経営の健全性・効率性について
平成27年10月に使用料を改定し、使用料単価189円/㎥の水準まで引上げを行った。しかしながら、汚水処理原価が類似団体と比較して1.6倍程度の286.79円であることが、本事業経営上の根本的課題と捉えている。企業債残高対事業規模比率は、類似団体等に比べて低い数値を示しているため、今後発生する施設の更新費用等を十分に精査し、企業債発行の抑制に努め、現在の水準を維持したい。流動比率が類似団体等に比べて低い数値を示しているのは、企業会計移行直後であり、現金(預金)が不足していることが要因であり、経費の削減に努め、資金確保を図りたい。
老朽化の状況について
本事業は、昭和53年供用開始であり、事業初期に布設した管渠の法定耐用年数の期限が間近に迫っていることから、今後は、管路更新等の老朽化対策を講じる必要がある。ストックマネジメントを適正に実施し、更新費用の軽減や費用負担の平準化を図ることで、経営圧迫を避け、安定した経営に努めたい。
全体総括
経費回収率は65.84%に止まっており、類似団体等と比較しても厳しい経営状態にある。この要因は島しょ地域特有の地理的条件や人口減少等により、汚水処理原価が割高になるためであり、経営にあたっては、資金の不足分を一般会計からの補助金により補っている状況である。平成27年10月に使用料を改定し、一定水準の使用料を徴収しているため、当面は現在のような経営状態が続くものと想定しており、このことを前提に平成28年度に経営戦略を策定した。一定の補助を受けての経営では当面黒字経営が可能という結果であったため、この間に、経費縮減等により資金確保に努め、経営基盤の強化を図りたい。