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地方財政ダッシュボード

熊本県荒尾市の財政状況(2022年度)

🏠荒尾市

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 荒尾市民病院


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

旧産炭地域で高齢化の進んだ本市は、歳入に占める地方交付税の割合が高く、財政力指数が類似団体平均を下回っており、令和4年度は昨年度と同程度を維持している。平成30年度に策定した「荒尾市行政経営計画」に基づき、ICT等を活用した業務効率化や基金等の運用益の拡大等を図り、財政健全化を推進する。

経常収支比率の分析欄

扶助費を中心に義務的経費の割合が高く、経常収支比率は慢性的に高い傾向にある。物件費の増や地方交付税の減等により、令和4年度は令和3年度から3.6%上昇した。今後も経常的経費抑制努力及び各種経常一般財源確保策等により、財政体質の弾力性向上に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均に比べ、人件費、物件費ともに低く推移している。これまでの行財政改革の効果が出ているものと考えられる。一方で、若年層の職員の割合が高いことから人件費が類似団体と比べて低くなっていることが考えられるが、今後は昇級による人件費増額が見込まれる。人件費削減対策として、令和1年度からRPAやAI-OCRなどICTを活用した定期的な業務の効率化を推進しており、経費削減に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

給与制度の総合的見直しについては、平成28年4月に給料表の水準を平均2%引き下げた。また、給料表の改定も例年、国に準拠した対応をしている。令和1度以降、95.0%以下で推移しており、令和4年度は昨年度から僅かに上昇したが、依然類似団体の平均を大きく下回っている状況である。これは、専門性の高い職務に対応するため、任期付職員が増加しており、その給料設定が年齢・経験年数に対して低い傾向であることが主な要因として考えられる。今後も他団体の状況を踏まえて、必要に応じて給与制度を見直していく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

これまでの行財政改革による大幅な職員削減により、全国平均、熊本県平均を下回っている状況であったが、地方分権の進展による業務量の増大や住民ニーズの多様化への対応、また、新たなまちづくりに関する様々な事業への取組等のため、ここ数年にわたり、正規職員や任期付職員を含め人員増を行い、類似団体の平均を若干上回る結果となった。将来的な人口減と行政サービスの質と量のバランスを図るとともに、行政DXを積極的に推進することで、適正な定員管理に取り組んでいく。

実質公債費比率の分析欄

令和3年度と比較して、実質公債費比率(単年度)は元利償還金額の増や臨時財政対策債発行可能額の減により令和4年度の実質公債費比率が0.7%増加し、結果、令和2~4年度の3ヵ年平均が9.5%となり、前年度から0.1%増加した。依然として類似団体平均を上回っている。今後控えている土地区画整理事業や公共施設の老朽化対策事業について、緊急度や住民ニーズを的確に把握し、起債に過度に頼ることのない財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担額について、地方債現在高(学校教育施設債+750百万円)及び病院事業に係る地方債の償還に充てるための一般会計からの繰入れ見込み額が5,220百万円増加したことから、将来負担比率は53.4%となった。今後も公共施設の老朽化等による更新・改修工事や土地区画整理事業など、多額の臨時的経費の発生が見込まれ、基金の取り崩しが予想されるため、将来への負担が急激に増加しないように、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

令和4年度は退職手当及び会計年度任用職員報酬の増加に伴い、令和3年度に対して0.9ポイント増となった。今後しばらくは退職者数の見込も10名未満で推移する一方、若年層の職員の昇給による増額が少しずつ見込まれることから、RPAやAI-OCRなどICTを活用した定例的な業務の効率化を推進し、人件費の削減に努める。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率が類似団体平均より低くなっているのは、行財政改革による事務事業の見直しなどにより、経費節減に努めた結果が表れていると考えられる。今後も引き続き水準を抑えるように努める。令和3年度と比べると1.0ポイント増加している。主な要因としては、新市立図書館の開館に伴う指定管理料の増が挙げられる。

扶助費の分析欄

令和3年度と比べると0.2ポイント減少している。主な要因としては、介護・訓練等・障害児通所給付費支援事業費の減が挙げられる。各種社会保障関連経費については、今後も少子高齢化の進行や制度改正等により、大きな増額が見込まれる。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、令和3年度と比べると0.4ポイント増加している。主な要因としては、介護特会における介護給付費繰出金の増、後期高齢者医療特会における保険基盤安定繰出金の増が挙げられる。高齢化率の上昇や医療技術の高度化により、特別会計への繰出金は今後も増加が見込まれる。

