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地方財政ダッシュボード

長崎県平戸市の財政状況(2023年度)

🏠平戸市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

平成24年度から0.24の横ばいで類似団体や全国、県平均より低い水準で推移している。これは市内に大型事業所がなく、市の産業構造が中小企業や農林水産業を中心としていることに加え、人口減少により、歳入における市税の割合が低く、財政基盤が弱いことが要因である。そのため、地方交付税に大きく依存した財政構造である。今後とも、的確な課税客体の把握と徴収率向上に努め、自主財源の確保に努める。また、国・県補助金の活用など財源確保に努めるとともに、経常経費の削減による歳出の抑制を進め、適正な財政運営を行う。

経常収支比率の分析欄

合併直後である平成18年度の99.2%と比較すると年々改善し、平成21年度以降は類似団体の平均を下回っており、令和5年度は前年度から3.9ポイント増加し91.3%となった。要因としては、普通交付税、および臨時財政対策債などの歳入が減少(経常収支比率影響+1.5ポイント)し、また、物価高騰や賃金引上げ等の影響により扶助費をはじめほとんどの費目で歳出が増加(経常収支比率影響+2.4ポイント)したためである。今後とも、経常収支比率の悪化を招くことなく、財政構造の弾力性を確保するためにさらに改善を行っていく必要がある。そのため、市税等の徴収確保、定員適正化計画や財政健全化計画等に基づいた人件費・物件費の抑制など財源確保と経常経費の抑制に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均に比べ高くなっているのは、本市の南北に縦長である地形や有人離島を有する等の地理的要因により行政機関(支所・出張所、教育関連施設、消防出張所等)を複数設置する必要があるため、配置する職員数が多く、人件費の負担が大きくなっていることが要因である。前年度と比較して、人件費は、人事院勧告によるベースアップや会計年度任用職員期末手当の引上げ等により増加したものの、物件費は、新型コロナウイルス感染症対策経費等が減少したため、全体の決算額としては減少している。ゆえに、人口1人当たり額が増加した要因は、人口減少によるものである。今後も定員適正化計画に基づき職員の適正配置に努めるとともに、公共施設等総合管理計画に基づく施設の集約化・複合化を推進し、公共施設等の適正管理に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均と比較して概ね同水準で推移している。令和5年度は、経験年数階層における職員分布の変動により対前年度比0.7ポイントの減となった。今後も本市の財政状況及び類似団体等の状況を踏まえながら、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均に比べ高い水準で推移している。これは人口は年々減少しているものの、本市の地理的要因により行政機関を複数設置せざるを得ないことが大きな要因である。今後も人口減少に伴う交付税額の減額等、厳しい財政運営が予想されることから、定員適正化計画に基づき、計画的な人員の確保を行う。また、定年引上げ等の制度改正を見据え、事務事業の見直しと併せて多様な任用制度を活用するとともに、公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の集約化・複合化を進めることにより、人件費の抑制に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は増加傾向にあるが、類似団体と比較して良好な状況を保っている。令和5年度においては、前年度から1.6ポイント増加し3.3%となった。要因としては、過疎債や臨財債等の元利償還金の増加(実質公債費比率影響+0.6ポイント)、合併特例債をはじめとする公債費、密度補正、事業費補正にかかる基準財政需要額算入額の減少(実質公債費比率影響+0.6ポイント)、北松北部環境組合が実施した施設整備に伴う地方債償還のための負担金の増加等(実質公債費比率影響+0.4ポイント)となっている。また、老朽化していく公共施設の更新や大規模改修、公営住宅の集約建替えなど今後、大型の建設事業が予定されていることから、過疎債や辺地債を中心に交付税措置のある有利な地方債を活用しながら、市債の新規発行額を元金償還額以内に抑え、将来的な公債費負担の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は平成27年度以降発生していない。これは計画的な繰上償還と財政調整基金をはじめとした基金残高の確保によるものである。令和5年度においては、基準財政需要額算入見込額の減少に伴い充当可能財源等が減少した一方、地方債残高の減少に伴い将来負担額も減少したため、将来負担比率としては前年度と同水準で推移している状況である。今後も市債の新規発行額を元金償還額以内に抑制するなど、公債費等義務的経費の削減を進め、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

