地域において担っている役割
当院は、慢性期以外の病床機能を有し、地域センター病院や地域救命救急センター、地域がん診療連携拠点病院の他、多数の指定を受け、365日断らない救急医療の実施や高度急性期から訪問看護、見取りなどの在宅・予防医療まで、幅広い医療を展開し中空知医療圏全体から患者を受け入れており、地域医療の充実を図っております。また、大学病院との連携や、圏域内の医療機関、行政、介護事業所、薬局等と連携し、地域包括ケアシステムの構築を推進しております。
経営の健全性・効率性について
・「経常収支比率」、「医業収支比率」は病院改築に伴う建物、器械備品の減価償却費が多額であることから100%を下回る厳しい状況にあります。・「累積欠損金比率」においても、同様に減価償却費が多額であることから比率が高くなっています。・「病床利用率」は、前年度よりは下がりましたが80%を確保し、平均値を上回っているところです。・「入院患者及び外来患者1人1日当たり収益」は平均値を下回るものの職員が一丸となって増収対策を行っていることから年々増加しているところです。・「職員給与費対医業収益比率」の増加は、現行の診療報酬に係る政策が、技術や人的サービスに再配分され医師、看護師等を増員し、医療提供能力を向上させることで診療単価の増加を目指す方向へ変化してきており、目まぐるしく変化する医療情勢に素早く対応するため、医療スタッフを確保しているものです。・「材料費対医業収益比率」は、高額な抗がん剤等を使用する患者の増加により、前年度と比較し若干増加していますが高度急性期医療を担う当院としては避けては通れない問題でありますので、ベンチマークなど活用し購入価格の見直しに努めております。
老朽化の状況について
当院は平成22年10月に本館が開院し、平成23年10月には南館が開院、そして平成24年10月に立体駐車場の供用が開始され、平成20年から進めていた改築事業が全て終了したところです。また、平成22年10月開院時には医療機器の更新等も図り、安全・安心の医療を提供できる環境を整えたところです。①有形固定資産減価償却率、②機械備品減価償却率が年々高い数値となっているのは、改築時に更新等行った医療機器が耐用年数に近付いているものですが、平均値を下回っているところです。③1床当たり有形固定資産においては高い数値となっていますが、当院の役割から、放射線機器をはじめとする高額な医療機器については、高度化する医療に対応するため計画的な投資を行っているもので、今後においても計画的、効率的な投資に努めて参ります。
全体総括
平成30年度は、新病院事業管理者の体制のもと、「砂川市立病院改革プラン(平成29年度~平成32年度)」に基づき、地域に求められる医療を提供するため、施設整備や医療機器整備の充実・拡大を図り、また地域センター病院、地域がん診療連携拠点病院等の役割を果たすよう努めて参りました。収益では、胆振東部地震による停電の影響もあり診療収益が微増に留まり、費用では病院建設に係る企業債の元利償還金や減価償却費などにより、純利益を計上するには至りませんでした。キャッシュ・フローでは資金が減少し、厳しい経営状況となったところではありますが、医療圏における中核病院として安定的、継続的な医療を提供するべく、経営基盤の強化を図り、今後においても健全経営に努めて参ります。