経営の状況について
〔収益的収支比率〕527.5%単年度の経常収支は黒字。経年比で増加しているが、収入ではH27に約100kW相当分の施設を増設したこと、消費税の仕入れ控除に伴う還付により増加、支出では消費納税がなかったこと、一般会計繰出金を前年比で減額したことで縮小、これらを要因として収支は改善し、前年同様料金収入の収益により事業全体費用を賄えている。経年では翌年度より地方債の元金償還が発生するため、今後の収益的収支比率は低下する見込み。〔営業収支比率〕1,498.2%単年度の営業収支は黒字。H27に赤坂サテライト・大宮中学校サテライトを増設をしたことに伴い、営業収益は増加したが、維持管理費等も増加し営業費用が増加した。累積欠損、他会計負担はなく、管理物品の他会計との共用や適度な保全状態の維持等、一般管理・維持管理費用を必要最小限に抑制しつつ、地方債償還開始後の収益率低下に備えることが必要。〔供給原価〕7,536.7円発電量の増加、総費用の減少に伴い供給原価は対前年比で減少。設備利用率12.3%。発電量を維持し、継続して総費用の抑制に努めるもの。販売実績値は計画を上回る結果となったが、環境的要因及び事業特性から、経年による性能低下等の下振れリスクを考慮した運営管理を行い、継続して供給原価の圧縮に努める。〔EBITDA〕40,545千円収益性は確保されているものの、料金収入及び収益性の増加は今後見込めないものと想定した正確な保守計画や劣化率評価に基づき、安定経営を維持することが必要。
経営のリスクについて
事故、天災、土地利用、公害、制度改正等、様々な要因の経営リスクが存在する。また、FIT終了による経営リスク、投資を回収できない可能性を常に考慮し、終期を見据えた適切な施設の保全と経営の効率化を進める。〔設備利用率〕12.3%全国平均は14.5%。当地域は日本海側に立地し積雪地域であり、冬季を含めた年間の気象状況や国内の同様施設の整備状況によっては、年間利用率において平均値と当該地実績間で差を生じることとなる。地域特性を踏まえた利用率の経過観察と計画管理が必要。〔修繕費比率〕0.0%施設修繕に係る費用なし。計画的な保守運用により継続した安定稼働に努める。〔企業債残高対料金収入比率〕869.3%単年度収支において、利益を適切に基金に積み立てることにより償還財源を確保し、17年計画で数値低減を進める。〔FIT収入割合〕100.0%固定価格買取制度調達期間内(20年)での事業計画(投資回収)としている。
全体総括
引き続き安定経営確保のため、経年における設備利用率の維持確保を進める。環境的要因及び事業特性から、今後は事業開始時実績を一定の基準に置き、経年における性能低下等による下振れリスクを考慮した運営管理が必要となる。一般管理・維持管理費用を抑制しつつ、地方債償還開始後の収益的収支比率の低下に備えること、正確な水準評価に基づき安定経営を維持することが必要。単年度収支において償還財源を適切に確保し、17年計画で企業債残高対料金収入比率の低減を進めると同時に期間内での投資回収を実現し、市環境施策の推進と普及に寄与する事業とする。FIT適用終了(H46)後は、現時点では方針は定まってないが、15年目に改定を予定する経営戦略の中で電力料収入の変動リスクも踏まえ検討することとしている。