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地方財政ダッシュボード

熊本県八代市の財政状況(2020年度)

🏠八代市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

新型コロナウイルス感染症の影響による景気の低迷で、市税等は減少しており、今後も大幅な増収は厳しい状況です。しかしながら、近年は償却資産の実態調査や収納率向上への取り組みに注力しており、引き続き、市税の収納率向上対策による歳入の確保に努めるとともに事業の見直しによる計画的な歳出削減により財政基盤の強化に努めます。

経常収支比率の分析欄

地方消費税交付金及び特別交付税が増加し、財政調整基金を取り崩したことにより経常一般財源総額は増加しましたが、経常一般財源充当経費も増加となったため、前年度と比べ0.2ポイント増加し、類似団体平均値と比較しても2.1ポイント高く、その開きは大きくなっています。普通交付税については合併算定替から一本算定となり減少しますが、大型事業の影響による公債費の増加に伴い、経常収支比率の改善は引き続き厳しい状況にあります。今後は、引き続き事業の見直しを行い、経常経費の抑制に努めます。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

会計年度任用職員制度への移行に伴い、人件費が大きく増加しています。また、物件費においては、賃金分は大きく減少しましたが、市政協力関係事業やごみ収集管理事業、排水機場維持管理事業が増額となったことや、新型コロナウイルス感染症対策など新規事業に係る経費が増加したことにより、微減にとどまっています。今後は、物件費の計画的な削減を行うとともに、適正な定員管理を図りながら、人件費の抑制に努めます。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均値を下回る給与水準となっています。今後も、国や県等との均衡を考慮しながら、引き続き給与水準の適正化に努めます。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

前年度と比較して、職員数は変わらないものの、人口減少により人口1,000人当たりの職員数は0.08人増加しています。令和2年7月豪雨災害に係る復旧復興業務や総合計画の重点戦略に掲げる重点取組等に必要な人員を確保しつつ、定年引上げによる影響等に留意しながら、適正な定員管理に努めます。

実質公債費比率の分析欄

類似団体平均値及び熊本県平均値を上回っていますが、前年度と比較すると0.2ポイント減少しており、平成28年度以降は減少傾向にあります。要因としては、公営企業会計における料金改定など経営の健全化が進み、公営企業債の元利償還金に対する繰出金が減少していることが挙げられます。しかしながら、今後は、環境センターや新庁舎、災害復旧事業など複数の大型事業の償還が重なることから、実質公債費比率は一時的に上昇する見込みです。引き続き、公債費に充当される企業会計への繰出金を抑えるとともに、通常の建設事業を抑制することで、地方債発行額の抑制に努めていきます。

将来負担比率の分析欄

昨年度と比較して1.2ポイント減少しましたが、類似団体平均値及び熊本県平均値を大きく上回っています。要因としては、新庁舎などの大型事業や令和2年7月豪雨による災害復旧事業による地方債の増加が挙げられます。新庁舎関連の建設事業は令和4年度で完了予定であり、災害復旧事業は複数年を要するため、今後も地方債の増加が見込まれます。建設事業を精査し、地方債発行額の抑制を行うとともに、借入残高の減少に努め、財政の健全化を図ります。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

前年度を1.7ポイント上回り、類似団体平均値を0.8ポイント上回る形となっています。主な要因は、会計年度任用職員制度への移行によるものです。また、令和2年度の給与改定により期末手当等の費用が減った一方で、令和2年度の定年・早期退職者の大幅な増加により退職手当の費用が増えたことが挙げられます。なお、ラスパイレス指数は類似団体平均値をやや下回る傾向にあることから、今後も現在の給与水準を維持しながら、組織体制の見直し等を積極的に進め、適正な定員管理により職員の新陳代謝を図り、人件費の抑制に努めます。

