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地方財政ダッシュボード

熊本県宇土市の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数については、前年度比で0.02ポイント減少した。類似団体との比較では、類似団体平均値を上回る状態が続いており、全国平均値、熊本県平均値と比較しても高くなっている。しかし、自主財源全体の割合は、39.4%と高くなく、地方交付税等に依存した脆弱な財政基盤といえる。今後も、引き続き、地方税等の収納率向上に努めるとともに、新たな収入源の確保に努め、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率については、前年度比で1.1ポイント悪化に転じた。分子要因(経常経費充当一般財源等増減要因)としては、物価高騰や老朽化による維持管理費の支出の増加や、平成28年熊本地震で借り入れた起債の元金償還が本格化したことによる公債費の増加等が挙げられる。また、分母要因(経常一般財源等総額増減要因)としては、地方税及び普通交付税の増加によるものだが、分子は増加する見込の一方、分母は一時的な増加であるため、今後は上昇に転じると見込んでいる。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口一人当たり人件費・物件費等決算額は、前年度比で3,144円増加した。人件費については、定年退職者の減少により退職手当が減少した。今後は、会計年度任用職員の単価上昇や定年延長により人件費の増加が見込まれる。また、物件費については、新庁舎が完成し仮設庁舎に移転したことで、庁舎管理経費が増加しており、今後はDXの推進によりシステム利用料等の増加も見込まれる。類似団体との比較では、平成30年度以降類似団体平均値を下回る状態が続いてる。

ラスパイレス指数の分析欄

給与水準を示すラスパイレス指数は、前年度比で1.4ポイント減少し、全国市平均、類似団体平均を下回る水準となった。ラスパイレス指数の減少要因としては、職員採用と定年退職、希望退職がともに増加し、職員構成が変動したことが考えられる。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

これまで計画採用と優秀な人材確保に努めてきた。しかし、定年退職者以外の普通退職者が増加するなど、計画している職員数を確保できず、人口1,000人当たりの職員数は、前年度から微増しているものの、類似団体と比べると極めて少ない水準にある。令和5年4月に策定した第7次定員適正化計画においては、育児休業者や休職者を除く実稼働職員数を指標とし、職員数の増加に取組んでいる。今後についても、引き続き計画的な採用を実施するとともに、最少の経費で最大の効果が出せるよう適切な人員配置を行う。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率については、前年度比で0.5ポイント増加した。これは、熊本地震からの復旧事業に係る地方債の償還等により元金償還金が増加していることが影響しており、今後も償還が続いていくため、引き続き実質公債費比率が増加することが見込まれる。類似団体との比較では、類似団体平均値を上回る状態が続いており、全国平均値、熊本県平均値と比較しても高くなっている。そのため、地方債を活用する事業の実施にあたっては、事業実施時期の平準化や事業規模の適正化等により、実質公債費比率を悪化させないよう努めている。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率については、前年度同様、該当なしとなった。主な要因としては、熊本地震からの復旧事業等に係る災害復旧事業債の償還により、基準財政需要額算入見込額が高い水準で推移している。熊本地震からの復旧事業等については多額の地方債の借入れを行っているため、今後も将来負担比率の大きな悪化はないと見込まれる。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

人件費については、前年度比で0.4ポイント減少した。分子において定年退職者の減少により退職手当が減少したことが影響している。類似団体との比較では、類似団体平均を下回る状態が続いており、全国平均値、熊本県平均値と比較しても低くなっている。今後は、定員適正化計画により職員の増加が見込まれている。

物件費の分析欄

物件費ついては、前年度比で0.1ポイント増加した。分子において、新庁舎が完成し移転したことで、庁舎管理経費が増加したことが影響している。類似団体との比較では、類似団体平均を下回る状態が続いており、全国平均値、熊本県平均値と比較しても低くなっている。今後は、DXの推進によりシステム利用料等の増加も見込まれるため、その他事務経費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

扶助費については、前年度比で0.5ポイント増加した。分子において、乳幼児等医療費助成事業の助成対象を拡大したことが影響している。類似団体との比較では、類似団体平均値を大きく上回る状態が続いており、全国平均値、熊本平均値も大きく上回っている。今後も、福祉サービス関連の利用者が増加することから、扶助費は増加する見込みである。

その他の分析欄

その他ついては、前年度比で1.2ポイント増加した。維持補修費については、物価高騰や老朽化により前年度比で0.3ポイント増加したため、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の適正管理及び費用の平準化に努める。繰出金については、前年度比で0.2ポイント増加した。コロナ禍が終わり認定調査が本格化したことで、介護保険特別会計の事務費が増加し、繰出金が増加したことが影響している。

