経営の状況について
当該太陽光発電会計(施設名:長島夢追い元気発電所)は、長島夢追い元気集落活性化事業補助金として、町内各集落の地域活性化の為の補助金を繰り出すことや、本町の景観づくり形成を主な目的として建設。企業債の借入は行っておらず、全額、夢追いふるさと長島景観基金から平成26年度・27年度で借入を行い、それぞれ1年据え置き20年での償還計画を立てている。施設は、平成26年12月に着工、平成27年10月に完成し、同10月29日から売電を開始した施設で、平成28年度決算が初めて通年の売電実績がでた年度となる。(収益的収支比率)平成28年度の収益的収支比率は、299.4%と非常に良い数値となってはいるが、これは当該年度に消費税還付金50,475千円が含まれている。この還付金は、当該年度限りであることから、それを控除して計算した場合は、198.7%程度となる。健全な経営とは言えるが、設備完成から間もない施設であることから、今後は修繕費等も上がることが見込まれることから注視していきたい。(営業収支比率)平成28年度の営業収支比率は1,757.4%と健全な経営がなされているが、今後の修繕・更新投資等に充てる財源を確保するため引き続き、健全な経営を進めて行きたい。(供給原価)本年の供給原価は、19,568円/MWhとなった。昨年よりも供給原価は下がってはおり、平均よりも少ない数値となったが、太陽光発電という天候に左右される発電設備であることから、今後も供給原価を引き下げるため、総費用の削減を心がける必要がある。(EBITDA)減価償却前営業利益(EBITDA)は、101,009千円と高いが、これには消費税還付金が含まれていることから、これを控除して計算した場合は、50,534千円となる。今後、経営状況判断の指標のひとつとして注視していきたい。
経営のリスクについて
(設備利用率)一年の稼動実績を得ることができた平成28年度の設備利用率は、14.7%となり平均の14.5%、資源エネルギー庁の示す利用率14%を上回っている。今後もこの数値を注視しながら、施設の効率的な運用を進めていきたい。(修繕費比率)一年の稼動実績を得た平成28年度の修繕費比率は2.9%となった。今後の運用の中で、数値を注視しながら、計画的な維持管理・効果的な修繕方法の検討などを進めていきたい。(企業債残高対料金収入比率)当該施設ででは企業債の借入は行っていないため、経営リスクについては、設備利用率や修繕費比率を特に注視していく必要があると考えられる。(FIT収入割合)当該施設のFIT収入割合は100%と、全収入がFITで占めていることから、FIT適用期間終了(H47年10月末)後は、収入が大きく変動するリスクを抱えているため、今後その対応を検討する必要がある。
全体総括
当該施設は、運用を開始し、ようやく通年の売電実績を上げることができた事業(会計)である。平成28年度決算、通年実績の各数値を得ることができたが、建設間もない施設であることから、修繕費等コストもまだ発生していない。今後、各数値を分析しながら、今後の当該施設の健全経営へ努めたい。FIT適用終了(H47年10月末)後の事業のあり方については、現時点で方針は定まっていないが、今後、策定を予定している経営戦略のなかで、FIT終了による電力料収入の変動リスクも踏まえ検討することとしている。