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大子町
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2011年度
人口の推移
財政比較分析表(2020年度)
財政力指数の分析欄基準財政収入額は6.7%増加したが、基準財政需要額も5.8%増加したため前年度と同数値となり、類似団体平均を0.17ポイント下回っている。人口減少や全国平均を上回る高齢化率(令和2年度末45.8%)に加え、町民一人当たりの平均所得が低いこと等により財政基盤が弱く、これは納税義務者数の減少、少子高齢化対策に係る事業費の増加等といった形で、基準財政収入額及び基準財政需要額へ影響を及ぼしている。数値の大幅な改善を見込むことは難しいものの、税の徴収率向上、歳出の徹底した見直しを行うことにより安定した財政基盤の確立に努めていく。 | |
経常収支比率の分析欄前年度と比較し、地方交付税等の増により分母となる経常一般財源が増加しているが、分子となる経常経費充当一般財源も主に物件費、人件費、補助費等が増加しており、経常収支比率は1.0ポイント上昇となった。類似団体平均を2.8ポイント上回ってしまったが、今後も職員数の適正管理による人件費の削減、基金を活用した起債発行額の抑制による公債費の削減に努めるとともに、事務事業の点検・見直しを行い、経常収支比率の改善を図っていく。 | |
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄物件費の増加により、人口一人当たりの金額は前年度と比較して29,057円増加し、類似団体平均を大きく上回っている状況である。要因として、人件費については、町単独でごみ・し尿処理業務、消防業務を行っていることから職員数が多くなっているためである。これらの業務内容の見直し等を行い経費の抑制に向けて取り組みを進めていく。物件費については、災害廃棄物処理業務や町外搬出し尿汚泥等運搬・処理業務等により、前年度から事業費が大幅に増加した。これらの業務については令和元年東日本台風が影響しているものの、業務内容や契約内容を精査し、過大にならないよう抑制に努める。 | |
ラスパイレス指数の分析欄勧奨退職や新規採用の抑制等により職員数の削減に努めているものの、初任給の基準の相違、経験年数階層の変動等により類似団体平均と比較して2.9ポイント上回っている。引き続き、中長期的な職員採用計画による職員構成の是正や給与制度の見直しを行い、適正な給与水準の確保に努めていく。 | |
人口1,000人当たり職員数の分析欄職員数は一般職員が1人減少し212人だが、人口減少や行政区域が広大であること、ごみ・し尿処理業務、消防業務等を町単独で行っていること等から人口千人当たりの職員数は0.52人増加し、類似団体平均を3.82人上回っている。今後も住民サービスの確保に留意しながら、業務の民間委託をはじめとする事務事業の見直しを行うなどにより、職員数の適正管理に努め、定員適正化計画に基づき人員削減に取り組んでいく。 | |
実質公債費比率の分析欄前年度と同数値で、類似団体平均を下回った。これは、廃棄物処理施設整備事業等に係る過疎対策事業債(平成28年度本借)の元金償還開始等による償還金の増で、分子が増加したものの、普通交付税額や標準税収入額の増により分母が増加したことで、当該比率の上昇を留めたためである。庁舎建設等の普通建設事業、し尿処理施設建設事業等の災害復旧事業が継続しており、値の上昇が予想されることから、引き続き各種事業計画の整理・見直しを図るなど、起債の発行を抑制し、数値の改善に努めていく。 | |
将来負担比率の分析欄類似団体平均を上回ってはいるが、前年度と比較し3.7ポイント減少した。主な要因としては、災害対策債等の交付税算入率の高い地方債を起債したことにより、充当可能な財源とされる基準財政需要額算入見込額が増加したことが挙げられる。今後も地方債発行の抑制や職員数の適正管理に努めるとともに、充当可能基金への計画的な積立てを行うなど財政の健全化を図っていく。 | |
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)
人件費の分析欄会計年度任用職員報酬や社会保険料等の増により、人件費分の経常経費充当一般財源は増加したが、経常一般財源も増加したことで、前年度と比較して0.1ポイント減少した。類似団体平均と比較して7.1ポイント高くなっているのは、ごみ・し尿処理業務、消防業務を町単独で行っているため、職員数が多いことが主な要因である。引き続き定数管理・給与の適正化を推進し、また、民間委託の導入を含めた人件費の削減に努めていく。 | |
物件費の分析欄大子町営研修センタ-管理業務委託料や給食配送業務委託料等の増により経常経費一般財源が増加し、前年度と比較して1.6ポイント上昇し、類似団体と比較すると3.8ポイント上回った。業務の合理化が進む中で、システムの委託料や使用料も高くなっていることから、契約内容を精査し、抑制に努めていく。 | |
