住民サービスを低下させることのないよう効率的な人員配置や業務の民間委託化により、職員数の適正化を推進し人件費の抑制に努める。

物件費の分析欄

ごみ処理業務、消防業務などを一部事務組合で行っていることが大きな要因となり、物件費に係る経常収支比率は類似団体内平均値を1.0ポイント下回っている。ここ数年ふるさと納税事業の影響により大幅に増加したが令和元年度以降は減少すると推測されるが、施設の除却や物件費単価の上昇、また消費税率改正の影響もあり、大幅な減少は見込めず、ほぼ横ばいで推移する見込みである。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は増加傾向にあり、類似団体内平均値を1.8ポイント上回っている。その要因としては、子ども・子育て支援新制度に係る給付費、障害者自立支援給付費、生活保護費などの大幅な増加がある。少子化の影響によって減少となる要因はあるが、高齢社会の進行に伴い、今後も高い値で推移していくことが予想されるため、適正な資格審査等に努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率が類似団体内平均値平均を3.2ポイント上回っているのは繰出金の増加が主な要因である。上下水道整備など公営企業会計への繰出金のほか、医療費や給付費の増加に伴い国民健康保険事業、介護保険事業、後期高齢者医療事業特別会計への繰出金も多額となっている。公営企業会計においては、経営戦略に基づき経営健全化を図り、普通会計の負担を減らしていくように努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率が類似団体内平均値を2.4ポイント上回っている要因は、一部事務組合に対する負担金が多額になっているためで、特に、常備消防やごみ処理施設などの維持管理費及び公債費に充てる負担金が大きい。償還終了により公債費は減少するが、ごみ焼却施設の改修、施設の老朽化対策等の負担が増加するため、ほぼ横ばいで推移するものと見込んでいる。

公債費の分析欄

計画的な市債発行により公債費は減少傾向にあり、公債費に係る経常収支比率は昨年度より1.1ポイント上昇したが類似団体平均を4.9ポイント下回っている。今後は、明倫学区小中一貫教育校建設や老朽化した公共施設の改修の実施に伴い、市債残高及び公債費の増加が見込まれるが、「中期財政計画」に基づき交付税措置の有利な市債の活用と、必要最小限に抑制し健全な財政運営に努めていく。

公債費以外の分析欄

常備消防、ごみ処理などを行う一部事務組合への負担金(補助費等)が多額となっていることや、豪雪地帯に位置することで除排雪経費(維持補修費)が多額となっていることなどが大きな要因となり、類似団体平均を4.5ポイント上回っている。また、義務的経費(人件費、公債費、扶助費)については類似団体内平均値を下回っているものの、扶助費については増加傾向か続く見込みである。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、平成28年度から増加していたふるさと納税に係る経費が減少し、まちづくり応援基金積立金や市建設庁舎改修工事等の増加により若干の伸びとなった。民生費は、子ども・子育て支援新制度に係る給付費や障害者自立支援給付費及び生活保護費の増加に伴い増加し続けているが、臨時福祉給付給付費が皆減した。衛生費は、一部事務組合で行っているごみ処理施設の元利償還の終了に伴い最上広域一部事務組合負担金が減少傾向にあり、平成26年度に比べ5千円減少している。農林水産業費は、長年負担してきた国営土地改良事業の終了や多面的支払機能交付金、森林・林業再生基盤づくり交付金などが減少したことにより、平成29年度に比べ13千円減少している。商工費は、市企業立地促進条例に基づく用地取得助成金や産業立地促進制度預託金の増加により、平成29年度に比べ17千円増加している。教育費は、日新中学校大規模改修事業や学校施設環境改善交付金の減少により、平成29年度に比べ12千円減少し、萩野学園建設事業が完了した平成26年度と比べ半減したが、今後は明倫学区小中一貫教育校建設事業により増加する。また、一人当たりの公債費が類似団体内平均値よりも大幅に低いのは、市債の発行を交付税措置の有利なものや必要最小限に抑制するなど、計画的な市債発行により市債残高の縮減に努めてきたためである。なお、災害復旧事業費については平成30年8月の豪雨災害によるもので令和元年度へ継続して事業が行われる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2018年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出の決算総額は、住民一人当たり約466千円となっている。物件費は、平成28年度以降ふるさと納税事業に係る経費が増加したが、平成30年度は返礼品割合の減に伴い減少した。維持補修費が類似団体内平均値と比べ高いのは、本市が豪雪地帯に位置することから除排雪経費が多額となることによるもので、平成30年度の減少は、平成29年度が豪雪年度であったためである。扶助費は、住民一人当たり96千円となっており、平成26年度からの子ども・子育て新制度に係る給付費や障害者自立支援給付費及び生活保護費の増加に伴い毎年大幅に増加し、平成26年度から比較すると39.1%増加しており、類似団体内平均値とほぼ同額となっている。普通建設事業費のうち、新規整備については平成26年度に萩野学園義務教育学校建設の本体工事が終了し、更新整備については市庁舎の耐震化工事や日新中学校大規模改修工事が平成29年度で完了したことなどにより、一人当たりの経費が平成26年度と比較して58千円減少している。しかし、今後数年間は明倫学区小中一貫教育学校建設の新規整備、公共施設の更新整備ともに増加していく見込みである。このことにより、公債費については、小中一貫校や耐震改修事業の元金償還が開始されたことにより増加しており、今後も増加傾向となる。貸付金については、産業立地促進資金融資制度預託金等による市・県・金融機関の市内立地企業への協調融資により類似団体平均に比べ多くなっている。