物件費の分析欄

物件費は類似団体平均値及び熊本県平均値を下回っており、前年度より0.8ポイント減少しています。主な要因としては会計年度任用職員制度への移行による賃金分の減少が挙げられます。その一方で、令和2年7月豪雨災害に伴う災害廃棄物処理事業や新型コロナウイルス感染症対策事業など新たに発生した経費もあります。新型コロナウイルス感染症の影響により、今後、物件費は増額となる見込みであることから、経常的経費を中心に経費の抑制を図ります。

扶助費の分析欄

類似団体平均値を0.5ポイント上回っていますが、主な要因としては、私立保育所保育事業や施設型給付事業、ひとり親世帯への臨時特別給付金給付事業などの児童福祉費に係る経費が増加していることが挙げられます。今後は、単独事業として実施している扶助費の見直しを行いながら、適正な福祉サービスに努めます。

その他の分析欄

その他は、前年度よりポイントの増減はありません。しかし、類似団体平均値及び熊本県平均値と比較しても高い水準であり、開きも大きくなっています。各特別会計への繰出金の見直しを行うことで普通会計の負担を減らし、健全な財政運営に努めます。

補助費等の分析欄

補助費等は、熊本県平均値を上回っていますが、類似団体平均値は0.2ポイント下回っています。主な要因としては、地理的条件から下水道普及率が低いことで建設費の割合が大きいことなどにより、他団体と比較すると下水道事業会計への繰出金が大きくなっていることが挙げられます。今後は、各種補助金について見直しを行い、段階的に縮小・廃止を行う予定です。

公債費の分析欄

公債費については、0.1ポイント増加しており、類似団体平均値及び熊本県平均値を上回っています。主な要因としては、環境センター整備や、小中学校への空調設備設置に係る元金償還が挙げられます。今後は、新庁舎などの大型事業の償還が本格的に始まることから、令和5年度より公債費は上昇する予定です。通常の建設事業発行額を公債費償還元金の範囲内に抑えながら、公債費の抑制を図ります。

公債費以外の分析欄

公債費以外は、前年度より0.1ポイント増加しています。主な要因としては、会計年度任用職員制度の移行に伴う人件費の増加や令和2年7月豪雨による災害復旧及び新型コロナウイルス感染症対策に係る経費の増加が挙げられます。引き続き、計画的な事業費の削減を図りつつ、持続可能な財政運営に努めます。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

大きく増加している項目として、総務費、消防費及び災害復旧費が挙げられます。総務費については、定額給付金給付事業による増加であり、類似団体平均値及び熊本県平均値を見ても同様に増加していることから、一時的なものと見ています。消防費が大きく増加しているのは、現行システムの音声未到達エリアの解消や本庁支所間のシステムの統一等を行う消防防災無線整備事業によるものです。今後も災害時に備えた対策を予定していることから、しばらく高い水準に位置すると見込んでいます。災害復旧費については、令和元年度より本格的に開始された新庁舎の建設工事に加え、令和2年7月豪雨による災害復旧工事により、前年度からさらに上昇し、類似団体において最も高い位置にあります。新庁舎関連工事は令和4年度で完了しますが、令和2年7月豪雨による災害復旧工事は複数年にわたると予定しているため、消防費同様に今後も高い位置にとどまると見込んでいます。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり652,693円となっており、令和元年度と比較して約160,000円増加しています。主な要因としては、補助費等、災害復旧事業費の大きな増加が挙げられます。補助費等は、特別定額給付金給付事業によるもので、類似団体平均値及び熊本県平均値も高い水準に移行していることから、同様の理由による一時的な増加とみています。災害復旧事業費は、類似団体平均値と比較して最も高い位置にあり、突出しています。これは、平成28年熊本地震で被災した新庁舎の建設工事に加え、令和2年7月豪雨による災害復旧工事によるものです。新庁舎関連工事は令和4年度で完了しますが、災害復旧工事は複数年にわたるため、今後も高い位置にとどまると見込んでいます。また、繰出金についても類似団体平均値と比較して最も高い水準にあります。各特別会計については、引き続き、歳入確保と歳出削減に努めることで繰出金を抑制し、普通会計の負担を削減し、健全な財政運営に努めます。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