定員適正化計画を上回る職員数の削減(退職不補充、早期退職勧奨)等により人件費の抑制が図られているものの、令和5年度においては、会計年度任用職員期末手当の引上げ等が影響し対前年度比0.6ポイントの増となった。類似団体と比較すると人件費に係る経常収支比率は低くなっているが、定員適正化計画により職員数の削減が進む一方で、会計年度任用職員は増加傾向にあることから、今後は職員数と同様に適正化を図っていく必要がある。

物件費の分析欄

類似団体や全国、県平均より低い数値で推移している。令和5年度は、ネットワークシステムの機器更新や物価高騰等の影響により、対前年度比0.7ポイントの増となった。今後も物価高騰や委託費の増等により増加が見込まれるため、維持管理経費や内部管理経費について徹底した見直しを行い、物件費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

類似団体と比較すると扶助費に係る経常収支比率は高くなっており、令和5年度においては、対前年度比1.2ポイントの増となった。主な要因としては、保育所等に対する施設型給付費の公定価格の引上げや、新型コロナウイルス感染症5類移行を契機に病院受診控えから平時に戻ったことによる生活保護費における医療扶助費の増加があげられる。扶助費については、少子高齢化や物価高騰などの社会情勢により増加していくことが予測されるため、今後も給付の適正化や事業見直しにより、健全な財政運営の確保に努める。

その他の分析欄

近年は類似団体や全国、県平均より低い水準で横ばいに推移している。経費の内訳としては、国民健康保険や後期高齢者医療、介護保険等の特別会計への繰出金が主なものである。令和5年度は後期高齢者医療費のうち入院費が大きく増加しており、その要因は新型コロナウイルス感染症対策として入院制限(空床確保)されていたものが緩和されたことによるものと推察される。特別会計への繰出金については、大部分が一般財源で賄われているため、医療費などの抑制を促すとともに、収入の確保や保険料などの適正化による経営の健全化を図り、一般会計の負担額を減らしていくよう努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、令和元年度からは類似団体平均より低い水準となっているが、令和5年度においては対前年度比0.6ポイントの増となった。主な要因としては、本市と近隣市の2市で構成するごみ・し尿処理を行う一部事務組合(北松北部環境組合)に対する運営に係る負担金の増や、病院事業会計繰出金の増によるものである。当該負担金や繰出金が補助費等の大半を占め、この負担金等には公債費が含まれているため、今後も同程度の水準で推移すると見込まれる。引き続き、適正な額の精査に努め、補助費等の抑制を図る。

公債費の分析欄

類似団体や全国、県平均より高い数値で推移しており、任意の繰上償還などにより年々減少傾向であったが、令和2年度の合併特例事業債基金積立借入分の元利償還金等により令和4年度から上昇に転じ、令和5年度は対前年度比0.5ポイントの増となった。令和3年度までで合併特例事業債の発行が終了し、それに代わる有利な市債の発行が見込めないことから、今後は事業を適切に選択していく必要がある。併せて、市債の発行額を元金償還額以内に抑制を図り、将来を見据えた財政運営を行い、後年度の公債費の縮減を図るよう努める。

