経営の状況について
平成26年度中に5ヶ所の発電所を順次稼働開始し、現在も当市直営で管理を行っています。発電及び売電状況については、該当年度(平成28年度)においても当初の年度推計値を上回っており、大きな災害や事故等も無く、日照条件等による多少の前後はあるものの、比較的安定して推移しています。「営業収支比率」の大きな変動については、一昨年中(平成27年度分)に、一過性の「消費税還付金返還金(税務署の判断により、一旦は消費税に還付金が発生したと案内され、実際に受領したが、その後誤りであることが分かり、27年度中に返還を要求されたもの)」が生じたことによるもので、今後は大きなトラブル等が発生しない限り、安定して推移するものと推察しています。また、「収益的収支比率」と「EBITDA」が年々減少している点については、運営自体が比較的落ち着いてきていることから、太陽光特別会計内に余剰予算を持たせなくても運営していける、との見込みにより、一般会計内への繰出金を多く算出している状況が反映されているもので、売電収入自体に減少は生じておらず、上記のとおり施設自体は比較的安定して推移していると判断しています。供給原価については、平成27年度と28年度を比べると増加していますが、これは総費用の一時的な増加によるものです。年間発電電力量は比較的安定していますので、今後は供給原価も安定的に推移していくと推察しています。
経営のリスクについて
世界的にみても再生可能エネルギー産業の発展は目覚ましく、特に太陽光発電については、ソーラーパネル等の機器が日進月歩で進化を遂げており、家庭・企業の規模を問わず設置が相次いでいるため、住民の居住環境のみならず、山林や農地等の環境保全を抱える市町村にとっては脅威となっています。そのような状況から、買取りを行う大手電力会社も出力制限体制(ローテーションで各発電所(太陽光を含む)を停止する体制)を整備したため、近い将来、当初の推計値を下回る月・年度が発生する可能性が高まってきており、売電収入が減少することが見込まれます。内訳について、「修繕費比率」が0値となっている点については、平成28年度中に修繕が1件も発生しなかったことによるものです。また、「企業債残高対料金収入比率」が、開設当初から0値である理由は、初期費用に企業債は利用しておらず、基金を利用しているため、率の算出がありません。
全体総括
現状の経営状況を維持すべく、今後も適宜対応(施設の環境整備)を行っていきます。また、FIT適用終了後は収入が減少することが見込まれます。今後、経営戦略を策定していく中で(※現在は未策定(具体的な策定時期も未定))最善の手法を見定めながら施設運営を行っていきます。