経営の状況について
○収益的収支比率について・H27において高い比率となっているのは、発電施設の整備に充てた他会計からの借入金を当該会計に戻入するための財源とした一般会計からの繰入金140,000千円を収益的収入として処理したが、他会計からの借入金に対する戻入を資本的支出として処理したことによるもの。・H28は収支が黒字であり、収入については料金収入が大部分を占め、料金収入以外の収入(一般会計からの繰入金等)への依存は無いことから経営は安定している。○営業収支比率について・H28は706.4%と高い比率となっており、営業費用を営業利益で十分に賄えている。○供給原価について・気象状況や日照時間など環境的要因により数値が大きく変動するため、年度により価格に大きな差が生じている。・利益分は営業外費用として一般会計に繰り出し、各種事業の財源としている。このことから目的を達成しているので現段階では経営改善に向けた取組みは必要ないと考える。○EBITDAについて・H28は利益分の大部分を一般会計に繰り出したことにより過去4年間で最も低い数値となった。・今後もH28と同様の数値で推移していくと考えられる。
経営のリスクについて
○設備利用率について・資源エネルギー庁の「長期エネルギー需給見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告」(平成27年5月発電コスト検証ワーキンググループ)で設定されている太陽光(メガ)の設備利用率は14%とされていることから当該施設は効率的かつ安定した運用が行えている。・数値の変動については気象状況や日照時間など環境的要因によるものである。○修繕費比率について・過去2年は修繕の必要が無かったため、数値は0となっている。・自然災害等により修繕の必要性が生じても対応できるように建物災害保険に加入している。・電気系統のトラブルが生じても対応できるようにメンテナンス契約を結んでいる。○企業債残高対料金収入比率について・初期投資に要する経費について企業債を発行していないため、企業債残高対料金比率が算出されない。○FIT収入割合について・固定価格買取制度による全量買取のためFIT割合が100%となっている。そのため当該制度の調達期間終了後、買取価格が下落し、収入が減少するリスクがあるため事業の廃止も含めて撤去費用を基金に積み立てている。
全体総括
・経営の状況は安定していると考える。しかし、太陽光発電施設は気象条件や日照時間の影響を大きく受けることから、環境的要因により、経営状況が大きく変わる可能性がある。・発電設備の故障等のリスクについては保険の加入、メンテナンス契約を結び対応できるようにしている。・固定買取価格制度の調達期間終了後のあり方については、現時点で方針は定まっていないが、今後策定を予定している経営戦略において、事業の廃止も含めて検討していく。