公債費以外の分析欄

近年は類似団体や全国、県平均を下回って推移しており、令和5年度は対前年度比3.4ポイントの増となった。主な増加費目としては、影響が大きい順に扶助費で1.2ポイント、物件費で0.7ポイント、人件費、補助費等で共に0.6ポイントの増となっている。市税収入の少ない本市は国庫補助、地方交付税などに依存した財政構造であり、その影響が財政指標に直結している。このため、今後も国の動向を注視しながら、事業の点検や見直しなどを行い、経常的な歳出の抑制に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、住民一人当たり151,180円となっており、「やらんば!平戸」応援基金積立金等により類似団体、全国及び県平均を上回っている状況にあるが、令和5年度はふるさと納税寄附金や普通交付税の減少等により基金積立額が減少したため前年度よりも減少している。民生費は、住民一人当たり260,832円となっており、類似団体や全国、県平均を上回っている状況で推移している。令和5年度は住民税非課税世帯に対する物価高騰対策支援事業等により前年度よりも増加している。衛生費は、住民一人当たり98,181円となっており、類似団体や全国、県平均を上回っている状況で推移している。これは、北松北部環境組合への負担金が大きな割合を占めており、令和3年度から建設改良に係る公債費の負担が開始し増加となっている。農林水産業費は、住民一人当たり67,266円となっており、類似団体や全国、県平均を上回っている状況で推移している。これは、本市の主要産業である農林水産業の担い手育成や経営規模拡大等に力を入れているためである。商工費は、住民一人当たり25,587円となっており、近年減少傾向にあり、令和2年度~令和4年度に新型コロナウイルス感染症対策事業が実施されていたことが影響し、令和5年度では減少となった。土木費は、住民一人当たり64,942円となっており、令和5年度は類似団体を上回っている。要因としては、令和4年度国補正にかかる道路改修事業の令和5年度繰越等によるものである。消防費は、住民一人当たり32,098円となっており、類似団体や全国、県平均を上回っている状況で推移している。令和5年度は旧原子力防災器具等保管施設の解体や消防署田平出張所の建替えに着手したため前年度よりも増加している。教育費は、住民一人当たり78,505円となっており、類似団体や全国、県平均を上回っている状況で推移している。令和5年度は学校施設照明LED化改修や南部市民屋内運動場建替えに着手したため前年度よりも増加している。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人件費は、住民一人当たり126,367円となっており、類似団体や全国、県平均と比べ高い状況で推移している。これは本市の地理的要因により類似団体と比べ職員数が多いことが要因である。令和5年度は人事院勧告によるベースアップや会計年度任用職員期末手当の引上げ、人口減少等の影響により前年度に比べ増加した。物件費は、住民一人当たり124,019円となっており、類似団体や全国、県平均と比べ高い状況にあり、これはふるさと納税推進事業における返礼品が大きく影響している。令和5年度は新型コロナウイルス感染症対策経費における特割宿泊キャンペーンの終了等により前年度に比べ減少した。扶助費は、住民一人当たり174,951円となっており、類似団体や全国と比べて高く、県平均と同水準で推移している。令和5年度は住民税非課税世帯に対する物価高騰対策支援事業や保育所等に対する施設型給付費の公定価格改定等に伴い前年度に比べ増加した。補助費等は、住民一人当たり108,449円となっており、類似団体や全国、県平均と比べ高い状況で推移している。令和5年度は新型コロナウイルス感染症対策経費やエネルギー・物価高騰対策経費等の縮小により前年度に比べ減少した。普通建設事業費は、住民一人当たり126,780円となっており、類似団体や全国、県平均と比べ高い状況で推移している。令和5年度は国補助による道路改修工事や市単独でのLED化改修工事等により前年度に比べ増加した。積立金は、住民一人当たり42,898円となっており、近年は類似団体を上回って推移していたが、令和5年度は下回っている。これは、ふるさと納税寄附金や普通交付税の減少等により、基金積立の余裕がなくなっている状況にある。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

「財政調整基金残高」は、適切な財源の確保と歳出の精査により、平成19年度以降取崩を行っておらず、令和5年度においては310,927千円の積立を行った結果、標準財政規模の約3割を確保している。基金については、持続可能な財政運営を行うために、国の動向を注視しながら、積立や活用を行っていく予定である。「実質収支額」については、大きな増減はなく前年度から0.84ポイント減少し3.60%となった。「実質単年度収支」についても、前年度同様、繰上償還および財政調整基金取崩しをしていないことから、大きな増減はなく前年度から0.62ポイント減少し1.49%となった。しかしながら、今後は人口減少により地方交付税の減額も予想されるため、市税ほか歳入を適正に確保するとともに、歳出抑制を図りながら標準財政規模と財政調整基金のバランスを考慮した健全な財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

