地域において担っている役割
病院部門と福祉部門が複合した全国的に見ても稀な三次医療機関として、また、総合周産期母子医療センターとして、他の医療機関では診療が困難な患者を、他施設からの紹介を基本として県内外から受け入れて、多職種が連携して質の高い包括医療を提供している。また、本県で唯一の小児がん拠点病院として、小児がん治療の牽引役となって、小児がんの診療の質の向上に取り組んでいる。
経営の健全性・効率性について
②医業収支比率は、入院・外来患者数の増加等による入院収益の増加等により前年度を上回ったが、補助金等収益の減少等により①経常収支比率は前年度に比べて低下した。⑤入院患者1人1日当たり収益は、高額薬品の使用増等による入院収益の増加等により、前年度を上回った。⑦職員給与費対医業収益比率は、補助金等収益の減少等により、令和3年度は上昇した。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率及び②器械備品減価償却率ともに前年度を上回ったが、類似病院の平均は下回っている。引き続き、機器の稼働状況や耐用年数等を考慮し、計画的に更新していく必要がある。
全体総括
令和3年度は、院内感染症対応により、一部の病床で入院制限する中、前年度に比べ、収益面では入院・外来患者数の増加等により医業収益が増加したものの、児童福祉施設収益や補助金等収益の減少等により、収益全体は減少した。一方、費用面では、材料費、経費の増加等により費用全体が増加した。今後は、周産期棟の増床部分を最大限に活用する他、引き続き新規入院患者の受入体制強化や地域の医療機関との連携強化によってこれまで以上に収益の確保を図る。