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地方財政ダッシュボード

大分県豊後大野市の財政状況(2020年度)

🏠豊後大野市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

財政力の弱い団体同士の合併団体であり、過疎地域に所在している本市においては、人口の減少や全国平均を上回る高齢化率(令和3年3月末現在:43.9%)に加え、市内に核となる産業がないこと等から財政基盤が弱く、類似団体平均を大きく下回っている。引き続き、地方税の収納率向上対策を推進するほか、事務事業評価制度やKPI指標に基づく事業の見直しを行い、行財政運営の効率化に努めるなど、財政基盤の強化を図る。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は、前年度比2.3%改善し、類似団体と比較しても0.4%下回った結果となった。その主な要因は、人件費が前年度比1.2%(令和2:30.1%、令和1:31.3%)、公債費が前年度比1.1%(令和2:17.6%、令和1:18.7%)と改善したからである。人件費については、町村合併で増加していた職員数を退職者と新規採用職員のバランスを考慮しながら引き続き、適正管理に努めていく。また、今後、予定されている大型事業に伴う新規の起債発行について、財政状況の動向を注視し適正な起債管理を実施することとする。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

町村合併後の職員数の適正化を行っているが、旧町村単位で類似施設を保有していたため維持管理経費が経常的に必要となっていることから、類似団体平均と比較すると数値は上回った状況にある。引き続き指定管理者制度の導入や業務の外部委託など民間の活力を導入・推進しつつ、公共施設の見直し方針や公共施設等総合管理計画に基づく施設の統廃合、財産処分の取組を強化し、財政運営の健全化に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数(100.3)については、類似団体平均(97.6)よりも高い数値となった。引き続き、職員数の適正化とあわせ、より一層の人件費の適正管理に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

指定管理者制度の推進や業務の民間委託等により改善傾向にあるものの、市の面積が非常に広大であり市内全域をカバーする必要があることから、数値は13.17人と類似団体平均の10.26人と比べ2.91人多くなっている。今後も退職者と新規採用職員の調整を行い、市民サービスを維持していくための適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

類似団体と比較しても良好であり、今年度は、前年度比0.1%改善し4.8%となっている。主な要因としては、令和2年度単年度比率が令和元年度単年度比率よりも0.3%改善したことによるものである。令和2年度単年度比率が改善した主な要因は、分子の主な基礎数値である公債費の減少に伴う公債費充当一般財源等額の減少等により、全体として対前年24,127千円(-4.0%)減少、分母は、主に標準財政規模が対前年159,830千円(1.1%)増加により全体として280,831千円(2.4%)の増加となり、分子が減少、分母が増加したことによるものである。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、前年度比20.2%悪化し、-43.7%(令和1:-63.9%)となっている。主な要因としては、分子(将来負担額)が、対前年2,282,902千円(29.9%)の増加、分母が、主に標準財政規模の対前年159,830千円(1.1%)の増加により全体として280,831千円(2.4%)の増加となり、分母の増加率よりも分子の増加率が大幅に上回ったことによるものである。今後も、公債費等義務的経費の削減を中心とする行財政改革を推進し、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