実質収支比率等に係る経年分析(2018年度)

分析欄

財政調整基金残高は、中核工業団地の売払い収入を積み立てたことで近年大幅に増加した。実質単年度収支については、平成25、26年度の萩野学園建設など大規模事業実施年度は低下している。また、障害者自立支援給付費、生活保護費、子ども子育て支援新制度関係給付費などの扶助費の増加も、近年、実質単年度収支が低下する要因となっている。平成29年度で国営土地改良事業負担金が終了したこと、8月の豪雨災害による特別交付税の増や、財政調整基金やまちづくり応援基金など基金繰入金により実質収支額が増加し、実質単年度収支についても上昇した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2018年度)

分析欄

全ての会計で実質収支は黒字、または収支差なしとなっている。これは、各会計で、一般会計と同様に、経常経費の削減、定員の適正化による人件費の抑制など経営の効率化を行い、また、各保険料や使用料の徴収強化など収入確保に努めてきた結果が表れている。しかし、公共下水道事業特別会計など、会計によっては法令等の基準以上の一般会計繰入金によって黒字化がなされている会計もある。平成30年度より営農飲雑用水事業特別会計は水道事業会計に統合され、公共下水道事業特別会計及び農業集落排水事業特別会計は令和2年度より地方公営企業法適用の公営企業会計に移行するが、今後はより一層の経営の効率化、経常経費の削減により、経営基盤の強化や財政マネジメントの向上等に取り組んでいく必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

平成16年7月策定の「財政再建計画」と平成27年3月策定の「中期財政計画」に基づき、市債の新規発行を交付税措置のあるものなど必要最小限に抑制し市債残高を縮減したことで、元利償還金は平成26年度から135百万円の減となり、それに伴い算入公債費等も減少した。平成26年度以降横ばいととなっていた実質公債費比率の分子合計は、国営土地改良事業負担が平成29年度に終了したことで、債務負担行為に基づく支出額が大幅に減少した。今後は、明倫学区小中一貫教育校等の大型施設整備や老朽化した公共施設の改修などの実施に伴い市債残高は増加し、令和3年度以降は再び分子が増加に転じる見込みとなっている。

将来負担比率(分子)の構造(2018年度)

分析欄

債務負担行為に基づく支出予定額は、その大半を占めている国営土地改良事業負担の支払いが平成29年度で終了し減少したが、市債の現在高は、市有施設の耐震化や萩野学園建設等の大規模事業の実施に伴う市債発行により平成25年度から増加に転じている。今後も、明倫学区小中一貫教育校などの大型施設建設や老朽化した公共施設の改修などの実施に伴い、市債残高は増加し将来負担比率も上昇していくことが見込まれるが、過大な将来負担を負うことのないよう、市債の発行を交付税措置のあるものなど必要最小限に抑制し、また、財政調整基金や市有施設整備基金、減債基金などへの積立により充当可能基金を確保していくなど、「中期財政計画」に基づき健全な財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2018年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金については、中核工業団地の用地売り払い収入36百万円を財政調整基金に積み立てし、まちづくり応援基金については、100百万円の取り崩しを行い寄附者の意向に沿った事業に充当を行い、211百万円の積立てを行った。市有施設整備基金については、老朽化した公共施設の整備に備えて50百万円を積み立てた。地域福祉基金については、平成26年度から継続して20百万円を積み立てている。以上のことなどにより、平成30年度の基金全体の残高は29年度に比べ222百万円の増となった。(今後の方針)財政調整基金については、今後予定される明倫学区小中一貫教育校建設などの大型施設整備事業に充てるために減少していく見込みではあるが、災害や、社会情勢変動、緊急課題等に的確に対応するため、一定の基金残高を確保していく。また、市有施設整備基金をはじめとするその他特定目的基金については、公共施設の老朽化対策や緊急課題などに的確に対応することを目的として、計画的に積み立てを行っていく。具体的には市有施設整備基金及び地域福祉基金に継続的に積み立てを行っていく。

