経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は、給水収益の増加及び減価償却費等の費用の減少により類似団体平均値(以下、平均値)を下回ったが、単年度の収支が黒字であることを示す100%以上となっています。②累積欠損金比率は、累積欠損金が発生していないため、計上していません。③流動比率は、年々増加しており、令和元年度で平均値を上回り、支払いに備えて現金等を十分に確保できています。④企業債残高対給水収益比率については、企業債の発行を抑制していることから、平均値よりも大幅に低く、経営を圧迫する影響も少ないと考えられます。⑤料金回収率は、平均値を上回っており、給水収益で給水費用を賄うことができています。⑥給水原価については、長期前受金戻入が減少しましたが、給水収益が増加したため、昨年度とほぼ横ばいで推移しており、平均値も下回っています。⑦施設利用率は、平均値を上回っており、適切な施設規模であると考えられます。⑧有収率は、前年度よりも若干改善しており、計画的に給配水管漏水調査を実施してきたことによるものと考えられます。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、平均値を上回っており、施設の老朽化が進んでいるものと考えられます。②管路経年化率は、平均値を上回っており、管路の老朽化が一層進んでいると考えられます。③管路更新率は、計画的に更新を進めており、前年度と比較して0.27ポイント増加しましたが、管路の老朽化が進んでいる一方で、管路の更新速度は平均値を下回っています。(R2・R3の管路経年化率は、左表では2.76%・25.86%となっていますが、精査した結果、本来の値は27.42%・28.57%となります。)
全体総括
経営の健全性・効率性に関する各指標に関して、類似団体平均値と比べると、引き続き高い水準を維持していますが、老朽化の状況については、年々深刻さを増しています。コロナ禍や人口減少により、収益が一層厳しくなることが想定され、また管路の更新速度を上げていくには多額の費用を要することから、現状の経営状態を維持することが今後難しくなると考えられます。将来にわたって安定的に事業を継続していくために、今後も経営戦略に基づき経営の効率化を推進するとともに、管路更新計画及びアセットマネジメントに基づき、更新工事を進めていきます。