公立豊岡病院組合：公立豊岡病院

地域において担っている役割

但馬圏域の中核病院として、高度専門・急性期医療を提供し、救命救急センター、周産期医療センター、認知症疾患センター等の運営を行うとともに、がん診療連携拠点病院、災害医療センター、へき地拠点病院、第2種感染症指定医療機関等の役割を担っている。

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率会計制度の変更、構成市(豊岡市・朝来市)との協議に基づく一般会計繰出基準の見直し等により、26年度～27年度は好転したが、28年度は医業収支の悪化に伴い落ち込んでいる。また、過去の退職金に係る繰延勘定償却が医業外費用に計上されているため、類似平均よりも低い比率となっている。②医業収支比率収益は増加しているが、人件費、材料費等の費用増により26年度以降の収支は悪化している。28年度は診療報酬のマイナス改定、人員配置の増と施設基準取得のタイムラグ等により、収支悪化が進んだ。また、ドクターヘリ運航に係る委託料等を医業費用に計上する一方、補助金は医業外収益に計上しているため類似平均よりも低い比率となっている。③累積欠損金比率平成26年期中に減資による補てんを行った結果、減少している。④病床利用率周辺に競合医療機関がなく、類似平均よりも高い水準を維持している。⑤⑥入院・外来患者1人1日当たり収益（円）診療単価の低い精神科を有している、診療単価の高い眼科がない、病床利用率が高い等の理由により平均値よりも低い。⑦職員給与費対医業収益比率、⑧材料費対医業収益比率施設基準取得のための人員増、手術件数の増加等に伴い、両比率とも悪化している。特に28年度は施設基準の取得遅れや在院日数の短縮等により医業収益が伸びず、医業収益に占める費用の割合が上昇した。

老朽化の状況について

①建物平成17年度に新築移転した。老朽化による大規模改修・建替え等の予定はなし。②機械備品新築移転時に整備した医療機器が更新時期を迎えており、年次的に更新が必要。

全体総括

圏域唯一の高度急性期病院として、高額医療機器の導入、職員配置の充実など医療の質の維持・向上に取り組んでいるが、人件費や材料費、投資等の費用増加によって、収支均衡には至っていない。組合内病院や地元開業医との連携の推進による患者確保や施設基準取得による単価増など収益増加に取り組むとともに、費用対効果の検証など費用削減にも積極的に取り組む。