補助費等の分析欄

補助費等ついては、前年度比で1.6ポイント減少した。分子において宇城クリーンセンター(廃棄物処理施設)の建設工事が完了し、宇城広域連合負担金が減少したことが影響している。類似団体との比較では、類似団体平均を下回ったが、全国平均値、熊本県平均値と比較すると高くなっている。今後は、宇城クリーンセンター建設関連の起債の償還に伴い負担金が増加し、補助費等の比率は上昇する見込みである。

公債費の分析欄

公債費については、前年度比で1.3ポイント増加した。類似団体との比較では、類似団体平均値を上回り、全国平均値、熊本県平均値と比較しても高くなっている。熊本地震からの復旧事業に係る災害復旧事業債等の償還が本格化しており、今後も多額の地方債の借入の償還が続くため、公債費の比率は増加すると見込まれる。

公債費以外の分析欄

公債費以外については、前年度比で0.2ポイント減少した。主な要因としては、補助費等における宇城広域連合負担金の減少が挙げられる。類似団体平均値、全国平均値、熊本県平均値を下回っている。今後も、引き続き、人事評価制度の活用等による給与の適正化や、民間委託等による業務の効率化を検討し、行政サービスに対する受益者負担も視野に入れながら、財政健全化を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり607,689円(前年度600,889円)となっており、前年度比6,800円の増加となった。増加の大きな要因としては、農林水産業費における漁村再生交付金事業に係る費用の増加等が挙げられる。その他、特徴的な内容について以下のとおり。・土木費については、前年度比で8,657円増加している。社会資本整備総合交付金事業に係る経費が前年度と比べ増加したことが主な要因である。・教育費については、前年度比で5,432円増加している。多目的交流施設整備事業に係る経費が前年度と比べ皆増したことが主な要因である。・災害復旧事業費については、前年度比で71,715円減少している。庁舎建設事業経費が前年度と比べ減少したことが主な要因である。・公債費については、前年度比で7,092円増加している。熊本地震からの復旧事業に係る災害復旧事業債等の償還により前年度と比べ増加したことが主な要因である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり607,689円(前年度600,889円)となっており、前年度比6,800円の増加となった。増加の大きな要因としては、普通建設事業費における網田コミュニティセンター建設事業に係る費用の増加等が挙げられる。その他、特徴的な内容について以下のとおり。・扶助費については、前年度比で10,750円増加している。物価高騰対応臨時交付金支給事業が前年度と比べ皆増したことが主な要因である。・補助費等については、前年度比で3,597円減少している。宇城広域連合負担金(宇城クリーンセンター費)が前年度と比べ減少したことが主な要因である。・災害復旧事業費については、前年度比で71,715円減少している。庁舎建設事業経費が前年度と比べ減少したことが主な要因である。・公債費については、前年度比で7,092円増加している。熊本地震からの復旧事業に係る災害復旧事業債等の償還により前年度と比べ増加したことが主な要因である。・積立金については、前年度比で29,720円増加している。市有施設整備基金元金積立金が前年度と比べ増加したことが主な要因である。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金残高は標準財政規模比34.37で、前年度比で11.84ポイント減少した。要因としては道路や学校公営住宅等の修繕や工事に充てる市有施設整備基金に1,000百万円積み立てたためである。実質収支額は標準財政規模比6.22%で、前年度比で7.5ポイント減少した。要因としては、熊本地震で借り入れた元金償還の本格化による公債費の増額等が挙げられる。実質単年度収支は前年度比で25.61ポイント減少している。要因として、上記の理由から財政調整基金の取り崩しが必要となりマイナスとなったが、一時的なものである。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

全会計赤字はなく、良好な運営を行っている。【一般会計】歳入においては、市税の徴収強化や自主財源の確保に努めるとともに、歳出予算の抑制を行うことで、健全な財政運営に努めている。【公共下水道事業会計】公営企業会計に移行しているため、独立採算を行っているが、公債費に対する部分の一部に一般会計からの補助を支出している。【水道事業会計】公営企業会計に移行しており、独立採算を行っている。簡易水道事業特別会計を統合したことに伴い、旧簡易水道事業の公債費の一部に一般会計から繰出金を支出しているが、良好な運営を行っている。【介護保険事業】高齢者人口の増加により、給付費等が増加している状況であるため、収支は黒字だが厳しい財政状況である。【国民健康保険特別会計】赤字補てんを目的とした一般会計からの基準外繰出金の支出は、令和2年度以降支出していない。【漁業集落排水施設整備事業特別会計】使用料収入では運営が難しいため、一般会計からの繰出金により収支を保っており、運営は厳しい状況となっているが、令和6年度からは公営企業会計に移行し地方公営企業法の適用となる。【後期高齢者医療特別会計】広域連合に対する負担金等に対し一般会計からの繰出金を支出しているが、健全な運営を行っている。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

