地域において担っている役割
淡路医療センターは、昭和31年の開院以来、淡路島の中核病院、唯一の公立病院として地域医療を支えてきた。平成25年に新築移転し、一般病床のほか精神、結核、感染症病床を整備、淡路島の高度急性期・急性期医療を担う基幹病院としての役割を果たしている。また、地域がん診療連携拠点病院、災害拠点病院、地域周産期母子医療センター、地域救命救急センター等の指定を受け、良質で安全な医療を提供している。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は、施設基準上位加算の取得やアンギオ機器の増設による不整脈治療の充実等により診療単価は上昇したものの、新型コロナウィルス感染症患者の病床確保、診療抑制による手術や治療件数の減少等はあったが病床利用率はわずかではあるが回復し、医業収益も増加した。高額な薬品や診療材料の使用量の増加等に伴い材料費比率は高い水準となっているが、経常収支比率は100%以上を確保している。今後も診療機能の充実、地域医療連携及び医療・介護連携の推進による患者確保、新たな施設基準の取得等に努めるとともに、業務の効率化や材料費の節減等経営改善を図り、累積欠損金解消に向けた取組みを進める。
老朽化の状況について
平成25年度の新築移転から有形固定資産減価償却率、器械備品減価償却率は共に低い水準で推移してきたが、旧病院から引き続いて使用している医療機器については順次更新の必要がある。移転時に購入した機械備品についても耐用年数に達した機器が少なくない。建物設備の修繕も増加傾向にあるため、今後は医療機能への影響も勘案しながら計画的に更新等を進めることとしている。
全体総括
淡路圏域の基幹病院として新型コロナウィルス感染症患者の受入れ等に対応しつつ、安定した経営を図り経常収支比率は100%以上を維持している。今後も診療機能の充実、地域医療連携の強化、適正な診療報酬請求等による収入確保、働き方改革による業務の効率化及び適正な人員配置、後発医薬品への切替えや診療材料の購入価格適正化による材料費比率の改善を図り、より安定した経営と持続可能な経営基盤の確立を目指す。また、高齢化が進む淡路圏域において、今後も高度専門・特殊医療を中心とした政策医療を効果的、効率的に提供していく。