人件費については、30.1%と類似団体平均(25.7%)と比較しても依然高い水準である。これは7町村の合併により市内に6支所を配置していること、ごみ処理業務を直営で行っていることにより類似団体平均を上回る職員数で行政運営を行っており、行政サービスの提供方法の差異によるものと考えられる。しかしながら、民間でも実施可能な業務については、指定管理者制度の導入により委託化を進めるとともに、退職者と新規採用職員の適正化を引き続き実施し、人件費の抑制を図っていく。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、類似団体より0.9%上回っており、その主な要因は、ふるさと納税業務委託費、一般廃棄物処理業務委託費などの伸びである。今後も施設の統廃合や指定管理者制度の導入などによる外部委託の推進を図り、人件費を含め、さらなる経費削減に努める。また、事務事業評価制度やKPI指標を活用し、外部委託を含めた事業の見直しや取捨選択を行うなど、効率的な行財政運営に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は類似団体より0.8%上回っており、その主な要因は、障害福祉サービス費、教育・保育給付費などの伸びである。今後も、障害福祉サービス費の増加等が見込まれるが、生活保護受給者の自立支援策の強化や医療扶助費の適正化を図るとともに、徹底した単独扶助事業の見直しを行い、扶助費の抑制に努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は類似団体平均より上回った状況となっている。主なものは公営企業会計等への繰出金であるが、繰出金の増加は普通会計経費圧迫の要因となることから、公営企業においては独立採算の原則に立ち返り、事業全般の見直しや受益者負担の適正化に取り組み、繰出金の削減を図るなど普通会計の負担軽減に努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、類似団体平均値や全国平均と比べると良好な結果となっている。今後も、市単独の補助金等の交付に関しては必要性や有効性、使途状況の精査を行っていき、効果ができない補助金については見直しや廃止を行うなど、適正執行に努める。

公債費の分析欄

これまで実施してきた普通建設事業等の影響により、更なる元金償還が始まったが、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均より1.5%良好な数値となっている。今後は、支所・公民館の建替え、図書館・資料館の建設などの大型事業や合併特例事業の元利償還が本格化し、公債費の増加が見込まれるが、プライマリーバランスを重視した適正な事業の取組により、公債費の抑制を図る。

公債費以外の分析欄

経常収支比率を占める主なものは、人件費と公債費であり、公債費以外の比率をみると類似団体平均よりも1.1%上回っており、全国平均より2.3%下回った水準となってはいるが、平成27年度以降、上昇傾向にある。これは、物件費の伸びが主な要因である。今後も退職者の補充調整に伴う職員の定員管理や、事業の適切な取捨選択により、人件費及び公債費の抑制に努めるとともに、他の経費についても現在の水準を維持できるよう努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、住民一人あたり266,421円となっており、対前年で124,982円増加している。これは、特別定額給付金給付事業が主な要因である。農林水産業費は、住民一人あたり79,091円となっており、対前年で17,458円増加している。これは園芸の栽培施設や機械施設の整備事業が主な要因である。また、類似団体平均に比べて、40,801円高くなっている。これは本市の基幹産業である農業施策の充実を図るために事業を推進した結果である。消防費は、住民一人あたり40,845円となっており、対前年で12,635円増加している。これは、防災行政無線整備事業が主な要因である。教育費は、住民一人あたり108,538円となっており、対前年で47,818円増加している。これは、図書館・資料館の建設事業が主な要因である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人あたり953,249円となっている。主な構成項目である人件費は、住民一人あたり134,793円となっており、平成29年度以降の増加傾向から減少に転じたものの、類似団体平均と比べても34,616円高く、全国平均、大分県平均と比較しても高い水準にある。これは、7町村の合併により職員数が類似団体平均と比較しても多いことが要因である。市内に6支所を配置していること、ごみ処理業務を直営で行っていることにより類似団体平均を上回る職員数で行政運営を行っており、行政サービスの提供方法の差異によるものと考えられる。また、扶助費も類似団体平均と比較して、32,788円高く、全国平均を上回る高齢化率(令和3年3月末現在:43.9%)に加え、障害福祉サービス費、教育・保育給付費など社会保障費への負担が大きいことが考えられる。普通建設事業費(うち新規整備)について、対前年120,616円増加した主な要因は、防災行政無線の整備、道路新設改良事業等によるものである。また、普通建設事業費(うち更新整備)について、対前年66,421円減少した主な要因は、支所・公民館の建替え、図書館・資料館の建設などの大型事業の事業費の減によるものである。今後計画及び着手している大型事業については、施設の老朽化や防災対策としての側面も大きく、市民生活の安定や非常時の備えとして必要性と緊急性が非常に高いものが多いこともあり、後年度における住民の負担軽減及び財政運営への影響が極力小さくなるよう十分配慮し事業を進めていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