財政調整基金

(増減理由)平成25年度に購入した中核工業団地の民間企業への用地売り払い収入を積み立ててきたことで、平成27年度以降基金残高は2,000百万円を超えている。平成29年度は中核工業団地土地売り払い収入を積み立てたものの、学校施設環境改善交付金の国返還金に充てるために取り崩しを行ったため、平成29年度は28年度より52百万円減少したが、引き続き中核工業団地の用地売り払い収入36百万円を積み立てを行い、平成30年度は2,103百万円となっている。(今後の方針)今後予定される明倫学区小中一貫教育校建設などの大型施設整備事業、老朽化した施設の改修の実施などに充てるために基金残高は減少していく見込みではあるが、災害や、社会情勢変動、緊急課題等に的確に対応するため一定の基金残高は必要不可欠であり、少なくとも標準財政規模の10パーセントとなる9億円以上を確保できるよう、今後も可能な限り継続的な積み立てを行っていく。

減債基金

(増減理由)平成27、28年度に整備したデジタル防災行政無線(同報系)の整備に係り借り入れた市債(緊急防災減災事業債)の3%に当たる5百万円を、平成29年度より積み立てを行っており平成30年度基金残高は28年度に比べ10百万円の増となっている。(今後の方針)県の補助金を受けるため、デジタル防災行政無線整備に係る市債の3%を借入年度以降10年間積み立てるものであり基金残高は毎年度増加していく。平成30年から2ヶ年を掛けデジタル防災行政無線(同報系)の追加整備を行い、新たに市債の借り入れを行うため、毎年の積立額はさらに増加する。また、積み立てを行ったデジタル防災行政無線整備分の基金については、整備のために借り入れた市債の償還金に充てるために、今後取り崩しを行う予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)・市有施設整備基金:大規模な市有施設の建設及び改修。・まちづくり応援基金:寄附者の意向を反映した施策。(対象事業:産業振興、医療や福祉の充実、教育・文化・スポーツ振興、社会生活基盤の充実、環境保全、地域づくり)・地域福祉基金:市内において民間団体が行う高齢者等の保健の向上及び福祉の推進を図るための活動の支援。(増減理由)・市有施設整備基金:今後の市有施設の改修費の増加に対応するため、29年度に100百万円、30年度に50百万円を積み立てたことで、平成28年度より141百万円の増となった。・まちづくり応援基金:平成27年度よりふるさと納税寄附金が大きく増加したことに伴い毎年度の積立額も増加している。寄附者の意向を反映した事業に充てるために、平成28年度は157百万円を積立てし、50百万円を取り崩した。平成29年度は154百万円を積立し、150百万円を取り崩した。平成30年度は211百万円積立てし、100百万円を取り崩した。平成30年度の基金残高は28年度に比べて115百万円の増となっている。・地域福祉基金:平成26年度より毎年20百万円の積み立てを計画的に行い、平成30年度基金残高は、28年度に比べ40百万円の増となっている。(今後の方針)・市有施設整備基金:今後の市有施設の改修費の増加に対応するため、継続して積み立てを行っていく。・まちづくり応援基金:毎年度の寄附額から、寄附者への返礼品及び事務費を差し引いた額を積み立てている。また、積み立てた次年度以降に寄附者の意向を反映した施策に取り崩して充当する。・地域福祉基金:市内の高齢者福祉施設の改修などに備えて、継続して積み立てを行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2018年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当市では、平成28年度末に策定した公共施設等総合管理計画において公共施設等の延べ床面積を5.5%削減するという目標を掲げ、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進めている。有形固定資産減価償却率については昨年度と比べて1.6%の増加して57.7%と上昇傾向にあるが、類似団体内平均を下回っている。

債務償還比率の分析欄

類似団体内平均値を下回っているが、今後、公共施設等総合管理計画に基づき老朽化施設の更新に伴い、地方債の発行や公債費が増加することから、債務償還比率の上昇が見込まれる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

