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類似団体平均を0.14ポイント下回っている。人口減少や全国平均を上回る高齢化率(平成30年度末43.9%)に加え,町民一人当たりの平均所得が低いこと等により財政基盤が弱く,これは納税義務者数の減少,少子高齢化対策に係る事業費の増加等といった形で,基準財政収入額及び基準財政需要額へ影響を及ぼしている。数値の大幅な改善を見込むことは難しいものの,税の徴収率向上,歳出の徹底した見直しを行うことにより安定した財政基盤の確立に努めていく。
前年度と比較し,地方消費税交付金の増により分母となる経常一般財源が増加しているが,分子となる経常経費充当一般財源も主に公債費,物件費,維持補修費が増加しており,経常収支比率は1.7ポイント上昇となった。類似団体とほぼ同じ数値となっており,今後も職員数の適正管理による人件費の削減,基金を活用した起債発行額の抑制による公債費の削減に努めるとともに,事務事業の点検・見直しを行い,経常収支比率の改善を図っていく。
物件費の減少により,人口一人当たりの金額は前年度と比較して2,059円減少しているが,依然として類似団体平均を上回っている状況である。これは主に人件費が要因で,町単独でごみ・し尿処理業務,消防業務を行っていることから職員数が多くなっているためである。これらの業務については,業務内容の見直し等を行い経費の抑制に向けて取り組みを進めていく。
勧奨退職や新規採用の抑制等により職員数の削減に努めているものの,初任給の基準の相違,経験年数階層の変動等により類似団体平均と比較して2.2ポイント上回っている。引き続き,中長期的な職員採用計画による職員構成の是正や給与制度の見直しを行い,適正な給与水準の確保に努めていく。
職員数は一般職員が2人減少し217人だが,人口減少や行政区域が広大であること,ごみ・し尿処理業務,消防業務等を町単独で行っていること等から人口千人当たりの職員数は0.28人増加し,類似団体平均を3.04人上回っている。今後も住民サービスの確保に留意しながら,業務の民間委託をはじめとする事務事業の見直しを行うなどにより,職員数の適正管理に努め,定員適正化計画に基づき人員削減に取り組んでいく。
平成27年度単年度と平成30年度単年度の比率を比較すると,分子から減する災害復旧費等に係る基準財政需要額の増加により分子は減少したが,普通交付税額,臨時財政対策債発行可能額等の分母も減少したため,0.06ポイントの減少にとどまった。そのため3か年平均の比率に変化はなく,類似団体平均を5.6ポイント下回っている。今後,庁舎建設等の大型普通建設事業が控えており,数値の上昇が予想されることから,引き続き各種事業計画の整理・見直しを図るなど,起債の発行を抑制し,数値の改善に努めていく。
類似団体平均を下回っているが,前年度と比較し2.5ポイント上昇した。主な要因としては,財政調整基金の取崩しによる充当可能基金の減少や,廃棄物処理施設整備事業等に係る平成25,26年度地方債の元金償還が開始となったことで算入公債費等の額が増加したことが挙げられる。今後も地方債発行の抑制や職員数の適正管理に努めるとともに,充当可能基金への計画的な積立てを行うなど財政の健全化を図っていく。
職員給の増,保育所人件費の特定財源充当見直しによる経常一般財源の増により,前年度と比較して1.2ポイント上昇している。類似団体平均と比較して7.9ポイント高くなっているのは,ごみ・し尿処理業務,消防業務を町単独で行っているため,職員数が多いことが主な要因である。引き続き定数管理・給与の適正化を推進し,また,民間委託の導入を含めた人件費の削減に努めていく。
英語指導助手招致事業費の増や,小中学校スクールバス運行に係るへき地児童生徒援助費等補助金,武藤文化福祉基金繰入金等特定財源の減で経常経費充当一般財源が増加したことにより,前年度と比較して0.6ポイント上昇した。類似団体と比較すると0.8ポイント上回っている。業務の合理化が進む中で,システムの委託料や使用料も高くなっていることから,契約内容を精査し,抑制に努めていく。
養護老人ホーム入所者措置費や児童手当給付金等の減による経常経費充当一般財源の減,充当財源見直し等による経常特定財源の増により,前年度と比較して1.5ポイント改善された。類似団体平均と比較すると2.6ポイント上回っているが,高齢化率が43.9%(平成30年度末現在)である本町においては,今後も老人福祉費等に係る扶助費の増加が見込まれるため,事業の内容を精査し適正な執行に努めていく。