実質収支比率は前年度比より1.72ポイント増加しておりますが、これは地方消費税交付金や特別交付税が増額したことや財政調整基金を取り崩したことなどにより、歳入が増加したことによるものです。特別交付税の増額は災害復旧費に伴うものであり、今後も令和2年7月豪雨の災害復旧が続き、市債残高が大きく増加する見込みです。また、新型コロナウイルス感染症対策など財政調整基金を取り崩し対応せざるを得ない状況が見込まれるため、長期的な計画の見直しを行うとともに引き続き歳出の削減に努めます。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

一般会計において、標準財政規模比で1.71ポイント増となっていますが、要因としては、歳入で地方消費税交付金や特別交付税が増加したこと、財政調整基金を取り崩したことなどにより、実質収支額が増加したことが挙げられます。また、平成27年度以降、比率が赤字となっていた国民健康保険特別会計については、平成29年度に「八代市国民健康保険財政健全化計画」を策定し、国保税の適正賦課や収納率向上による歳入確保や医療費適正化対策の推進等により歳出削減を努めたことで黒字へと転じました。今後も継続して取り組み、健全な財政運営を行っていきます。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

公営企業会計において、料金改定など経営の健全化に取組んでいることから、公営企業債の元利償還金に対する繰入金は減少傾向にあります。しかし、今後は環境センターや新庁舎などの複数の大型事業の償還が重なり、元利償還金等が大きく増加する予定であることから、これまで以上に建設事業債の発行額を抑え、公債費の抑制を図ります。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

将来負担額の主な項目である地方債の現在高が増加していますが、主な要因としては、地方交付税の振替財源である臨時財政対策債の増加や新庁舎建設事業及び令和2年7月豪雨による災害復旧事業の財源とするために地方債が増加したことが挙げられます。一方、公営企業債等繰入見込額は企業会計等の健全な財政運営により減少傾向にあるため、将来負担額の大幅な伸びを抑えることにつながっています。また、充当可能財源等においては、ふるさと納税の推進により、ふるさと納税寄附金を原資とする基金の積立額が増加したことなどにより充当可能基金が微増していますが、地方債の増加には及ばず、将来負担比率の分子は増加しています。今後、新庁舎関連工事は令和4年度で完了しますが、令和2年7月豪雨による災害復旧工事が続くため、引き続き有利な地方債を活用しながら、地方債発行額の抑制に努めるとともに事業の見直しや充当可能財源の確保に努め、財政の健全化に取組みます。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金は、令和2年7月豪雨及び新型コロナ感染症に係る経費の財源とするために取り崩したことから、3億9,600万円減少しましたが、新型コロナウイルス感染症対策基金をはじめとする複数の基金の新設や、ふるさと納税の推進によるふるさと八代元気づくり応援基金の積み立てにより、全体として10億1,200万円増加しています。(今後の方針)・中期財政計画において、普通交付税の合併算定替えの特例措置期間終了に伴い歳入が減少しましたが、災害復旧や新型コロナウイルス感染症対策など新たな歳出の増加が見込まれることから、基金全体について令和7年度末までに20億円を取り崩して対応する予定です。・平成28年熊本地震及び令和2年7月豪雨の経験を踏まえ、災害時に迅速かつ柔軟な対応を行うための基金の最低限度額を40億円と設定し、この金額を下回らないよう各事業の抜本的見直しや施設の統廃合を進めるなどして、歳出削減に取り組みます。・新型コロナウイルス感染症対策基金は、新型コロナウイルス感染症の影響により国及び熊本県の融資制度を利用したものに対して金利負担分及び保証料の補助を行うため、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金より積み立てましたが、補助は最長5年間としているため、令和7年度末をもって廃止します。・ふるさと納税の推進により、基金の原資となるふるさと八代元気づくり応援寄附金は増加傾向が見込まれますが、各種まちづくり事業の財源として積極的に活用することから、ふるさと八代元気づくり応援基金は令和3年度末をピークに減少する見込みです。