扶助費の分析欄養護老人ホ-ム入所者措置費等の減による経常経費充当一般財源の減により、前年度と比較して0.7ポイント減少した。類似団体平均と比較すると1.9ポイント上回っているが、高齢化率が45.8%(令和2年度末現在)である本町においては、今後も老人福祉費等に係る扶助費の増加が見込まれるため、事業の内容を精査し適正な執行に努めていく。 | |
その他の分析欄その他の比率のうち、11.9%が繰出金であり、前年度と比較すると国民健康保険事業特別会計繰出金等の減により1.3ポイント減少したことで、その他全体では前年度と比較して0.6ポイント減少したものの、類似団体と比較すると0.3ポイント上回っている。減少はしたが、繰出金は経年で比較しても高い傾向にあるため、今後も各会計における財政の健全化を図り、抑制に努めていく。 | |
補助費等の分析欄大子町振興公社活動継続支援補助金や行政連絡班長謝金等の増により経常経費充当一般財源が増加し、前年度と比較して0.6ポイント上昇した。類似団体と比較すると9.6ポイント下回っているが、これはごみ・し尿処理業務、消防業務等を一部事務組合等へ委託せず、町単独で行っているためである。今後も各種団体等への補助金の見直し等により抑制に努めていく。 | |
公債費の分析欄廃棄物処理施設整備事業等に係る過疎対策事業債(平成28年度本借)の元金償還の開始等により公債費が増加したため、前年度と比較して0.2ポイント上昇した。類似団体平均を0.7ポイント下回っているものの、庁舎建設等の普通建設事業、し尿処理施設建設事業等の災害復旧事業が継続しており、基金の積立てや後年度の償還見通しを立てながら起債の発行を抑制していく。 | |
公債費以外の分析欄前年度と比較して0.8ポイント上昇し、類似団体平均を3.5ポイント上回っている。扶助費と繰出金ではやや減少したものの、人件費、物件費、補助費等で経常経費充当一般財源が増加したためである。今後も類似団体平均を上回っている人件費を重点に、物件費、扶助費等についても必要なサービスを確保しつつ抑制に努め、経常収支比率の改善を図っていく。 | |
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
議会費
労働費
消防費
諸支出金
総務費
農林水産業費
教育費
前年度繰上充用金
民生費
商工費
災害復旧費
衛生費
土木費
公債費
目的別歳出の分析欄
決算額が減少した主なものは土木費と民生費で、土木費については応急修理修繕料や道路改良工事等が減少し、前年度より13,465円減の39,687円となった。また、民生費については、被災者生活再建支援補助金や罹災見舞金が減少し、前年度より3,617円減の148,108円となった。次に、決算額が増加した主なものは衛生費、総務費、災害復旧費で、衛生費については災害廃棄物処理業務委託料等の増により、前年度より21,511円増の83,406円となった。また、総務費については特別定額給付金により、前年度より122,735円増の200,195円となった。そして、災害復旧費についてはし尿処理施設建設事業の増により、前年度より71,379円増の87,299円となった。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
人件費
補助費等
災害復旧事業費
投資及び出資金
物件費
普通建設事業費
失業対策事業費
貸付金
維持補修費
普通建設事業費(うち新規整備)
公債費
繰出金
普通建設事業費(うち更新整備)
積立金
前年度繰上充用金
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり808,098円となっている。主な構成項目である人件費については年々増加傾向にあり、令和2年度は平成28年度と比べて13,922円多い122,185円となっている。類似団体と比較した際に特に差が目立つのは、衛生関係(対比132.5%)と消防関係(対比831.0%)で、これはごみ・し尿処理業務、消防業務を町単独で行っているため、職員数が多いことが主な要因となっている。また、物件費については、災害廃棄物処理業務委託料や町外搬出し尿汚泥等運搬・処理業務委託料等の増により、前年度と比較して19,259円多い158,529円となった。これは令和元年東日本台風でし尿処理施設が被災したことが主な要因となっている。そして、災害復旧事業費についても上記と同様の要因から、し尿処理施設建設事業の増により、前年度と比較して71,379円多い87,299円で、類似団体と比べると80,150円上回っている。全国的に上昇した補助費等については、特別定額給付金があったことが要因となっている。
実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)