元利償還金については、熊本地震からの復旧事業に係る災害対策債や公共施設等の復旧に係る災害復旧事業債の償還の開始されたことに伴い増加傾向にある。元金償還が始まっているため、引き続き実質公債費比率が高い状況が継続することが見込まれる。算入公債費等については、災害復旧費等に係る基準財政需要額が増加したことで、前年度から260百万円増加した。今後は、起債事業の見直しや有利な地方債の活用をより一層推し進め、実質公債費比率を悪化させないよう努めている。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

将来負担額のうち、地方債現在高については、庁舎建設事業等の熊本地震からの復旧事業実施に伴う災害復旧事業債において、新庁舎の本体工事が完了したことから借入額のピークを迎え、令和5年度は減少している。組合等負担見込額について令和2年度から大幅に増加している。令和2年度及び令和3年度は、宇城広域連合の消防本部・北消防署建設事業に係る地方債借入の影響によるものである。令和4年度及び令和5年度については、宇城広域連合の宇城クリーンセンター(廃棄物処理施設)建設事業に係る影響であり、当該2件の大型事業の実施によるものである。充当可能財源のうち、基金については、後年度の事業に寄附金を活用するためふるさと宇土応援基金に積立を行ったことで前年度から増加となった。また、基準財政需要額算入見込額については、地方債現在高と同様に借入額がピークを迎えたことで、地方債残高に対する地方交付税も減額となった。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)基金全体としては、前年度から131百万円増加した。主な要因として、将来の公共施設整備の財源確保を目的に、市有施設整備基金に1,000百万円積立を行ったことが挙げられる。(今後の方針)今後は、市有施設基金ついては、公共施設等総合管理計画等を踏まえて取崩しを行う方針である。また、熊本地震の復旧事業として発行した起債の償還や物件費、扶助費、補助費等の伸びが見込まれ、財政調整基金や減債基金の取崩しを行わなければならないと懸念しているため、基金全体としては今後減少していくことが想定される。

財政調整基金

(増減理由)令和4年度決算に基づく決算剰余金として650百万円の積立等を行ったが、道路や学校、公営住宅等の修繕や工事に充てる市有施設整備基金に1,000百万円積み立てるために取り崩したことから、基金残高が978百万円減額となった。(今後の方針)今後、熊本地震の復旧事業の財源として発行した起債の償還や、物件費、扶助費、補助費等の伸びによる財源補てん等で財政調整基金の取崩を行わなければならない事態も想定されるため、中長期的にみれば枯渇することが懸念される。

減債基金

(増減理由)利子以外の積立を行っていないため、前年度からの増減はなかった。(今後の方針)減債基金は公債費元金の償還に活用する目的で積立を行っている。これまで大きな取崩しは行っていないが、熊本地震災害廃棄物処理基金補助金を原資に積立(令和元年度74百万円積立)を行っているため、当該分については、対象費用(災害廃棄物処理事業に係る借入金の償還金)に充てる財源として活用していく方針。また、令和3年度普通交付税追加交付分のうち臨時財政対策償還基金費により交付された144百万円を基金に積み立てており、当該分について、令和3年度に借り入れた臨時財政対策債の償還が完了する令和23年度までに活用していく方針。

