経営の状況について
【経常収支比率】【営業収支比率】予想値を上回る発電をしたことに伴い、共に100%を超えており類似団体と比較しても高い傾向にあり、経営の健全性は確保されている。【流動比率】順調に発電できたことにより、現金が増加し前年と比較すると約2.7倍と高い数値となった。平均値を大きく上回っており、短期的な債務の支払能力は確保されている。【供給原価】販売電力量1MWhあたり、どれだけの費用がかかっているかを表す指標である。他団体と比較すると高い数値にあるため、委託料等経費の削減の抑制を図っていく必要があると考えられる。【EBITDA】企業の本業の収益が、継続して成長しているかどうかを判断するための指標である。平均値より低い数値となっているが、当事業は他団体と比較すると発電規模が低いためと考えられる。
経営のリスクについて
当発電所は平成27年3月に発電を開始した新しい施設であり、各項目ともにデータが少ないため経営リスクについての詳細な分析は困難であるが、できる限りの分析を行っていく。【設備利用率】太陽光発電の中では平均値を上回っており、効率的な発電を行えていると考えられる。【修繕費比率】【有形固定資産減価償却率】両比率ともに平均値より低い。機器設備等も新しいため現状では修繕も少ないが、経年劣化とともに予期しないパネルの破損や機器の更新等も発生する恐れがあることから、今後は修繕・更新費用の計画的な財源確保が必要となる。【企業債残高対料金収入比率】平成29年度より用地購入費の起債元金償還、平成30年度より建設整備の起債元金償還がそれぞれ開始されるため、償還財源の確保が重要となる。平均値との比較としては、平成27・28年度ともに平均値を超えているものの、効率的な発電により安定的な収入の確保ができていることと上記の通りの償還開始に伴い、この比率も下がる傾向にあると思われる。【FIT収入割合】過年度と同様の100%という数値を示しており、これは平均値とも同一である。太陽光発電事業については、再生可能エネルギー固定価格買取制度での実施に、限定されているということが分かる。この結果を受けての今後の展望としては、以下全体総括に記載する。
全体総括
発電を開始後3年が経過し、安定した発電を行えている。発電開始後5年を迎える平成31年度に、実績を踏まえ経営戦略策定を予定している。現状では経営の健全性や効率性は、確保されていると考えられる。本事業の利益の一部は一般会計へ繰り出し、地域活性化関連事業や地球温暖化対策設置機器補助金の財源となっていることから、今後も一層の経費の削減を図りながら健全な事業を行っていく。また固定価格買取制度の調達期間の終了期間を踏まえ、発電所の廃止や民間譲渡を検討する必要がある。