前年度に引き続き、全会計にて黒字で資金不足額は生じておらず、適正な財政運営が行われている。病院事業会計については、前年度に比べ1.50ポイント改善しているが、これは新型コロナウイルス5類移行を契機とした、これまで受診控えしていた入院外来患者の増加によるものと推測される。今後は医師不足等による経営悪化が懸念されるため、令和4年度に策定した「平戸市立病院経営強化プラン」に基づき、さらなる経営の強化と健全化に努める。水道事業会計については、平成26年度に料金改定を実施し、一定の経常収支を確保している。今後も引き続き経営の安定化を図るとともに、「平戸市水道ビジョン(経営戦略)」に基づき、さらなる経営の健全化に努める。一般会計については、「平戸市財政健全化計画(平成25~令和5年度)」等の着実な実施により、徹底した経費の節減と効率的な事業執行に努め、健全な財政運営を進めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

実質公債比率の3か年平均は近年増加傾向にある。増加要因①控除財源である「算入公債費等(B)」において、財源対策債や合併特例債の公債費、道路橋りょう費の事業費補正、および上水道及び簡易水道に係る密度補正の減少などにより、R02と比較して188,129千円減少したことによる。(実質公債費比率影響+0.6ポイント)増加要因②「元利償還金等(A)」においては、過疎債、臨時財政対策債、辺地債などの「元利償還金」がR02と比較して157,184千円増加したことによる。(実質公債費比率影響+0.6ポイント)増加要因③「公営基企業債の元利償還金に対する繰入金」は、病院事業および水道事業においてR02と比較して47,028千円増加している。また、「組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等」は、平成29~R01同意債の元金償還が始まったことで約65百万円でR14まで推移していく。(実質公債費比率影響+0.4ポイント)分子合計においてはR02と比較して494,136千円増加し、R05の実質公債費比率は前年度から1.6ポイント増加の3.3%となっている。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

将来負担比率は平成27年度以降発生していない。「将来負担額(A)」のうち「一般会計等に係る地方債の現在高」については、令和5年度は前年度同様、償還額に対し発行額が抑制されたことから、前年度と比較して1,003,880千円減少している。また、「公営企業債等繰入見込額」については、主に水道事業及び病院事業で元金償還額を下回る公営企業債の新規発行などにより、全体では180,000千円減少している。控除財源である「充当可能財源等(B)」のうち「充当可能基金」については、主に財政調整基金の積み増しにより、226,207千円増加している。「基準財政需要額算入見込額」については、公債費において1,164,690千円減少している。これは、合併特例債の1,012,676千円及び臨時財政対策債の604,569千円の減少が主なものとなっている。その他「充当可能特定歳入」を含め、充当可能財源等全体で980,908千円減少しているものの、将来負担額を上回っているため、将来負担比率は、前年度に引き続き発生していない。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)増加した基金の主なものは、財政調整基金である。財政調整基金は、前年度の決算剰余金処分としての積立などにより残高が310,927千円の増加となっている。減少した基金については、「やらんば!平戸」応援基金において、寄附金が前年度より86,588千円減少したこと、事業への充当額がより増して増加したことから残高が278,524千円減少し、令和5年度末の残高は3,230,081千円となり、基金全体の約22.7%となっている。その他にも、事業への繰入(総合戦略に掲げる重点主要施策への充当)により基金残高が減少している。基金全体としては、令和5年度末の基金残高は14,257,937千円で、前年度と比較して19,597千円の増となった。(今後の方針)持続可能な財政運営を行うために、国の動向を注視しながら積立や活用を行っていく予定である。また、平戸市公金管理に関する基本方針に基づき、基金を原資とした各種債券の購入等、運用方法を検討し有効活用を図る。

財政調整基金

(増減理由)前年度の決算剰余金処分としての積立により300,000千円、利子等の積立により10,927千円増加した。(今後の方針)財政健全化計画に基づき、財政調整基金の残高が、令和5年度末時点で標準財政規模の20%程度、27億円の確保に努める。(達成済)

減債基金

(増減理由)利子等の積立により9,817千円増加した。(今後の方針)財政健全化計画に基づき、縁故債について繰上償還を実施してきたが、今後も後年度の負担軽減を図るため、必要に応じて減債基金を活用し繰上償還の実施も検討していく。また、同計画に基づき、減債基金の残高について令和5年度末時点で市債残高の10%程度、27億円の確保に努める。(市債残高の10%以上達成済)

