経営の状況について
収益的収支比率が100%以上であるが、前年と比較して下降している原因として、平成28年度に限り水道会計に補助金(4,000千円)として支出したことにより、収益的収支比率が低下した。営業収支比率は100%以上である。前年度と比較して営業収支比率が下がった要因として、営業費用の増加がある。これは水道会計への補助金の支出によるもので、補助金を除いた場合、営業費用は4,017千円となり営業収支比率は前年度並で推移している。供給原価が上昇した原因は、年間発電量は前年度並で順調に発電をしているが、水道会計への補助金支出により総費用が増加したためである。年間発電量は、前年比1.6%の減少がみられるが、年間日射量による差と判断される範囲であり前年度並で発電を行っている。EBITDAが減少している原因として、水道会計への補助金の支出により総費用が増加したことによるもの。経営状況において、総費用である平成28年度に限り支出した水道会計への補助が影響している。これを除けば前年度並の経営状況といえ電気事業全体における経営状況から安定的な経営状態といえる。
経営のリスクについて
設備利用率が低下した原因として、年間発電量が1.6%下降したことによる(1,694kw/h→1,667kw/h)が、年間日照量の差であり発電量としては前年度並の発電が行えているといえ、発電施設の効率的な運用が行えている。平成28年度は、モジュール(2枚)の破損による取替を行ったため、修繕費比率(1.3%)が増加した。企業債残高対料金収入比率について、平成29年度から元金の償還を行う計画としている。今後償還財源の確保を行う計画である。基金積立総額174,300千円。公募債償還基金を積み立てているので償還については、既に賄える状況にある。FIT収入割合については、平成27年度は45.2%であったが、平成28年度は56.2%と割合が増加したが、収入割合は安定的と言える。設備を効率的に最大限活用しており、太陽光発電における経営のリスクは少ないといえる。
全体総括
収益的収支比率並びに営業収支比率とも目標値を上回り、継続して100%以上を維持している。経営リスクも少ない現状において、経営の健全性及び効率性は確保されている。太陽光発電に係る発電電力量は、環境的要因に左右されるが、効果的な施設の維持管理と併せて引き続き安定的な経営を見込む。計画値を上回る売電収入を得ており、引き続き発電した収益の一部を住宅用太陽光発電システム等の補助金など住民への新エネルギー機器設置の普及促進に充当することで再生可能エネルギーへの転換を促進していく。経営戦略は、平成29年度中に策定予定である。併せて、資金実績収支シミュレーションと電力実績等を用いて収支状況から毎年見直しを行い、建設経過年数と施設設備の状況を考慮しつつ、売電収入が安定して確保できるよう、計画的に老朽化対策を推進する。