分析欄財政調整基金残高は元金積立を行ったことで、前年度から102百万円増加し、標準財政規模比は0.52ポイント上昇した。また、実質収支比率は、歳入歳出の増加率は歳出が0.5ポイント高いが、歳入歳出差引額の増加や翌年度に繰り越すべき財源の大幅な減少により、実質収支が増加したことで、前年度と比較して6.12ポイント上昇した。このことと、積立金が55百万円増加したことで、実質単年度収支が8.58ポイント上昇し、平成27年度以来の黒字となった。今後、公共施設の老朽化による維持補修費、少子高齢化対策事業など扶助費の増加が見込まれることから、計画的な財政運営、慎重な予算計上に努めていく。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)
分析欄一般会計が実質収支の増により6.12%上昇し、他会計においても黒字となっており、健全な状態であるといえる。引き続き財政基盤の強化を推進し、健全な財政運営に努めていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄元利償還金等については、廃棄物処理施設整備事業等に係る過疎対策事業債(平成28年度本借)の元金償還の開始等により、前年度と比較して38百万円増加している。算入公債費等についても、令和元年度東日本台風の影響により、災害復旧費等に係る基準財政需要額の増加し、前年度と比較して29百万円増加している。庁舎建設事業や衛生施設建設事業等の大型事業が継続しているため、充当可能基金への積立などにより起債の発行を抑制し、健全な財政運営に努めていく。
分析欄:減債基金満期一括償還地方債を利用していない
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将来負担比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄将来負担額については、大型建設事業や令和元年東日本台風の被災の影響で、令和2年度地方債発行額が償還元金を上回ったことにより地方債残高が増となり、上昇している。充当可能財源等については、令和元年東日本台風の被災に伴う災害復旧事業債等の算入率の高い地方債の算入開始により、基準財政需要額算入見込額が増となり、上昇している。引き続き、計画的な基金の活用や、地方債の抑制を図り、後年度への負担を軽減し、健全な財政運営に努めていく。
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基金残高に係る経年分析(2020年度)
基金全体(増減理由)財政調整基金や、その他特定目的基金のうち大子町観光振興基金、森林環境譲与税基金への積立額が増加し、全体で47百万円の増加となった。(今後の方針)財政調整基金及び減債基金については、今後の大型事業等に備え現状維持とする。基金残高全体でも割合が大きい大子町庁舎建設基金については、令和元年度から新庁舎建設事業に充当し、減少していく見込みである。 | |
財政調整基金(増減理由)基金残高は前年度から102百万円増加となった。主な要因としては、今後の大型事業等に備え元金積立を行ったことと、取崩す要因が発生しなかったことによる。(今後の方針)今後の大型事業等に備え現状維持とする。 | |
減債基金(増減理由)基金残高は前年度と比較して大幅な増減はなかった。(今後の方針)庁舎建設事業や、し尿処理施設建設事業、その後の大型事業等に備え現状維持とし、適正な積立額を確保する。 | |
その他特定目的基金(基金の使途)大子町庁舎建設基金:大子町庁舎の建設又は改築に要する資金とするもの。大子町観光振興基金:町の観光振興を図るもの。大子町森林環境譲与税基金:町における間伐、人材育成・担い手の確保、木材利用の促進及び普及啓発等の森林整備及びその促進に要する資金とするもの。大子町文化振興基金:ふるさと大子応援寄附金等を財源として、町の文化の振興に要する資金とするもの。武藤文化福祉基金:町の文化の振興及び福祉の向上に要する資金とするもの。(増減理由)大子町庁舎建設基金:新庁舎建設の財源として繰入を行ったことにより減少した。大子町観光振興基金:袋田観瀑施設第2観瀑台デッキ改修工事等の財源として繰入を行ったことにより減少した。大子町森林環境譲与税基金:森林環境譲与税を42百万円積み立てたことにより増加した。大子町文化振興基金:ふるさと大子応援寄附金等を1百万円積み立てたことにより増加した。(今後の方針)大子町庁舎建設基金:令和3年度からより大きく減少する予定。その他の基金については、今後も目的に合わせ、適正な運用をしていく。 | |
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)
有形固定資産減価償却率の分析欄有形固定資産減価償却率は類似団体より低い水準にあるが、資産区分別に見るとインフラ資産54.6%、事業用資産68.8%で事業用資産の老朽化が比較的進んでいる。今後は、新庁舎建設事業等の大型事業が完了することで、本比率は減少する見込みである。 | |