その他特定目的基金

(基金の使途)・新しいまちづくり基金:合併に伴う市民の一体感の醸成と地域の個性あるまちづくりの推進・「やらんば!平戸」応援基金:ふるさと納税による寄附金を原資とし、産業の振興と人口減少抑制に取り組む施策の推進・ひらどふれあい福祉基金:地域における福祉活動の促進、快適な生活環境の形成及び保健福祉の増進・ひらど生き活きまちづくり基金:市民が夢とゆとりをもっていきいきと暮らす活気みなぎるまちを目指し、地域の特性を生かしたまちづくり推進・森林環境譲与税基金:森林の整備及びその促進に関する施策の推進・再生可能エネルギー活用離島活性化基金:本市の自然環境が生み出す再生可能エネルギーを活用し、離島の特性を活かしたまちづくりと産業振興(増減理由)・新しいまちづくり基金:余剰財源を活用した積立金91,000千円と利子等3,309千円の積立による増加と南部市民屋内運動場整備事業等に76,317千円を充当。・「やらんば!平戸」応援基金:寄附金及び利子等785,427千円の積立による増加と総合戦略に掲げる最重点主要施策に1,063,951千円を充当。・ひらどふれあい福祉基金:利子等3,343千円の積立による増加と高齢者いきいきおでかけ支援事業等に29,938千円を充当。・ひらど生き活きまちづくり基金:利子5千円の積立による増加と国際交流振興事業やにぎわいづくり支援事業等に3,523千円充当。・森林環境譲与税基金:森林環境譲与税交付金17,884千円と利子1千円の積立による増加と森林経営管理事業等に4,197千円を充当。・再生可能エネルギー活用離島活性化基金:利子1千円の積立による増加と離島航路対策関係事業等に14,293千円を充当。(今後の方針)各基金の目的に応じ、基金活用に応じた効果的な予算配分を行うよう努め、国の動向を注視しながら積立や活用を行っていく予定である。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当市では、平成29年3月に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設の量や質の適正化により、更新費用を約40%削減するという目標を掲げ、老朽化した施設の統廃合や複合化、長寿命化を進めている。有形固定資産減価償却率については、年々上昇傾向にはあるものの、令和5年度は63.3%で類似団体平均を下回っている。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率については類似団体平均を下回っている。これは地方債の新規発行の抑制や、充当可能基金の増加によるものである。今後も、必要に応じた繰上償還や交付税措置が有利な起債の活用を行いながら、将来的な負担の抑制を図る。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