財政調整基金

(増減理由)令和2年7月豪雨による災害復旧及び新型コロナウイルス感染症対策に係る経費の財源とするため、3億9,600万円を取り崩したことにより減少しています。(今後の方針)中期財政計画において、令和3年度以降は収支の悪化が見込まれることから、財政収支を図るため、令和7年度末までに14億7,400万円を取り崩す見込みです。また、八代市土地開発公社の解散が進められていることから、令和3年度末をもって土地開発基金を廃止し、当該基金残高14億9,700万円を財政調整基金に積み立てる予定です。

減債基金

(増減理由)基金の一括運用による利子収入により、100万円増加しています。(今後の方針)環境センターや新庁舎等の大型事業に係る起債の償還が重なる令和5年度以降は、単年度の償還額が75億円を超えることが見込まれることから、公債費の負担軽減を図るため、減債基金を取り崩して対応する予定です。

その他特定目的基金

(基金の使途)・市庁舎建設基金:市庁舎の建設に要する経費の財源・市有施設整備基金:市有施設の整備に要する経費の財源・新型コロナウイルス感染症対策基金:新型コロナウイルス感染症の影響により売上げが減少した中小事業者等で国及び熊本県の融資制度を利用したものに対して行う金利負担分及び保証料の補助に要する経費の財源・ふるさと八代元気づくり応援基金:ふるさと納税制度による寄附金を財源とした、元気なまちづくり事業を推進する財源・教育文化センター建設基金:教育文化センター建設に要する費用の財源(増減理由)・市庁舎建設基金:平成28年熊本地震により被災した本庁舎の建替えに係る経費の財源として、3,000万円を取り崩したことによる減少。・市有施設整備基金:民俗伝統芸能伝承館等の整備に係る経費の財源として、4,600万円を取り崩したことによる減少。・新型コロナウイルス感染症対策基金:新型コロナウイルス感染症対策の影響により、国及び県の融資制度の金利負担分及び信用保証料の一部補助に要する経費の財源とするため、10億円を積み立てたことによる増加。・ふるさと八代元気づくり応援基金:ふるさと納税の推進により寄附金が大きく伸びたため、3億8,600万円を積み立てたことによる増加。・教育文化センター建設基金:基金の一括運用による利子収入により、100万円を積み立てたことによる増加。(今後の方針)・市庁舎建設基金:本庁舎の建替えが令和3年度で完了することから、令和4年度末をもって基金を廃止する予定。・新型コロナウイルス感染症対策基金:補助は最長5年間としているため、令和7年度末をもって基金を廃止し、残高は国庫へ納付。・ふるさと八代元気づくり応援基金:ふるさと納税の推進により、ふるさと納税寄附金の大幅な増加により、これを原資とした基金積立金が増加傾向にあることから、各種まちづくり事業の財源として随時取り崩す予定。・教育文化センター建設基金:八代市公民館の大規模改修に目途が立つことから、令和4年度末で基金を廃止する予定。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

全国・類似団体平均・県平均と比較しても低い水準にありますが、要因としては環境センター等の建設を行ったことが考えられます。しかし、全体的に施設の老朽化がすすんでいる状況であり、施設ごとの統合や廃止や長寿命化の検討が必要になってきています。