財政調整基金には、決算剰余金の1/2以上の積み立てを毎年度実施しており、令和2年度末現在高は58億65百万円である。実質収支額は平成20年度以降黒字で、主な要因として国の経済対策事業により施設の大規模改修等が起債発行や基金の取り崩しを行わず実施でき、市の負担が軽減されたことが挙げられる。一方、実質単年度収支は、前年度比1.33%減少した。令和2年度から普通交付税が一本算定になり、一般財源の確保が厳しくなることは明らかで、財政調整基金をはじめとする各種基金の運用による財政運営が求められるため、歳入歳出のバランスを重視し、赤字に陥ることのないように適正な財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

連結実質赤字比率については、一般会計及び特別会計において黒字であり、赤字比率は発生していない。令和2年度は-23.07%であり、対前年2.14%(令和元年度:-20.93%)改善した主な要因は、分母である標準財政規模が対前年159,830千円(1.1%)増加、分子である「一般会計」と「一般会計及び公営企業以外の特別会計」の実質収支額、「公営企業会計(法適、非適)」の資金剰余額の合算額が対前年346,080千円(11.45%)増加し、分子の増加率が分母の増加率を上回ったことによるものである。令和2年度より一般会計においては、普通交付税の一本算定による影響を含めて、一般財源の確保が厳しい状況となる見込みであることから、各特別会計においては一般会計からの基準外繰出金に頼ることなく、料金改定も含めた適正な企業経営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

従前から行ってきた地方債発行枠の制限や繰上償還の実施により、地方債残高の抑制に努めてきたことで、元利償還金が年々減少している。また、発行地方債についても過疎対策事業債など財政運営に有利な地方債を中心としていたことにより、元利償還金の減少に伴い、基準財政需要額算入額が減少している。その結果として、元利償還金の減少の方が僅かに大きかったため実質公債費比率の分子は減少している。今後も、緊急度・住民ニーズの的確な把握に努めるとともに、投資的事業には財政運営に有利な地方債の発行に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

従前から行ってきた地方債発行枠の制限や繰上償還の実施により、地方債残高の抑制に努めてきたほか、発行地方債についても過疎対策事業債など財政運営に有利な地方債を中心としていること、充当可能基金についても積極的な積み立てを行っていることなどから、将来負担額は、年々減少傾向にあったが、令和元年度からは、大型事業(庁舎等整備事業や図書館建設事業等)により地方債残高が増加したため、分子(将来負担額)が増加した。今後計画及び着手している大型事業については、施設の老朽化や防災対策としての側面も大きく、市民生活の安定や非常時の備えとして必要性と緊急性が非常に高いものが多いこともあり、後年度における住民の負担軽減及び財政運営への影響が極力小さくなるよう十分配慮し事業を進めていく。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)主な増減理由として、決算状況を踏まえ実質収支額の二分の一の額を「財政調整基金」に408,727千円積立、庁舎等整備事業(支所・公民館の建替え)や図書館建設事業、道路維持補修事業等の整備に伴い、「公共施設整備基金」を942,657千円取り崩したこと等により、基金全体としては、1,389,847千円の減となった(今後の方針)財源の調整や大規模災害などの不測の事態が発生した際の取り崩しを予定している

財政調整基金

(増減理由)歳計余剰金の積立(408,727千円)、一般財源充当に係る取崩(762,990千円)による減(今後の方針)近年の自然災害を踏まえ、可能な範囲で積立を行う。また、今後は目標とする積立規模(基準)を設定し、基金運用を行う

減債基金

(増減理由)基金運用利息の積立(3,658千円)による増(今後の方針)大型事業(公共施設等の更新や長寿命化対策など)の実施予定もあることから、償還に必要な財源を確保できなくなった場合は、取り崩しを行う