地方債の新規発行の抑制や、充当可能基金の増加により、将来負担比率はマイナス算定となっており、類似団体と比較して低い水準にある。有形固定資産減価償却率については、類似団体とほぼ同水準で推移しているが、建築後30年を経過した施設が全体の40%以上あるため、引き続き施設の適正管理を進めていく。今後、老朽化した施設の更新等による財政負担が懸念されることから、公共施設等総合管理計画に基づき、効率的・効果的な公共施設等の管理に取り組むとともに、将来的な財政負担の軽減を図る。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率及び実質公債費比率について、ともに類似団体と比較して低い水準にある。将来負担比率の低下傾向の要因としては、新発債の発行抑制により地方債残高が減少傾向にあることや、財政調整基金などの積み立てにより充当可能基金が確保されていることなどが考えられる。一方、実質公債費比率については、低水準を維持しているものの、合併特例債等に係る元利償還金の減少や事業費補正、密度補正により基準財政需要額に算入される公債費が減少したことなどに伴い、1.6ポイント増となっている。将来負担比率が低下傾向にあるため、実質公債費比率についても、低水準で推移するものと見込まれるが、交付税への依存度が高いため、今後の交付税制度次第では上昇していく可能性がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所、児童館である。認定こども園・幼稚園・保育所については、令和5年度に利用児童数の見込みのないへき地保育所の閉園(1箇所)があり、有形固定資産減価償却率は減少した。令和6年度には、放課後児童クラブの新設や認定こども園の改修が予定されており、有形固定資産減価償却率は減少する見込みである。児童館の有形固定資産減価償却率が100%となっているのは、当該施設が築50年以上経過しているためである。公営住宅は類似団体より若干高い数値で推移しているが、公営住宅長寿命化計画に基づき老朽化施設の解体及び集約化を予定しており、将来的に有形固定資産減価償却率は減少する見込みである。インフラ施設のうち、港湾・漁港の一人当たり有形固定資産(償却資産)額が類似団体平均を大きく上回るのは、市内に18の漁港を有するためである。今後は人口の将来見通しや更新費用等の増大などの課題を踏まえると、現在の維持管理のあり方を今後も継続していくことは困難と考えられることから、量的、質的な適正化を図るとともに、適切な維持管理に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、体育館・プールである。これは、保有する5施設が築30年以上経過しているためであるが、令和7年度に南部市民屋内運動場の建替え、平戸市民プールのライフサイクルコスト調査を予定しており、将来的に有形固定資産減価償却率は減少する見込みである。一般廃棄物処理施設の一人当たり有形固定資産(償却資産)額が類似団体平均を大きく下回るのは、松浦市との一部事務組合による施設運営によるためである。消防施設の有形固定資産減価償却率が類似団体平均を大きく下回るのは、平成26年度に消防庁舎の建替え、令和2年度に生月出張所の建替えを実施したためである。また、令和6年度に田平出張所の建替えを予定しており、当面は低い水準で推移する予定である。市民会館の一人当たり面積が類似団体を上回るのは、旧市町村時代に建てられた2施設を保有しているためである。今後も利用者数の動向等を注視しつつ、公共施設等総合管理計画をはじめとした各種計画に基づく適切な維持保全に努めていく。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から2,772百万円の減少(▲2.0%)となった。金額の変動が大きいものはインフラ資産であり、道路、漁港等整備の実施による工作物資産の取得額(+530百万円)に対し、減価償却による資産の減少が上回ったこと等から2,853百万円減少した。負債総額は前年度末から1,094百万円減少(△3.6%)しており、これは地方債償還額に対し、発行額を抑制したことによるものである。特別会計、水道事業会計、病院事業会計等を加えた全体では、資産総額は前年度末から3,322百万円減少(△2.0%)し、負債総額は前年度末から1,874百万円減少(△4.2%)した。資産総額は、水道、病院施設等の固定資産を計上していること等により、一般会計等に比べて22,168百万円多くなるが、負債総額も水道管や医療機器等の整備に地方債(固定負債)を充当していること等から、13,548百万円多くなっている。平戸市振興公社、長崎県後期高齢者医療後期連合等を加えた連結では、資産総額は前年度末から2,595百万円減少(△1.6%)し、負債総額は前年度末から1,879百万円減少(△4.1%)した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等において、経常費用は24,256百万円となり、前年度比77百万円の減少(△0.3%)となった。主な要因としては、物価高騰対策支援事業の増加等により、移転費用である補助金等(前年度比+219百万円、+4.5%)及び社会保障給付(前年度比+103百万円、+3.5%)が増加となった一方、維持補修費をはじめとした物件費等(前年度比△365百万円、▲3.6%)が減少したためである。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益における使用料及び手数料の金額が2,530百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が6,652百万円多くなり、純行政コストは7,893百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が3,086万円多くなっている一方、移転費用の補助金等が13,776百万円多くなっているなど、経常費用が16,852百万円多くなり、純行政コストは13,812百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(22,158百万円)が純行政コスト(23,833百万円)を下回っており、本年度差額は1,675百万円のマイナスとなり、純資産残高については1,677百万円減少となった。これまで整備してきた施設等の減価償却費が純行政コストに含まれており、近年、施設の集約化・複合化を行っていく中で純資産が減少する要因となっている全体では、国民兼保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれていることから、一般会計等と比べて税収等を含む財源が8,006百万円多くなっているが、その他行政コストについても一般会計等と比べて7,893百万円多くなっており、本年度差額は1,562百万円のマイナスとなり、純資産残高は1,448百万円の減少となった。