経営の状況について
風力発電事業においては、平成24年12月からFIT設備認定により売電単価が上昇したことに伴い、収益的収支比率は100%を上回って推移している。また、地方債の償還が平成27年度に終了したことに伴い、収益的収支比率は230%を超えており、営業収支比率も340%を超えている状況であることから、FIT期間終了年度である平成31年度までは順調な経営状況が継続できる見込みである。平成28年度において、機器の故障等により料金収入(売電収入)が減少したため、営業収支比率が下がっているが、地方債の償還終了に伴い、資本的支出が減少したため、収益的収支比率は前年度よりも良好となっている。供給原価についても毎年度において維持管理費の削減を行い、経営改善を図っている。減価償却前営業利益については、毎年度において順調に推移しているが平成28年度は、機械の故障に伴い長期間停止したことが影響し、収益が減収となったためである。平成32年度以降については、売電単価が18円/kWhであること。売電期間が20年間であることなどを総合的に勘案して、リプレースを行うことで風力発電事業の継続を決定したところである。
経営のリスクについて
設備利用率については、毎年度において20%の安定した発電を継続しているが、経年劣化に伴う修繕が多くなっており、故障に伴う収益の減収が想定されるものの、FIT期間終了の平成31年7月末までは、運転継続可能であると判断している。修繕に係る交換部品等は、年々入手が困難になってきていることから、予備品を多めに保有したり、代替品に切替えて準備するなど保全に努めている。更に、修繕をメーカーに依頼せずに自前で実施することで支出費用の低減に努めている。修繕費比率についても、計画的な維持管理や効果的な修繕方法等により、低減を図っているが、設備の経年劣化に伴う部品の故障が多くなってきていることから、交換部品の確保が課題である。企業債残高は、償還終了に伴い、0である。既設のFIT終了後においては、リプレースを行い、事業を継続する。なお、リプレース後においては、風車メンテナンス会社と20年間の包括連携契約を締結し、85%以上の稼働率保証があることから、一定額以上の収入が担保されており、毎年度において収支がマイナスとはならない計画であるが、引き続き、安定した発電による売電収入の確保に向けて取り組む。
全体総括
当該事業については、平成10年の運転開始以降において健全な事業を継続中である。なお、既存の風力発電事業については、FIT期間終了が平成31年7月であるが、建て替えによるリプレース後の収支計画では、安定した経営が見込まれる状況である。そのため、リプレース事業を踏まえ、平成30年度中に経営戦略を策定する予定である。