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設整備基金:公共施設の維持、補修及び建設事業に要する経費地域振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興を図るために要する経費地域福祉基金:市民が健康で明るい生涯を過ごせるよう地域における保健福祉の増進等を図るために要する経費子ども医療費助成基金:小中学生の医療費助成を行う、子ども医療費助成事業に要する経費ふるさと応援基金:地域の特性や資源を生かした個性豊かで活力のあるまちづくりを推進するために要する経費(増減理由)公共施設整備基金:公共施設の整備事業の財源として942,657千円を充当したことによる減子ども医療費助成基金:子ども医療費助成事業の財源として44,939千円を充当したことによる減(今後の方針)公共施設整備基金:大型事業(公共施設等の更新や長寿命化対策など)への財源として取り崩しを行う地域振興基金:市民の連帯及び強化を図る事業への財源として取り崩しを行う

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は、類似団体より高い水準にあるが、公共施設等総合管理計画において、それぞれの公共施設の維持管理、除却等を適切に進めている。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、類似団体平均を下回っており、主な要因としては、集中改革プランに基づき、公債費の抑制等を行ってきたことにより地方債残高を減少させたことが考えられる。令和01から令和02が増加した要因として、『支所・公民館整備事業』、『図書館・資料館整備事業』等の大型事業により地方債の借入が増加したためである。引き続き、地方債残高に注視しながら行財政計画を推進し、財政の健全化に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率は、類似団体より高い水準にある。引き続き、公共施設等総合管理計画に基づき、それぞれの公共施設の維持管理、除却等を適切に進めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は、類似団体より低い水準にある。今後、庁舎建設事業や図書館建設事業等の大型事業による公債費の増加が考えられるので、実質公債費比率に注視しながら行財政計画を推進し、引き続き財政の健全化に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所、児童館であり、特に低くなっている施設は、学校施設、公民館である。公民館については、昭和40年代~50年代に建築されており、支所・公民館整備計画に基づき、新しい施設が完成し、残る施設は現在建設中である。新しい施設を建設したことにより、維持管理に要する経費の減少が見込まれる。今後は、維持管理にかかる経費の増加に留意しつつ、引き続き環境の整備に努める。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、図書館、消防施設であり、特に低くなっている施設は、体育館・プール、市民会館、庁舎である。図書館については、昭和60年代に建築されており、図書館整備計画に基づき、新しい施設を現在建設中である。また、新しい施設を建設することにより、維持管理に要する経費の減少が見込まれる。今後は、維持管理にかかる経費の増加に留意しつつ、引き続き環境の整備に努める。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から539百万円の増加(0.4%)となった。ただし、資産総額のうち建物、工作物の割合が66.5%となっており、これらの資産は将来の(維持管理・更新等の)支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努めある。一般会計等においては、庁舎建設事業や図書館建設事業のため、負債総額が前年度から1,945百万円増加(6.8%)している。今後も計画に沿った地方債の適正管理に努める。特別会計を加えた全体では、資産総額は前年度末から1,485百万円増加(1.1%)し、負債総額は前年度末から2,062百万円増加(5.5%)した。資産総額は、特別会計に属する資産を計上していることにより、一般会計等に比べて10,740百万円多くなるが、負債総額も9,073百万円多くなっている。一部事務組合等を加えた連結では、資産総額は前年度末から1,679百万円増加(1.2%)し、負債総額は前年度末から2,093百万円増加(5.6%)した。資産総額は、一部事務組合等の資産を負担割合に応じて計上していること等により、一般会計等に比べて11,668百万円多くなるが、負債総額も一部事務組合で起債した地方債等が要因となり、9,169百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は28,177百万円となった。今後も大きな金額の計上が予定されるのは減価償却費(4,447百万円、前年度比74百万円)であり、純行政コストの16.1%を占めている。即ち4,447百万円のペースで資産の老朽化が進んでいるとも言えることから、施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。全体では、一般会計等に比べて、特別会計にかかる使用料及び手数料等を計上しているため、経常収益が3,643百万円多くなっている一方、負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が9,582百万円多くなり、純行政コストは10,739百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、一部事務組合等の事業収益を計上し、経常収益が4,060万円多くなっている一方、物件費が1,628百万円多くなっているなど、経常費用が21,061百万円多くなり、純行政コストは16,990百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源(25,868百万円)が純行政コスト(27,611百万円)を下回っており、本年度差額は△1,743百万円となり、純資産残高は△1,406百万円の減少となった。