連結では、連結対象企業等の事業収益が含まれることから、一般会計等と比べて事業収入等を含む財源が14,654百万円多くなっているが、事業経費を含む行政コストについても一般会計等と比べて13,812百万円多くなっており、本年度差額は833百万円のマイナスとなり、純資産残高は716百万円の減少となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等において、業務活動収支については、普通交付税の減少により税収等収入は211百万円減少、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の減少等により国県等補助金収入は152百万円減少し、収支は2,959百万円(前年度比△515百万円、△14.8%)のプラスであった。投資活動収支については、積立金の減少により投資活動支出は339百万円減少し、収支は1,910百万円(前年度比+476百万円、+19.9%)のマイナスとなった。財務活動収支については、1,059百万円(前年度比△21百万円、△2.0%)のマイナスとなった。収支トータルでは11百万円のマイナスとなり、前年度末資金残高902百万円を加えて本年度末資金残高は891百万円(前年度比△1.2%)となった。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等が使用料及び手数料収入に含まれることから、業務活動収支は一般会計等より950百万円多い3,909百万円のプラスとなっている。投資活動収支については、2,515百万円のマイナス、財務活動収支については、1,380百万円のマイナスとなっており、本年度末資金残高は前年度から15百万円増加し、3,879百万円となった。連結では、業務活動収支について一般会計等より1,846百万円多い4,805百万円のプラスとなっている。投資活動収支については2,583百万円のマイナス、財務活動収支については1,445百万円のマイナスとなった。本年度末資金残高は前年度から779百万円増加し、6,232百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額(歳入額対資産比率)は、合併前に旧市町毎に整備した公共施設が現存すること、海に面した南北に長い地形のため道路・漁港等のインフラが比較的多いこと、離島を有すること等により、類似団体平均を上回っている。歳入額対資産比率(年)は、令和5年度において減少しているが、新型コロナウイルス感染症関連の国県補助金が減少したためである。有形固定資産の総額は令和5年度においても道路や漁港などの施設整備等により、前年度末に比べて1,283百万円増加している。また、令和5年度の有形固定資産税減価償却率は、類似団体と比較して1.7ポイント低い値となっているが、将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減するため、平成29年3月に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の集約化・複合化を進めるなどにより、施設保有量の適正化に取り組む。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は例年、類似団体平均を上回って推移しているが、令和5年度は純行政コストが税収等の財源を上回ったため、昨年度から純資産が1,677百万円減少している。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、「平戸市行政改革推進「計画」に基づく取組みなどにより、行政コストの削減に努める必要がある。社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、例年、類似団体平均を下回っており、前年度と同水準で推移している。これは令和5年度の地方債発行額を償還額以内に抑えることで、地方債残高が減少したためである。今後も地方債発行額の抑制を行うとともに、交付税措置がある有利な地方債を活用し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは前年度に比べって1.6ポイント増加し、例年類似団体平均を大きく上回っている。これは、行政コストのうち減価償却費を含む物件費等が多くの割合を占めており、類似団体と比べて住民一人当たり行政コストが高くなる要因となっている。減価償却費については5,846百万円と高く、継続して実施してきた社会資本整備によるものである。施設に係る維持補修費等について、財政運営を圧迫しないよう今後は財政規模に応じた適正な施設の整備を計画し、行政コストの削減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は前年度から1万6千円減少しており、これは令和5年度に負債の大部分を占める地方債残高が減少したことによるものである。また、例年、類似団体平均を大きく上回っているが、これは、資産の状況で述べたような本市の特徴により、社会資本整備に係る地方債残高が類似団体と比べて多いことによるものである。今後は地方債発行額の抑制により、将来世代の負担の減少に努める必要がある。業務・投資活動収支は、支払利息支出を除いた業務活動収支の黒字分が、基金積立金支出及び基金取崩収入を除いた投資活動収支の赤字分を上回り、1,157百万円の黒字となり類似団体平均を上回っている。投資活動収支が前年度より減少しているのは、令和5年度の公共施設等整備費支出及び基金取崩収入が増加したためである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は例年、類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。今後は、令和2年12月に策定した「受益者負担の適正「化に関する指針」に基づき、適正な受益者負担の原則に立って、各種施設の使用料等の見直し等を行い、維持管理経費に充当する使用料・手数料などを確保する必要がある。経常費用について前年度から77百万円減少しており、これは物価高騰対策事業により補助金等の移転費用が増加する一方、維持補修費をはじめとした物件費等が減少したためである。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,