地域において担っている役割
淡路医療センターは、昭和31年の開院以来、淡路島の中核病院、唯一の公立病院として地域医療を支えてきた。平成25年に新築移転し、一般病床のほか精神、結核、感染症病床を整備、淡路島の高度急性期・急性期医療を担う基幹病院としての役割を果たしている。また、地域がん診療連携拠点病院、災害拠点病院、地域周産期母子医療センター、地域救命救急センター等の指定を受け、良質で安全な医療を提供している。
経営の健全性・効率性について
平成25年度の新築移転後、経常収支比率は一時的に悪化したが、HCUの増床、高額手術件数の増加や産婦人科の里帰り出産の受入制限解除等により、入院及び外来診療単価の増加とともに収益を確保し、平成29年度以降3年連続での100%以上を達成した。診療機能の充実、地域医療連携及び医療・介護連携の推進による患者確保、新たな施設基準の取得等に努めるとともに、業務の効率化や材料費の節減等経営改善を図り、累積欠損金解消に向けた取組みを進める。
老朽化の状況について
平成25年度の新築移転から有形固定資産減価償却率、器械備品減価償却率は共に低い水準で推移してきたが、旧病院から引き続いて使用している医療機器については順次更新の必要がある。移転時に購入した機械備品についても耐用年数に達した機器が少なくない。建物設備の修繕も増加傾向にあるため、今後は医療機能への影響も勘案しながら計画的に更新等を進めることとしている。
全体総括
今後も経常収支比率100%以上を維持するため、診療機能の充実、地域医療連携の強化、新たな施設基準の取得、適切な診療報酬請求の推進等により収入を確保するとともに、業務委託の推進等や働き方改革による人員配置の効率化、後発医薬品や低価格材料への切替え、価格交渉の強化等による給与費比率、材料費比率の改善を図り、安定した経営が継続できるように取り組む。高齢化が進む淡路圏域において、今後も高度専門・特殊医療を中心とした政策医療を効果的、効率的に提供していく。持続可能な経営基盤の確立を図るため、より一層の収益確保及び費用抑制を行い、経営改革を推進する。