その他の比率のうち維持補修費が,し尿処理施設に係る施設整備修繕工事等により上昇したため,前年度と比較して0.3ポイント上昇した。類似団体と比較すると0.1ポイント下回っている。介護保険特別会計等の繰出金では13.5%となっており,前年度と比較すると0.2ポイント減少したが,経年で比較しても高い傾向にあるため,今後も各会計における財政の健全化を図り,抑制に努めていく。
農作物被害防護柵等設置費補助金の増,ふるさと応援寄附金等特定財源の減により経常経費充当一般財源が増加し,前年度と比較して0.1ポイント上昇した。類似団体と比較すると9.6ポイント下回っているが,これはごみ・し尿処理業務,消防業務等を一部事務組合等へ委託せず,町単独で行っているためである。今後も各種団体等への補助金の見直し等により抑制に努めていく。
廃棄物処理施設整備事業等に係る平成25,26年度地方債の元金償還開始により公債費が増加したため,前年度と比較して1.0ポイント上昇した。類似団体平均を1.7ポイント下回っているものの,今後庁舎建設等大型普通建設事業が控えているため,基金の積立てや後年度の償還見通しを立てながら起債の発行を抑制していく。
前年度と比較して0.7ポイント上昇し,類似団体平均を1.6ポイント上回っている。扶助費と繰出金ではやや減少したものの,人件費,物件費,維持補修費等で経常経費充当一般財源が増加したためである。今後も類似団体平均を上回っている人件費を重点に,物件費,扶助費等についても必要なサービスを確保しつつ抑制に努め,経常収支比率の改善を図っていく。
(増減理由)その他特定目的金のうち大子町庁舎建設基金への積立額が増加したが,基金総額の約3割を占める財政調整基金が取崩しにより減少し,全体で208百万円の減少となった。(今後の方針)財政調整基金及び減債基金については,今後の大型事業等に備え現状維持とする。基金全体の増加要因となっている大子町庁舎建設基金については,令和元年度から事業充当により減少する予定。
(増減理由)基金残高は前年度から293百万円減少となった。主な要因としては子育て支援住宅建設事業について,住宅債の交付税措置がないため財政調整基金を取崩し財源としたことによる。(今後の方針)標準財政規模の10%程度が適正とされている基金残高について,本町は平成30年度末時点で21%となっているが,庁舎建設事業や衛生センター整備事業等の大型事業に充当していく予定であるため,中長期的には減少していく見込み。
(増減理由)基金残高は前年度から71百万円減少となったが,要因としては各種交付金等の歳入減を補うため繰入を行ったことによる。(今後の方針)令和2年度から着工する庁舎建設事業やその後の大型事業等に備え現状維持とし,適正な積立額を確保する。
(基金の使途)大子町庁舎建設基金:大子町庁舎の建設又は改築に要する資金とするもの。大子町観光振興基金:町の観光振興を図るもの。(増減理由)大子町庁舎建設基金:令和2年度着工予定の庁舎建設の財源として積み立てを行ったことにより増加となった。大子町ふるさと創生基金:給食センター空調機更新工事(8百万円),公民館用地取得費(2百万円),教育支援センター事務所移転工事(1百万円)に全額充当し,平成30年11月22日廃止となった。(今後の方針)大子町庁舎建設基金:令和元年度から事業充当により減少する予定。大子町文化振興基金:基金を設置し,ふるさと応援寄附金の一部を積み立てる予定。
有形固定資産減価償却率は類似団体より低い水準にあるが,資産区分別に見るとインフラ資産51.7%,事業用資産64.9%で事業用資産の老朽化が比較的進んでいる。今後公共施設等については個別施設計画を策定し,当該計画に基づいた施設の維持管理を適切に進めていく。
債務償還比率は類似団体平均並みで,全国平均,茨城県平均を下回っている。人口減少,過疎化が進む中,税収等業務収入の大幅な増加は見込めないこと,今後庁舎建設事業等の大型事業により地方債等債務の増加が見込まれることで,債務償還比率が伸びると想定される。
将来負担比率,有形固定資産減価償却率ともに類似団体内平均を下回っているものの,有形固定資産減価償却率について施設類型別にみた場合,幼稚園・保育所及び庁舎は90%を超え,老朽化が著しい。今後,公共施設等総合管理計画に基づき老朽化対策に取り組んでいくが,施設整備に係る地方債等も発生することから,将来負担比率も上昇していくことが想定される。
将来負担比率,実質公債費比率ともに類似団体と比較して低い水準にあるが,平成30年度から廃棄物処理施設整備事業や学校耐震化事業等の大型普通建設事業の元金償還が開始され,将来負担比率が上昇した。今後も新庁舎建設事業等の大型事業が予定されていることから,引き続き各種事業計画の整理・見直しを図るとともに,充当可能基金への計画的な積立を行うなど,公債費の適正化に努めていく。
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