経営の状況について
風力発電においては、風況によって発電電力量が大きく変動するため、発電電力量及び料金収入が各指標に与える影響が大きい。平成28年度は、収益的収支比率、営業収支比率及びEBITDAが上昇しているが、これは前年度に比べて風況がよく料金収入が増加したことと、営業費用が減少したことによるものである。収益的収支比率が100%以上で推移しており、基金積立により財源の確保が着実に行えていることから、安定した運営ができていると考えられる。
経営のリスクについて
設備利用率は、前年度に比べて風況がよかったため改善した。風力発電の全国平均値を下回ってはいるが、全国的にみて比較的風が弱い地域であるためであり、経営に影響する値ではない。今後は設備の老朽化に伴い故障停止が多くなることが想定されるため、設備利用率が低下しないよう適切な維持管理に努めなければならない。修繕費比率は、修繕費は減少したが修繕費以外の営業費用が大きく減少したため、微増となった。今後は設備の老朽化に伴い大型機器の故障リスクが高くなるため、設備の予防保全に取り組み、効率的な維持管理に努めなければならない。企業債残高対料金収入比率については、順調な償還により低下しており、平成30年9月に償還が完了する予定となっている。その他、FIT調達期間終了後の買取価格改定に伴う減収リスクを想定し、必要となる除却費を積み立てておかなければならない。
全体総括
現状においては安定した運営ができていると考えるが、大型機器の老朽化が課題となっているため、予防保全に重点的に取り組み、老朽化に伴った稼働率の低下を改善し、一定の料金収入を確保していく必要がある。FIT調達期間終了時期は設備の寿命(20年)と重なるため、買取単価の低下及び稼働率の低下が想定され、料金収入の減少によって経営が困難となることが考えられるため、必要となる除却費の積み立てを着実に行っていく。平成32年度までに経営戦略を策定し、効率的な管理及び更なる経営の健全化に取り組んでいく。