債務償還比率の分析欄債務償還比率は類似団体を上回っているものの、全国平均及び茨城県平均を下回っている。人口減少や過疎化が進む中、税収等の業務収入の大幅な増加は見込めないこと、また、今後新庁舎建設事業等の大型事業により地方債等の債務の増加が見込まれることで、債務償還比率が伸びると想定される。 | |
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析将来負担比率は、平成30年度から大型建設事業(廃棄物処理施設整備事業、学校耐震化事業等)の元金償還が開始されたことより、平成30年度及び令和元年度において比率が上昇した。令和2年度においては、普通交付税額の増により標準財政規模が増加したことで当該比率は減少したものの、類似団体と比較すると平均を上回ることになった。一方で、有形固定資産減価償却率は平均値を下回っている。施設類型別にみた場合、幼稚園・保育所及び公民館は90%を超え老朽化が著しいことから、対策を計画的に検討していく。 |
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分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析実質公債費比率は、類似団体と比較して低い水準にあるものの、将来負担比率は、前述のとおり類似団体より高い水準にある。現在は新庁舎建設や衛生センター建設等の大型建設事業が進められていることから、引き続き各種事務事業の整理・見直しを図るとともに、充当可能基金への計画的な積立を行うなど、公債費の適正化に努めていく。 |
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施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)
道路
橋りょう・トンネル
公営住宅
港湾・漁港
認定こども園・幼稚園・保育所
学校施設
児童館
公民館
施設情報の分析欄
類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、幼稚園・保育所、学校施設及び公民館である。本町が運営する幼稚園・保育所は、全ての施設の有形固定資産減価償却率が80%を超えており、特に、昭和46年に建設された小生瀬保育所の老朽化が著しい。園児数は全ての施設で50人を下回っており、今後の地域ごとの人口動態、特に幼少人口の推移を見据え、施設整備の方向性を検討していく。学校施設については、一人当たり面積が町有施設の中で最も多い。有形固定資産減価償却率は80%を超えており、昭和32年に建設された木造の袋田小学校をはじめ、10校ある小中学校のうち6校は築40年以上、2校は築30年が経過しているが、平成27年度までに全ての学校施設で耐震改修を完了しており、使用上の問題はない。学校施設は地域の中核的な施設であることも鑑み、維持管理・修繕に要する経費の増加に留意しつつ、児童生徒数の減少による統廃合やその後の施設活用・解体の検討など、地域住民の理解を得ながら慎重に進めていく必要がある。公民館については、築45年が経過し有形固定資産減価償却率は約95%となっており、施設全体の老朽化が著しい。一方で、新庁舎建設事業等の大型建設事業が進められており、将来負担比率や実質公債費比率の上昇が懸念されることから、将来の財政負担を考慮しながら施設整備の検討を行っていく。
施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)
図書館
体育館・プール
福祉施設
市民会館
一般廃棄物処理施設
保健センター・保健所
消防施設
庁舎
施設情報の分析欄
類似団体と比較して、特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は庁舎であり、特に低くなっている施設は一般廃棄物処理施設である。庁舎については、建設後約60年が経過しているが、平成30年1月に策定した大子町新庁舎建設基本構想・基本計画に基づき令和4年度中に新庁舎の建設が完了することから、有形固定資産減価償却率も低下する見込みである。一般廃棄物処理施設については、平成24~26年度に新しい環境センターを建設したため、有形固定資産減価償却率が低くなっている。当該施設は町民の生活に必要不可欠であるものの、設備の修繕には高額の費用が発生することから、今後も適切な管理に努めていく。
財務書類に関する情報①(2020年度)
資産合計
負債合計