補助費等の分析欄

令和3年度と比較して0.6ポイント増加している。主な要因としては、令和4年9月から新体制となった学校給食センター協議会負担金が新たに発生したことが挙げられる。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、これまでの行政改革の成果により、類似団体平均と比べて低い水準で推移している。今後は、公共施設の老朽化対策事業や土地区画整理事業等により増加が見込まれるが、起債に過度に頼ることのない財政運営に努める。

公債費以外の分析欄

平成26年度までは類似団体平均を大きく上回っていたが、平成27年度より人件費が減少したこと等に伴い、類似団体と同程度の水準となっていた。令和3年度は物件費の増加により類似団体平均を上回ったが、令和4年度も人件費、物件費が増加したことにより引き続き同水準で推移し、類似団体平均を上回った。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体平均と比較した場合の本市の特徴として、民生費・衛生費の水準が類似団体平均を上回っていることが挙げられる。構成比が最も大きい民生費については、類似団体平均より高い水準にある扶助費が多くの割合を占めているため、同様に類似団体平均を上回る結果となっている。衛生費については、市民病院への支出金、清掃組合への負担金があることが要因である。一方、令和3年度に大きく伸びた教育費については、令和4年度も学校給食センターの工事建設等により、令和3年度に引き続き類似団体平均を大きく上回る結果となった。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出総決算額は、住民一人当たり550,043円となっている。類似団体平均と比較した場合の本市の特徴として、扶助費の水準が高く類似団体平均を上回り、人件費、物件費の水準は下回っていることが挙げられる。扶助費の住民一人当たりのコストは155,683円であり、生活保護事業費や障害者自立支援給付事業費(障害福祉サービス事業費)が高いことが要因である。特に、介護・訓練等・障害児通所給付費支給事業費については、近年増加しており、各種社会保障関連経費については、今後も少子高齢化の進行や制度改正等により、大きな増額が見込まれる。令和4年度は補助費等が伸びているが、主な要因としては令和4年9月から新体制となった学校給食センター協議会負担金が新たに発生したことによるものである。一方、類似団体平均と比較し低い水準で推移しているのが人件費・物件費であり、行財政改革による職員数の削減や事務事業の見直しなどにより、経費削減に努めた効果が表れていると考えられる。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政調整基金残高は、H19年度から、財源不足となったR1年度を除き積立増となっている。R4年度も積立増となったが、実質単年度収支はマイナスとなった。今後は、社会保障関連経費の増加、道の駅建設、土地区画整理事業の推進や老朽化した公共施設の更新など多額の経費が発生する見込みで、財政調整基金の取崩しが求められ、実質単年度収支はマイナスで推移することが予測されるため、より一層の行財政改革を進め、財政規律の堅持に努める必要がある。また、ふるさと納税の拡大等による歳入増の取組や業務効率化による経費削減を推進し、安定かつ持続可能な財政運営を図る。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

一般会計及び特別会計、全ての会計において赤字会計は無い。病院事業会計においてR4年度の黒字幅が増加したのは、新型コロナウイルス感染症の影響による入院患者数の減少に伴い入院収益が減少する中で、感染症患者の自宅待機者増加に伴う電話診療の実施やPCR検査受託件数増加により例年同程度の医業収益を確保できたこと、それに加えて新型コロナウイルス感染症重点医療機関として感染症患者の診療を積極的に実施したことで、新型コロナウイルス感染症包括支援事業を活用した補助金を受けたことによるもの。H27年度に赤字会計であった国民健康保険特別会計は、国保税収納率の向上や医療費適正化対策及び保険事業の推進に取り組んだ結果、黒字決算となったが、医療の高度化・高額化に伴い、今後、医療費が増加していくことが予想され、厳しい財政状況は続くと思われる。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

・元利償還金:R3年度で第三セクター等改革推進事業債の償還が終了した一方、R4年度は緊急防災・減災事業債や学校教育施設事業債が増加した。・公営企業債の元利償還金に対する繰入金:H25年度から水道事業会計において、ありあけ浄水場の給水開始に伴い、その償還が始まったことで増加、以降は減少傾向であり、R3年度に下水道事業会計における雨水対策事業によりいったん増加したものの、R4年度は再び減少した。・組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等:有明広域行政事務組合と大牟田・荒尾清掃施設組合の負担金である。・債務負担行為に基づく支出額:H21年度から工業団地土地購入として発生した。・算入公債費等:過去の記載に対する基準財政需要額であり、横ばいで推移している。・実質公債費比率の分子:H24年度から増減があるものの、ほぼ横ばいで推移している。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

