経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は,H25に地方債の借換により一時的に低下したが,80%台をほぼ横ばいで推移している。料金収入は年々増加しているが,地方償還金の増加等により100%を下回る状況である。④企業債残高対事業規模比率は,類似団体平均値より低く,横ばいで推移していることから,効率的で料金水準にあった適正な投資を実施しているといえる。今後も計画的な投資を実施し,経営の健全化に努める。⑤経費回収率は100%を推移しており,汚水処理に係る経費をすべて使用料で賄っている状態にある。⑥汚水処理原価は,汚水処理に係る地方債償還金が増えたことにより上昇し,類似団体平均値を超えた。今後3年間は同水準の償還が見込まれることから,維持管理費の削減や有収水量の向上に努め,これ以上の上昇を抑える。⑦施設利用率については,H26に人口減少を踏まえた計画規模の見直しを実施したことにより,大きく上昇し,類似団体平均値を上回る適切な施設規模を確保している。今後も同水準での推移が予想される。⑧水洗化率についても,類似団体平均値を上回っており,概ね良好である。引き続き戸別訪問や普及促進イベント等を通じて,水洗化率の向上に努める。
老朽化の状況について
③管渠改善率について,H26に一部更新を実施したものの,継続的な更新については老朽化の状況を把握し検討していく必要がある。事業開始から40年が経過し,数年後には一般的な耐用年数といわれる50年を迎える管渠が発生することを踏まえ,総合的な維持管理計画であるストックマネジメント計画の策定をすることにより,計画的・効率的な延命化や更新を図っていく。
全体総括
現在の経営状況は,改善の余地はあるが概ね健全であるといえる。今後は維持管理コストの増大や人口減少による有収水量の減少など,厳しい条件が増えると予想されるため,法適化により経営状況や資産状況を正確に把握し,経営戦略やストックマネジメント計画を策定することにより,適正な料金設定や施設の維持管理に反映し,健全な運営を図っていく。