その他特定目的基金

(基金の使途)・市有施設整備基金:老朽化した市有施設の更新・整備に要する経費の財源に充てるための基金・庁舎建設等基金:庁舎建設又は改修に要する調査費、設計費及び工事費等の財源に充てるための基金・ふるさと宇土応援基金:ふるさと納税の活用事業の財源に充てるための基金・平成28年熊本地震復興基金:平成28年熊本地震による災害からの早期の復興を図るための経費の財源に充てるための基金・地域福祉基金:地域における保健福祉の増進を図るための経費の財源に充てるための基金(増減理由)・市有整備施設整備基金については、後年度に実施する老朽化した施設の修繕や工事の財源を確保するため積立を行い912百万円増加した。・庁舎建設等基金については、庁舎建設事業に充てるため取り崩しを行い81百万円減少した。・ふるさと宇土応援基金については、後年度に実施する活用事業の財源とするため積立を行い199百万円増加した。・平成28年熊本地震復興基金については、県から追加交付があったため積立を行い99百万円増加した。・地域福祉基金については、重層的支援体制整備事業への移行準備事業に係る経費の財源に充てるため取り崩しを行い6百万円減少した。(今後の方針)市有施設整備基金については、今後、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画等に基づき公共施設の適切な維持管理を行うため、必要に応じ基金を取り崩し、財源として活用していく予定。また、庁舎建設等基金は、令和4年度に本体工事が完了し、残す関連工事も令和6年度に完了するため大幅な取り崩しの予定はない。平成28年熊本地震復興基金は残高が増えているものの、熊本地震関連の財源とするため枯渇する見込み。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は、一般的に施設の老朽化の度合いを示す指標とされています。令和5年度の有形固定資産減価償却率は60.2%で、類似団体よりやや低い水準となっていますが、本市においても多くの公共施設やインフラ施設は、高度経済成長期に整備されたものであるため、年数を経過した資産を多く所有し、その減価償却が比較的進んでいる状態です。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は、前年度から44.8ポイント減少しましたが、全国平均より150ポイント以上高い状況です。しかし、熊本県平均との差は10.2ポイントで、全国平均と熊本県平均は約200ポイント差があることから、平成28年熊本地震の影響を受けていることが推察されます。前年度より減少した主な要因として、平成28年熊本地震で被災した庁舎の本体工事が令和4年度に完了したことで地方債残高がピークだったことが挙げられ、令和5年度以降は減少することが見込まれます。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率は、平成28年熊本地震に伴う建替え等の影響により、一時的に類似団体よりも低い数値となっています。しかし、平成28年熊本地震により被害を受けた公共施設やインフラ施設等の復旧工事を行っているものの、年数を経過した資産を多く所有するため、今後も老朽化が進んでいくものと推察されます。このため、老朽化した公共施設等について、公共施設等総合管理計画を基本としながら、適切に更新を行っていく必要があります。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費率については、3か年平均は11.6%となり前年度から0.5ポイント増加しました。主な要因としては、平成28年熊本地震に係る地方債の償還に伴い、災害復旧事業債元利償還金が増加(前年度比+251百万円)したことが挙げられます。今後も、熊本地震に係る地方債の償還が継続するため、数値の大幅な減少は見込まれません。将来負担比率については、前年度同様「-」となりました。これは、地方債現在高等の将来負担額を、充当可能基金や基準財政需要額算入見込額等の充当可能財源等が上回っていることによるものです。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