・一般会計に係る地方債の現在高:H23年度に競馬組合解散に伴う第三セクター等改革推進債の起債により増加。以降は微減で推移していたが、H30年度から増加傾向にあり、R4年度は学校給食施設整備事業等により増加となっている。・債務負担行為に基づく支出予定額:近年、新たな事業を行っていないことから減少傾向にある。・公営企業債等繰入見込額:減少傾向にあったが、R3年度からは、新病院建設事業により病院事業会計において増加となっている。・組合等負担等見込額:有明広域行政事務組合、大牟田・荒尾清掃施設組合の負担金であり、H30年度から増加傾向にある。・充当可能基金:R1年度は財政調整基金を取り崩したため減少したが増加傾向にあり、R4年度も財政調整基金やふるさと応援基金に積立てた。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)「財政調整基金」には前年度の決算余剰金等257百万円を積み立てた。また、一般廃棄物処理施設の大規模改修等に備えるため、「荒尾市の一般廃棄物処理施設建設基金」に80百万円を積み立てた。ふるさと納税寄付金を「ふるさと応援基金」に393百万円、荒尾市子ども未来基金寄付金を「荒尾市子ども未来基金」へ147百万円を積み立てた一方で、「ふるさと応援基金」からふるさと納税事業費の財源として214百万円、「荒尾子ども未来基金」から子育て・少子化対策事業費の財源として96百万円を取り崩したが、基金全体としては504百万円の増となった。(今後の方針)今後も「財政調整基金」+「減債基金」で20億円以上を維持する方針である。短期的には「荒尾市の一般廃棄物処理施設建設基金」について、継続して一定額を積み増ししていく予定である。

財政調整基金

(増減理由)前年度の決算余剰金等257百万円を積み立て、取り崩しは行わなかった。(今後の方針)道の駅建設、土地区画整理事業やその他老朽化した公共施設の更新などを控えているため、安定かつ持続可能な財政を維持しながら必要に応じて取り崩しを行っていく予定である。

減債基金

(増減理由)利子収入0.3百万円を積み立て、取り崩しは行わなかった。(今後の方針)今後も財政状況に応じて取り崩しを検討する。

その他特定目的基金

(基金の使途)ふるさと応援基金:個性豊かな活力のあるふるさとづくりに役立てる事業の推進。荒尾市の一般廃棄物処理施設建設基金:一般廃棄物処理施設建設に備える。公共施設整備基金:公共施設の整備に要する財源の確保。荒尾市子ども未来基金:子育て・少子化対策事業の推進。(増減理由)ふるさと応援基金:寄付金および利子収入の393百万円を積み立て、ふるさと納税事業費の財源として214百万円を取り崩した。荒尾市の一般廃棄物処理施設建設基金:一般廃棄物処理施設の大規模改修等に備えて、財政事情を考慮しながら、継続して一定額を積み立てる。R4年度は80百万円を積み立てた。荒尾市子ども未来基金:寄付金および利子収入の147百万円を積み立て、子育て・少子化対策事業費の財源として96百万円を取り崩した。(今後の方針)ふるさと応援基金:歴史や文化を生かしたふるさとづくり事業や、市民と行政の協働によるふるさとの元気づくり事業など、ふるさと荒尾の発展に寄与する事業に、積極的に活用していく。公共施設整備基金:公共施設の大規模更新を控え、公共施設総合管理計画に基づき個別施設計画を策定した上で、基金の活用について検討していく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和3年度の69.6%から令和4年度の67.5%へと2.1%有形固定資産減価償却率が減少している。これは、令和4年度に給食センターと市立図書館の運用が開始され、固定資産台帳に計上されたためである。新規計上に起因する有形固定資産減価償却率の減少であるため、各施設の老朽化については個別に把握し、不具合が出る前にマネジメントしていく必要がある。