地方債の新規発行を抑制してきた結果、将来負担比率は低下している。一方で、有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値を下回っているものの上昇傾向にあり、更なる老朽化対策に取り組んでいく必要がある。施設更新や統廃合には多額の費用が必要であり、その財源の一部となる地方債の増加による将来負担比率の上昇が懸念される。公共施設等総合管理計画に基づき老朽化対策に取り組みながらも、市有施設設備基金の確保と地方債残高などの将来負担の管理を行い、安定した財政運営を堅持していく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

経常経費の削減や投資的経費の抑制による公債費の削減などの取組みを継続してきたことにより、両比率は年々改善してきており、類似団体内平均値より良好な数値となっている。しかし、今後は、小中学校の統廃合による義務教育学校の建設や老朽化した公共施設の更新を予定しており、その費用の財源として発行する地方債の増加によって公債費が増加することから、両比率とも増加傾向となる見込みであるため、中期財政計画に基づきこれまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2018年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率については、【認定こども園・幼稚園・保育所】が類似団体平均値に比べ大幅に高く、老朽化が目立っている。新庄市では、平成28年度末に策定した公共施設等総合管理計画において公共施設等の延べ床面積を5%削減するという目標を掲げており、同計画に基づき老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進め、対策に取り組んでいく。1人当たり延長や面積等のストック量については、全体的に類似団体内平均に比べ、同程度または低くなってはいるが、人口減にともない緩やかな上昇がみられる。

施設類型別ストック情報分析表②(2018年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率については、【図書館】【市民会館】【保健センター・保健所】が類似団体平均値に比べ大幅に高く、老朽化が目立っている。新庄市では、平成28年度末に策定した公共施設等総合管理計画において公共施設等の延べ床面積を5%削減するという目標を掲げており、同計画に基づき老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進め、対策に取り組んでいく。1人当たり延長や面積等のストック量については、全体的に類似団体内平均に比べ、同程度または低くなってはいるが、人口減にともない緩やかな上昇がみられる。

財務書類に関する情報①(2018年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等は、資産総額が前年度期末から271百万円、0.5%の減少となった。大規模改修事業などの減少により資産形成を減価償却費(1,769百万円)が上回ったためである。資産総額のうち有形固定資産の割合は83.8%となっており、これらの資産については維持管理・更新等の支出を将来にわたって伴うものであるため、公共施設等総合管理計画に基づき適正管理に努めていく。・特別会計、水道事業会計を加えた全体は、上下水道管渠等の多額のインフラ資産のを計上していることにより,減価償却費の減少の影響により総資産額は前年度末より155百万円、0.2%減少し80,167百万円となった。負債総額は建設事業に係る地方債等の償還により787百万円、2.6%減少し29,395百万円となった。最上広域市町村圏事務組などの一部事務組合、土地開発公社及び新庄市体育協会などの第三セクターを加えた連結では、最上広域市町村圏事務組合が所有しているごみ処理、常備消防などに係る事業用資産が計上されており、総資産額は昨年度末から11百万円増加し87,054百万円なった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等においては、経常費用は昨年度より887百万円減少し14,998百万円となった。このうち補助金や社会保障給付等の移転費用は46.7%を占めており7,008百万円となった。これは、ごみ処理や常備消防などを一部事務組合である最上広域市町村圏事務組合が行っているため、その負担金が多額となっている。今年度は最上広域市町村圏事務組合分担金や多面的機能支払交付金の減少に伴う経費減少が要因となった。今後も事業の見直し、内部管理経費の削減をにより、引き続き行政コストの削減に努める。・全体では、水道料金や公共下水道使用料などを使用料及び手数料に計上していることから経常収益が一般会計等より1,363百万円多くなっているが、国民健康保険や介護保険の保険給付費が補助金等に計上されており、移転費用は昨年度より1,280百万円、9.1%減少し12,782百万円となった。純行政コストは1,661百万円、7.3%減少し21,011百万円となった。・連結では、一部事務組合等連結対象団体の事業費により、一般会計等より9,934百万円多く、純行政コストは24,431百万円となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

