地域において担っている役割
能登中部医療圏の自治体病院としての役割を果たすため下記の事項に取り組んでいる。・高度専門医療や救急医療への取り組み・回復期医療への取り組み・政策医療・不採算医療への取り組み・能登北部医療圏の公立病院への診療支援・地域医療連携への取り組み
経営の健全性・効率性について
平成30年度は前年度末の長期勤続医師の退職等により、入院・外来患者数が減少しこれに伴う病床利用率の減少などから前年度比で大幅な減収となった。費用においては、患者数の減少や院外処方の増加により薬品費が抑えられたことで、経常収支比率、医業収支比率ともに減少したものの、経常収支比率は100%以上を維持できている。医業収益の減少や非常勤医師の増加などにより、職員給与費対医業収益比率は昨年度に続き増加傾向にある。類似病院の平均と比べても高い数値となっており、増収対策や適正な職員配置の検討など、更なる経営効率向上に努める必要がある。
老朽化の状況について
現在の病院施設は平成11年度に完成したもので施設の経年化が進んでいる状態である。今後、施設機能等を維持するため、高額な建物設備等の更新及び修繕を計画的に行う必要がある。器械備品減価償却率は類似団体の平均を上回っており、経年比較においても上昇傾向であるため、更新整備が遅れている状況にある。このことから、限られた財源を有効に活用するため、更新が必要な機器を精査しながら更新整備を進めて行く。
全体総括
能登中部医療圏の自治体病院としての役割を継続して果たしていくためには、病院事業の健全経営を続けることが必要である。能登地域における少子高齢化や都市圏への人口流出など、年々患者数が減少していく中、診療報酬改定や地域の医療ニーズに適切に対応し収益を確保するとともに、地域における医師不足対策を継続しつつ人員配置適正化の検討により給与費の適正化を目指す等、引き続き経営健全化の取り組みを継続していく。