債務償還比率の分析欄

債務償還可能比率は令和3年度から令和4年度にかけて281.0%増加し、悪化している。ふるさと応援基金やこども未来基金などの基金の積立による充当可能基金は増加したものの、学校給食施設事業整備や新病院建設事業に係る地方債発行に伴い、地方債残高が大きく増加したため、債務償還可能比率が増加した。平成30年度から債務償還可能比率は増加傾向にあるため、地方債の償還を推進し、計画的な発行に努めていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和3年度から令和4年度にかけて将来負担比率が41.3%増加した。ふるさと応援基金やこども未来基金などの基金の積立による充当可能基金は増加したものの学校給食施設事業整備や新病院建設事業に係る地方債発行に伴う、地方債残高が大きく増加したためである。また、有形固定資産減価償却率は類似団体と比較すると上回っており施設の老朽化が進んでいる。このことから新規事業に伴う将来世代の負担は増加し今後も施設の老朽化に伴う維持管理費が増加する可能性がある。公共施設の持続的な維持を行うため、適切なマネジメントを実施していく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

令和3年度から令和4年度にかけて将来負担比率が41.3%増加した。ふるさと応援基金やこども未来基金などの基金の積立による充当可能基金は増加したものの学校給食施設事業整備や新病院建設事業に係る地方債発行に伴う、地方債残高が大きく増加したためである。実質公債費比率は9%台で推移しており、第三セクター等改革推進事業債の償還が終了した一方で緊急事業債や学校教育施設事業債の償還が増加している。今後も大規模事業の償還開始されるため、新規の地方債発行抑制に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較すると、有形固定資産減価償却率が高い施設類型は道路、認定こども園・幼稚園・保育所、橋りょう・トンネル、学校施設、公営住宅、公民館であり、低い施設類型は児童館、港湾・漁港である。令和4年度において有形固定資産減価償却率が減少した施設類型は、認定こども園・幼稚園・保育所、児童館、港湾・漁港である。認定こども園・幼稚園・保育所は、清里保育園の一時預かり所の整備や改修工事を実施したためである。児童館は、荒尾第一小学校放課後児童クラブを整備したためである。港湾・漁港は、荒尾港の堤防老朽化対策工事(令和4年度)を実施したためである。また、認定こども園・幼稚園・保育所や児童館の一人当たりの面積が類似団体と比較して低いため、ニーズがある可能性がある。今後、調査を進めていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較すると、有形固定資産減価償却率が高い施設類型は一般廃棄物処理施設、体育館・プール、保健センター・保健所、福祉施設、市民会館、庁舎であり、低い施設類型は図書館、消防施設である。有形固定資産減価償却率の変動が特に大きい施設類型は図書館であり、令和4年度から移転した市立図書館が供用開始となったため、大きく減少した。その他の施設は老朽化が進んだため、有形固定資産減価償却率が全体的に増加している。高低に関わらず、個別の施設の状況を把握し、施設整備計画に基づいて施設マネジメントを推進していく必要がある。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度から765百万円の増加(+1.3%)となった。金額の変動が大きいのは建設仮勘定(前年度比1,982百万円の減少)であり、これは給食センターや市立図書館の運用開始に伴う本勘定への振替が要因である。資産総額のうち、有形固定資産の割合が84.5%を占めており、最も高い割合を占めるのは事業用資産土地の26.3%である。また、負債総額は前年度から1,182百万円の増加(+5.8%)となった。特に地方債(固定負債)が前年度比1,010百万円の増加となり、大型事業による地方債発行が負債総額の増加に大きく寄与している。特別会計を加えた全体では、資産総額は前年度から7,568百万円増加(+8.1%)し、負債総額は前年度から7,539百万円増加(+16.4%)した。特に負債の増加は病院事業会計における地方債が約52億円増加したことが影響しており、新病院建設が大きな要因である。一部事務組合等を加えた連結では、資産総額は前年度末から7,503百万円増加(+7.7%)し、負債総額は前年度末から7,437百万円増加(+15.7%)した。資産総額は一部事務組合等に係る資産を計上したことにより、一般会計等と比べて45,676百万円増加している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用は23,905百万円となり、前年度比782百万円の減少(△3.2%)となった。その内、移転費用としての補助金等の費用は6,763百万円(全体の28.3%)となっており、前年度と比べて876百万円減少(△11.5%)した。コロナ関係の補助金の減少が要因となっている。また、社会保障給付の費用は5,031百万円(全体の21.0%)となっており、前年度と比べて2百万円増加し、微増となったが、純行政コストに占める割合が非常に大きくなっている。全体では、一般会計等に比べ、特別会計に係る使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が7,946百万円多くなっている一方、負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が10,017百万円多くなり、純行政コストは12,066百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象一部事務組合等の事業を計上しているため、経常収益が8,006百万円多くなり、移転費用が17,183百万円多くなっている。また経常費用が28,391百万円多くなり、純行政コストは20,443百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源23,009百万円が純行政コスト22,404百万円を上回ったことから、本年度差額は605百万円(前年度比332百万円減少)となり、純資産残高は416百万円の減少となった。調査判明による無償所管換等が大きく減少していることが要因である。これは、給食センターと市立図書館の工事内容を精査した際に、計上対象外の金額が発生したためである。全体では、国民健康保険事業会計、介護保険特別事業会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれるため、一般会計等と比べて税収等が3,325百万円多くなっており、本年度差額は1,031百万円、純資産残高は29百万円の増加となった。連結では、一部事務組合等の歳入が按分の上含まれるため、一般会計等と比べて財源が20,731百万円多くなっており、本年度差額は893百万円、純資産残高は66百万円の増加となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は1,577百万円であり、投資活動収支については固定資産の整備や基金の積立等を行ったことから△3,000百万円となった。財務活動収支については、地方債の発行収入が償還額を上回ったことから1,000百万円となっており、本年度資金残高は前年度から423百万円減少し300百万円となった。全体では、業務活動収支は一般会計等より1,457百万円多い3,034百万円となっている。投資活動収支では、主に水道事業会計における公共施設等整備を実施したため、△7,973百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行収入が償還額を上回ったことから6,221百万円となり、本年度末資金残高は前年度から1,282百万円増加し、5,835百万円となった。連結では、一部事務組合等収入の一部が業務収入に含まれる一方、人件費や物件費等も按分の上、含まれることから、業務活動収支は一般会計より1,523百万円多い3,100百万円となっている。投資活動収支では△8,037百万円となっている。財務活動収支は、地方債の発行収入が償還額を上回ったことから6,184百万円となっている。本年度末資金残高は前年度から1,247百万円増加し、6,467百万円となった。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