・一般会計等は、純行政コストが14,497百万円となり、財源(14,533百万円)を下回ったことから、前年度純資産残高より73百万円増加し、純資産残高は42,044百万円となった。財源の国県補助金等が402百万円減少したが、最上広域市町村圏事務組合分担金や多面的機能支払交付金が大きく減少したことによって純行政コストが減少したことから、純資産残高は前年度末より73百万円増加し、42,044百万円となった。・全体では、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計及び後期高齢者医療事業特別会計の保険税や保険料が税収等に計上されることから、一般会計等と比べて2,961百万円多くなっている。補助金などの移転費用が減少したことにより、純行政コストが昨年度より1,661百万円減少し21,011百万円となり、本年度末純資産残高は昨年度より632百万円増加し50,772百万円となった。・連結では、山形県後期高齢者医療広域連合への国県補助金等が財源に含まれており、最上広域市町村圏事務組合などの多額の事業費による純行政コストとなる。本年度末純資産残高は昨年度より1,026百万円増加し55,712百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等は、業務活動収支は昨年度より385百万円増加し1,514百万円となり、投資活動収支は日新中学校改修事業等の大規模建設事業の減少により△785百万円となった。財務活動収支は地方債発行収入の減少により地方債償還支出が上回っているため△411百万円となった。本年度資金収支額は318百万円となり、本年度末資金残高は、昨年度より321百万円増加し1,009百万円となった。・全体では、国民健康保険事業特別会計、介護保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計の保険料収入が税収等収入に含まれること、公共下水道事業特別会計・水道事業会計の使用料が使用料及び手数料に含まれることなどから、業務活動収支は、移転費用支出の減少により昨年度より784百万円増加し2,754百万円となっている。投資活動収支は、公共下水道事業特別会計おいて地方債等発行収入の減少、水道事業会計や公共下水道事業特別会計などにおいて地方債等償還支出が発行収入を上回っているため△787百万円となっている。本年度資金収支額は311百万円となり、本年度末資金残高は2,629百万円となった。・連結では、株式会社卸売流通センターの清算により、業務活動収支は2,929百万円、投資活動収支は△1,951百万円となり、財務活動収支は△681百万円となった。本年度資金収支額は297百万円となった。

財務書類に関する情報②(2018年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

③有形固定資産減価償却率は類似団体と同程度の率となっている。公共施設の老朽化は大きな課題となっており、今後、明倫学区義務教育学校建設、施設の更新、長寿命化の老朽化対策など大規模建設事業を予定しているが、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の最適な配置・長寿命化を推進していく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④純資産比率は、類似団体平均値と同程度の率となっている。将来世代の負担に比べ、これまでの世代による負担が多くなっている。今後も将来世代に過大な負担を残すことのないよう、引き続き行政コストの削減、公共施設等総合管理計画に基づいた計画的な施設更新を行っていく。⑤将来世代負担比率は、これまで市債の発行を必要最小限に抑制してきたことで、類似団体平均より低い率となっている。今後は、明倫学区義務教育学校建設、老朽化した公共施設の更新、長寿命化などの大規模建設事業が続くが、引き続き、市債残高の圧縮と、将来世代の負担が過大にならないような計画的な市債発行を行っていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

⑥住民一人当たりの行政コストは類似団体平均を下回っている。これまで内部管理経費の節減や、人件費の圧縮、指定管理者制度の導入を計画的に行ってきたことが要因と考えられる。近年は子育て支援や障がい者福祉、生活保護などにかかる社会保障費が増加し続けているものの、今年度は最上広域市町村圏事務組合分担金や多面的機能支払交付金が減少したことによって行政コストが減少した。公共施設の老朽化による維持管理経費の増加など、今後は純行政コストが増加していく傾向になると考えられることから、引き続き内部管理経費等の節減に努めていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑦住民一人当たりの負債額については類似団体平均値を大きく下回っている。ごみ処理や常備消防などを一部事務組合である最上広域市町村圏事務組合が行っているため、施設整備に係る市債が計上されていないこと、また、市債の発行を必要最小限に抑制してきたことなどが要因となっていると考えられる。今後も市債残高の圧縮に努め、負債額の推移を注視していく。⑧基礎的財政収支は類似団体平均値を上回っている。補助金等の減少により業務活動収支は増加した。業務活動収支は黒字となっており、類似団体平均値と比較して良好な状況であるが、社会保障費は増加し続けており、引き続き行政コストの削減に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

⑨受益者負担比率は、物件費等の増加により経常費用が減少(887百万円)したことにより上昇したが、類似団体平均値を下回った。施設の老朽化等により維持補修費の増加が見込まれるため、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の最適な配置や長寿命化により経常経費の削減、使用料などの見直しを行い、適正な受益者負担としていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,