各施設の有形固定資産減価償却率からみると、橋りょう・トンネルや港湾・漁港、児童センターにおいて類似団体より高い数値となっており、老朽化が進んでいると推察されます。なお、幼稚園と公民館については、平成28年熊本地震で被災した花園幼稚園(市内2園のうちの1園)の建替えが令和元年に、同じく被災した中央公民館の建替えが令和2年度に完了したため、それぞれ有形固定資産減価償却率は大幅に減少しています。また、一人当たりの面積等は、公営住宅が類似団体平均並みとなっていますが、その他の施設においては、類似団体の平均を下回っており、低い水準となっています。今後は、宇土市公共施設等総合理計画の「施設類ごとの基本方針」及び個別施設計画に基づき、公共施設の維持管理・更新・長寿命化を計画的に行っていきます。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率からみると、福祉施設や庁舎などについては、平成28年以前は他の公共施設同様に老朽化の度合いが高く、改修や建替え等の必要性がありましたが、平成28年熊本地震で老朽化が進行していた建物の多くが倒壊等の被害を受け、建替え等の対応を進めることとなり、平成29年度に老人福祉センターや網津防災センター(網津支所含む)が完成、令和4年度に新庁舎が完成したことから、福祉施設における有形固定資産減価償却率は類似団体よりやや高い数値に、庁舎における有形固定資産減価償却は、類似団体より大幅に低い数値となりました。しかし、他の公共施設においては、依然として老朽化が進んでいる状態です。また、一人あたりの面積は、体育施設において類似団体平均並みであるものの、他の施設は類似団体の平均を下回っており、低い水準となっています。今後は、宇土市公共施設等総合管理計画の「施設類型ごとの基本方針」及び個別施設計画に基づき、公共施設の維持管理・更新・長寿命化を計画的に行っていきます。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計においては、令和5年度の資産総額が56,152百万円となり、前年度から656百万円の増加(+1.2%)となった。主な増加要因としては、花園小学校学童クラブの建設や旧遊技場の取得等による事業用資産の増加(+2.0%)や、市有施設整備基金等の増加により基金が増加(+53.6%)したことが挙げられる。負債については、令和5年度が23,954百万円となり、前年度から661百万円の減額(▲2.7%)となった。主な減少要因としては、平成28年熊本地震で被災した庁舎の本体工事が完了したことで令和4年度をピークに減少していることが挙げられる。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計においては、令和5年度の純経常行政コストが16,583百万円となり、前年度から587百万円の増加(+3.7%)となった。業務費用は7,716百万円(+304百万円)となった。主な要因としては、人件費において人事院勧告による給与や期末・勤勉手当の増加により、職員給与費が増加(+83百万円)した。また、その他の業務費用において、熊本地震に係る地方債の償還に伴い災害復旧事業債元利償還金が増加し、その他費用が増加(+95百万円)した。移転費用は9,385百万円(+181百万円)となった。主な要因としては、社会保障給付において、物価高騰対策として実施した臨時給付金支給事業や生活者支援事業が皆増したことで増加(+275百万円)した。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、純行政コスト16,574百万円が税収等の財源17,860百万円を下回ったことから、令和5年度の差額は1,286万円(+125百万円)となり、純資産残高は1,318百万円の増加となった。主な要因としては、令和4年度に庁舎の本体工事が完了したことで純行政コストが減少したが、財源である地方交付税等の税収等や、平成28年熊本地震復興基金交付金(市町村創意工夫事業(追加分))の皆増により国県等補助金が増加したことが挙げられる。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、令和5年度の業務活動収支は2,389百万円となり、前年度比で350百万円の増額となっている。熊本地震に係る地方債の償還や物価高騰対策事業で業務支出が増加(+273百万円)したが、地方交付税や平成28年熊本地震復興基金交付金(市町村創意工夫事業(追加分))により業務収入が増加(+597百万円)したことで、収支はプラスとなった。投資的活動収支は1,926百万円のマイナスとなったが、前年度比で1,569百万円と収支差は縮小している。投資的活動収入は1,315百万円増え、投資的活動支出254百万円減額となったが、網田コミュニティセンターの建設工事や道路整備等による公共施設等整備費支出等の支出が大きいため、マイナスとなっている。財務活動収支については、前年度は1,523百万円のプラスだったが、773百万円のマイナスとなった。これは、地方債等償還支出2,279百万円が地方債等発行収入1,506百万円を上回っているためであり、熊本地震関連事業に伴い発行した地方債の償還が本格化したことが要因として挙げられる。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

有形固定資産減価償却率については、熊本地震に伴う建替え等の影響により、令和4年度に前年度比で2.2ポイント減少し、令和5年度もそれを維持しており、類似団体平均を下回ってはいるものの、施設の老朽化が進んでいる状況である。老朽化した施設については、公共施設等総合管理計画に基づき、点検や長寿命化などの適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

令和5年度の純資産比率は、類似団体平均値を下回っている。純行政コストが税収等の財源を下回ったことから、分子である純資産が増加しており、花園小学校学童クラブの建設や旧遊技場の取得等により、資産が656百万円増えたことから、前年度比で1.7ポイント増加した。将来世代負担比率は、熊本地震による災害復旧事業(主に庁舎建設事業)等による地方債の影響により、類似団体平均を上回る40.0%という結果だった。今後は、令和7年度が活用期限となる緊急防災・減災事業債や緊急自然災害防止対策事業債等の活用が見込まれるが、通常債の発行額を償還額以下に抑えるよう計画的な運用に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

令和5年度の住民一人当たりの行政コストは、類似団体平均を下回っており、前年度比+1.6万円となった。これは、減価償却費の増加や市税等過誤納還付金等の増加が要因として挙げられる。令和6年度以降も、新庁舎の減価償却費の計上や他施設の維持補修費等による影響が見込まれるため、実施すべき事業の選択と集中を推進し、効果的な財政運営を行っていく

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

令和5年度の受益者負担比率は類似団体平均値を下回り、前年度比で0.7ポイント減少した。特に、経常費用が令和4年度から485百万円増加しており、花園小学校学童クラブの新設による資産の増加や維持補修費の増加が要因として挙げられる。今後は、各施設の受益者負担割合等の分析に努め、経費の削減や使用料等の見直しに努めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,