令和4年度の住民一人当たり資産額は117.6万円で、前年度の114.8万円から増加している。資産合計が増加しつつ、人口が減少しているため、一人当たりの資産額が上昇している。また、令和4年度の有形固定資産減価償却率は67.5%で、前年度の69.6%から減少している。給食センターや市立図書館の運用が始まり資産計上されたため、住民一人あたりの資産額が増加し有形固定資産減価償却率は減少した。この組み合わせから有形固定資産減価償却率が高く資産価値が減少しているため、住民一人当たりの資産額が類似団体を下回っていると考えられる。個別の施設毎の老朽化を把握し、計画的に施設マネジメントに努めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

令和4年度の純資産比率は63.8%で、前年度の65.3%から減少している。これは、資産合計が増加する一方で大型事業による地方債の新規発行で地方債残高が増加していることが要因である。将来世代負担比率にも同様の傾向が表れており、資産投資に係る将来世代を表した指標になるが、平成30年度から令和4年度にかけて、将来世代負担比率は14.4%から22.9%へと増加傾向にあり、地方債残高が1,587百万円増加し、将来世代に負担をかける債務が増加しているためである。南新地の区画整備や全体会計の枠ではあるが新病院建設関連事業も進んでいるため計画的な地方債発行に努めていく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

令和4年度の住民一人当たり行政コストは44.4万円で、前年度の45.7万円から減少している。純行政コスト自体が88,768万円減少しているが、大きく変動した項目として、南新地会計の歳出減少、ワクチン償還金の発生、給食センター整備事業における長洲町負担金による収入などが挙げられる。社会保障費などの継続的に発生する費用は圧縮が難しいため、そのほかの公共施設の維持管理コストや物件費などの圧縮に努める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

令和4年度の住民一人当たり負債額は42.6万円で、前年度の39.8万円から増加している。これは、大型事業による地方債発行で負債合計が118,143万円増加しているためである。同様の理由で令和4年度の基礎的財政収支は△833百万円の赤字で、前年度の△544百万円から悪化している。過去5年間は赤字が続いており、大型事業による投資活動収支の赤字が増大しており地方債に過度に頼らない行政運営が求められる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

令和4年度の受益者負担比率は6.2%で、前年度の5.4%から増加している。平成30年度からは継続的に類似団体平均値を上回っている。使用料及び手数料と行政コストである経常費用に着目してなぜ増加しているかを分析検討して、適切な受益者負担を設定していく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,