債務償還比率の分析欄

全国・類似団体・県平均と比較した場合、本市は高い水準にあります。これは、環境センター建設や新庁舎建設、令和2年7月豪雨の災害復旧事業等、地方債を借り入れたことが要因です。今後も引き続き新庁舎建設や令和2年7月豪雨災害による災害復旧事業による地方債残高の増加により、水準も更に高くなることが予想されます。今後、新規地方債発行額の抑制による地方債残高の削減等、財政健全化を図る必要があります。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率が、環境センター等の建設により類似団体と低いものの、財源として地方債を借り入れて整備をしたことにより将来負担比率が高い水準になったと考えられます。「八代市公共施設等総合管理計画」の見直しや、資産経営の観点を持った共施設のマネジメントを推進し、併せて新規地方債発行額の抑制による地方債残高の削減など、財政健全化を図っていきます。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率及び実質公債費比率は、類似団体内平均と比較すると高い水準にあります。どちらも今後は、令和2年7月豪雨災害による災害復旧事業費や新庁舎建設等の大型事業整備により、一定期間上昇する見込みです。合併算定替縮減による普通交付税の減少等の悪化要因も懸念されるため、引き続き経常的な費用の削減に取り組むとともに、地方債については、新規発行や抑制や平準化など、公債費の適正化に取り組んでいきます。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

「道路」の一人当たりの延長について市の面積が広いため、類似団体と比較しても高い水準にあり、今後一人当たりにかかる維持管理費が高くなる要因を含んでいます。「橋りょう・トンネル」は有形固定資産減価償却率及び一人当たりの有形固定資産固定額がともに低い水準にあります。しかし、市全体の施設の6割以上が老朽化が進んでいるため、今後計画的な更新・長寿命化等の対策が必要となっています。「公営住宅」の有形固定減価償却率は、類似団体内や全国平均並みの水準でありますが、約3割以上の公営住宅が築年数50年を経過しており、今後も「八代市営住宅長寿命化計画」に基づき、住宅供給の安定と住環境の向上を図っていきます。人口は今後も減少傾向となり、施設の種類に関わらず一人当たりに対する有形固定資産額及び一人当たりの面積の数値は、増加していくと見込まれます。予防保全型管理を行うことにより、維持コストの平準化や低減を進めていきつつ、施設の規模や数が過剰とならないように統合や廃止等の検討を行っていく必要があります。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

「図書館」は、類似団体内平均と比較して減価償却率が高く、一人当たりの面積が低い水準にあります。図書館本館は、大規模改修や維持補修を行っていますが、築年数30年を経過していることから、今後も適正な施設管理を努めます。「一般廃棄物処理施設」は、平成30年度にごみ処理施設を建設したことにより、全体的な減価償却率は類似団体内平均と比較し低い水準にありますが、その他の施設では老朽化が進んでいます。特にし尿処理施設は築年数60年を経過しており、早急な対策が必要となっています。「体育館・プール」及び「福祉施設」の一人当たり面積については、類似団体内平均と比較して低い水準にありますが、市域全体での類似施設の集積状況を踏まえた在り方や民間活用を検討していきます。「庁舎」については、庁舎・支所・出張所の9施設のうち5施設が築年数30年を経過しており、類似団体内の減価償却率で見ても高い水準にあります。反対に一人当たり面積では熊本地震で被災した旧庁舎の解体をしたことにより、類似団体内平均と比べ低い水準になったことが考えられます。令和2年7月豪雨災害により被災した坂本支所以外の建物についても、行政サービスを提供する基盤施設として、ファシリティマネジメントの概念を導入した管理手法を検討しながら、庁舎等の管理の適正化を図っていきます。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等では、負債が前年度に比べ、4,173百万円の増加(+5.2%)となった。主な要因としては新庁舎建設や令和2年7月豪雨による災害復旧事業による負債の増加である。同様に新庁舎建設事業等より建設仮勘定などの資産額についても2,088百万円の増加(+1.2%)となった。・全体では、負債が前年度に比べ、13,892百万円の増加(+11.1%)となった。主な増加要因となったものは、令和2年度より簡易水道事業が企業会計へ移行したことにより、繰延収益を新たに計上したことによるものである。同様に簡易水道事業が企業会計へ移行したことによる固定資産台帳の整備により、資産額についても6,038百万円の増加(+2.7%)となった。・連結では、後期高齢者医療広域組合の業務活動収支の増加等により、資産については6,442百万円の増加(+2.7%)となった。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等の純行政コストについて、18,311百万円の増加(+34.1%)となった。主な増加要因は特別定額給付金給付事業補助金の支出12,580百万円や新型コロナウイルス感染症対策にかかる物件費などの支出の増によるものである。同様に支出の財源である国県補助金等も増加しているため、純資産変動額については2,084百万円の減少にとどまった。・そのほかの純行政コストについて、企業会計及び特別会計のみについてはほぼ前年度同様となり、連結においては関係団体のみでの前年度比較は274百万円の増加となった。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