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度末から356百万円の減少(▲1.0%)となった。流動資産が財政調整基金等の増加により450百万円増加したが、固定資産は資産の取得額(新庁舎建設事業、し尿処理施設建設事業等)を減価償却による価値の減少分が上回ったことから、事業用資産が142百万円減少し、インフラ資産が646百万円減少した。一方で、負債については、主に地方債の増加により374百万円増加(2.9%)となり、総資産と負債の差額である純資産は731百万円減少となった。資産の大半を占める有形固定資産について、その老朽化や維持管理が大きな課題となっていることから、公共施設等の適正管理に努め、純資産の減少を抑える必要がある。水道事業会計、浄化槽整備事業会計等の特別会計を加えた全体では、一般会計等と比べ水道管、浄化槽等のインフラ資産を計上していること等により資産総額が4,223百万円多くなっているが、負債総額も老朽管の改良事業等に地方債を充当したこと等から2,429百万円多くなっている。茨城県市町村総合事務組合、茨城北農業共済事務組合等を加えた連結では、一般会計等と比べ資産総額は市町村総合事務組合の基金や農業共済組合の現金預金等が計上されるため4,896百万円多くなっているが、負債総額も農業共済事務組合の業務引当金等固定負債が計上されるため2,665百万円多くなっている。
純経常行政コスト
純行政コスト
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は11,234百万円となった。そのうち、人件費等の業務費用は6,854百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は4,380百万円であり、業務費用の方が移転費用よりも多くなっている。業務費用のうち最も金額が大きいのは物件費等(4,801百万円)であり、これは老朽化した施設の維持補修や災害廃棄物処理業務等(令和元年度から令和2年度への繰越事業)により増加しているためである。災害廃棄物処理業務は臨時的な支出であること、また、公共施設等の適正管理に努めることで経費の縮減に努めていく。全体では、水道料金等の使用料及び手数料が計上されるため、一般会計等と比べ経常収益が410百万円多くなっている。経常費用についても、国民健康保険や介護保険の負担金が補助金等に計上されるため、移転費用が4,174百万円多くなり、純行政コストは4,486百万円多くなっている連結では、連結対象企業等の事業収益を計上されるため、一般会計等と比べ経常収益が783百万円多くなっている。経営経費についても、移転費用のうち補助金等が6,841百万円多くなり、純行政コストは6,681万円多くなっている。
本年度差額
本年度末純資産残高
本年度純資産変動額
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、本年度差額は▲731百万円となり、純資産残高は25,489百万円となった。財源については、令和元年東日本台風や新型コロナウイルス等の影響により、国・県等補助金が増加したものの、費用の増加等が前述を上回ったことから当期変動額が減少した。被災や新型コロナウイルス等による財源の増加は臨時的なものであり、また、今後も人口減少・過疎化が進んでいく中で財源の増加を見込むことは難しいため、国・県等の補助金を受けない町単独事業について、必要性を検討しながら経費縮減に努める。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の保険料や保険税が税収等に含まれることから、一般会計等と比べ財源が4,530百万円多くなっているが、費用等が前述を上回ったことから本年度差額は687百万円となった。連結では、後期高齢者医療広域連合の税収等及び国・県等補助金が含まれることから、一般会計等と比べ財源が6,812百万円多くなっているが、費用等が前述を上回ったことから本年度差額は▲574百万円となった。
業務活動収支
投資活動収支
財務活動収支
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は1,405百万円で、投資活動収支は1,539百万円となっている。財務活動収支については、地方債等発行収入が増加し地方債償還支出を上回ったことから367百万円となり、本年度末資金残高は前年度末から233百万円増加し1,020百万円となった。前年と比較すると、業務活動収支は529百万円増加したものの、投資活動収支は938百万円減少した。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より多い1,546百万円となっている。投資活動収支は老朽管の改良事業等により1,735百万円で、財務活動収支は、一般会計等と同様に地方債発行収入が地方債償還支出を上回ったことから414百万円となり、本年度末資金残高は前年度末から225百万円増加し、1,758百万円となった。連結では、後期高齢者医療広域連合の税収等及び国県等補助金が業務収入に含まれることから、業務活動収支は一般会計等より285百万円多い1,690百万円となっている。また、投資活動収支は▲1,745百万円で、財務活動収支は398百万円となり、本年度末資金残高は前年度末から343百万円増加し、2,135百万円となった。