地方税の徴収業務の強化やふるさと納税制度の活用等により税収等の増加に努める。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて財源が11,147百万円多くなっており、本年度差額は△1,335百万円となり、純資産残高は△577百万円の減少となった。連結では、一部事務組合等の歳入が案分の上で含まれることから、一般会計等と比べて財源が17,568百万円多くなっており、本年度差額は△1,166百万円となり、純資産残高は△415百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は1,671百万円であったが、投資活動収支については、固定資産の整備や基金の積立等を行ったことから、△3,740百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を下回ったことから、2,185百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から116百万円増加し、1,167百万円となった。しかし、地方債の償還は進んでおり、経常的な活動に係る経費は税収等の収入で賄えている状況である。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入等が特別会計の収入が含まれる一方、特別会計としての支出も含まれることから、業務活動収支は一般会計等より789百万円多い2,460百万円となっている。投資活動収支では、特別会計における基金積立等を実施したため、△3,847百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を下回ったことから、1,764百万円となり、本年度末資金残高は前年度から376百万円増加し、3,362百万円となった。連結では、一部事務組合の収入の一部が業務収入に含まれる一方、人件費や物件費等も案分の上、含まれることから、業務活動収支は一般会計等より986百万円多い2,657百万円となっている。投資活動収支では、組合としての基金積立が行われているため、△3,870百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を下回ったことから、1,755百万円となり、本年度末資金残高は前年度から537百万円増加し、4,000百万円となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額(歳入額対資産比率)は、合併前に旧市町毎に整備した公共施設があるため、保有する施設数が非合併団体よりも多いことから、類似団体平均を上回っている。しかし、施設の老朽化を抱えながらも、施設の長寿命化・更新も進めていることから、前年度末に比べて8.5万円増加している。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、公共施設等総合管理計画に基づき、今後は公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組む。歳入額対資産比率については、類似団体平均を上回る結果となった。しかし、前年度と比較すると、歳入の増加により歳入額対資産比率は0.73年減少することとなった。有形固定資産減価償却率については、高度経済成長期に整備された資産が多く、徐々に更新時期を迎えつつあることから、類似団体より高い水準にある。また、公共施設等の老朽化とそれに対して行われている公共施設等の更新に伴い、前年度より0.3%上昇している。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設について、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均よりも高くなっているが、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産が減少し、昨年度から1.4%減少している。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、人件費の削減などにより、行政コストの削減に努める。将来世代負担比率は、類似団体平均を下回っているが、前年度と比較すると2.3%の増加であった。新規に発行する地方債の抑制を行うとともに、高利率の地方債の借換えを行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っている。特に、純行政コストのうち16.1%を占める減価償却費が、類似団体と比べて住民一人当たり行政コストが高くなる要因の一つと考えられる。公共施設等総合管理計画に基づき、今後は公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組む。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体平均を上回っているが、地方債の償還等と新たな起債の関係から、前年度から7.2万円増加している。来年度以降も計画的な起債及び償還によって、地方債残高の縮小に努める。基礎的財政収支は、基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を上回ったため、△3,365百万円となっている。類似団体平均を下回っているが、投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行して、公共施設等の必要な整備を行ったためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を上回っている状況にある。経常費用の中でも減価償却費の占める割合が大きく4,447百万円となっていることから、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化や長寿命化を行うことにより、経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,