地域において担っている役割
三浦半島の東部に位置し、地域医療支援病院、救命救急センター、地域周産期母子医療センターの指定を受けるなど、急性期医療を中心に回復期リハビリテーション病棟を保有し、横須賀・三浦二次保健医療圏において重要な役割を担っています。
経営の健全性・効率性について
「①経常収支比率」は100%を上回り、「②医業収支比率」は90%以上、「③累積欠損金比率」は0%を継続しており、黒字による健全経営を維持しています。また、類似病院との比較でも全ての比率で平均値を上回っています。「④病床利用率」は平成29年度は院内感染対策として病室の利用制限を行ったため下がりましたが、平成30年度は前年度より2.1ポイント回復し、類似病院の平均値を上回りました。「⑤入院患者1人1日当たり収益」及び「⑥外来患者1人1日当たり収益」は前年度よりやや減少しましたが、引き続き安定した収益が確保されています。「⑦職員給与費対医業収益比率」は概ね50%程度で推移しており、類似病院の平均値も下回っていることから適切な水準を維持しています。「⑧材料費対医業収益比率」は前年度より1.9ポイント減少したものの、まだ類似病院をやや上回っています。
老朽化の状況について
「①有形固定資産減価償却率」は上昇傾向にあり、類似病院の平均値と同水準となっています。なお、本館と外来棟は築50年以上経過し、老朽化が進んでいるため、2025年度中の移転建替えを予定しています。「②器械備品減価償却率」は平均値を上回っているものの、器械備品の更新は計画的に行っているため、ほぼ同水準で推移しています。「③1床当たり有形固定資産」は類似病院の平均値を大きく下回っています。
全体総括
自治体病院として、救急医療や高度医療等の不採算部門の医療も担う中で、指定管理者制度(利用料金制)を導入し、経営の健全性の確保に努め、黒字による健全経営を維持しているところです。今後は老朽化に伴う移転建替えにより、多大な費用の負担が必要となりますが、将来的な人口予測を踏まえながら、採算面を慎重に考慮して建替え後の病院の経営持続性を確保する必要があります。新市立病院のオープンまでも、地域における拠点病院としての役割を担っていくため、しっかりと療養環境を整えるとともに、更なる効率的な病院運営に努めていきます。