財務書類に関する情報②(2020年度)
①住民一人当たり資産額(万円)
②歳入額対資産比率(年)
③有形固定資産減価償却率(%)
1.資産の状況
①住民一人当たり資産額は、令和2年度においては、類似団体平均を上回っている。資産合計は前年度から35,623万円減少(▲0.9%)したが、人口減少率(▲2.6%)が前述を上回ったことで、結果として平均を上回ったと言える。なお、過年度(H28~R元)は平均を下回っている。背景として、本町は面積が広大で道路を多く保有しており、それらを取得価額不明として備忘価額1円で評価していることが影響している。老朽化した施設も多く、令和2年度に更新した公共施設等総合管理計画に基づき、施設保有量の適正化等に取り組む。②歳入額対資産比率は、類似団体平均を下回っている。有形固定資産の価値の減少が進んでおり、比率は前年度3.77年から1.02年減少した。③有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているが、昨年度から1.6%増加したことで、有形固定資産の老朽化が進んでいると言える。新規・更新のバランスを重視しつつ、資金の確保により財政負担を軽減・平準化することが、安定的な行政経営に不可欠であると考えられる。
④純資産比率(%)
⑤将来世代負担比率(%)
2.資産と負債の比率
④純資産比率は、類似団体平均を下回っている。また、災害復旧事業(令和元年東日本台風)や大型建設事業(新庁舎や衛生センターの建設事業)により、今後、元利償還額や地方債現在高が増加し、当該比率が低くなることが想定される。⑤将来世代負担比率は類似団体平均を上回っており、将来世代の負担が比較的多くなっていると言える。前年度と比べて1.8%増加し、また、今後は④と同様に地方債残高が増加し、比率が高くなることが想定される。④⑤両者に共通するが、充当可能な基金へ計画的に積立を行うなど、地方債の発行を可能な限り抑制し、財政の健全化、将来世代の負担の軽減に努める。
⑥住民一人当たり行政コスト(万円)
3.行政コストの状況
⑥住民一人当たり行政コストは、類似団体平均を上回っている。令和元年東日本台風により、令和2年度(令和元年度から令和2年度への繰越)も影響を受けたことが要因で、前年度と比べて純行政コストが28%増加した。しかしながら、災害は臨時的なもので、復旧が進むことで数値は減少する。なお、平時は、本町は類似団体平均をやや下回る傾向にある。これは、本町がごみ処理・し尿処理等の行政サービスを直営で実施しており、経常収益としてその分の使用料及び手数料が計上されるためであるが、一方で、人件費と物件費の割合が経常費用の約70%を占めており、これは他団体と比べても高い割合であることから、運営費の見直し等で経費の削減に努める必要がある。
⑦住民一人当たり負債額(万円)
⑧基礎的財政収支(百万円)
4.負債の状況
⑦住民一人当たり負債額は、類似団体平均を上回っている。負債額は前年度末から37,420万円増加(2.9%)し、また、人口が428人減少(▲2.6%)したことから、住民一人当たり負債額は4.4万円(5.6%)上昇した。過疎化・少子化が進む中で人口減少の抑制は難しく、今後新庁舎や衛生センター等の大型建設事業に伴い地方債残高増加が想定されるため、引き続き充当可能基金積立等を行い、地方債発行の抑制に努める。⑧基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字分が投資活動収支(基金の収支除く)の赤字分を下回ったことで赤字の67百万円となり、類似団体平均を下回っている。当年度は、大型建設事業(新庁舎や衛生センターの建設事業)により、支出が増加しマイナスの結果となった。前述は当年度のみならず、今後も継続することから、事業完了までは同様の傾向が継続すると見込まれる。
⑨受益者負担比率(%)
5.受益者負担の状況
⑨受益者負担比率は、類似団体平均を上回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合が高くなっている。その要因としては、ごみ処理やし尿処理業務等が直営であることから、類似団体と比較して使用料及び手数料収入等が多く計上されることが挙げられる。今後の経常費用を仮に一定とした場合、消費税率の改定等による使用料等の見直しによって更に比率が高くなることが想定される。
地方財政ダッシュボードについて
本ウェブサイトは、地方公共団体の財政に関するオープンデータのうち再利用困難なものを収集・整理し、
日本の経済学・財政学・情報技術の発展をめざして公表する場です。またオープンサイエンスの意味合いも含みます。
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収録資料
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