・一般会計等では、純資産残高は2,084百万円の減少(▲2.3%)となった。令和2年7月豪雨災害による臨時損失の増加による影響はあったものの、純経常行政コストと財源(税収等や国県等補助金)を比較しても純経常行政コストが財源を上回る結果となったため、財源の範囲内に収まるように経費の縮減に努める。・全体において、純資産残高は7,854百万円の減少(△7.8%)となった。主な減少要因は令和2年度より簡易水道事業が企業会計へ移行したことにより、固定資産台帳整備や繰延収益を新たに計上したことによるものである。簡易水道事業以外の企業会計や特別会計については多くの事業において、財源が純行政コストを上回り、純資産は増加となった。・連結において、純資産残高は7,312百万円の減少(△6.7%)となった。※簡易水道事業の企業会計移行に伴い、開始貸借対照表による資産、負債、純資産の再計算を行ったため、全体及び連結において、前年度純資産残高+本年度純資産変動額=本年度純資産残高とならない。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等において、財務活動収入が945百万円の増加となった。主な要因は、新庁舎建設や令和2年7月豪雨災害により地方債の発行収入額が前年度に比べて、増加したことによる。財務活動収入がプラスであることは地方債残高が増えているということであり、今後は中長期的な計画を基に地方債借入の抑制を進めていく。・全体において、特別会計および企業会計の投資活動収支が624百万円の減少となった。主な減少要因は、介護保険において基金積立を行ったことによるためである。・連結において、関係団体による業務活動収支が659百万円の増加となった。主な増加要因は後期高齢者医療広域組合において、前年度に比べて業務活動収支が増加となったことによるためである。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額については、類似団体平均を下回っている状況であるが、今後新庁舎建設や環境施設等の老朽化が進んでいる施設の更新が控えており、併せて人口の推移は減少しているため、今後数値は増加していくことが見込まれる。歳入額対資産比率において、新庁舎や伝承館等の建設により資産額は増加したが、特別定額給付金給付事業の補助金によ歳入が大幅に増加したため、歳入額対資産比率の数値は減少した。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均を下回っている。資産のおよそ半分の割合を負債で賄っており、地方債残高の増加に比例し、将来世代比率も年々増えているため、八代市中期財政計画に基づき、地方債の抑制をしていく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人あたりの純行政コストが大幅に増加した主な要因は、特別定額給付金給付事業や新型コロナウイルス感染症対策の事業による支出の増である。類似団体平均と比べ上回っている状況であるため、既存の施設の集約化や事業の見直しなどにより、経常的なコストの縮減に努める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人あたりの負債額については、令和2年7月豪雨による災害復旧事業費や新庁舎建設事業費等により、大幅に増加した。基礎的財政収支については平成29年度から続けてマイナスとなっており、ここ数年は環境センターや新庁舎などの大規模な建設事業により投資活動収支が業務活動収支の額を超えている状況である。老朽化がすすんでいる施設においては、統合や廃止や長寿命化など中長期的な建設計画をたてていく必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率において、経常収益は減少したのに対し、経常費用は増加したため、受益者負担比率は減少となった。今後は経常費用の縮減に努めるとともに、使用料や手数料の見直しを行う必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,